アカギ 〜闇に降り立った天才〜(Akagi)のネタバレ解説まとめ

福本伸行による麻雀漫画。「別冊近代麻雀」(1991年7月号)にて連載開始。その後「近代麻雀」に移行した。「天 天和通りの快男児」に登場する「伝説の雀士」赤木しげるを主人公とするスピンオフ作品。若き日のアカギが不良グループ同士の抗争事件の後、身を隠すためまぎれ込んだ雀荘で麻雀と出会い、幾多の名だたる代打ち雀士たちとの勝負を経て、究極の敵、鷲巣巌との決戦に至るまでが描かれる。

概要

『アカギ 〜闇に降り立った天才〜』は、福本伸行による麻雀漫画、及びそれを原作とするアニメ、ドラマ、Vシネマである。
同著者作品『天 天和通りの快男児』に登場する「伝説の雀士」赤木しげるを主人公とし、彼が若き日にいかにして麻雀と出会い、伝説を築き上げていったかが描かれている。
「別冊近代麻雀」(1992年7月号)にて連載を開始し、その後「近代麻雀」へと移行した。

作風は闘牌シーン及びそれに付随する心理描写がメインとして描かれる。登場人物が卓内、卓外を問わず勝負の各所で布石を打ち、二転三転しながらその全てを回収しクライマックスへと結実していく運びの秀逸さが特徴である。時にそうした心理描写は、無意識(深層心理)まで及び、キャラクターの背景にある独自の勝負観、人間観、世界観まで遡りながら闘牌を描くところも読みどころの一つといえる。
そうした作風から、遅々として物語が先に進まないこともある。「鷲巣編」に至っては、半荘6回の勝負が20年に渡って描かれ、とりわけ鷲巣麻雀6回戦南3局終了時に失血により鷲巣が昏倒してからは、舞台を鷲巣の幻想である「地獄」に移し鬼たちと鷲巣率いる亡者たちとのコミカルな戦いが描かれ、約1年にも渡り闘牌シーンが一切登場しないという、麻雀漫画としては極めて異例の事態に陥った。

あらすじ・ストーリー(邂逅編)

「死ねば助かるのに……」。
1958年(昭和33年)。ある雨が降りしきる夜、場末の雀荘でヤクザとの大金を賭けた麻雀勝負で窮地に立たされる南郷はその呟きにはっとする。勝てば300万(現在の価値で3000万円以上)の借金が帳消しになるが、負ければ借金はさらに倍。レートの大きさに委縮し、勝負に行けない自分がいる。今の自分は死ぬ気で勝とうとしていない、ただ勝負を避け助かろうとしているだけだった。

白髪、ずぶぬれ、そして異様に鋭い目つき、声の主はいかにも怪しい見知らぬ少年だった。不良グループの抗争の末のチキンランに生き残り、身を隠すため雀荘に迷い込んだ少年との邂逅は、南郷に転機をもたらす。
レートに怯え勝負に行けない自分と、今まさに生死を賭けた勝負に生き残ってきた少年。このまま勝負を続けても負け以外ないことを確信する南郷は、自身の勝負弱さの本質を一目で喝破した少年にすべてを委ねることを決意し、代打ちを申し込む。

麻雀のルールさえ知らない13歳の少年、赤木しげる。しかし彼は闘いの中ですべてを理解し、ヤクザの竜崎、そして代打ちの矢木をも立て続けに退け勝利を手にする。闘いを目の当たりにし、その才能にほれ込んだ刑事安岡の取り計らいのもと、赤木は更なる博徒との勝負へと導かれていく。彼の伝説はこのようにして幕を開けた。

主要登場人物・キャラクター(邂逅編での初登場キャラ)

アカギ / 赤木しげる(あかぎ しげる)CV:萩原聖人(アニメ)/演:本郷奏多(TVドラマ「アカギ」)/演:柏原崇(Vシネマ「闘牌伝アカギ」「雀魔アカギ」)

本作の主人公。
麻雀をはじめ、ギャンブル全般にその力を発揮する天才博徒。才気、精神性、運量といったギャンブルに必要なあらゆる要素を別次元で有する。対戦相手からは「悪魔」と称され、相手を呑み込むその打ち筋は「闇」「ブラックホール」と銘打たれる。
口数は少なく常に冷静。自らの判断と信念に沿い命を賭けることを一切厭わない姿勢は、一見すると死にたがりのようですらあるが、クールさの内に秘めた真の勝負を希求する熱さと無欲さがもたらす狂気に裏打ちされた生き方の表出でもある。

南郷(なんごう)CV:小山力也/演:尾藤イサオ(Vシネマ「闘牌伝アカギ」)

