るろうに剣心 最終章 The Final（実写映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『るろうに剣心 最終章 The Final』の概要

『るろうに剣心 最終章 The Final』（るろうにけんしん さいしゅうしょう ザ ファイナル）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』（るろうにけんしん めいじけんかくろまんたん）の長編エピソード「人誅編」を原作とする実写映画。監督と脚本は大友啓史、制作はワーナー・ブラザース映画。コロナウイルスの流行に合わせて幾度かの公開延期を経た後、2021年4月23日に公開された。
伝説の人斬り緋村剣心（ひむら けんしん）と、姉の仇として彼を狙う復讐鬼雪代縁（ゆきしろ えにし）を中心とする壮絶な戦いを描く。主人公の剣心は前3作から続いて佐藤健が演じ、画面を所狭しと暴れ回る派手なアクションで好評を博す。興行収入40億円を超えるヒット作となり、人気キャラクターの瀬田宗次郎（せた そうじろう）がサプライズ出演したことでも話題となった。

かつて人斬りとして名を馳せた伝説の維新志士緋村剣心は、己の犯した罪を悔いて10年の時を贖罪の旅に費やす。やがて東京で“剣によって人を活かす”という活人剣の教えを広めんとする少女剣士神谷薫（かみや かおる）と出会った剣心は、彼女と彼女の掲げる新たな剣術の理想を見守りたいと考え、この地に腰を落ち着けるようになる。そんな彼の前に唐突に現れたのは、かつて混戦の中で誤って斬り殺してしまった妻の弟である雪代縁だった。
姉を敬愛していた縁は、剣心への復讐のためだけに人生を捧げ、海外で一大勢力を築き上げていた。その組織力と謀略によって東京は火の海に沈み、剣心と仲間たちがこの対処に翻弄される中、縁は「姉を殺したお前が新たな幸せを手に入れることなど許さない」と薫を拉致。薫を救うため、縁との因縁に決着をつけるため、剣心は彼の待ち受ける館へと乗り込んでいく。

『るろうに剣心 最終章 The Final』のあらすじ・ストーリー

これまでの剣心の歩み

『るろうに剣心』

幕末の京都で人斬りとして活躍し、“最強の維新志士”とも称された緋村剣心（ひむら けんしん）は、しかし「誰もが幸せに暮らせる新時代のため」と信じて重ねた殺戮が本当に正しかったのかどうか悩み、贖罪の術を求めて1人旅に出る。
10年後、東京にやってきた剣心は、そこで自分の名で凶行を繰り返す謎の剣客と、これを追う少女剣士神谷薫（かみや かおる）と出会う。薫は“剣によって人を活かす”という活人剣の理想を掲げる剣術道場を女手1つで守り続けており、自身の流派の名を騙って悪行を続ける偽剣心を許せないと感じていた。

薫の掲げる理想に「自分は剣を人殺しにしか使えなかったが、これから先の剣術はこのような輝かしい理想と共に在ってほしい」との希望を感じた剣心は、自分の偽者を放っておくこともできず、薫の道場の世話になりながら事件解決に乗り出す。
新たな仲間となった喧嘩屋の相楽左之助（さがら さのすけ）、幕末時代の好敵手の1人でもある元新撰組三番隊隊長の斎藤一（さいとう はじめ）らと共に事件を追う剣心は、やがて裏で全ての糸を引いていた闇商人を成敗し、自身の偽者とも決着をつける。この中で自身の人斬りとしての過去とその罪の重さを改めて実感した剣心は、「新たな剣術の行く末を見守りたい」との想いから、引き続き薫の道場に留まることを選ぶのだった。

るろうに剣心（実写映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

『るろうに剣心』（るろうにけんしん）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とする実写映画。人斬りとして刃を振るった過去を悔いる剣士が、明治という時代の中で弱者を守るために戦う様を描いている。原作の派手なアクションを可能な限り再現しており、漫画原作映画の中でも傑作の1つとされている。
伝説の人斬り緋村剣心は、維新の成立と共に仲間たちの前から姿を消し、贖罪の旅を続けていた。ある時彼は神谷薫という少女と出会い、彼女の道場が“偽者の緋村剣心”に苦しめられていることを知る。

