人造人間キカイダー(Kikaida、Kikaider)のネタバレ解説・考察まとめ

『人造人間キカイダー』は石ノ森章太郎原作の特撮テレビドラマ。キカイダー/ジローは不完全な人造人間として創られたことに悩みつつも、生みの親である光明寺博士を探しだし、ミツコとマサルの兄弟を守るために、ダーク破壊部隊のロボットと戦う。生前、石ノ森章太郎はこの作品に対して『仮面ライダー』よりも思い入れがあると話していた。

人間態の姿は「サブロー」。ブーツに収納された電磁ナイフ「破壊剣」を抜いて顔の横で回転させ、眼前でかざすことでハカイダーにチェンジする。
愛機「白いカラス」はサイドマシーンと同等の走行性能を誇る。

キカイダーを倒すためにマサルを利用するなど、ジローを誘き出すためには手段を選ばない一方で、キカイダーに対しては1対1の勝負を望み、光明寺姉弟を人質にしようとしたダーク破壊部隊・ムラサキヒトデを妨害したり、飛び道具を持たないキカイダーに対してハカイダーショットを使用しなかったりと、独自の美学を持ち合わせる。
僅か7話にしか登場していないながらも、ダークヒーローとしての人気は非常に高く、水木一郎が歌うテーマソング「ハカイダーの歌」もファンから愛されている。

ハカイダーのうた - 水木一郎

人造人間キカイダーより、史上最高にして究極のダークヒーロー、ハカイダーのテーマ曲。潰せ・壊せ・破壊せよ!

プロフェッサー・ギル(演:安藤三男)

ダークの総帥たる悪の科学者。世界を牛耳るべく、戦闘用の人造人間たちに指令を下して様々な破壊活動や、新兵器の奪取などを行わせる。また人造人間たちを各国の武器商人たちに売り捌いて資金源ともしている(小説『人造人間キカイダー The Novel』では、ダークはロボットを各国に売り捌く企業組織として描かれており、ギルは「プレジデント・ギル」と呼ばれている)。
常にダーク本拠地に控えており、手にした杖状の笛を吹き鳴らして配下の人造人間に指令を送る。この笛の音はジローの良心回路に深刻なダメージを与える作用も有しており、「ダークに生まれしものはダークに帰れ」と呟くシーンが印象的。

ギルの役作りに関しては、演者である安藤三男の発案によるところも多く、「常に基地内に潜んでいるから顔色は青白いはず」ということでメイクが施されたり、話数が進むに従って鬼気迫る演技が多くなったりなどという変化がみられる。
ジローを演じた伴大介は、「安藤さんはここまでやる人はいないだろう、というくらい役に入り込んじゃう人」と安藤の姿勢を絶賛している。

ダーク破壊部隊

「グレイサイキング」、「ブルスコング」、「ブルーバッファロー」、「オレンジアント」ら13体の破壊部隊

戦闘員「アンドロイドマン」

プロフェッサー・ギルの指令に従い、テロ行為や発明品の奪取、組織のしもべとなる人間たちの確保などの残虐行為を行うロボットたち。
グレイサイキングやグリーンマンティス、カーマインスパイダーといった初期の13体と、第25話に登場したダイダイカタツムリは光明寺博士の手によるものだが、他の破壊部隊メンバーを開発した人物は不詳。

ダーク組織の構成としては、人間のメンバーは科学陣を除いてはほぼ登場しておらず、ほかの悪の組織(『仮面ライダー』の「ショッカー」、『秘密戦隊ゴレンジャー』の「黒十字軍」など)にみられるような幹部クラスが存在しないのも特徴。
戦闘員も「アンドロイドマン」と呼ばれるロボットで、「ギル、ギル」(初期は「ダーク、ダーク」)という掛け声と共に活動する。

見どころ

人造人間の悲哀

劇中には数々のロボットが登場する。ダーク破壊部隊のロボットは、多くがギルの命令に従って様々な破壊行為を行うが、その中でも、ただの機械ではない感情を見せるものもいた。

第11話「ゴールドウルフが地獄に吠える」では、ジローよりも先に良心回路を埋め込まれたロボット、ゴールドウルフが登場する。アンドロイドマンに襲われていたミツ子とマサルを助けたゴールドウルフ人間態は、2人の勧めに従ってダークを脱走しようとする。

だが、彼の良心回路はジローのものより不完全であるため、闘争心が抑えきれず、月光に反応して戦闘形態にチェンジし、2人を襲ってしまう。キカイダーとの交戦中、月が隠れたことで一時元の姿に戻るものの、ギルの笛で操られてキカイダーと再び戦う。

重傷を負ったキカイダーは、たまたま居合わせた光明寺博士の修理で復活し、ゴールドウルフと戦う。電磁エンドを叩き込まれたあと、ゴールドウルフは死の直前になって正気を取り戻す。

真の意味で兄弟といえるロボットを破壊してしまったキカイダーの目からは、涙が流れるのだった。

第27話「バイオレットサザエの悪魔の恋」では、良心回路を完成させたという博士を襲撃したダーク破壊部隊の一体、バイオレットサザエが、心を持つことにあこがれ、ダークを一時逃れてジローの元に身を寄せる。彼女の言葉を信じ、バイオレットサザエをかくまうジロー。その行為を疑うミツ子に対し、「人間にあこがれる機械の気持ちはわからない」と彼女を突き離してしまう。

だが、バイオレットサザエは、ダーク破壊部隊内でチームを組んでいた2体のロボット、カイメングリーンとアカオニオコゼに脅される中で、戦闘形態にチェンジして、ジローを欺いていたことを口にする。
それを聞いていたジローはキカイダーにチェンジし、バイオレットサザエと戦う。

中央がバイオレットサザエ人間態、それを囲むカイメングリーンとアカオニオコゼ

バイオレットサザエは死の間際に、良心回路が欲しかったのは本心からであったと語り、「美しい女の姿のまま死にたかった」の言葉と共に爆散した。その様子を見つめるキカイダーの姿には哀愁が溢れる。

キカイダーを抹殺する目的のためだけに創られたハカイダー。正々堂々とした1対1の対決でキカイダーを圧倒せんとして、正面から勝負を挑んできた。
しかし、第41話「壮絶ジロー空中分解!」において、ダーク破壊部隊のロボット、アカ地雷ガマの巨大地雷によって、キカイダーの身体はバラバラに吹き飛ばされてしまう。

ばらばらのキカイダーを運ぶハンペン

意気揚々と基地に引き上げようとするアカ地雷ガマを止めたのはサブローだった。
「キカイダーはただ一人の俺の標的だった。そのキカイダーを倒したお前と俺は勝負しなければならん!」と呼びかけ、ハカイダーにチェンジする。
アカ地雷ガマも抵抗するが、決め手をハカイダーに封じられ、ほぼ一方的に破壊される。
そしてハカイダーは、「キカイダーは死んだ!アカ地雷ガマは倒した!俺はこれから何を生きがいにしていけばいいんだ?」と悩み、苦しむ。

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