君の名前で僕を呼んで(Call Me by Your Name)のネタバレ解説まとめ

『君の名前で僕を呼んで(Call Me by Your Name)』とは、2017年に公開されたルカ・グァダニーノ監督による青春・ラブロマンス映画。17歳エリオは大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーとひと夏を共に過ごす。そんなエリオの初めての、そして生涯忘れられない恋の痛みと喜びを描いている。本作はアンドレ・アシマンが2007年に出した小説『Call Me by Your Name』を原作としている。今作では原作の物語の途中までしか描かれておらず、続編の構想が明かされている。

『君の名前で僕を呼んで』の概要

『君の名前で僕を呼んで』とは、2017年のイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合衆国合作の青春映画。
アンドレ・アシマンが2007年に出した小説『Call Me by Your Name』を原作としている。この小説は、アンドレが少年時代にイタリアで過ごした思い出を元に描かれている。
映画化するにあたり、メガホンを取ったのは『胸騒ぎのシチリア』で男女の誘惑や理性を上手く描き出したイタリア出身のルカ・グァダニーノ監督。
本作がサンダンス映画祭でプレミア上映された際、批評家のレビューは絶賛一色であった。第90回アカデミー賞で4部門(作品賞、主演男優賞、脚色賞、歌曲賞)にノミネート、見事脚色賞を授賞した。興行収入は3億円を記録する大ヒットとなった。
また、主演を務めたティモシー・シャラメは主演男優賞やブレイクスルー賞を受賞し世界中から注目を集めた。

1983年夏、北イタリアの避暑地で家族と夏を過ごす17歳のエリオは読書、プール遊び、夜はダンスパーティに耽っていた。ある日、大学教授の父が招いた24歳の大学院生オリヴァーと出会う。チャーミングで、誰とでもすぐ仲良くなるオリヴァーを最初は気に入らなかったものの、一緒に自転車で街を散策したり、泳いだり、午後を読書や音楽を聴いたりして過ごすうちに、エリオのオリヴァーへの気持ちは恋へと変わっていく。 眩しすぎる太陽の中で、激しく恋に落ちる2人だが、夏の終わりとともにオリヴァーが去る日が近づいてくる。エリオにとって初めての、そして生涯忘れられない男性同士の恋の痛みと喜びを描いた作品。

『君の名前で僕を呼んで』のあらすじ・ストーリー

オリヴァーとの出会い

毎夏訪れる別荘でゆっくりと過ごすエリオ

舞台は1983年、イタリアの避暑地。
エリオの父親はローマの美術史学を専門にしている大学教授で、毎年夏になると、家族で北イタリアを訪れ、別荘で過ごすことにしている。
エリオは父親の影響からか、詩や小説に感銘を受け、ピアノを弾く等かなりのインテリ少年。
父親の仕事のインターンとして、毎夏、学生が一人やって来て共に過ごす事になっている。
父親と母親は楽しみにしているが、エリオは毎年この期間が憂鬱であった。それは、亡き祖父との思い入れのある部屋をインターンの学生が使用するからだ。
そして、今回やって来たのが男子学生のオリヴァーだった。アメリカ人で、博士課程に在学中の24歳の大学院生。今まで来たインターンの中でも頭が良く、オリヴァーのスマートに対応する仕草が自信家に見えてしまい、エリオはそんなオリヴァーが気に食わなかった。
エリオの女友達であるマルシアもオリヴァーを見て「自信家っぽい」と評した。
オリヴァーが家に到着し、エリオが部屋を案内するやいなや、オリヴァーは長時間のフライトの疲れから部屋で眠ってしまう。夕食の準備ができた事を告げに部屋まで行ったエリオだったが、オリヴァーは眠り続けていた。

気に入らない存在

オリヴァーが家族との団欒に参加し、朝食を共にする

翌日の朝、オリヴァーはすっかり疲れがとれた様子で、朝食の席につき、エリオの家族や周囲の人達とすぐに打ち解ける。
ある日、エリオの女友達のマルシアとキアラとエリオとオリヴァー数人でバレーボールをした時、オリヴァーは冗談半分のようにエリオの裸の肩に触れてくる。その時、何かを感じたが、どう反応したら良いか分からないエリオは思わず不機嫌な表情となる。
オリヴァーの「あとで」という口癖がエリオには、冷たくあしらわれている様に感じてしまい、「嫌いかも」とエリオは母親に愚痴を言う。
母親は、そんなエリオに「この夏ずっと一緒に過ごす人なのよ」とエリオをたしなめる。

友達以上の思いが芽生えていく

ダンスパーティーでエリオの女友達と踊るオリヴァー

毎日顔を合わせ、一緒に泳いだり、音楽をともに楽しんだりしているうちに、エリオがオリヴァーを思う気持ちは次第に変化していく。
少しきつい言い方をオリヴァーにしてしまったと気になったり、オリヴァーは僕のことが嫌いかもしれないと不安になったり。エリオの視線は常にオリヴァーを追うようになっていた。
街ではパーティーが行われ、オリヴァーは楽しそうにキアラと踊っていた。周囲に溶け込む事が上手なオリヴァーは直ぐに注目の的となっていた。そんなオリヴァーを見ていたエリオは焼きもちを焼いていた。
その夜、オリヴァーに対する理解できない感情を忘れようとエリオはマルシアと一緒に湖の近くに行き、服を脱ぐと、一緒に湖に入ってはしゃいだ。それから、また会う約束をした2人だった。

