ランボー/最後の戦場(ランボー4)のネタバレ解説まとめ

『ランボー/最後の戦場』とは、2008年5月24日に公開されたアクション映画で、『ランボー』シリーズの第4作。主演、監督、脚本はシルヴェスター・スタローン。前作の『ランボー3/怒りのアフガン』から20年ぶりの続編にあたる。
タイ北部で静かに暮らしていたランボーは、ミャンマー軍に捕らえられたキリスト教系NGOの一行を救出するために、敵地へ向かう。本作はミャンマーを舞台にランボーが再び戦いの地に舞い戻ることとなった。

『ランボー/最後の戦場』の概要

『ランボー/最後の戦場』とは、2008年5月24日に公開されたアクション映画で、『ランボー』シリーズの第4作。 20年ぶりの『ランボー』シリーズ続編で初めてシルベスター・スタローンが自らメガホンを取った。
スタローンのアイデアで、今回の舞台は実際に残忍な抗争が行われており、メディアや世間からも見放されていたミャンマーとなった。スタローンは国際情勢の専門家に話を聞いた末に、ミャンマー軍事政権によるカレン族虐殺を本作のテーマにすることを決め、プロデューサーは実際にカレン族の難民キャンプを訪れ、このスタローンの発案に賛同する。
カレン族に対するミャンマー軍事政権の迫害は、世界の内戦では最も長く、65年もの長きにわたって続いており、世界の報道でもミャンマーの内戦についてはほとんど触れられることは無く「忘れられた内戦」とも言われて来た。
作品の冒頭から実際のミャンマー軍事政権によるカレン族虐殺の映像が流れ、作品中でも小さな子供が殺される、ダンサーの女性が襲われる、身体の一部が吹き飛ぶなど、残酷でショッキングな描写が多い。前作までのような、超人ランボーによる豪快な戦争アクションは失われ、本作では残虐なシーンが血生臭く描かれることになった。スタローンは、残忍な映像になった理由を「現実を描いたから」と説明している。
ミャンマー近郊で撮影を行った際、ミャンマー軍による地雷被害で身体の一部を失った人々を数多く目にしたスタローンは「地獄だった」と振り返っている。また撮影中現地では発砲を受け、「これ以上撮影を続けたら痛い目を見ることになる」と脅迫もされた。
本作ではランボーは、戦いに疲れきってタイに住む隠遁者として登場し、戦地に赴くことを拒む立場にいる。理想を掲げたアメリカのNGOの一行が支援を目的としてミャンマー入りを希望する際も、「お前たちが行っても何も変わらない」と達観して入国を止めようとする。囚われた彼らの救出を目的に、仕方なくミャンマーに乗り込んでミャンマー軍と戦闘を行うランボーだったが、これまでのように勝利の喜びはなく、多くの血が流れてしまった怒りとも哀しみともつかぬ、やるせない表情を見せることとなる。
作中での死者数は254人と、シリーズ最多を更新した。本作はベトナム帰還兵の苦悩というテーマからは離れ、戦争アクションとしてはそれなりに見ごたえがあるものの、メッセージ性が薄いことからこれまでのシリーズのファンからは受け入れられず、興行収入も前作の1.89億ドルから1.1億ドルに落ち込んだ。

『ランボー/最後の戦場』のあらすじ・ストーリー

再び戦地へ飛び込む事を決意するランボー

タイ北部で隠遁生活を送るランボー

東南アジアのミャンマーでは、ミャンマー軍による武力制圧の内戦が長期化していて、軍事政権が少数民族であるカレン族を土地の天然資源略奪のために凌虐しており、カレン族は60年にもわたって日常的に虐殺の目に遭っていた。
一方、ランボーはタイ国北部にある密林の中にある村で、毒蛇を採って生計を立てたり、ボートで客や商品を運搬したりしてひっそりと静かに暮らしていた。

ある日アメリカからカレン族救済という理想を掲げたNGOボランティアの一団が訪れ、ボートでミャンマーへの案内を依頼される。カレン族への物資支援が目的だという。これまで数々の地獄をくぐり抜けてきたランボーは、この民間人たちに「ムリだ」と言ってはねのけるが、一団のメンバーの女性、サラ・ミラーの説得に心を動かされて、ボートで彼女らをミャンマーまで送り届けることにする。道中、ミャンマーの海賊に襲われて殺害される危機を迎えるが、ランボーは乗組員を守るために海賊を返り討ちにする。
ランボーは引き返す事を提案するが、NGOの一行はあくまでミャンマー行きを希望したため、送り届ける事にした。

しかし数日後、NGOのメンバーの1人、アーサー・マーシュがランボーの元にやってきて、一行がミャンマーの軍隊に拉致された事を聞かされる。ミャンマー軍には残酷な陸軍大佐ティントがおり、カレン族の女子供を次々と虐殺し、村ごと焼き払っている中で、NGO一行も囚われの身となったのだ。
もう戦いは行わないと決めていたランボーは、「お前は生粋の戦士」「国のためではなく、自分のために殺す」と自分に言い聞かせ、NGOボランティアグループを救出する命を受けてアメリカから派遣された5人の傭兵団と共に再びミャンマーへ向かう事となった。

