ブルーバレンタイン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブルーバレンタイン』とは2010年公開のアメリカの恋愛映画。あるカップルの出会いから結婚、破局までを描く切ないストーリー。価値観の違い、気持ちの温度差、方向性の違い、仕事の格差から冷め切った夫婦をライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが演じ、過激な性描写や体重増量も辞さない迫真の演技で、2人とも第68回ゴールデングローブ賞にノミネートされた。デレク・シアンフランス監督は10年かけて脚本を練り上げ、第63回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品された。

ディーンとシンディが偶然同じバスに乗り合わせバスを降りて並んで歩き、ブライダルサロンのショーウインドウの前でディーンのウクレレに合わせてシンディが踊るシーン。

「You always hurt the one you love」 The Mills Brothers

ディーンは運命を感じているシンディとバスで偶然乗り合わせる。チャンスとばかりにシンディに近づき、自分のことやシンディのことをいろいろ話した。
シンディと同じバス停で降り、2人は街を歩く。お互いに好意を感じながら、ドアにハートの飾りが飾ってあるブライダルサロンのショーウインドウの前で、ディーンがウクレレを弾きながら歌い、それに合わせてシンディがタップダンスを踊る。
出会ったばかりの2人の希望に満ちた楽しくキラキラした様子が美しく、現在の冷え切った状態との対比になって、印象的な場面である。

花火とともに幸せだったころの映像が浮かび上がるエンドクレジット

映画『ブルーバレンタイン』エンド・クレジット

離婚という結果になり、去っていくディーンの寂しそうな後ろ姿が印象的なラストシーンの後のエンドクレジットが大変美しい。
花火の映像とともに、幸せだったころのディーンとシンディの姿が浮かび上がる。
幸せで美しかった頃を花火とともに映すことによって、幸せが浮かんでは花火のように儚く散る。
この映画が訴える現実の厳しさ、切なさが痛いほど伝わってくる。

エンドロールの曲はグリズリーベア(Grizzly Bear)のアリゲーター(Alligator)
タイトルデザイナーは Jim Helton 。

『ブルーバレンタイン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

映画はある年の7月3日から4日の独立記念日にかけての話である

映画のラストで上がっている花火は独立記念日の花火であることから7月3日から4日にかけての話だということがわかる。

脚本を書いた理由はデレク・シアンフランス監督が20歳の時に経験した両親の離婚

デレク・シアンフランス監督は両親の離婚で傷つき、映画製作を通して、男女の関係がどのようにして始まり終わっていくのかを理解したいと考え、12年の歳月をかけて67版に及ぶ推敲をして脚本を執筆した。

デレク・シアンフランス監督はしっかりした脚本があるにも関わらず、ディーンとシンディの口論のシーン、歌とダンスのシーンなどは即興でやってくれと頼んだ

口論のシーンではデレク・シアンフランス監督はライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズを別々の部屋に呼び、ライアン・ゴズリンには「なんとしてでも、説得しろ」と指示し、ミシェル・ウィリアムズには「何としてでも議論をやめ、部屋から出るようにしろ」と指示。即興で口論させ緊張感の高い映像を撮った。

歌とダンスのシーンではお互いの特技を隠しておくように指示した。このシーンは撮影に丸一日をかけ、夜明けまで撮っていたが、実際に使われたシーンは2分だった。

きちんとした台本があるのに即興で演技することについて、セリフを覚えるのが苦手なライアン・ゴズリングは歓迎したそうだが、脚本を気に入っていたミシェル・ウィリアムズは少しがっかりしたようだ。

ライアン・ゴズリングは2005年にミシェル・ウィリアムズは2003年に出演を約束した。

『ブルーバレンタイン』は2部作の予定だった

デレク・シアンフランス監督は、ディーンとシンディの出会った第一部を撮影してから、6年後に現在の第二部を撮影するつもりだったが、プロデューサーに阻止され、現在と過去を交錯するストーリーとして撮影を続行した。

第一部だけでも美しいラブストーリーとして完結しており、タイトルを『バレンタイン』として発表しようかという案も出ていたが、議論を重ねた結果、現在と過去が交錯する『ブルーバレンタイン』として発表することになった。

主演のライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズは1ヶ月の共同生活で夫婦としての役作りに備えた

ディーンとシンディの出会いを描いた第一部の撮影のあと、第二部で関係の冷え切った夫婦を撮影するため、主演のライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズは1ヶ月間、借家で共同生活をし、食料品を買いだしに行ったり、料理をしたりしながら、お互いの絡み方を研究した。
役作りのため、2人とも体重を増やし、ライアン・ゴズリングは禿げ上がった頭にするために前の髪の毛を抜いた。

『ブルーバレンタイン』の主題歌・挿入歌

主題歌:Grizzly Bear『Alligator』

Grizzly Bear 『Alligator』

挿入歌:Penny and the Quarters『You and Me』

Penny and the Quarters 『You and Me』

挿入歌: The Mills Brothers『You always hurt the one you love』

The Mills Brothers 『You always hurt the one you love』

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