今日も嫌がらせ弁当（映画）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

双葉の高校入学式の朝、反抗期の双葉にかおりが宣戦布告するシーン。

急に始まった次女・双葉の反抗期。どうにかして関係が良くなる方法を考えたかおりは、クールな双葉が嫌がるようなキャラ弁を作ることを思いつく。高校入学初日に持たせたお弁当はラブリーな赤ずきん弁当。中身を知らない双葉に向けてかおりは「あなたがそういう嫌な態度とるなら、私もあなたが嫌がることをします。態度を改めるまでね。」と言い、双葉の反抗期に対して宣戦布告した。

自然豊かな八丈島の紹介シーン

かおりたちが暮らす東京・八丈島を紹介するシーン。東京都ではあるが、都会とは正反対の自然豊かな島である。電車やコンビニもないが、素敵なところがたくさんある。青い海や優しい島民たちが暮らす島。ぐるりと上空から、山手線の内側ほどの広さの島を移すシーンはとても美しい。

12年前、島次郎の事故直後の想いを語るかおりの回想シーン

ブログの読者であるシングルファザーの信介と、シングルマザーのかおりはいつしかお互いの私生活を相談し合うようになっていった。信介がかおりのシングルマザーになった経緯を尋ねると、かおりの12年前の回想シーンが始まった。
12年前、ある日の晩に調理中のかおりは塩を切らしてしまった。そして夫に買い物を頼んだが、信号無視してきたトラックとぶつかってしまい夫は亡くなってしまう。その後、母親だけでも立派に子供を育てていかなくてはいけないと思って必死に働いてきたかおり。夜に仕事に出る時は、長女に次女の面倒を任せてしまっていた。すると幼い姉妹は寂しさに耐えきれず、SOSを出し始める。その後かおりは仕事をセーブし、貧しくても家族で過ごす時間を大切にしてきた。今度はかおりが甘えられると思った矢先に、双葉の反抗期が始まった。

健太郎「パパ、またお弁当作って、ひらがなの。頑張るよ」

信介と健太郎が河川敷で仲直りするシーン。

信介は最愛の妻を病気で亡くし、シングルファザーとなった。男手ひとつでも息子の健太郎を育てられるように、教育にも力を入れる。ひらがなが覚えることができなかった健太郎に、お弁当に海苔で作ったひらがなを1文字づつ乗せることにした。毎日キャラ弁も上達していくことで手応えを感じていた信介と、話を聞いてくれない父親に不満を持つ健太郎はどんどんすれ違っていく。
ある日保育園お迎えの時に先生から、健太郎がお弁当を食べずに捨てていたことを信介は知らされた。そのことについて健太郎に問い詰めた信介であったが、感情的になった健太郎は逃げてしまった。ようやく河川敷に座っている健太郎を見つけた信介は、隣に座って自身の一方的な態度を反省した。すると健太郎は「パパ、またお弁当作って、ひらがなの。頑張るよ」と言い、親子は仲直りをすることができた。

かおり「双葉、愛してるよー！」

東京に就職が決まり、島を出る双葉を若葉とかおりが見送るシーン。

初期の脳梗塞で入院生活を送っていたかおりは、就職で島を出ることになった双葉の見送りに行けない予定だった。しかし家を出る前にかおりのために双葉が作ったお弁当に同封されていた手紙を読んだかおりは、若葉の力を借りて病院を抜け出し急遽見送りに向かう。フェリーの出発には間に合わなかったものの、崖の上から双葉に手を振り「双葉、愛してるよー！」とかおりは叫んだ。崖とフェリーの間は目視はできるものの距離があり、波音で声も届かなかったが叫び続けた。すると、偶然にもかおりと双葉の会話は繋がったように掛け合いが行われるのであった。

『今日も嫌がらせ弁当』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

双葉が連絡アプリに登録している母・かおりのユーザー名は“おに”

反抗期で返事も挨拶もしない双葉が母親のかおりとの連絡手段に使っていた連絡アプリ。双葉が登録していたかおりのユーザー名は、お母さんやかおりでもなく“おに”であった。“おに”の後ろには鬼の絵文字付きであった。
反抗期も終わりの兆しが見えた終盤のシーンでも、登録名は変わらず“おに”のままであった。

嫌がらせ弁当のネタに使用されたお笑い芸人

毎日嫌がらせ弁当のネタを考えるのに苦労したかおり。時々登場したのは有名お笑い芸人たちであった。お笑い芸人弁当の登場シーンには芸人本人のナレーションがついた。
最初に登場したのは“スギちゃん”。かおりがネタに悩んでいたときにたまたま折込チラシに載っていたのが“スギちゃん”で、嫌がらせ弁当のネタに採用された。海苔で作られた“スギちゃん”はお弁当を飛び出して、本人のナレーションに合わせてコミカルに動いた。
次は“小島よしお”。お弁当をブログに上げ始めた頃に登場し、信介の紹介をした。
その次は“日本エレキテル連合”。双葉の高校入学と共に始まった嫌がらせ弁当の経過や、進路を決める双葉のことなどをナレーションした。
最後は“ダンディ坂野”。就職の面接が決まった双葉に決まり文句の「ゲッツ！」と言っていた。

フードコーディネーターが再現したキャラ弁

お弁当がキーポイントになる実話に基づくフィクションのため、原作に登場するお弁当が忠実に再現された。フードコーディネーターが原作者のKaori(ttkk)に直接キャラ弁の作り方を教わって再現されたお弁当は30種類以上であった。海苔をナイフで切って形どったり、細かい作業が多くあった。海苔メッセージの文字に合わせたキャラクターの表情管理は原作にかなり近づいている。

『今日も嫌がらせ弁当』の主題歌・挿入歌

主題歌：フレンズ「楽しもう」