ドロヘドロ(Dorohedoro)のネタバレ解説まとめ

『ドロヘドロ』とは2000年から2018年まで連載された林田球のダークファンタジー漫画、及びそれを原作としたアニメ。退廃的な背景やオリジナリティ溢れる魔法の設定、グロテスクでユーモラスな世界観、敵味方人外問わず憎めない愛嬌を持った魅力的なキャラクターが話題を呼んだ。記憶喪失の主人公・カイマンは、自分の頭部をトカゲに変えた宿敵の捜索の傍ら魔法使いの練習台にされた人間が住む町・ホールで仲間と愉快な日々を送っていたが、そこへ魔法使いの世界の実力者・煙ファミリーの刺客が襲い来て壮絶なバトルを繰り広げる。

消の魔法によって屋敷内の死体安置所から煙の死体を持ち出すのに成功した面々。煙ファミリーの生き残りは消・心・能井・ターキー・藤田・恵比寿だけになってしまった。鳥太とキクラゲは相変わらず行方がわからない。ファミリー立て直しの為、ターキーがキクラゲの人形を作り、藤田と恵比寿がその後を追ってキクラゲを捜すことになる。新聞ではある森に怪物が出ると騒がられ、紙面に掲載されたイラストがキクラゲそっくりだった事から、藤田はキクラゲは森にいるのではないかと推測を立てる。案の定予感は的中し、人形は森に消え、藤田・恵比寿はそこでキクラゲと再会する。
一方十字目の組織も、死体を生き返らせるレア魔法使いであるキクラゲの確保に動いていた。夏木と豚が現地に向かいキクラゲを捕まえようとするが、恵比寿が自身の魔法で恐竜化し夏木の腕を切断してこれを阻む。キクラゲは無事藤田に救出され、森の奥をさまよっていた鳥太とも合流するが、腕を切断された夏木に異変が起こり、切断面から大量の黒い煙が噴き出して身体がゼリー化する。ゼリーになった夏木は恵比寿の攻撃の一切を無効化し、豚を共に逃走する。それは夏木が目覚めた防御魔法だった。十字目はキクラゲの確保にこそ失敗したが、防御に特化した夏木の魔法という切り札を手に入れる。
川尻の説得を受けたニカイドウは、自身の魔法をコントロールする為の猛特訓を開始する。魔力を高めるには悪魔試験のプロセスが効果的という理由で、ニカイドウに同じ試験を受けさせる川尻。付け加え、魔法の本質をよく理解するにはまず煙を出しきらなければいけない。川尻の指導にしたがって限界まで煙を吐き続けたニカイドウは、煙のかたまりのキューブが長方形に変化するのを目撃する。どうやら煙の量や使い手の能力向上によって、デフォルトのキューブは様々に形を変えるらしい。川尻は以前にも同じ魔法を見たと言うが、詳しい資料は煙の屋敷にしかない。川尻とニカイドウは性転換の魔法を使って身元を偽り、今は十字目の物となった煙の屋敷に忍び込む。
栗鼠は自分の魔法が「呪い(カース)」という極めて特殊なもので、それを教えたのは会川ただ一人と思い出す。自分が壊に殺されたのは、会川が十字目にカースの事を密告したからではと栗鼠は疑っていた。ならば初任務に会川が同行しなかったのも頷ける。会川は否定するが栗鼠と仲違いし、栗鼠は直接壊に確かめると煙の屋敷へ走り出す。
十字目の屋敷に到着した栗鼠は、べリス村の家に監禁されていた時の体験から、壊の他には毒蛾が自分の殺害の真実を知っていると確信する。しかし幹部である毒蛾に簡単に会えるはずなく足止めを食い、遂にカースを発動させる。
栗鼠を追って煙の屋敷に侵入した会川は、毒蛾と鉄条の会話を偶然盗み聞く。鉄条はボス好みのレアな魔法に目覚めた夏木が、壊の次の標的になるのではと不安を漏らす。壊は魔法使いの頭部の腫瘍を自分に移植する事で、彼らの魔法を奪うのだった。毒蛾も鉄条の意見に同意し、仲間に手を出すのはやめてほしいとボスに頼むことにする。毒蛾にとって壊は命の恩人であり、自分に生きる意味を与えてくれた目標だった。
毒蛾と鉄条が話している部屋に二人組の男女が迷い込む。魔法で女に化けた川尻と男に化けたニカイドウだ。川尻はニカイドウと打ち合わせた結果資料さがしを優先、瞬間移動で姿を消し、鉄条とニカイドウが戦闘に発展する。修行の成果でニカイドウは強くなり、日本刀を操る鉄条を圧倒したが、毒蛾の応援で劣勢に立たされる。ニカイドウは一時撤退を決めるが、逃走時に会川とぶつかる。
屋敷に忍び込んだ事がバレるとまずい会川は、成り行きでニカイドウと共に部屋に隠れるが、性別を変えたニカイドウに気付かない。