『るろうに剣心 京都大火編』

剣心の後釜として人斬り稼業を受け継いだ志々雄真実（ししお まこと）は、その獰猛な性格と大き過ぎる野心を警戒され、仲間の維新志士によって闇に葬られた。しかし気絶したところに火をかけられた上でなお息を吹き返した志々雄は、復讐と国盗りを兼ねて明治政府を相手に武力闘争を目論み、瀬田宗次郎（せた そうじろう）や沢下条張（さわげじょう ちょう）といった猛者を配下に加えながらそのための準備を進めていた。
志々雄の存在とその危険性を知った剣心は、「また人を斬ることになるかもしれない」と戦慄しつつ、彼を止めるためにその本拠地である京都へと向かう。この際、「人を斬ることも覚悟で志々雄との戦いに臨む以上、活人剣の理想を掲げる者とは一緒にいられない」として薫に別れを告げるが、彼女もまた仲間たちと共に剣心を追いかけて京都にやってくる。

徳川幕府の配下として京都を守り続けてきた隠密御庭番衆という新たな協力者も得た剣心は、合流した薫たちと共に志々雄一派の都市破壊計画「京都大火」を阻止。しかし実はこれ自体が大きな囮であり、志々雄は切り札である甲鉄艦「煉獄」にて悠然と東京に向けて出港する。
剣心の実力と読みの鋭さを警戒した志々雄は、彼を仕留めるために部下に薫を拉致させ、これを助けようと追ってきた剣心を煉獄に誘い込む。必死に応戦する剣心だったが多勢に無勢で追い詰められ、「もはや用済み」として甲板から蹴り落とされた薫を救おうと海に飛び込み、荒波に飲まれて溺れてしまう。翌朝、息も絶え絶えで浜辺に打ち上げられた剣心を、彼の師である比古清十郎（ひこ せいじゅうろう）が回収する。

るろうに剣心 京都大火編（実写映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

『るろうに剣心 京都大火編』（るろうにけんしん きょうとたいかへん）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とする実写映画。国家転覆を目論む武装組織との戦いを描いた長編エピソード「京都編」の前半を映画化したもの。人気悪役の志々雄真実を実力派の藤原竜也が演じることで話題となった。
伝説の人斬り緋村剣心が新たな道を踏み出した頃、京都では凄腕の剣客にして野心家の志々雄真実が明治政府打倒のために活動を開始していた。剣心と仲間たちは、志々雄の打倒を目指してそれぞれに動き出す。

『るろうに剣心 伝説の最期編』

比古の家で目覚めた剣心は、薫を助けられなかったことを悔やみ、かつて喧嘩別れした師に「志々雄に勝つため、奥義を伝授してほしい」と頼み込む。比古はこれを了承し、剣心に「生きたいと願う心こそが全ての強さの根幹であり、人斬りとしての過去に怯えるお前が失ったものだ」との気付きを与える。一方、薫は薫で生きており、仲間たちと共に剣心との合流を目指す。
その頃、煉獄は東京に到着していた。煉獄の砲撃によって首都が火の海になれば新たな内乱が勃発し、今の明治政府にそれを抑え切る体力は無い。恐慌に陥った明治政府は、志々雄をもてなして懐柔しようとするも、その弱腰の姿勢は「復讐しようと乗り込んでみれば、相手がこれじゃ張り合いがない」とかえって志々雄を苛立たせる結果となる。

