賭博黙示録カイジ(福本伸行)のネタバレ解説・考察まとめ

1996年~ 1999年に「週刊ヤングマガジン」で連載された福本伸行によるギャンブル漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画のこと。働きもせず、しょぼい酒と博打に明け暮れる自堕落で最悪な毎日を送る若者カイジが、保証人としてかつてのバイト仲間の借金を返済するためギャンブルの世界へ足を踏み入れ、その後様々なギャンブルに挑んでいく様が描かれる。

『賭博黙示録カイジ』の概要

賭博黙示録カイジ(とばくもくしろくカイジ)とは、1996年~ 1999年に「週刊ヤングマガジン」で連載された福本伸行によるギャンブル漫画、及びそれを原作とするアニメ、映画のことである。働きもせず、しょぼい酒と博打に明け暮れる自堕落で最悪な毎日を送る若者カイジが、保証人としてかつてのバイト仲間の借金を返済するためギャンブルの世界へ足を踏み入れ、その後様々なギャンブルに挑んでいく様が描かれる。
第22回講談社漫画賞一般部門受賞作品。

『賭博黙示録カイジ』のあらすじ・ストーリー

第一章 希望の船

プロローグ

しょぼい酒にしょぼい博打、無職。そして日々の鬱憤がたまると何となく外にでて、違法駐車している高級車を見つけてはいたずらして回るという最悪な毎日を送っていたカイジ(伊藤開司)。ある日彼のもとに金融業を営むヤクザ遠藤が現れ、かつてのバイト仲間である古畑が利息により385万円にまで膨らんだ借金を抱えたまま姿を消したことが伝えられる。保証人であるカイジは返済の肩代わりを迫られるが、当然そんな金はない。そんな中、言葉巧みに怪しげな提案を差し出す遠藤。一ヶ月後ある船が出る。その中で行われる勝負の結果次第で負債者に借金一括返済のチャンスを与えるというギャンブル船「エスポワール」。勝てば借金はチャラ、負ければ1~2年の強制労働という条件のもと、カイジは誘われるまま船に乗り込むことになる。

出港

暗闇の中出港するエスポワール。船内カジノのホールマスター利根川から伝えられた種目は「限定ジャンケン」。プレイヤーにはグー、チョキ、パーそれぞれ4枚ずつ計12枚のカードが配られ、それぞれに渡された3つの星形のバッジを取り合うというもの。1度使用したカードはその場で廃棄され、カードを使い切った時点で星を3つ以上保有していれば勝ち残りとなる。全体のカード残量は常にフロアに電光掲示されているため、進行状況を確認しながらプレイすることになる。伝えられた最低限の情報に不満を口々にする参加者たちを一喝し、退席する利根川。理由も告げられず貸し出された現金の使い道もあやふやなままに、限定ジャンケンの制限時間のカウントダウンは始まった。

開戦

開始からほどなくしてカイジに話を持ちかけてくる船井という男がいた。星3つの原点をキープすればいいだけなら勝つ必要はない。談合のもと全てあいこでカードを消費し、リスクなくお互い勝ちあがろう。言われるまま応じ、あいこを積み重ねていくカイジ。しかし残り枚数わずかとなったところで船井はあいこのためのカードをすり替えることで、カイジから重ねて星を二つ奪取する。
高笑いして去っていく船井と裏腹に星一つの窮地に追い込まれてはじめてペテンにかけられたことを理解するカイジ。愕然と落ち込む中、思いがけず知った顔に目がとまる。エスポワールに乗るきっかけとなった古畑だった。古畑、そして星は二つながらカードを全て使い切ってしまっていた安藤を加え、単独では散々な成績だった三人は共同戦線を張ることになる。

買占め

意図せず自分たちに残ってしまったチョキのカードのみというバランスの悪さを逆手に取り対戦相手を心理的にはめたことから、カードの枚数制限というルールに目を向けたカイジは大掛かりな作戦を思いつく。偶然の偏りでフロアに多く残ったチョキのカード。カイジたちはそのカードを狙い撃つべくグーのカードを買占めに走る。買占めは順調に進行するが、不意にチョキのカードだけがすさまじい勢いで減り始める。突如として暴落するグーの価値。カイジの買占めに気付いたプレイヤーの北見たちがそれに応じてパーのカードを買い占め始めた結果、フロアにおいて使用されるカードがほぼチョキのみという異様な状態に陥ったのだった。カイジの買占め戦略はこの時点では完全に手詰まり状態になる。
しかし、カイジは北見の買い占め戦略の隙を突き一矢報いる。グループ内のあいこで廃棄できない奇数枚のカードを抱えていた北見は、勝ち負けに関わらずその一枚は処理する必要があった。それが買占め戦略上、奇数偶数に関わらず集めなければならなかったパーであることを見抜いたカイジは、一見ヤケになった風の演技で北見の油断を誘うと、巧みな交渉術で一回の対戦で星三つをやり取りするレートアップに成功。買い占め作戦では上回られた北見から星三つを奪取する。この勝負の結果仲間割れを起こした北見たちからパーのカードもせしめたカイジたちは、フロアに流通するカードの半数以上を保有することになる。