魔法が解けて女に戻ったニカイドウ。

しかしニカイドウが女に戻る瞬間を目の当たりにし、記憶の一部を取り戻す。二人が隠れた部屋には、ニカイドウと川尻の目的の資料があった。ニカイドウは会川にカイマンやギョーザのことを覚えてないか問うが、会川は頑なに否定するばかり。
廊下の奥から響く騒音にニカイドウと会川が駆け付けると、栗鼠が放ったカースが大暴れしていた。栗鼠はカースと同化して強くなったが、防御魔法でゼリー化した夏木の皮膚はそれすら弾き返す。攻撃を跳ね返されて怯んだ隙にカースは捕縛され、窓から吊り下げられてしまった。会川は慌てて駆け寄って縄を解き、栗鼠を救出する。ニカイドウは自分を避けないでほしい、一緒に行こうと訴えるが会川は固辞し、カイマンから引き継いだ記憶の反発で鼻血を出す。強い頭痛に襲われた会川は栗鼠をニカイドウに任せてその場を走り去る。夏木がカースすら退けたと聞いた毒蛾は、壊がますます関心を募らせるのを危惧し、新しい任務を装って彼女を遠くの街へと逃がす決定を下す。
逃走中の会川は脳裏に響く「お前は最初から存在していない」という呪詛に苦しむ。会川の首からは血が噴き出し、そのまま切れて落ちてしまうが直後に新しい首が生えてくる。それは壊の首だった。壊と会川は同じ身体を共有する多重人格者だったのだ。十字の刺青が入ってない時は会川、入っている時は壊の人格が表に出るらしい。

憧れの壊にキスされた夏木は直後に命を落とす。

毒蛾に新しい任務を命じられた夏木はこれで自分も一人前だとはりきっていたが、そこへ憧れのボスが現れ、「お前が欲しい」と彼女を抱擁。壊に求められた夏木は恍惚と頷くが、直後キノコに貫かれる。夏木は呆然自失の状態のまま、壊に身体を引き裂かれ命を落としたのだった。壊は夏木の生首だけ回収し、バラバラにした胴体は屋敷内の別所に隠す。

