ブルーバレンタイン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブルーバレンタイン』とは2010年公開のアメリカの恋愛映画。あるカップルの出会いから結婚、破局までを描く切ないストーリー。価値観の違い、気持ちの温度差、方向性の違い、仕事の格差から冷め切った夫婦をライアン・ゴズリングとミシェル・ウィリアムズが演じ、過激な性描写や体重増量も辞さない迫真の演技で、2人とも第68回ゴールデングローブ賞にノミネートされた。デレク・シアンフランス監督は10年かけて脚本を練り上げ、第63回カンヌ国際映画祭では「ある視点」部門に出品された。

夜の街で楽しそうにイチャつきながらタクシーに乗るディーンとシンディ。その夜二人はとても濃密な時を過ごした。

シンディは大学の帰りトイレで妊娠検査薬を試す。結果は陽性。
図書室で勉強をしながらディーンがくれた名刺を眺めていると、ボビーが現れ、名刺を取り上げ破ってしまう。

シンディの元気がないことを察したディーンはシンディから何があったか聞き出そうとするが、シンディは頑なに口を閉ざしていた。話さないならここから飛び降りると言わんばかりの勢いでディーンが高い柵に登る。シンディは妊娠したことを告げる。
「俺の子?」と聞くディーンに「多分 違うと思う」と伝えるシンディ。ディーンに「これからどうするのか?産むのか 産まないのか?決めたのか?」と聞かれ決心のつかないシンディは「わからない」と一人歩き出す。ディーンは柵を殴っていた。

結局、シンディは中絶することを決める。手術の前に看護師からいくつか質問を受け、最初に性交渉したのは13歳で、20人から25人の相手と関係を持ったと答える。今回の妊娠の相手もわかっており、彼は協力的ではないと話した。
子宮に器具を入れ麻酔の注射をした後で、シンディは「できない」と泣いた。そして友達に会いたいと言って向かったのは、待合室で待つディーンのところだった。病院の駐車場でディーンはシンディを抱き寄せる。そして移動する地下鉄の中で「家族になろう」とプロポーズするのだった。

未来ルームの朝

シンディ携帯のベルが鳴る。職場から呼び出されたのだ。
身支度を急いで済ませ、ディーンに置手紙を残してシンディは未来ルームを後にした。

ホテルからの電話でディーンも目を覚ます。シンディを呼ぶが手紙に気づき、自分が取り残されたのだと知る。

7年前 元恋人からの報復

シンディの電話には何件もの留守番電話メッセージが残されていた。「俺の気持ちを踏みにじりやがって どこの男か知らないがブチのめしてやる あばずれ女」などと言う内容である。ディーンに心変わりしたシンディに対してボビーはカンカンに怒っており、ディーンのことを調べてディーンの職場まで来て彼を殴っていた。

シンディの職場にて

未来ルームに取り残されたディーンは酒に酔いながらシンディの職場に押し掛ける。

未来ルームから職場へ直行したシンディは職場の上司(演:ベン・シェンクマン)から提案を受ける。
上司の近くに部屋を借り、一緒に食事でもと言うのだ。
シンディは自分がその職場に選ばれたのは実力を買われたわけではなく、上司の下心があってのことだということを悟り、気を落とす。

ディーンは未来ルームから自力でバスに乗り、シンディの職場にやってきた。酒に酔い、殴り込みにきたのだ。
シンディは酔っているディーンに車のキーを渡し、自力で帰ってと追い払うようなまねをする。「俺が事故ってもいいのか?」とディーンに怒鳴られると、「大歓迎」と答えさっさとその場を立ち去ろうとした。シンディの心は完璧にディーンから離れていた。ディーンは再びシンディの職場に入り、口論となる。シンディはもう我慢ができず、終わりにしたい。酔って絡まれるのも嫌だし喧嘩もしたくないとディーンから逃げようとする。そして「もうあなたのことをこれっぽっちも愛していない」と告げる。「取り返しのつかないことを言うな」と食い下がるディーンだったが、シンディに「しつこくしないで女々しい」と突っぱねられる。
怒りが頂点に達したディーンはシンディの職場にあった物を投げ、仲裁に入った上司である医者を殴ってしまう。
シンディは「あんたは最低のクズ野郎!」とディーンを叩く。
シンディはそのまま車で帰ろうとする。ディーンは怒りのあまり結婚指輪を茂みに投げてしまったが、すぐに我に返り茂みをかき分けて指輪を探す。シンディも車から降りた。

