東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)のネタバレ解説まとめ

「東亰ザナドゥ(Tokyo Xanadu)」とは、日本ファルコムより発売されたPlayStation Vita専用のアクションRPGである。主人公の高校生・時坂洸が、ヒロインの同級生・柊明日香と出会い、謎の世界「異界」に挑んでいく物語を描いている。日本ファルコムを代表とする人気ファンタジーRPG「イース」「空の軌跡」とは一風変わって、現代の日本を舞台にしたストーリーと世界観が大きな特徴となっており、ファルコムの新たな時代展開を象徴する一作として注目を集めている。

『東亰ザナドゥ』の概要

本作は日本ファルコムが発売したPlayStationVita専用のアクションRPGであり、初期に開発したゲームタイトル「ザナドゥ」の名を冠しているのと、異質感を出すための演出としてタイトルの「東京」を「東亰」に変えているのが特徴となっている。
ストーリーは東亰郊外にある架空の地方都市「杜宮市」を舞台に、怪物たちがひしめく迷宮のような異次元空間「異界(ザナドゥ)」に関わる主人公の高校生の時坂洸と、ヒロインの柊明日香とその周りの人物たちの物語を描いたものとなっている。

そして本作ではファルコム初の本格的なアニメーションが3Hzによって制作され、オープニングとして採用されており、さらに舞台となる杜宮市は、日本ファルコムの本社が置かれている立川市を中心とした多摩地区がモデルとなっており、これらも話題を呼ぶものとなっている。また、2016年9月8日には本作のストーリーの後日譚をはじめとした追加エピソードなどの新要素を搭載したPlayStation4用ソフト「東亰ザナドゥeX+」が発売されている。

『東亰ザナドゥ』のあらすじ・ストーリー

プロローグ〜ソラ編(第1話・第2話)

明日香の初登場シーン。夜の蓬莱町をひとり歩く彼女の後ろ姿に目をつけ、不良たちがその後をつけていく。

そして、明日香にさらに迫ろうとした不良たちのすぐ横で、赤い亀裂が空間に現れる。

洸が入り込んでしまった先の異界の奥で、明日香はエクセリオンハーツを召喚し、自分を取り巻く怪異たちと対峙する。

現実世界に戻った後、明日香は優しげな表情と言葉と共に、洸を眠りにつかせた。

ある日、杜宮学園に通う高校2年生の時坂洸は、杜宮市の繁華街・蓬莱町の一角にあるカフェバーのアルバイトをこなしていた。そしてアルバイトが終わった頃にはすっかり夜遅くになってしまっていた。そんな中、繁華街をひとり歩く、見覚えのある制服姿の少女を見つける。その少女の名は柊明日香で、自分と同じクラスメイトであり、容姿端麗、文武両道の帰国子女として知られる有名な存在だった。そんな彼女がこの夜の蓬莱町をひとりで歩いているという妙な事実を疑問に思いかけた時、黒いパーカーを着た二人の不良がニヤニヤ笑いながら明日香の後をつけているのを目撃する。「……ったく、バイトが終わったばかりだってのに」と、そう溜め息をつきながら、洸はすぐさま後を追った。そして、後を追った先で行き着いたとあるガード下で、明日香は不良たちに絡まれていた。洸がその場に割って入ろうとした時、バキン、という音と共に、突如空間にひび割れが生じ、そこから赤く輝く「扉」が現れた。洸と不良たちが驚いて目を見張った瞬間、明日香が険しい表情でこう言った。「現れたわね……異界の門(ゲート)!!」その明日香の言葉の後、「門(ゲート)」と呼ばれる赤い扉が放つ輝きに、彼女と不良たちは呑み込まれていく。それを見て、いてもたってもいられなくなった洸が、明日香の名を叫びながら門にとっさに駆け寄った時、洸の目の前に広がったのは、辺り一面が不気味に輝く迷宮を思わせる異様な空間だった。
状況を理解できないまま奥に進むと、倒れている不良たちがいて、その不良たちの側に明日香が悠然と立っていた。洸が安堵に溜め息をついた時、小鬼を思わせる異形の怪物たちが現れ、明日香と倒れている不良に襲いかかる。またいてもたってもいられなくなった洸が駆け出そうとした時、明日香は宙に手を向けてこう叫んだ。「出でよ、『エクセリオンハーツ』!!」その瞬間、明日香の手の中に青い光をまとった銀色の長剣が現れ、その剣を手に取った明日香は怪物たちに立ち向かい、このことごとくを鮮やかに斬り伏せるのだった。洸が呆然とする中、怪物たちは全て倒され、同時に異様な空間は消失していき、気がついた時にはあのガード下に戻っていた。そして、明日香は洸を振り返ると、無鉄砲な所があると苦笑しながらも、サイフォン(スマートフォン型の携帯電話)を取り出し、洸に向けてかざしながら優しくこういった。「夜はいつか明けるのと同じように、悪夢もいつかは覚めるもの。おやすみなさい、時坂君……どうか、新しい朝を迎えられますように」その明日香の言葉を聞いた瞬間、洸は青白い光に包まれ、意識を失った。

