ロッキー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ロッキー』とは、1976年公開のアメリカ映画。低予算ながらアカデミー賞3部門を受賞し、無名の俳優シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムへと押し上げた世界的大ヒットシリーズ第1作。監督はジョン・G・アヴィルドセン。フィラデルフィアのスラム街に暮らす三流ボクサーの青年ロッキーに、世界チャンピオンのアポロが対戦相手として指名してきた。自分がただのゴロツキでないことを証明するため、そして愛する女性エイドリアンのために、ロッキーはリング上での決死の闘いに挑む。

ガッツォ(演:ジョー・スピネル)

ロッキーを借金の取り立て屋として使っていた高利貸しのボス。
運転手を使って、常に車で移動し、常にサングラスを掛けている。
ロッキーが命令通りに男の指を折らなかったことを、「自分の評判に関わる」と責める厳しさを持つ一方で、試合が決まったロッキーに「いろいろ必要だろう」と500ドルを渡す懐の深さも持つ。
ロッキーからの信頼も厚く、ロッキーとアポロの試合はリングサイドで観戦し、声援を送っていた。

ジャーゲンズ (演:セイヤー・デヴィッド)

アメリカ建国200年を記念して開催される「世界ヘビー級タイトルマッチ」をプロデュースするプロモーター。
アポロが選んだ挑戦者候補のロッキーを自分の事務所に呼び、世界タイトルに挑戦するチャンスを告げる。話の大きさにいったんは断るロッキーに対して、「アポロは無名のボクサーにタイトルのチャンスを与えることで、世界中にそのことを証明したいんだ。」と説得した。

デューク(演:トニー・バートン)

アポロのトレーナーを務める男。
ロッキーに油断していたアポロと違って、ロッキーがサウスポーであることやハングリー精神剥き出しのトレーニングをしている様子を見て危険視するなど実力を評価していた。
本作ではまだ役名が無い。3作目から「デューク」となり、シリーズ全てに登場している。

スパイダー(演:ペドロ・ラヴェル)

冒頭の場末のファイトシーンでロッキーと戦っていた三流ボクサー。
ヘッドバッドの反則行為を行ったことでロッキーを怒らせ、ボコボコにKOされた。

最終作のザ・ファイナルでも登場しており、本作とは見違えるほどに穏やかな性格となった。

マリー(演:ジョディー・レティジア)

夜のスラム街でたむろしていた不良少女。
ロッキーに説教をされつつ家に送られるが、「死ね、バーカ!」と悪態をついた。

最終作のザ・ファイナルでは成長してすっかり更生した姿で登場する。

『ロッキー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「どうして闘うの?」"Why do you wanna fight?”

感謝祭の日、ポーリーの計らいではロッキーはエイドリアンと初デートをする。ポーリーから妹はスケートが好きだと聞き出し、感謝祭で早仕舞いのスケートリンクに頼み込んで10分だけ時間をもらう。だがボクシングの話ばかりをするロッキーに、エイドリアンのボクシングに対するストレートな質問のセリフ。それに対してロッキーは「歌もダンスもできないからさ(Because I can't sing or dance.)」と、ジョークで返し、その後も相変わらずボクシングの話だった。

初デートだが、何を話していいのか分からないロッキーの話題はボクシングのことばかり。だが、エイドリアンはどうして殴り合いをするのかが分からないボクシングに、いい印象を持っていない。一見楽しそうなデートに見えるが、相変わらずロッキーの一方通行な感じが面白い。

「よく分からねえけど、すき間を埋めてくれるんだ」"I dunno... she fills gaps."

アポロとの試合が決まり練習を開始したロッキーは、ポーリーが働く精肉工場の倉庫に肉をもらいに来た。そこでポーリーから妹とのことについて「お前本当にあいつが好きか?」と聞かれたロッキーが、返したセリフ。
だがこの後、相変わらず口の悪いポーリーの「ヤッたのか?」「寝たのか?」という愚劣な質問にカッとなったロッキーは、肉の塊に素手で思いっきり数発のパンチを撃つ。因みにそれがきっかけで後に練習法として取り入れることになる。

エイドリアンと付き合い始めたことで、毎日の生活が充実してきたロッキーの本心を、口下手な彼らしく表現したいいセリフである。それに対して本当はうれしいのだが、相変わらずうだつが上がらず素直になれないポーリーの気持ちも表現された友情のワンシーンである。

「そんなこと言うなんて、兄さんはブタよ!」"Only a pig would say that! "

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@yudai10184

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