煙ファミリーの地下アジトの様子。

その頃、煙ファミリーは地下アジトに集結していた。能井が煙の遺体を修復したが、魔法使いの核である頭部の腫瘍が取り除かれてしまっている為、キクラゲが命を与えられない。今後の方針を話し合った一同は、十字目のボスをさらに詳しく調べることにする。心はホールで墓を暴いたアイ=コールマンが、壊と同一人物であるかもしれないと話す。壊が使用する魔法はホールの雨と同じ成分を含んでおり、顔も非常によく似ていたのだ。
ハルに連れ去られたカスカベとジョンソンは地獄でハルと暮らしていた。ハルの魔法で青年時の姿に戻され、彼女としっぽりするカスカベ。しかし仲間が大変な時に遊んでいられないとジョンソンに諭され、煙の屋敷へ繋がる隠し通路から脱出を図る。カスカベは通路を進みながら、この通路は掘った悪魔のチダルマは生前の煙と懇意にしていたのに、敵討ちもせず十字目のやりたい放題を黙認しているのは何故だろうと訝しむ。地下通路を歩いていたカスカベは夏木の遺体を捨てにきた壊を偶然見かけるも、彼にはアイの面影があった。
栗鼠は川尻の家で目覚めてニカイドウを含めた3人で食卓を囲む。3人は互いに改めて自己紹介し、ニカイドウは会川に栗鼠を託されたと話す。川尻は栗鼠の治療時に身体を調べており、カースの特性を理解していた。
夏木と連絡がとれなくなった毒蛾は、壊が彼女に手をかけたのじゃないかと疑心暗鬼に苛まれる。ボスは部屋に閉じこもったきり姿を見せない。
ニカイドウから記憶喪失のカイマンの説明を聞いた栗鼠は、カイマンの口の中の男が自分と同じ顔をしていた事実に混乱する。栗鼠は自分を殺した壊を探しているのだと言い、川尻はカイマンの口の中にいたのは栗鼠のカースで、不慮の事故でカイマンの中に閉じ込められてしまったのだろうと推理する。カイマンに言及すると栗鼠が途端に苦しみだす為、二人を会わせるのはしばらく待とうと結論する川尻とニカイドウ。川尻はニカイドウが魔法を使いこなすには一度に一生分の煙を吐き出す必要があると調べた結果を告げる。一生分の煙を吐き出して固めればニカイドウと等身大の立方体になるというが、現状では煙を用いて、手のひらサイズの黒いキューブを形作るだけで精一杯のニカイドウはゲンナリする。

悪魔化が進んで角が生えたニカイドウ。

後日、川尻はニカイドウにイメージトレーニング用の魔法のヘッドギアを渡す。ヘッドギアを装着したニカイドウは夢の中でカイマンと再会し煙から助けてもらうが、これは全てそうあってほしい彼女の願望だった。夢から脱出するにはニカイドウの恐怖の象徴である、得体の知れないゼリー状のバケモノを倒さねばならないと幻のカイマンは言い、ニカイドウは死力を尽くしてバケモノを倒す。
二日間の昏睡から目覚めた彼女がヘッドギアを外すと悪魔の角が生えていた。己の恐怖心を克服した事で、ニカイドウはまた一歩悪魔に近付いたのだ。
悪魔に近付いたニカイドウは、魂の重荷が取り除かれたような解放感を覚え、両腕から暗黒の煙を噴出する。それは真っ黒い炎の柱となって天高く聳え、煙の屋敷やレストラン丹波の面々も目撃する。彼女が放出した煙はまた腕に戻り、腐り落ちて義手となっていた腕に代わる形状をとる。どうやらキューブの最終形態らしい。
魔法のコントロールが可能になったニカイドウは川尻に頼み、かつて八雲が流された川に連れて行ってもらい、自分が変えてしまった過去を元に戻そうとする。ニカイドウは魔法を用いて時空の裂け目を作り、川尻と共に過去に遡る。そして赤ん坊の八雲を拾い上げるが、時間に干渉した事で今度はニカイドウの存在が消えてしまった。タイムパラドックスにおける自己消滅は時間操作系魔法使いの宿命だと諭す川尻。その上ニカイドウが八雲を助けた事で微妙に歴史が変わり、養父母とすれ違ってしまった。信頼できる養父母以外には八雲を預けたくないニカイドウは悩むが、その時赤ん坊の八雲が魔法を発動し、ピクニック中の養父母のもとまでふわふわ飛んでいく。八雲が無事養父母に引き取られるのを見届けたニカイドウは安心し、八雲が自分の力で運命を切り開いた事で勇気を貰い、現在へ戻る。
一方栗鼠は呪った会川が他人に殺された上、その本人が生き返ってしまったことが原因でカースが暴走している為、自分で会川を殺すしかないと思い悩む。
地下潜伏中の煙ファミリーは消の魔法で姿を消した者が十字目のボスを監視、弱点を洗い出す方針を打ち出して、藤田がその任に就くことになる。藤田は自分が選ばれたのは死んでもいいからかと卑屈になるが、消は藤田が一番ファミリーを大事に思っているからだと激励する。
カスカベは地下通路で迷い、ハルの元へ引き返していた。ハルは何故かカスカベとアイが会うのを拒み、カスカベを自分のもとへ引き止めるが、アイと十字目のボスが同一人物かどうしても確かめたいカスカベはこっそり抜け出す。
煙の屋敷に集った毒蛾・鉄条・佐治・豚・牛島田は、音沙汰のない夏木の様子を心配するが、真実に薄々勘付いてる毒蛾は険悪な表情を隠せない。佐治が気になることがあると言い、屋敷内の廊下に飾られた悪魔の彫像まで皆を連れて行き、この裏から電話の着信音がすると伝える。嫌な予感に駆られた毒蛾が夏木の携帯にかけると、彫像の裏で音が鳴る。台座の中が空洞になっているのに気付いた牛島田が破壊すると強烈な腐臭と大量の蠅が沸き出し、キノコが絡んだ夏木の髪の毛を発見する。
壊は強い魔法使いを殺しては魔法を奪って回っていた。そのせいで魔法使いが隠れてしまい、レストラン丹波は閑古鳥が鳴いていた。乱入してきた十字目のチンピラを撃退した丹波だが、今度は壊が殴りこみ、物陰から見ていた福山は清水の腕の刺青の男だと驚く。壊は丹波の腕にキノコを生やし、止めに入ったキリオンも組み伏せられる。福山は2人を守ろうと飛び出し、対象をパイに変える魔法で渡り合うもなかなか命中しない。突然壊が大量の黒い液体を吐きだす。それはホールの雨、あるいは廃物湖のヘドロとよく似ていた。