傭兵たちとミャンマーの地へ

傭兵たちと共にボートでミャンマーに向かうランボー

派遣された傭兵のメンバーは、リーダー格のルイス・オールセン、若き狙撃手クールボーイ、元コロンビア軍のディアス・バラデルマ、入れ墨がトレードマークのリース・レストン、元韓国軍のエン・ジョーの5人。ランボーは5人をボートで案内した。

ミャンマーに到着すると、ランボーは同行を希望したが、傭兵のリーダーであるルイスはランボーに、ここに残って船を見張っておくよう指示する。

傭兵団はカレン族のビエンにNGO一行がいた村へ案内されると、焼け跡となった村にはハエのたかった腐乱死体が転がり、見せしめとして死体が吊り下げられる無残な光景が広がっていた。ミャンマー軍勢力は100人にも及ぶと知らされ、惨殺されたカレン族を目の当りにし、傭兵たちは作戦継続か中止かで言い争いとなったが、ミャンマー軍とは交戦せずに捕虜救出だけに専念すると決意する。

そこにミャンマー兵が現れ、傭兵団は彼らの残虐行為を目撃するが、戦力が足りないため見殺しにするしかないと何もせず隠れてやり過ごそうとする。

すると突然ランボーが現れ、弓矢でミャンマー兵を一掃する。その様子を見ていた傭兵団は敵に気づかれる前に脱出しようするが、ランボーは彼らに弓矢を向けると「ムダに生きるか、何かのために死ぬか。お前が決めろ」と迫る。
ランボーの言葉に動かされた傭兵団は、NGO一行救出の継続を決意し、ランボーと共に危険なミャンマー軍の本拠地へ潜入する事となった。

虚しき勝利とランボーの帰国

逃げようとするティントを自作のマチェットで葬り去るランボー

ランボーと傭兵団は、敵のアジトに潜入し、夜の闇に紛れての救出が始まる。ルイスたちはサラ以外の生存者の救助に成功。ルイスたちとランボーは後で合流する事を約束し、ランボーがサラを助け出すが、二人は集合時間に間に合わず、ルイスらは先に撤収してしまう。

脱出しようとするランボーとサラは敵に見つかってしまうが、2人を待つために残っていた狙撃手スクールボーイの助けを借りて逃げ延び、3人は陸地を逃走する。一方、先行していたルイスは地雷で重症を負い、逃走が困難になっていた。

夜が明けるとミャンマー軍が救出に気づき、山狩りを開始した。遅れて別ルートで逃走していたランボーたち3人も、サラが足を負傷してしまう。さらに軍犬を伴った追跡部隊に終われている事を悟ったランボーは、サラをスクールボーイに託し自らが囮となる。マチェットを自作すると、不発弾地域にミャンマー軍を誘導し、軍犬を惹きつけると不発弾を使って追跡部隊を壊滅する。

サラとスクールボーイはボートを係留している地点まで逃げ込んで様子を伺うと、ティント大佐率いるミャンマー軍の部隊がおり、ルイスたちは捕えられてティントに処刑されようとしていた。
するとそこにランボーが現れて重機関銃を奪い取り、ミャンマー軍を次々と血祭りに上げていく。

これに勢いづいた傭兵たちも敵の銃を奪って一斉に反撃を開始。さらにはビエンが連れてきたカレン族の援軍も登場し、一気に形勢逆転。ミャンマー軍は潰走し、ティントは1人戦場からの逃走を図るが、ランボーによって腹を掻き切られ殺害される。

戦いが終わり、婚約者マイケルの元に駆け寄るサラを哀しく虚しい目で見つめていたランボーは、故郷アメリカへの帰国を決意し、数十年ぶりに父の住むオレゴンの自宅へと向かうのであった。

『ランボー/最後の戦場』の登場人物・キャラクター

ジョン・ランボー(演:シルヴェスター・スタローン)

元グリーンベレーのベトナム帰還兵でゲリラ戦のスペシャリスト。既に現役から退き、タイ北部のジャングルで隠遁生活を送りながら毒蛇の捕獲や道案内などで生計を立てている。工作技術に長け、武器の自作なども得意である。

サラ・ミラー(演:ジュリー・ベンツ)

アメリカのキリスト教系NGOの一員の女性。マイケルの婚約者である。人を救う事に信念を持つ理想を掲げた純粋な人物である。ランボーを説き伏せてミャンマーへの道案内をさせるがミャンマー軍に捕まり、ランボーに救出される事になる。

ルイス(演:グレアム・マクタヴィッシュ)

NGOを救出するために雇われた傭兵のリーダー。SAS出身の一流の兵士で腕は確かだが、荒々しい気性でランボーを挑発する。金のためだけに戦う現実主義者で、理想を掲げるNGOの行動にも批判的である。ミャンマー軍との戦いでは地雷を踏んで足に重傷を負い、処刑される寸前となるが、ランボーに救出された後は銃を持って戦った。

スクールボーイ(演:マシュー・マースデン)

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