7年前 結婚前のシンディの家で

シンディの部屋でディーンはシンディと自分は釣り合わないが、それでもシンディを幸せにすると誓う。

ボビーに殴られたディーンだったが、シンディの家の夕食会に招かれ、花束を持ってシンディの家を訪れる。
シンディの父は「夕食会に招くなんて今度は真剣らしいな」と皮肉を言い、ディーンにあれこれ質問をする。ディーンは丁寧にそして正直に質問に答える。ディーンの母は10歳の時に新しい男性ができて家を出ていき、父は楽器が得意で雑用係をしている。高校は自分の居場所じゃない気がして出ていない。シンディの母はディーンの生い立ちがシンディと違いすぎると思ったのだろう。「シンディは勉強家よ」と口を挟む。ディーンは「知っています 賢い女性だ」とシンディを褒める。シンディは勉強は楽しく、コムストック教授という先生に将来有望だと言われたと楽しそうに話した。そこでディーンが吹き出した。ディーンには教授の名前が面白かったようだ。シンディとシンディの家族には何が面白いのかわからない。シンディの父が「娘は医者志望だ」とディーンに言う。ディーンは「俺や子供の主治医になってもらえたら 信頼している」とシンディを褒めちぎり、2階のシンディの部屋の階段を上った。
そしてシンディの部屋でディーンは「俺と君とは釣り合わない でもふさわしい男なんていないんだから俺が立候補する」とシンディにキスをする。プレゼントがあるとディーンはシンディに1枚のCDを渡す。自作じゃないけどこれは俺たち二人だけの曲だというのだった。この曲こそ、後に未来ルームにディーンが持参したCDの曲だった。ディーンとシンディは幸せの絶頂にいた。

別れのとき

別れのとき。ディーンを追いかけてくるフランキーをシンディのもとに帰し、ディーンは一人立ち去る。

シンディとディーンは車でフランキーが待つシンディの父の家に戻った。
フランキーをシンディとディーンは抱きしめるが、ディーンの指に結婚指輪はなかった。
外にシンディの父とフランキーを残し、家に入った。話し合いの時間を持つためだ。
ディーンが「小さな娘のことも考えないと」と切り出す。シンディは泣きながら「もう無理なの」と答える。「自分だけの都合だ 壊れた家庭で娘を育てたいのか?フランキーのことを考えていない」
何とか離婚を阻止しようとディーンは食い下がるが、「傷つけあう親を見せたくない」とシンディの意思は変わらない。二人とも泣いていた。それでも俺が悪かったとディーンは謝り、他にどうしたらいいのかわからない。言うとおりにするから教えてくれと懇願するが、シンディはもう限界、別れるしかの一点張りだ。
ディーンはシンディを抱き寄せる。シンディはうつむき泣いたままだった。
「結婚式の日 良いときも悪いときもと誓いを立てたはずだろ?今の俺は最低だ もう一回チャンスをくれ」とディーンはさらに詰めよるが、シンディの心は変わらなかった。シンディはディーンの腕を振りほどく。

花火の音が聴こえている。家を出ていくディーンをフランキーが追いかけている。「パパ 行かないで」というフランキー。ディーンが「ママのところに帰って」というが、フランキーはディーンのそばを離れない。ディーンは「競争だ」とフランキーに後ろを向かせ背中を押した。
待っていたシンディがフランキーを抱き上げる。

『ブルーバレンタイン』の登場人物・キャラクター

ディーン・ペレイラ(演:ライアン・ゴズリング)

子煩悩でユーモアがあり優しい性格。
歌や踊り、部屋の飾りつけなどが得意。
何よりも家族を大切にしているが、仕事はペンキ塗りで朝から酒を飲んで仕事に行く。全く今の生活を変える気はなく、向上心の強い妻のシンディとぎくしゃくしている。
妻のシンディとフランキーをとても愛しているが、フランキーは実の娘ではない。
生い立ちは父子家庭で、高校は出ていない。
ロマンチストであり、シンディと結婚する際には2人の曲だと言って、1枚のCDを渡す。

シンディ・ヘラー (演:ミシェル・ウィリアムズ)

向上心があり、常に新しい仕事に前向き。学生の頃から医学を目指し、医療現場で看護師として働いている。
生い立ちは仲の冷え切った両親のもとで育ち、両親のような夫婦にはなりたくないと思っている。
祖母のことが大好きで、祖母といる時が心安らぐときである。
大学時代、祖母の入所している老人ホームでディーンと出会う。
男性経験豊富なシンディは大学の時の元恋人ボビーの子を身ごもるが自分の子ではないとわかった上で家族になろうと言ってくれたディーンと結婚する。
現状に甘んじているディーンに不満を持っている。
意志が強く一度嫌いになったものは一貫して嫌いになる。はっきりした性格。

フランキー (演: フェイス・ワディッカ)

ディーンとシンディの娘。ディーンとは血が繋がっておらず、シンディの大学時代の恋人のボビーが実の父親。
ディーンのことが大好き。

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