停滞

フロアのカードも減り期待勝率も高まった終盤。いよいよ動き出そうとするカイジたちだったが、今度は残ったプレイヤーたちが疑心暗鬼から一向に勝負の卓につかないという状況が訪れる。そうした停滞状況を打破すべく動き出したのは船井。自身のカードの情報がどこかから漏れたのではないか?という疑念から動けないのなら、一度全員のカードを全て集めシャッフルして配りなおせばいい。船井の狙いは二つ。一つはカイジたちの買い占めを白日の下に曝し勝負から締め出すこと、そしてもう一つは自ら主導権をとって配りなおす際に目印をつけたカードの行方を把握することだった。一つ目の狙いには成功する。しかし二つ目の策略をカイジに見抜かれ糾弾されたことで計算外に自分も勝負から締め出されることになる。星の数は十分だが、残り一枚のカードを使い切らないといけない状況で一人孤立した船井。フロアに残るパーのカードは全てカイジたちが独占しているため、パーが流動していないフロアで船井が勝つ算段を立てる事ができるということは、船井がシャッフルで不正をして入手したカードはグー。最後の所持カードを把握された状態で100%負ける一騎打ちを強いられることに。生き残りのため必要な4つの星を差し引いた船井のプラス分、5つの星を手に入れ、カイジたちはついに目標の9個の星に到達する。

裏切りと決着

目標の星には届いたものの、奇数枚数を保有するカイジはカードを消化できず脱落することに。勝負終了後に敗退者救出が許されることに賭け、カイジは星と現金を仲間に託し敗退者部屋に落ちる。
悲嘆にくれる大半の敗退者の中に、カイジと同じく救出を待つ者が2人。岡林と石田。タイムアップ後救出を認める利根川の言葉に安堵するカイジと石田に対し、挑発的に笑う岡林。死ぬな、おまえ…。その言葉通り救出の約束をしたはずの相棒が既にフロアの階上で悠々とくつろいでいるのを見て石田は崩れ落ちる。一方カイジも、豹変する安藤の一言に戦慄する。「この星も、金も、オレのもの。手放さない…」。それ見たことかと高説をたれる岡林に殴り掛かるカイジ。罵声を浴びせ救出され出て行く岡林だったが、そのすぐ後に先の暴挙がカイジによる演技だったことを知る。揉み合いの際に傷口に当てるガーゼに紛れさせ救出の保証として岡林が隠し持っていた2000万円相当の宝石を掠め取っていたのだった。
結局カイジは仲間ではなく岡林らのグループに救われる形で生還する。出るなり仲間たちを殴り金をむしりとるカイジ。「捨ててやる、こんな金…」。この船を支配していた「利」という不文律、世界観に踊らされる人間の浅ましさに嫌気のさしたカイジは、半ば自暴自棄気味にその金で、唯一カイジの身を本気で案じてくれた石田を救い上げる。
そうして4時間余りの勝負を生き残りそれまでの借金はチャラにしたものの、船で背負った総額600万円以上の新たな借金と共に、カイジは船を降りるのだった。

第二章 絶望の城

再挑戦

4ヶ月後。しばしの沈黙の後コンビニでバイトするカイジの前に再び遠藤が現れ、新たなギャンブルを持ちかける。カイジの醸し出すアウトローなにおいにひかれ、行動を共にしていたバイト仲間の佐原もまたその誘いに乗り参加することに。会場であるオープン前のホテル「スターサイドホテル」に到着するカイジ。そこにはエスポワールで見知った顔がいくつかおり、石田もまたその場に居合わせていた。今度こそしくじるものか、と決意したカイジは再び勝負に挑むことになる。

人間競馬

参加総人数は60人。カイジを含め初回12人が移動した先には、高さ約10メートルのところに幅10数センチの鉄骨が数本架けられ、多くのギャラリーが詰め掛けていた。明かされる種目は「鉄骨渡り」。カイジたち参加者を馬に見立てた人間競馬だった。
急かされるようにスタートするレース。人数よりも少ない鉄骨に詰まる出走者たち。ギャラリーからは「押せ」の合唱が浴びせられる。
前を行く走者を押し落とさなければ自分の先着はない。押せっ!自分に言い聞かせるカイジだったが、押せない。そして意図せず涙が溢れてくる。気付けば周りの人間も同様に涙を溢れさせていた。しかし最初の人間のプッシュをきっかけに、至るところで涙ながらに始まる文字通りの蹴落とし合いの地獄絵図。その中で最後まで押さないことを宣言したカイジは、後方走者と揉み合い鉄骨に手を突いてしまったことで失格。賞金を得る権利を失う。賞金のもらえる1、2着は初っ端のリードを守りきった佐原としんがりから漁夫の利を得た石田となりレースを終える。

超高層鉄骨渡り

レースの賞金を要求する佐原たちに、これまでのレースはあくまで本番前の余興でしかないと告げチケットを手渡す利根川。このチケットを現金に換えたければ受け渡し場所である隣のビルまで鉄骨を渡って取りに来い。それに挑み渡りきった勇者には、先のレースの結果、あるいは今回の先着結果に関わらず皆に賞金を渡そう。先のレースと異なり地上22階に架けられ、手を突くことも許さない電流が流された鉄骨のもと、墜落即死の鉄骨渡りが再びスタートする。
進むにつれのしかかってくる精神的プレッシャーから正常な平衡感覚を維持できず次々に転落死する仲間たち。ギブアップ宣言するも受け入れられず、ものの2、3分のうちに7人が落ち、残りはカイジ、石田、佐原の3人に。そして石田もまた、カイジらに動揺を与えぬよう最後の気力を振り絞って絶叫をかみ殺し、無言で転落する。
最初に鉄骨を渡りきったのは佐原。しかし、安堵しながら扉を開けると同時に、建物内外の気圧差により発生した突風によって目前で転落してしまう。結果利根川の待つ部屋までたどり着いたのはカイジ一人だった。

Eカード

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