壊の顔を包丁で切り落とすキリオン。

壊が吐き出した粘液が油性だと見抜いた丹波がバーナーを吹き付け、壊を炎上させる。その隙に福山はとどめを刺そうとするが、突如空間が歪んで不快感に膝を付く。しかしキリオンには何故か壊の魔法が効かず、肉切り包丁で彼の顔を切り落として倒す。

壊の首から生えた不気味な頭。

騒ぎを聞いてレストラン丹波に駆け付けた毒蛾達は、ボスの首から噴き出した黒い液体が上空に混沌と渦巻き、さらにはいくつもの頭が生える光景に戦慄する。どの頭も苦悶するが、それらが胴体に戻ったあと1つだけ生えてきた頭は会川のガスマスクを着用していた。マスクを外すと十字の痣がない壊の顔が出てくる。福山は怪物めと絶叫し魔法を浴びせるが、壊は避けるでもなく「福山、やれ」と両手を広げる。福山の魔法をまともにくらった壊は毒蛾達の眼前でパイになりはてる。
福山を殺せばまだ間に合うかもしれないと佐治が襲いかかるが、福山も煙の残量がなく、佐治は半分だけパイにされてしまった。キリオンが壊が変化したパイを蹴飛ばし、それをキャッチした毒蛾らは佐治を回収して車で逃走する。十字目を見送った福山は壊の声がカイマンそっくりだったこと、自分の名前を呼んだ事に衝撃を受ける。
屋敷に帰った十字目は残っていた能井の煙で佐治を治すが、壊を元に戻していいかは意見が分かれる。何故会川のマスクをしていたのか、あの複数の首は何なのか、消えた夏木はどうなったのか。わからない事が多すぎて、もはや今までのように壊を信じられなくなった毒蛾達は葛藤する。
結局能井の煙で壊を戻すが、彼は十字の刺青がない、会川の人格で復活してしまった。栗鼠の相棒である会川を野放しにできず、毒蛾は彼を拘束する。壊と会川、二重生活を送る十字目のボスとは何者なのかハッキリさせる必要があると毒蛾は決断する。
ハルのもとを後にしたカスカベとジョンソンは、ジョンソンの飛行能力と嗅覚を頼りに会川が監禁されている独房を突き止めた。

