修羅の門(第壱門・第弐門)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『修羅の門』とは、川原正敏が『月刊少年マガジン』において連載されていた漫画。千年不敗を誇るとされる架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九を主人公とし、陸奥圓明流が地上最強であることを証明するため、様々な強敵達と戦うストーリーは幅広い層に熱い支持を受ける。前作あした青空においての格闘シーンが好評を得たことで、制作が決定した。1987年5月号から1996年12月号まで連載の後に長期休載。2010年11月号より『修羅の門 第弐門』として連載を再開し、2015年7月号で完結している。

修羅の門・修羅の門 第弐門の概要

修羅の門・修羅の門 第弐門とは、川原正敏が『月刊少年マガジン』において連載していた漫画。1987年5月号から1996年12月号まで連載の後に長期休載。2010年11月号より『修羅の門 第弐門』として連載を再開し、2015年7月号を以て完結した。2010年8月時点で、累計発行部数は3000万部を記録している。
前作『あした青空』において描かれた格闘シーンが好評を得たことにより、連載終了後に改めて格闘漫画を描くことを編集部から打診され、本作が制作されることとなった。
千年不敗を誇るとされる架空の古武術・陸奥圓明流の継承者である陸奥九十九を主人公とし、陸奥圓明流が地上最強であることを証明するため、陸奥九十九が様々な強敵達と戦う様を描く格闘漫画。日本国内にて最強を証明した後アメリカへ渡りボクシングの統一ヘビー級チャンピオン、ブラジルのヴァーリ・トゥードの大会で優勝と不敗神話を作っていく。続編の『修羅の門第弐門』では陸奥九十九がヴァーリ・トゥードを制覇し、次なる目的ケンシン・マエダとの一戦のためにコロンビアの紛争地帯に向かってから3年後が描かれている。記憶を失った陸奥九十九が格闘技イベント「兵(つわもの)」に緊急参戦する。陸奥九十九は闘っていく中で徐々に記憶を取り戻し自分の闘う理由を再確認していく。陸奥九十九の千年不敗の重圧とそれぞれのキャラクターの闘う理由や思いを丁寧にかつ情熱的に描いた作品である。

修羅の門・修羅の門 第弐門のあらすじ・ストーリー

修羅の門

第一部実践空手編

千年不敗を誇る古武術・陸奥圓明流。その継承者である陸奥九十九は祖父である陸奥真玄に「神武館をぶったおしてこい」といわれ神武館の本部道場へ向かう。神武館とは、館長である龍造寺徹心がかつて日本空手界の麒麟児と呼ばれていた青年時代、陸奥真玄と戦い無空波を受けて敗れ、その後打倒圓明流を目標として立ち上げた空手団体である。九十九が神武館に向かう途中道に迷っていると偶然にも通りかかった神武館の館長の孫娘、龍造寺舞子に声をかけ道場へと案内してもらう。
九十九と舞子が道場に到着すると、道場破りの毅波秀明が今まさに神武館の看板を持ち去ろうとしている所であった。そこで神武館の館長の孫娘である舞子は実力差を痛感しつつ勇気を振り絞り戦おうとするが、それを見かねた九十九が毅波秀明との戦いに勝利する。ここからが陸奥九十九の不敗伝説の始まりである。そしてその場に現れた神武館館長・龍造寺徹心に祖父の手紙を渡して九十九を煮るなり焼くなり好きにしていい旨を伝え、道場に居候を始める。

その後神武館No.5の木村は100人掛かりで九十九と戦うが敗北。すっかり面子を潰された神武館空手。その情報は瞬く間に全国の神武館の支部に広まり神武館の四鬼竜が本部道場へ集結する。九十九は四鬼竜の三人までを負傷しながら倒す。そのまま四鬼竜最強の海堂晃と戦おうとした時、負傷している九十九の身を心配した舞子によっていったん延期する。海堂はこの間に、九十九が陣雷戦で見せた無空波と思われる技を回避するための修練を積み、九十九に挑む。海堂晃は実戦においても陣雷戦と同じ技をかわすも、それは無空波ではなく虎砲という別の技であり、真の無空波を放った九十九に敗れる。