初めての恋心を告げる

父に誘われ、遺跡を見に行くエリオとオリヴァー

翌日の午前、ガルダ湖で遺跡が発見されたという知らせが入り、父親とオリヴァーは急遽、現場に出かけることになった。エリオも同行させてもらい、彼らの目の前に歴史的な彫像が引き上げられ、その姿を目撃し目を輝かせるオリヴァーとエリオだった。エリオとオリヴァーはお互いが好きな芸術的な部分で共感し合えた。
ある夜、エリオの母が、王女に強烈な恋をして相手に思いを告げるかを悩む騎士の話である「エプタメロン」という小説をエリオに読み聞かせた。
翌日、エリオはオリヴァーと自転車で街に出かけた。オリヴァーに「誰よりも知識がある」と褒められたエリオは「大事なことは何も知らないんだ」と答える。「大事なことって何」と問うオリヴァーに「わかるだろう?」と答えるエリオ。「なぜ僕に言う?」と聞くオリヴァーに対して「知ってほしいから。あなたにしか話せないから」と告げるエリオだった。「そういう話はすべきではない。わかったね」とオリヴァーがエリオを優しく宥め、二人は再び自転車を走らせた。
エリオが抱くオリヴァーへの好意はいつしか愛へと変わっていた。
エリオは自分だけの場所だという小さな湖にオリヴァーを連れて行き、彼と一緒に草むらに並んで寝そべった。我慢できなかったのか、オリヴァーはエリオにキスをし、唇が離れると、今度はエリオから激しくキスをする。
だが、オリヴァーは「そのままでいよう。僕たちは恥ずべきことはまだ何もやっていない」と言いキスをやめ、2人は家に戻った。
その日やってきた客人である同性愛者のカップルを快く歓迎するエリオの両親。同じテーブルについたエリオとオリヴァーは静かに座っていたが、突然エリオが鼻血を出し、席を離れた。エリオの様子を心配し、様子を見にオリヴァーが向かう。「少し一緒にいて」とエリオが言うと、オリヴァーは足のマッサージをして一緒にいた。

好きな相手への不安

オリヴァーへの気持ちを紛らわそうとして、マルシアと良い雰囲気になるエリオ

それからエリオは毎晩、オリヴァーの帰りが遅いのにやきもきしていた。芝生でキスをしてからオリヴァーの態度が冷たくなってしまったと感じるエリオ。毎晩遅くに帰ってくるオリヴァーに対して「裏切りもの」と呟かずにはいられなかった。
エリオはオリヴァーに対する気持ちを排除しようと、マルシアを自宅に招き、誰も来ない場所に入っていくと抱き合いキスをした。その日二人は結ばれ、エリオはマルシアを愛しく思い、満足感を味わった。
マルシアと愛を交わすことで、オリヴァーのことを忘れられると思ったエリオでだったが、直ぐにまたオリヴァーへの想いが押し寄せ、自分を避けているのではないかと不安な気持ちが強くなる一方だった。
ある晩、エリオは「無視しないで何か反応してくれよ。僕の心が張り裂けそうだよ」と手紙を書き、オリヴァーの部屋のドアの隙間に差し込む。
しばらくしてから、エリオの机の上に紙片が置かれていた。そこには「大人になれ。真夜中に会おう」と記されていた。
エリオは訪ねてきたマルシアと再び体を重ねたが、オリヴァーと会う時間が気になってしょうがなかった。

初めての2人の夜

初めて関係を持ち、抱き合うエリオとオリヴァー

待ち望んでいた夜がやってきた。「キスしても?」と問うオリヴァーにエリオは「お願い」と答え、二人はキスをした。「本当に望んでいる?」と尋ねるオリヴァーにうなずくエリオ。「鼻血を出すなよ」というオリヴァーの冗談に「勿論だ」とエリオは応じ、2人は抱き合った。そしてついに2人は結ばれる。「君の名前で僕を呼んで。僕の名前で君を呼ぶ」とオリヴァーが言うと、エリオは自分の名前を何度も口にし、オリヴァーに向かって呼びかける。
翌朝、まだベッドに寝そべっている2人。「到着した日に着ていたシャツ、発つ日にもらえる?」とオリヴァーにお願いするエリオ。オリヴァーは「昨夜のことで僕を恨むか?」と尋ねるが、エリオは「いいや」と言って首を横に降った。「僕がどれだけ幸せかわかるか?」とオリヴァーは言い、「帰らないでほしい」とエリオは懇願する。オリヴァーの滞在期間は残り少なくなっていた。
数日後、エリオは家にやって来たマルシアに「もう3日も会ってないわ。私はあなたの彼女?」と問われるが、それに答えられず、立ち尽くしてしまう。マルシアは背中を見せ、去って行った。

2人の夏の終わり

オリヴァーとの別れで悲しみに堪えきれず車内で泣いてしまうエリオ

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