あの信じ難い出来事が嘘だったかのように、洸は幼馴染の栞、そして中学時代からの友人である遼太と純と共に穏やかな時間を過ごす。

しかしその日の夕方、今度は栞が信じ難い出来事に直面することになり、洸はこれがきっかけで後戻りできない道に踏み入れてしまう。

再び命の危機にさらされる洸の前に、謎の少女(レム)が姿を現した。彼女の意味ありげな言葉での導きで、洸も戦う力を手に入れる。

栞の囚われている最奥に辿り着いた洸と明日香の前に、最初の強敵であるエルダーグリード「メネスオーガ」が姿を現す。そしてこの後、洸はエルダーグリードと幾度となく対峙していくことになる。

気がづくと朝になっており、洸は自分の部屋のベッドの上にいた。洸は昨夜の出来事がすべて夢だったのではないかと疑うが、脳裏には断片的に昨夜の出来事の記憶が残っていた。釈然としない洸は、学校で明日香と出会った際に説明を求めようとするが、彼女にのらりくらりとかわされて、まともに相手にされなかった。洸も自分が疲れているのだろうと思い直し、今日はバイトが終わったらすぐ帰って休むことにしようと決めて、再びバイトへと向かった。しかしそのバイトの途中、幼馴染でクラスメイトの倉敷栞が怪物と思しき不気味なシルエットに追われ、突然再び現れた赤い門に呑み込まれるのを目撃する。これを見て弾かれたようにバイト先を飛び出した洸は、栞を救出するために門へ飛び込む。そしてまた、異様な空間に飛び込んだと同時に、洸の脳裏に昨日のあのガード下での記憶が蘇る。驚きを隠せない洸に、後ろから「驚いたわね。まさかこの場所を再び訪れているなんて」と、声をかけてきた者がいた。後ろを振り返ると、そこに明日香が立っていた。明日香によるとこの場所は現実世界と並行して存在するもう一つの世界「異界」であり、普段は見ることも触ることもできない場所だが、異界へ通じる赤い門が現れる「異界化(イクリプス)」と呼ぶ現象によって通路がつながり、異界へ呼び寄せられてしまうとも明日香は語った。そして栞は、その異界化に巻き込まれたのだと明日香が言った時、二人の周りの空間が歪み、いくつもの光が迸ったかと思うと、その光の中から「怪異(グリード)」と呼ばれる異界に住む怪物たちが現れ、こちらを取り囲む。
そして栞も、この異界のどこかに一人で迷い込んでいるのは間違い無く、下手をすると「ヌシ」と呼ばれる異界の支配者の下にいるかもしれない。だからこのままだと、栞の命が危ないと叫びながら、明日香は怪異たちに向けてエクセリオンハーツを構える。その一方、訳がわからない展開の連発の中、大事な幼馴染が危険な目に遭っているのに何もできないという自分の無力を痛感して、洸はその場にうずくまってしまう。するとその時、「力がほしいかい?」と、澄んだ少女の声が聞こえてきて、同時に明日香と怪異たちも含めた周りのもの全ての時間が止まった。洸が顔を上げると、彼の目の前の空間に、銀色の長髪の幼女が微笑みながら宙に浮かぶようにして佇んでいた。「力なら最初から君の中にある。さあ、引き出してみるといい。全てはそれからだ……」銀髪の幼女が楽しそうにそう言い残し、姿を消した時、洸の体に光が宿った。幼女が消えて時間が動き出した中、振り返った明日香が目を見張った時、洸は腕をかざしてこう叫んだ。「来い、『レイジングギア』!!」その叫びと共に、洸の右腕に剣のような形状をした腕甲型の武器が現れ、洸は無我夢中でその武器・レイジングギアを振るって怪物たちを蹴散らした。こうして洸は明日香と同じように、人間の魂や感情に共鳴して力を発揮する武器「ソウルデヴァイス」を操り、怪異に対抗できる力を持った「適格者」として覚醒したのだった。
その後、明日香と共に並み居る怪異たちを蹴散らしながら異界の迷宮を踏破し、最奥に待ち構えている「ヌシ」こと支配者の怪異である「エルダーグリード」で、巨大な悪鬼のような姿をした怪異・メネスオーガを倒し、栞を救出することに成功する。メネスオーガを倒し、現実世界へと戻ってきた洸が腕に抱いた栞の無事に安堵する中、明日香は腑に落ちない表情でひとり夜空を見上げていた。