ここで志々雄は「明治政府自らの手で、もっとも目障りな剣心を始末させる」という悪辣な謀略を閃き、これを実行するよう強要。明治政府は唯々諾々とこれに従い、「それで内乱が避けられるなら」と剣心が受け入れてしまったことで、剣心の処刑は粛々と進行。駆け付けた薫たちの見守る前で、その首は落とされようとする。
しかし、これこそは「明治政府が本当に自分の首を落とすかどうか、志々雄は必ず自分の目で確かめようとするはず」と考えた剣心と明治政府の策略に他ならなかった。処刑人に扮した斎藤によって戒めから解放された剣心は、見物していた志々雄一派に襲い掛かり、仲間と共にこれを蹴散らしていく。激怒する志々雄の恐るべき剣技に苦戦する剣心だったが、比古から伝授された奥義でこれを打ち破り、日本を内乱の危機から救う。大敵との戦いに決着をつけた剣心は、再び仲間たちの下へと戻り、薫の隣で剣術の未来を見守っていくのだった。

るろうに剣心 伝説の最期編（実写映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

『るろうに剣心 伝説の最期編』（るろうにけんしん でんせつのさいごへん）とは、和月伸宏の人気漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を原作とする実写映画。国家転覆を目論む武装組織との戦いを描いた「京都編」の後半を、オリジナルの展開を交えて映画化したもの。前作と合わせて100億近い興行収入を達成する大ヒットとなった。
明治政府打倒を目論む志々雄真実を倒すため、奥義を修得する緋村剣心。その志々雄は明治政府を脅し、剣心を処刑させることを画策。剣心は否応なく人斬りとして犯してきた罪との対峙を迫られる。

謎の武器商人

志々雄一派の反乱を未然に防いだ後、表向きは警察官として過ごしている斎藤はその後始末に奔走されていた。中でも「志々雄に煉獄を売り払った人物」を捕まえることは急務であり、大量の人材が投入される。その努力は実を結び、斎藤は清国から来た武器商人を確保するも、清国政府からの横槍でこれを解放せざるを得なくなる。雪代縁（ゆきしろ えにし）という名のこの武器商人は、剣心のことも知っているらしく、斎藤は両者の間になんらかの因縁があることを感じ取る。
縁の動向を見張るため、警察はかつて志々雄配下の精鋭部隊に所属していた張を密偵として送り込む。しかし減刑を条件に嫌々警察に従っていた張は縁に取り込まれてしまい、逆に縁側の密偵として警察の情報を彼に流すようになっていった。

そんなある日、剣心や薫が贔屓にしている牛鍋屋に砲弾が撃ち込まれる。剣心と左之助が砲撃された地点に向かうと、そこには「人誅」と書かれた布が残されていた。これは「天の意志によって成敗する」という意味の天誅とは異なり、「どうしても許せない者を、たとえ法や正義に背くとしても必ず誅する」という決意と憎悪に満ちたメッセージだった。
騒ぎを聞きつけた斎藤もここに現れ、縁の存在について剣心たちに伝える。剣心は縁の名に心当たりがあるかのような素振りを見せるも、多くは語らず引き上げてしまう。

義弟との再会

牛鍋屋への砲撃からしばらくして、剣心たちが日頃から懇意にしている地元の警察署長の家と近所の剣術道場が何者かに襲撃される。剣心と左之助は手分けして襲撃者を退けるも、彼らの目的までは分からず戸惑うばかりだった。
しかし神谷道場へと戻る途中、剣心は待ち構えていた縁と出くわし、全てが彼の企てだったことを知る。縁は剣心を苦しめるためだけにより大規模な攻撃を用意している旨を告げて、「知り合いを守りたければせいぜいがんばることだ」と言い残して去っていく。

敵の狙いが自分だと知った剣心は、仲間たちを集めて自分と縁との因縁について打ち明ける。剣心は幕末時代に雪代巴（ゆきしろ ともえ）という女性と恋仲になって結婚しており、縁は彼女の弟だった。
巴は剣心に婚約者を殺され、その復讐のために密偵として彼の下にやってきた。しかし共に過ごす内に本心から剣心を愛するようになってしまい、愛情と復讐心の間で悩み続ける。最終的に巴を人質にされて追い詰められる剣心を救うため、乱戦の中に飛び込むも、これを敵と誤認した剣心に斬り殺されるという最期を遂げたのだった。縁はこの瞬間を目の当たりにして、姉の復讐のためだけに清国へと渡って力を蓄え、いよいよ剣心を葬るために動き出したのだ。

