1日外出録ハンチョウ(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『1日外出録ハンチョウ 』とは原作・萩原天晴、漫画・上原求、新井和也、協力・福本伸行による漫画。福本の代表作『賭博破戒録カイジ』の主人公とチンチロ博奕で合間見えるハンチョウこと大槻太郎(おおつきたろう)を主人公としたスピンオフ作品である。消費者金融を主とする帝愛グループは多くの劣悪債務者を地下強制労働施設に収容する。そこで勤労意欲を促す最高価勤労奨励オプションが“1日外出券”である。この作品は“1日外出券”を頻繁に購入する大槻が限られた1日をいかに謳歌するかが描かれているギャグ漫画である。

第2巻13話に登場。
勿論レンタルショップ大手TSUTAYAのカードではあるが、ここでは地下から解放された無知の木村にからかう目的で大槻が獲得を薦める。監視社会となった日本でごく一部の国民しか所持することができない。善行を重ねポイントを重ねると送られてくる。と、悪戯心湧いた大槻は無知の木村に嘘をつき、からかう。

恋フォルダ

第6巻41話に登場。
男なら皆持つとされる、恋バナネタ保管がされる内に秘めたフォルダ。普段は心の中で開け閉めしているだけで時折取り出しては勝手に悔やんだり、浸ったり、曲解したりと一喜一憂するもの。だがひとたび仲間と共有できるとなると楽しいとされる。

DDT(どじょう童貞)

第9巻71話に登場。
どじょうを食べたことがないコンプレックスを表現したもの。

イワオ

第15巻118話に登場。
地下の一角に突如現れた人面岩。人と話すのが得意ではない地下労働者、半田の唯一の話し相手。しかしそのイワオも取り壊されることが決まる。
だがイワオは壊れない。何度も火薬装填、破壊を試みるが壊れないタフさを有する。結局、縁起が良い、ということで祀られることに。

負のバトン

第17巻134話に登場。
一日外出の際、偶然通勤ラッシュに乗り込んでしまった大槻は混んだ電車内、隣にいた見知らぬ親父に、頻繁に肘を当てられるなど不快な思いをさせられる。この際受け取ってしまった不快な思いをバトンに準えたもの。このバトンはバトンというだけあり、ヒトからヒトへ誰にも巡ってくるであろうものとされる。このように考えた時、不快な思いをさせてきた親父も実は他の人間から受け取ったものと想像がつく。大槻はなんとか消化しようと試みるがかえって裏目に出ることが続く。しかしこれもとあるきっかけで解消する。とあるお店の軒下で雨宿りをする、不快な思いさせた親父に似た、人物に自身が使っていた傘をわたす。気付くと大槻のモヤモヤは霧散していた。負のバトンは自身の正しい行動で解消するものと悟った大槻。
しかし大槻のチンチロによる巻き上げは続く。負のバトンは己が知らぬうちに撒き散らすこともありうる。というのがオチ。

1日休日録ミヤモト

第17巻巻末に登場する特別編。
宮本一のどうしてもダラダラしてしまう休日が描かれている。
せっかくの休日にも関わらずダラダラすることに嫌気がさしてしまう宮本は何かしなければと焦燥感、強迫観念のようなものに駆られる。
しかし結局辿り着いた宮本の答えはとことんダラダラすることを選択。吹っ切ることができ、結果的に休日を謳歌することができる。

『1日外出録ハンチョウ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

大槻太郎「へたっぴ…!せっかくだから高いものを頼むのは…初心者にありがち…1日外出での…典型的ミステイク…」

第1巻2話に登場。
この日沼川は1日外出を謳歌するコツを十分に弁えている大槻に教えを請う。前回の初1日外出で思うように謳歌できなかったからだ。目覚めた公園のベンチでゆっくり過ごした後の居酒屋で沼川はここぞとばかりに高価な刺し盛りを注文しようとする。この時すかさずかぶせるように大槻が言ったのが「へたっぴ…!せっかくだから高いものを頼むのは…初心者にありがち…1日外出での…典型的ミステイク…」という言葉である。この後、大槻は近頃の地下でのメニューと沼川の出身が宮崎であることを聞き出し、チキン南蛮を注文。沼川自身気付かなかった最も食べたかったものを見事大槻は言い当てる。

木村正一「お前らそんな悪いことしてたら…もらえなくなるぞ!Tカード…!」

第2巻13話に登場。
徳を積んだ選ばれた人間しか持つことが許されないカード、と大槻は木村に嘘をつく。木村はそれを信じ込む。その後木村を騙し楽しんでいる大槻が不良にからまれる。その時大槻を助けるため不良に言い放つ言葉が「お前らそんな悪いことしてたら…もらえなくなるぞ!Tカード…!」である。更に木村は自身の履いている靴を脱ぎ、不良達に差し出す。「お前らの好きなエアマックスなら…ワシのを…!」この日木村は大槻に靴をセレクトしてもらっていた。地上解放後、時代錯誤している木村はそれをエアマックスと勘違い。更にはマックス狩りも横行していると思っていた。大槻を助けようと必死の木村にさすがに罪悪感が湧く大槻。「(大槻の言うTカードを)取れますよ…!木村さんなら…今からでも…」それでも大槻は事実をはっきり打ち明けることは出来なかった。

大槻太郎「いいか沼川…そのパサパサの飯があるからこそ…今日の感動があったんじゃないか…!」

第3巻18話に登場。
予約必須の隠れ家的な店で食べた秋刀魚がたまらなく美味。地下で供される秋刀魚と比べると雲泥の差。あまりに美味しかった余り、帰り際、沼川は「帰りたくありません…!」とぐずる。そんな沼川にかけた大槻の言葉が「いいか沼川…そのパサパサの飯があるからこそ…今日の感動があったんじゃないか…!」である。

大槻太郎「ファミレス…なんか今ワシちょうどいいかもファミレス」

第4巻29話に登場。
ファミレスで男3人ただひたすらダベるという回。そこに入るきっかけの大槻の言葉が「ファミレス…なんか今ワシちょうどいいかもファミレス」である。
決して大槻は贅沢ばかりしない。常に自分の気持ちに素直に耳を傾ける。

大槻太郎「違うっ…!この4人が楽しいからこそ…進むべきなんだろうがっ…!」

第5巻35話に登場。
34話から続く宮本宅での餃子パーティーの楽しいひと時がループするという回。そのループから抜け出したい。大槻は襖にタックルしたり、仲間が歌い出すZONEの「secret base」をソーラン節大声で歌い、遮るなどして足掻く。その中、大槻が心底から念じる言葉が「違うっ…!この4人が楽しいからこそ…進むべきなんだろうがっ…!」である。
普段の冷静沈着、他人を利用することに余念ない大槻があまり見せない強い仲間意識が感じられる。

大槻太郎「…なぁ沼川…これ…ワシだけかもわからんが…大人になると…なんとなく…つかみづらくならんか…?メロンパンを食べるタイミング…!」

第6巻47話に登場。
宮本の運転で信州1泊2日旅に出た大槻一行は途中サービスエリアにトイレ休憩で立寄る。トイレから出た宮本が大槻がいないのに気付く。すると大槻は向こうので玉こんにゃくを食べている。これをきっかけに一行はサービスエリアを散策することに。大槻は陳列されたメロンパンの前に立ち止まる。その時つぶやいた言葉が「…なぁ沼川…これ…ワシだけかもわからんが…大人になると…なんとなく…つかみづらくならんか…?メロンパンを食べるタイミング…!」である。
大槻の特徴的な感性や視点がうかがえるひと言である。

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