宗介に朝早くから稽古をつけてもらっている空。しかしこの時の彼女の姿を見た洸は「微妙に動きにキレがない」と不自然に思っていた。

そして洸も、宗介に性根を叩き直すという名目で空共々稽古を受けさせられる羽目になったが、先の異界のことを思い出し、このあたりでカンを取り戻すために受け入れた。

栞を救出し、異界から帰還してきた後、明日香に詰問する洸。明日香もある程度知っておいたほうが秘密は守れるだろうと思い、自分の素性を打ち明ける。

明日香の名台詞「重ねて言うわ。これ以上、立ち入るのは止めなさい」のシーン。この台詞で縋り付いてくる洸を突き放した後、話はこれで終わりだとばかりに明日香はどこかへと去っていった。

それから数日後。従姉であり杜宮学園の教師である九重永遠に「神社の手伝いに来てほしい」と朝早く呼び出された洸が、彼女の実家のある九重神社に向かってみると、神社の敷地の道場から勢い良い少女の掛け声が聞こえてきた。気になって見に行ってみると、精悍な顔つきで眼鏡をかけた道着姿の老人が厳しく檄を飛ばす中、同じく道着を着た小柄な青髪の少女が宙に向かって拳と蹴りを繰り出し続けていた。洸にはその二人に見覚えがあった。道着姿の老人は、永遠の祖父で九重神社の神主である九重宗介で、中学時代までにこの道場で稽古をつけてくれた人物だ。そして道着姿の少女は杜宮学園に転校してきた玖州出身の1年生で、洸のかつての妹弟子である郁島空だった。「なんじゃ、やっと来たのか」と、洸に気づき、退屈そうに振り返った宗介が洸に道着を手渡し、「今日はよろしくお願いしますね!」と、空が笑顔で会釈してくる。洸が奇妙に思うと、宗介がニタリと不気味な笑いを浮かべてこう言い放った。「しばらく挨拶にも来ぬ上に校則違反の深夜アルバイト……さぞシゴき甲斐がありそうじゃのう?」その言葉に洸がギクリとなった時、バツが悪そうな笑顔の永遠がその場に現れた。実は以前の夜遅くまでのアルバイトに宗介が勘付いてしまい、それで孫娘である永遠にどんな手を使ってでも呼び出せと命令したのだった。こうして洸は性根を叩き直すという名目で、空と一緒に久しぶりの稽古を受けさせられることになった。
そんな中、洸は適格者として覚醒した数日前のあの日、異界から戻ってきた後のことを思い出していた。明日香が栞に向けてサイフォンをゆっくりとかざし、何かの呪文を唱えると、栞の体は青白い光に包まれ、ぼんやりとしかけていた栞は糸が切れた人形のようにそのまま洸の腕の中に崩れ落ちた。栞に何をしたと気色ばむ洸に、明日香は記憶を消しただけだと答え、次に自分は異界を監視する組織「ネメシス」の一員で、何十年も前から起きている異界化など異界に関わる異変の全てを調査、解決してきたと語った。まるでアニメやライトノベルのような話だ、と途方にくれる洸に、明日香は理解する必要はないと突き放すように言い、栞も朝には目をさますから家まで送ってやれとも言い残し、その場を去ろうとする。それに洸が慌てて呼び止めようとするが、明日香は去り際に冷たくこう言い放った。「重ねて言うわ……これ以上、立ち入るのはやめなさい」