火の海に沈む東京

縁は危険な相手だが、事情を知れば同情できる部分も無くは無い。なんとか彼を止める方法は無いかと考えた薫は、巴が残した日記が京都の寺に預けられていることを知り、これを隠密御庭番衆の巻町操（まきまち みさお）と四乃森蒼紫（しのもり あおし）に東京まで届けてもらうよう頼み込む。
しかしその2人が東京まで来たところで、縁はいよいよ本格的な攻撃を開始。自分同様に剣心に恨みを持つ者、金で雇ったゴロツキを利用して東京を火の海に沈める。剣心は左之助や蒼紫と共にこれを鎮圧するために神谷道場を飛び出し、それぞれに力を振るう。しかし逃げ遅れた市民を庇って蒼紫は負傷し、しばらく戦えなくなってしまう。

実はこの攻撃は陽動であり、縁の狙いは薫のいる神谷道場の守りを手薄にすることにあった。縁は「姉を斬り殺した剣心が“新しい幸せ”を手に入れることなど許さない」と考えており、夫婦も同然の存在として過ごす薫を奪うことが剣心をもっとも苦しめる方法だと確信していた。
復讐のための刃を研ぎ澄ませた縁は個人としての武勇も並みならぬものがあり、造作も無く薫を叩きのめしてこれを拉致していく。東京に放たれた縁の部下たちを一通り制した剣心は、薫が連れ去られたことを知ると、縁が待つ彼の館へと単身乗り込んでいく。

復讐の終焉と未来への道

目の前で姉が死ぬところを見てしまった縁は、若い娘を必要以上に傷つけることができなくなっており、薫のことは丁重に扱っていた。一方、縁に協力していた張は「十分働いた」として姿を消そうとしていたが、その前に報酬分として勝手に刀を持ち出そうとする。縁にこれを見つかった張は、自分を格下と侮る彼に激昂して襲い掛かるも、返り討ちにされてしまう。
その後剣心が縁の館に到着し、待機していた彼の部下を相手に大立ち回りを演じる。ここに剣心を追ってきた左之助、今度こそ縁を捕らえんとする斎藤、敬愛する蒼紫を傷つけられた上に友人の薫を連れ去られて怒り心頭の操が駆けつけ、剣心を援護。さらに縁側の用心棒として雇われていた宗次郎が彼らを裏切って剣心たちに加勢し、大勢は決する。

左之助たちにこの場を任せて縁の下へと辿り着いた剣心は、彼に薫を返すよう要求。縁は「今さらお前が幸せになるなど認めない」と憎悪を剥き出しにして彼に襲い掛かり、中国式の剣術と体術を駆使して猛攻。巴を殺してしまった負い目で全力を出し切れない剣心を痛めつける。しかし「薫のためにも、巴のためにも、縁のためにも負けるわけにはいかない」と奮起した剣心は縁の剣を打ち破り、彼との因縁に決着をつける。
救出された薫から巴の日記を渡された縁は、「姉は剣心のことを恨んではいなかった」ことを知って愕然とし、復讐を目的に罪を重ねてきた己の半生と向き合う日々を送り始める。剣心はその行く末を案じながら縁を見送り、薫や仲間たちと共に日常の中へと戻っていく。伝説の維新志士の戦いはここにひとまずの終わりを迎え、物語は幕を閉じるのだった。

『るろうに剣心 最終章 The Final』の登場人物・キャラクター

主要人物

緋村剣心（ひむら けんしん）／緋村抜刀斎（ひむら ばっとうさい）