第二部異種格闘技大会編

九十九は様々な有名格闘団体に手あたり次第道場破りを仕掛ける。そしてマスコミを使い、日本格闘技界全体に喧嘩を売る。その意図を察した龍造寺徹心が全日本異種格闘技選手権を開催する。九十九の格闘技界全体に対する宣戦布告によって国内各種の格闘技界のトップ選手達がこの大会に参戦する。
キックボクシング代表の竹海直人、シュートボクシング代表の羽山悟、プロレスラー代表の飛田高明、鬼道館No.1の片山右京らを含む各団体のトップファイター達と激戦の末決勝へと駒を進める。決勝戦は圓明流の分派である不破圓明流の継承者、不破北斗との戦いとなった。そこで九十九は不和圓明流奥義・神威を受けて大ダメージを負うが何とか立ち上がりその後、陸奥圓明流秘技・四門を使い不破北斗の命を絶った形で大会の幕を閉じた。

第三部アメリカプロボクシング編

全日本異種格闘技選手権での優勝後、消息を絶った九十九は、ハワイでヘヴィ級プロボクサーアリオス・キルレインの試合を見た後、最強の証明のためにアメリカ合衆国本土へと渡る。九十九は直接ニューヨークにあるアリオスのもとに道場破りに行くが「ボクサーでない男と戦う気はない」と一蹴される。ならばとアリオスと戦うため、九十九はプロボクサーへ転身してヘヴィ級のリングへ上がることを決意する。
そんな中ボクシングの知識のない九十九は、全日本異種格闘技選手権で知り合った「プロレスの神様」フランク・クラウザーの紹介で、テディ・ビンセントと出会いボクシングのトレーナーと試合のマッチメイクをしてもらう。九十九はボクシングのルールで陸奥圓明流を使って衝撃的なデビュー戦を飾り順調に戦績を積み、シューレスニンジャボーイと渾名されるようになる。アメリカならではの人種差別にもあいながら神武館最高師範であり、またアメリカニューヨーク支部長でもある舞子の父・龍造寺巌の協力もあり、アメリカのボクシング最強を決めるヘヴィ級王座統一トーナメントに参戦する機会を強運と実力で掴み取リ勝ち進んでいく。そして決勝でアリオスにKO勝利する。九十九は日本人初・史上最年少最軽量の統一ヘヴィ級チャンピオンとなる。

第四部ブラジルバーリトゥード編

九十九はヘヴィ級王座を翌日には返上し、祖父の言葉に従い、100年ほど前にブラジルに渡って千回以上の他流試合をして不敗だった男、コンデ・コマこと前田光世の業を受け継ぐ者と闘うためにブラジルに向かう。先祖の恩を返すためにと九十九に付き従うインディアンのジルコォー・マッイイツォと共にブラジルへと向かう。九十九はブラジルのファヴェーラでブラジルの貧困を目の当たりにする。そこで運命的に出会った神武館南米王者のイグナシオ・ダ・シルバの案内でグラシエーロ柔術の長老ビクトル・グラシエーロを訪ねるが、ビクトルはコンデ・コマ、前田光世の事は一切答えず、教える条件にグラシエーロ家主催の全ての技・行為が有効を意味するヴァーリ・トゥードに参戦することを九十九に求める。
九十九は初戦でブラジルの足技を中心としたスタイルの格闘技カポエラに対して足技で対抗し、力士に対しては力で、傭兵との戦いでは武器の使用や目つぶしなど反則を含めた殺し合いのスタイルで勝利を続け、準決勝で神武館南米王者イグナシオ・ダ・シルバを破り決勝へと進む。決勝戦ではグラシエーロ家の長男レオンとの死闘に、九十九は両腕をレオンに壊され使えない状態となるが陸奥圓明流秘技、四門の1つ玄武で決定打を与える。玄武を受けてなお勝利を得ようとするレオンに九十九も最後まで死力を尽くし、レオンを殺し九十九が優勝する。
大会後、ビクトルよりコンデ・コマの業を受け継ぐ者がケンシン・マエダであることを聞いた九十九は、傭兵のブラット・ヴェガリーの案内でケンシン・マエダのいる中米の戦場を目指してブラジルを発つ。