空が千秋に叱責されているシーン。しかし空にはどうして自分がここまで責められなければいけないのか理解できていない。

そして千秋の叱責の理由にして本心は、人並み外れた空の才能の嫉妬と恐怖から来るものだった。

さらに弱り目に祟り目として、空も異界化に巻き込まれてしまった。

そして再び洸の前に姿を現す明日香。洸の無謀さに呆れながらも、洸の再度の助力を認める。

そうして明日香に冷たい警告を投げかけられた洸だが、彼女や、栞が巻き込まれた異界のことをどうしても放っておくことができなかった。その後、学校で明日香に何度も話しかけようとした洸だが、いずれも上手いことかわされてしまい、二進も三進もいかない状況にもやもやしていた。そんな中、バイトに向かおうとした先に通りかかったクラブハウスの武道場から、「郁島! 何度言ったらわかるの!?」と、剣幕をきかせた少女の声が聞こえてきた。中を覗いてみると、武道場では空が所属している女子空手部が練習をしている最中で、その武道場の一角では女子空手部に所属している洸の同級生・相沢千秋が、空を厳しい声でどやしつけていた。その一方で空は、なぜここまでどやされなければならないのか、と言いたげに困惑していた。そして洸も、その空をどやしつける千秋を見て、まるで空に恨みでもあるかのようだと不審に思っていた。
その後、洸が商店街のスポーツ用品店でバイトをしていると、今朝の時とは違ってどこか元気のない空がやってきた。何があったのか洸が聞いてみると、空はこう語り始めた。地元の玖州からやってきて間もない頃、右も左もわからなかった自分が最初に出会ったのが千秋で、親切にも接してくれた。そして、空手部に入ってからも練習方法や部活の後の息抜きなど色々なことを教えてくれたが、先週あたりから洸が見た時と同じように厳しい声でどやしつけられたり、話しかけても返事をしてくれなかったなど、まるで人が変わったかのように千秋は自分に冷たくなった、と。しかし、このままでは終われないとばかりに空は、もう一度千秋に話をしてみると言ってその場を後にした。
バイトを終えた後、洸は空が心配になり、彼女が住んでいるというアパートのほうまで行ってみた。するとアパートの前に、空、そして千秋の姿があった。商店街にたまたま立ち寄ったところを空に捕まえられたらしい千秋は、げんなりした表情だった。「あんたも部活で疲れてるでしょうし……休まないと明日に差し支えるわよ」と、突き放すように言ってくる千秋に、空は悲痛な表情でこう訴えた。「何度考えても……どうしても分からないんです。一体、何がいけなかったのか。わたし、先輩とずっとこのままなんて嫌なんです! もしわたしが『原因』なら、ちゃんと言ってほしいんです!」その言葉を聞いてわずかな間を置いてから、千秋が急に爆発した。「人の気も知らないで……! あんたさえいなければ、こんな思いをしなくてすんだのにっ!」その叫びに驚きを隠せない空。だが千秋は、悲痛な表情になりながらこう叫び続けた。「どうしてわざわざ杜宮に来たの……? 立派な流派があるんでしょう!? 地元で頑張ればよかったじゃない!! あんたが入部してきたせいであたしはっ……!!」ついに目の当たりにする千秋の自分への思いに、空が茫然自失となりかけたその時、洸が割って入り千秋を止めると、千秋は泣きそうな表情で洸を一瞥してからどこかへ走り去ってしまう。その直後、空の背後に門が現れ、禍々しい光を放ちながら空を引き込んだ。それを見た洸が慌てて門の中へ飛び込むと、そこはやはり異界だった。そして近くに空の姿はない。洸が焦りに舌打ちした時、明日香がいきなり現れた。またも洸が異界にいることに驚きながらも、明日香は空は自分が助けるからここで引き返せと言うが、「巻き込まれたのは俺の後輩だ……黙って見ていられる訳ねえだろうが……!」と、洸は一蹴し、レイジングギアを召喚して異界の奥へと向かう。明日香は呆れながらも、仕方がないとばかりに自分もエクセリオンハーツを呼び出し、洸と共に異界の奥へと向かう。

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