アカギが麻雀を打ち始めるきっかけとなった人物。無精ひげを蓄えた大柄な中年男。
株やギャンブルで300万の借金を背負い、その返済のためヤクザ相手に命がけの勝負をしていた際、アカギに出会い救われる。常識的で小心、つまりは人間臭さが目立つ凡人。作中で登場する様々な狂人・異才たちを引き立てる役どころとなっている。
対市川戦にアカギが勝利したことで400万円(現在の価値で4000万円以上)の大金を手に入れるが、まるで子供が興味をなくした玩具に送るような眼差しでその札束を見ているアカギに気づき、自身との勝負師としての違いを痛感し、それ以降ギャンブルから足を洗う。

安岡(やすおか)CV:玄田哲章/演:神保悟志(TVドラマ「アカギ」)/演:寺田農(Vシネマ「Vシネマ「闘牌伝アカギ」「雀魔アカギ」)

暴力団とも密につながる悪徳刑事。
元々は不良グループの抗争事件を捜査する折アカギを追う立場だったが、アカギの才を目の当たりにして以降対局の場をセッティングするなどサポート役にまわる事になる。当初はアカギを利用して儲けようとしていただけだったが、次第に人情にあつい部分など憎めない一面も見せ始めるようになる。
鷲巣麻雀ではアカギの下家に座り、アカギへのアシスト役を担う。しかしアカギの意図を読み損ね、致命的なピンチを招いてしまうことも。

竜崎(りゅうざき)CV:中田浩二/演:小木茂光(Vシネマ「闘牌伝アカギ」)

麻雀による素人殺しを生業としており、相当の打ち手と噂される川田組のヤクザ。しかしながらその実、アカギによれば、圧力を背景にして腕の縮んだ素人を取って喰ってきただけの二流の打ち手。当初素人であるアカギを甘く見ていたが、勝負を進めるうちにその並外れた才能に圧倒され、代打ちである矢木を呼ぶ。

矢木圭次(やぎ けいじ)CV:高木渉/演:松重豊(Vシネマ「闘牌伝アカギ」)

川田組が囲っているプロの代打ち。竜崎の代打ちとしてアカギと対局する。数局打ち筋を見ただけでアカギの才能を見抜き、慎重に見に回ったことなどから、安岡からは確実に竜崎よりも格上の打ち手と見なされる。
対局に入る際、「負けた方が、金の代わりに指を1本切り落とす」というサシ馬を持ちかけアカギに揺さぶりをかけようとするも、全く意に介さず即答で承諾された上に同条件をつき返され、あてが外れる。
対局においては、ブラフやイカサマ技を駆使しながらルールを覚えて間もないアカギの素人ならではの弱点を突こうとするが、逆にイカサマで反撃を受け敗北。2戦目は早々にアカギの嵌め手にかかったことが契機となり完全に自信喪失し、2連敗。その後の消息やサシ馬の行方は作中では描かれていない。

あらすじ・ストーリー(市川編)

矢木を一蹴した後なお倍プッシュを申し出るが、安岡の口添えもあり日を改めた再戦の提案に渋々ながら応じるアカギ。
川田組は組が抱える最強の雀士、盲目の市川用意。決戦の当日を迎える。
遅れてきたアカギは代走の南郷が招いたピンチを機転の利いた摩り替えによって回避。以後、奇をてらった変則手で市川から直撃を狙うアカギに対して、ごくオーソドックスな打ち回しで淡々と点棒を重ねる市川は膠着状態へ。

その状態を脱するべくアカギは互いの点棒を10分の1に減らすことを提案するも長期戦に分ありと見る市川はこれを拒否。しかし、イカサマ技をちらつかせなおも強硬に食い下がるアカギについに市川は要求を飲むことに。だが、これが呼び水となり市川は封印していたイカサマ技を解禁。自山の牌とツモ牌を自在に摩り替える市川は瞬く間にアカギを追い詰める。
残り1300点。後がない状況で出たサイの目は市川の山をほとんど配牌で消化する望外の3。出目に恵まれたアカギは果敢に仕掛け、さらに市川が切った北を大明槓。リンシャンツモを警戒した市川は手牌の安牌と摩り替えようとするが、先読みしたアカギがこれを阻止。アカギの和了はやむなしと見市川は、瞬間次善の策に動いた新ドラ表示牌を摩り替える。背筋が凍る市川。摩り替えたその牌はアカギが大明槓した北がそのままドラになる西。
ともかく胸をなでおろしたのも束の間、次の瞬間リンシャン牌をツモりあげたアカギの二の矢が市川の息の根を止める。アカギの手の中にはあるはずのない白が2枚。百戦錬磨の市川をも釣り上げる理外の一打によって、アカギはリンシャンカイホー、三色に加えて、奇しくも市川が自ら置いた表示牌で追加されたドラによって満貫を討ち取ったのだった。

こうしてこの夜は広く語り継がれることになる。しかしその中心にいるはずのアカギは、沸き立つ周囲の声を尻目にこの夜以降姿を消した。

主要登場人物・キャラクター(市川編での初登場キャラ)

市川(いちかわ)CV:田中秀幸

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