修羅の門 第弐門

総合格闘技大会 兵編

ブラジルでの戦いを制覇し、ケンシン・マエダとの一戦のために九十九がコロンビアの紛争地帯に向かってから3年近い月日が流れた。
その日から九十九は消息を絶ち、周囲も安否すら確かめられないままに月日を過ぎていった。時は経ち、いつしか九十九の名を知る者も限られる様になっていた。そんな中、日本で開催されていた総合格闘技大会「兵(つわもの)」に圓明流の技を使う覆面格闘家・唵が現れ、九十九の存在を知る者たちから九十九が日本にいるのではないかとの噂が立つ。
時を同じくして、街中で偶然九十九と共に消息を絶っていたマッイイツォを見つけた舞子は九十九の行方を尋ねるが、九十九は既に日本に戻っていて現在行方不明となっていることをきかされる。舞子達は唵が九十九ではないかと感じながらも確信を持てず、唵とプロレスラー宮本翔馬の試合観戦に向かう。宮本の入場コール後、唵に似た覆面の選手が入場してくるが、その正体は宮本ではなく、行方不明になっていた九十九であった。九十九は謎の男山田の計画によって、そのような演出を行い観客の前に現れる。九十九は初戦、唵の元々の対戦相手である宮本を倒し、続いて唵の正体であった毅波秀明も倒し、不敗神話は続いていることを証明する。しかしその戦いにはどこか危うさが付きまとっていた。その日のトーナメントの次の試合では「兵」王者ミカエル・ビーゴルストと台湾から来たルゥ・フォン・シェンが対決した。「兵」王者ミカエル・ビーゴルストが勝つと思われたが、台湾から来たルゥ・フォン・シェンにまさかの敗戦。ルゥ・フォン・シェンは台湾の暗殺者一族「呂家」の1人であった。九十九はトーナメントで勝ち上がってきたルゥ・フォン・シェンをリング上で倒し、その後九十九を襲撃してきたルゥ・ズ・ミィンを山田と共にリング外で破る。

THE APEX編

総合格闘技兵終了後アメリカの格闘団体TSFと「兵」とのトーナメント戦「THE APEX」に参戦する。九十九はその初戦でTSF王者ヴォーダン・ファン・デル・ボルトを破り、その後ドーピングをして戦う「モンスターマシン」ジム・ライアンを破壊する。決勝戦では呂家のジャン・ズ・ヤと闘う。ジャン・ズ・ヤは掟破りの暗器を使い九十九や舞子にまで襲いかかる。九十九は決勝戦をボロボロになりながら戦う死の淵でケンシン・マエダとの一戦の記憶が蘇る。そして自身が負けることを死ぬほど恐れていて、陸奥圓明流が未だ不敗であることを思い出した九十九は四門を開き四神・青龍によってジャン・ズ・ヤとの殺し合いともいえる試合に勝利する。

海堂晃との再戦編

大会終了後、「兵」の主宰者である羽生つばさは、九十九を別荘で療養させると共にアメリカで武者修行中の海堂晃を招待する。療養中、九十九は実の父である山田と共にリハビリを兼ねたトレーニングを行う。そんな中で九十九は山田の技の中に九十九の亡き兄陸奥冬弥に似た優しさを感じる。体力が回復してきた頃合いで舞子や龍造寺徹心、片山右京、山田らを観戦者として、宿命のライバル海堂晃との再戦の約束が果たされる。戦いの中で空王となった海堂晃と修羅王となった九十九は互いに死力を尽くす。九十九は四門を開き実の父である山田こと不破現の技を最後の一撃で放ち海堂晃との勝負に勝利する。この勝負を見届け神武館館長の龍造寺徹心は力尽きる。

修羅の門・修羅の門 第弐門の登場人物・キャラクター

主要人物

陸奥 九十九(むつ つくも)

本作の主人公。千年不敗を誇る古武術・陸奥圓明流の継承者。年齢17歳。祖父の真玄から神武館への道場破りを命じられ上京。しかし神武館の者を味方につけ寮に居候するようになり、程なくして格闘技界の風雲児と目されるようになる。
金や権威などの世俗的な欲望にはほとんど興味を示さず、周囲の人物を呆れさせることもしばしば。それにもかかわらず表舞台へ姿を現したのは、陸奥圓明流が地上最強であることを証明し、自らの代で「人殺しの技」圓明流を終わらせるためであった。
格闘家としては身長170センチメートル・体重66キログラムと小柄な体格ながら超人的な身体能力を誇り、技量においても打投極と全てにおいて専門家を凌駕する実力を持つ。

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『修羅の門』・『修羅の門 第弐門』は川原正敏による漫画作品。主人公である陸奥九十九が古武術・陸奥圓明流の継承者として様々な格闘家と試合・格闘を繰り広げながら陸奥圓明流が地上最強であることを証明していく。陸奥九十九を初めとして登場人物の多くは戦いを通して相手と分かり合うため多くを語らないがその分、口を開いた時の言葉には凄み・説得力が有り、名言と称されるものも多い。

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