カスカベは会川の正体を指摘する。

独房から会川を助けたカスカベは、自分を覚えているかアイ=コールマンと名前を呼ぶ。すると会川の首がちぎれ、廃物湖に飛び込んだ直後の皮膚が焼け爛れたアイの顔が生えてくる。
アイは床を這い96925という番号が刻まれたプレートを嘔吐する。それは13年前のリビングデッドデイの日付だ。アイが飛び込んだ廃物湖には物を増幅させる魔法使いが溺れており、その魔法のせいで首が圧迫され窒息したアイの死体に埋め込まれたプレートだった。カスカベが見守る前で、アイはどこかへずるずると向かいだす。
毒蛾は悪魔の彫像を動かし、夏木の死体の一部を確認していた。しかし首が見当たらない為台座のさらに奥の通路を検めねばいけない。
アイの死体が這って行ったのは、頭部を穿孔された魔法使いの首が並ぶ部屋だった。続き部屋には黒い煙の天敵パックが大量に吊り下がり、中に干乾びた悪魔腫瘍が入っている。点滴パックが繋がっているのは人間でも魔法使いでもない、臓器が詰まった生皮という異常な光景に、マッドサイエンティストの悪癖がでたカスカベは何になろうとしてるんだとわくわく問い詰め、なんでもするから研究を手伝わせてくれとアイに願い出る。
しかしアイの攻撃を受け、ジョンソンともども瀕死に陥る。そこへハルが現れ、カスカベの軽率さを嘆く。アイの死体は再び会川に戻り、虫の息のカスカベとジョンソンを前に、自分がやったのかと愕然と呟く。悲嘆に暮れる会川の傍らの容器には、夏木の生首が投げ込まれていた。
カスカベとジョンソンを手にかけ、その上一時期旅を共にした夏木までも殺してしまった事実に絶望した会川。自分の拘束衣を破いて夏木の生首を覆い、己の身体にナイフを突き立てる。壊を殺すにはもうこれしかない。その時、台座裏の隠し通路を抜けた毒蛾が部屋に入ってきた。鉢合わせる寸前に鉄条が毒蛾を呼びに来て事なきを得る。鉄条は屋敷に潜入した川尻が落とした悪魔試験合格証明書を拾い、悪魔名はアスだと突き止める。
カスカベとジョンソンはハルに回収され治療を受けるが、研究を忘れ大人しくホールに帰れという忠告は一笑に伏す。カスカベの好奇心はとめどなく、壊の隠し部屋の未知なる光景に興奮していた。
毒蛾達を見送って一人になった会川は、自分の存在意義がわかったと呟きナイフで自殺する。会川は壊の暴走を止める抑止力として生まれた人格なのだ。
栗鼠は自分が殺した相手が誰なのか今一度確認したい欲望を禁じ得ず、ニカイドウに魔法で過去に戻してくれと懇願する。ニカイドウは川尻と栗鼠を伴いホールへ戻り、カイマンを最初に発見した路地に行く。ニカイドウの魔法で時間移動できるのは2人までと制限があり、ニカイドウは栗鼠を連れ、カイマンと初めて出会う少し前に飛ぶ。
2人が物陰に隠れ見張っていると、路地に魔法使いのドアが出現し壊と毒蛾がやってくる。壊はカースに追われホールに逃げてきたのだ。見送りの毒蛾が去った後、魔法使いのドアの鍵穴から黒い煙が噴き出し、カースが実体をとる。壊はカースに魔法を浴びせるが全く効かず、反対に押し被され、「お前の全てを奪ってやる」の宣言を最後に臓腑を抜き取られる。カースは壊の身体を噛み砕いて取り込み、「これでもうお前は魔法使いではない」と告げる。栗鼠が殺された理由は壊が栗鼠のカースを欲しがった為だが、栗鼠を殺した際に壊はカースを受け、どこまでも追われる羽目になった。カースは壊の首を喰らってさらに同化するが、その時毒蛾から餞別に持たされた恵比寿の煙の瓶が割れる。毒蛾はボスの護身用にと煙の小瓶を渡したのだが、カースと恵比寿の魔法、2種の全く異なる魔法が融合した化学反応でカースは壊の体内に閉じ込められてしまった。

悪魔化が進行してしっぽが生えたニカイドウ。

現在の「空腹虫」にて話し合うニカイドウ・アス・栗鼠。会川=壊と判明したショックで栗鼠は寝込む。ニカイドウも発熱するが、これは悪魔化がさらに進行ししっぽが生えたのが原因だった。悪魔化が進むと陽気な性格に豹変するらしく、ニカイドウは落ち込む栗鼠にギョーザを大盤振る舞いする。

悪魔化が進んだニカイドウは超絶的な技巧で極上のギョーザを練る。

ニカイドウのギョーザはこれまでになく美味だったが、作りすぎて余ってしまい、後日ホール中央デパートで弁当にして売りさばくことになる。

能井と恵比寿に貸し出されたのはホール中央病院のアルバイト制服だった。

魔法使いの世界では十字目がますます増長し地下アジトも安全ではなくなった。心は仲間と共にホールへ移り、バウクスが勤務するホール中央病院を新しいアジトに決める。夜逃げ同然で逃げてきた為、魔法使いのマスクもコスチュームもない能井と恵比寿は不満を述べるが、そこにハルに抱えられたカスカベとジョンソンが登場する。ハルは悪魔の魔法で能井と恵比寿にマスクと服を提供、これで本気を出せると二人は大はしゃぎ。
透明になって煙の屋敷に潜入した藤田は、会川の自殺の瞬間を目撃する。会川の正体は壊の抑止力であると同時に、アイにとっての魔法使いの理想像だった。会川のマスクが溶け出すと同時に、ホールにしか降らない雨が魔法使いの世界に降りだす。この雨は魔法使いにとって猛毒で、外を歩いていた魔法使い達が次々倒れる。
毒蛾達は魔法使いの生首が並んだボスの隠し部屋で、8つの首を生やした会川=壊を見る。壊は点滴が繋がった生皮をまとい同化、頭の四面に顔が付き、それぞれの口からチューブを生やした醜悪な怪物に変貌を遂げる。
怪物となった壊はチューブの先から煙を放出、ホールに通じるドアを呼び出すが身体が大きすぎて通れない。毒蛾達はボスを屋敷内に固定されたドアへ導き、そこからホールへ移動する。黒い粉欲しさに十字目のメンバーになった八坂は、毒蛾達が連行する壊のチューブの先端からは黒い粉が噴き出すのを見て、付き添いなしには移動もできない状態の壊を拘束すれば粉を独占できると画策する。
地下アジトにはまだファミリーの残党が残っていたが、雨が浸水して崩落が間近に迫っていた。心は人間との混血なのでホールの雨に耐性があり仲間たちを救出、皆でホール中央病院に避難する。
怪物化した壊は「グチャッ」としか発音できず会話が成立しないが、とりあえずボスの監視に毒蛾を残し、他の面々は食料の調達に行く。ボスの世話をする毒蛾のもとへホールの僧侶が巡礼してきて困りごとがあれば手を貸すと言うが、有難迷惑の毒蛾は断る。しかしその僧侶は八坂の変装で、黒い粉中毒の彼は毒蛾を銃で撃ち、壊が噴き出す黒い煙を独り占めしようとしていた。

毒蛾は心らに囚われて拷問を受ける。

瀕死の状態で路地に倒れた毒蛾をバウクスが拾い、能井の魔法で治してから心がバラし尋問を始める。一方食料調達から戻った鉄条達は、黒い粉の痕跡を追って壊が連れ去られた中央デパートへ行く。
黒い粉の独占を企む八坂は、連れてきた十字目の下っ端を全員撃ち殺し、壊の手足も撃って動けなくする。藤田はずっと尾行していたが、これを千載一遇の好機と見て、壊の黒い粉を直接吸って八坂を吹き飛ばす。どうにか八坂を倒すが黒い粉の威力は強すぎ、耐えきれず藤田の身体も弾け飛ぶ。しかし藤田は壊が煙から奪い、自分の頭に移植した腫瘍だけは守り抜いた。
心は拷問を続けるが毒蛾は口を割らない。しかし壊がホールに来ているのは間違いなく、ならば監視を命じた藤田もこちらに来ているはずだ。そこでターキーが藤田の人形を焼いて本体の居場所に向かわせようと提案、材料を集める為に一同は中央デパートへ赴く。

中央デパートにギョーザ弁当を売りに来たニカイドウ・川尻・栗鼠。

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