ランボー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ランボー』(原題:First Blood)とは、1982年に米国で公開されたシルベスター・スタローン主演のアクション映画で、『ランボー』シリーズの第1作である。 社会から排除されたベトナム帰還兵のランボーが、たまたま訪れた街でランボーを追い出そうとする保安官に出会い、戦いへと発展する。ランボーを通してベトナム戦争の負の遺産として社会問題になった米国の暗部が描かれている。 本作は『ロッキー』に続き、シルベスター・スタローンの代表作となり、ハリウッドスターとしての地位を不動のものとした。
サミュエル・トラウトマン大佐はフォート・ブラッグ駐屯地に勤務する将校である。ベトナム戦争中にはアメリカグリーンベレーの部隊指揮官として活動していたが、ベトナム戦争後は一線を退いている。その風貌は「長身痩躯で、鱒(トラウト)というよりはイタチに似た顔の男」などと表現される。人生のほぼ半分を軍隊生活に費やしており、軍人としての能力は非常に高く、ランボーにとってはかつての上官であるだけではなく、3年間共に戦った戦友の最後の生き残りでもある。その為ランボーは大佐を父親に近い理解者と考えており、トラウトマンもランボーを共に戦った部下を息子のように思っている。ランボーについて「自分の最高の作品」と誇らしげに語っている。米国政府側の説得者として登場するが、トラウトマン自身の心情は政府高官というよりも最前線の兵士に近く、ランボーの心情に理解を示すため、政府側代表者と対立する。
ティーズル保安官(演:ブライアン・デネヒー)

ワシントン州の小さな田舎街の保安官。ランボーの敵役として登場する。ティーズル保安官が車で通りかかるところ、汚い身なりで歩くランボーに不信感をあらわにし、ランボーを逮捕する。ランボーに敵意を剥き出しにした理由として、ベトナム戦争はアメリカの歴史で初めて敗北した戦争で、当時国内で反戦運動が起こり、帰還兵はアメリカ社会では拒絶されていた社会情勢があった。この時代背景から、ティーズルは自分の街に来た、見るからに帰還兵だと分かるランボーを偏見を持って排除しようとした。偏見を持つ人間が拳銃を持って正義を振りかざすには恐ろしいが、米国の社会がそうさせたのである。
カーン州警察長(演:ビル・マッキニー)

ランボーを捕らえるために動員された州警察の指揮官。
ガルト(演:ジャック・スターレット)

ヘリコプターに乗って執拗にランボーを狙い、独断で射殺しようとした保安官代理。ランボーが石を投げると、一瞬ヘリはコントロールを失い、ガルトは放り出されて落下し、死亡した。
バルフォード(演:マイケル・タルボット)

保安官補。山の中でランボーが作った、木の枝に尖った小枝を沢山つけた罠にひっかかる。
ウォード(演:クリス・マルケイ)

ランボーをいたぶった保安官の1人。ランボーの髭を剃ろうとナイフを顔に近づけた結果、過去の拷問が鮮明にフラッシュバックしてしまう。
オーヴァル(演:ジョン・マクリアム)

保安官補で犬使い。警察犬を次々と放ってランボーを追い詰めようとするが、ランボーとの戦いの中で、銃撃され身動きできずに、豪雨を体で受け止めることとなる
レスター(アルフ・ハンフリーズ)

保安官補。ランボーの身元を、ベトナム帰りの勇士、グリーン・ベレーの隊員で戦争の英雄と報告する。
ミッチ(演:デヴィッド・カルーソ)

Related Articles関連記事

ランボー/怒りの脱出(ランボー2)のネタバレ解説・考察まとめ
『ランボー/怒りの脱出』とは、80年代アクション映画の金字塔で、収監されたランボーの元にトラウトマン大佐が訪ねて来て、極東での作戦への参加を提案する。その作戦とはベトナムで捕虜になっている兵士を調査することだった。「80年代は筋肉と爆薬がすべてだった」とスタローンも言ってるように、爆薬の量とアクション描写は、それまでの常識を超えている。また「映画史上最もパクられた本数が多い映画」とも言われており、「ベトナム帰還兵」や「ベトナム捕虜救出」がテーマの映画がビデオ店の戦争アクションコーナーに並んだ。
Read Article

ランボー3/怒りのアフガン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ランボー3/怒りのアフガン』とは1988年にアメリカ合衆国で製作されたアクション映画作品で『ランボー』シリーズ第3作にあたる。ベトナム戦争時代の上官でランボーの唯一の理解者であったトラウトマン大佐がアフガニスタンの戦場でソ連軍の捕虜となってしまう。タイで静かに暮らしていたランボーは、それを知ると大佐救出のためアフガンに向った。 公開当時は「101分の本編で108人の死者が出る」というキャッチコピーでギネスブックに「最も暴力的な映画」と記載された。
Read Article

ランボー/最後の戦場(ランボー4)のネタバレ解説・考察まとめ
『ランボー/最後の戦場』とは、2008年5月24日に公開されたアクション映画で、『ランボー』シリーズの第4作。主演、監督、脚本はシルヴェスター・スタローン。前作の『ランボー3/怒りのアフガン』から20年ぶりの続編にあたる。 タイ北部で静かに暮らしていたランボーは、ミャンマー軍に捕らえられたキリスト教系NGOの一行を救出するために、敵地へ向かう。本作はミャンマーを舞台にランボーが再び戦いの地に舞い戻ることとなった。
Read Article

ロッキー(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー』とは、1976年公開のアメリカ映画。低予算ながらアカデミー賞3部門を受賞し、無名の俳優シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムへと押し上げた世界的大ヒットシリーズ第1作。監督はジョン・G・アヴィルドセン。フィラデルフィアのスラム街に暮らす三流ボクサーの青年ロッキーに、世界チャンピオンのアポロが対戦相手として指名してきた。自分がただのゴロツキでないことを証明するため、そして愛する女性エイドリアンのために、ロッキーはリング上での決死の闘いに挑む。
Read Article

ロッキー4/炎の友情(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー4/炎の友情』とは、1985年に製作されたアメリカ映画。『ロッキー』シリーズ第4作。監督・脚本・主演はシルヴェスター・スタローン。当時の東西冷戦下のアメリカとソ連を背景としたストーリーは、過去3作とは大きく趣の異なる作品となっている。ロッキーの宿敵であり親友であるアポロが、引退後再びリングに立つことになった。だが、挑戦者であるソ連の長身ボクサー・ドラゴの殺人的パンチによって、リング上で死んでしまう。ロッキーはドラゴを倒すため、敵地ソ連へと旅立つのだった。
Read Article

ロッキー・ザ・ファイナル(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー・ザ・ファイナル』とは、2006年製作のアメリカ映画。シルヴェスター・スタローンの出世作にして代表作「ロッキー」シリーズの6作目。スタローンが監督・脚本・主演を務め、第5作から16年ぶり、第1作から30周年を迎えた伝説のシリーズを締めくくる。現役を引退し、愛妻エイドリアンにも先立たれ、一人息子ジュニアとの関係もこじれて満たされない日々を送るロッキーが、ある決意を胸に無謀な復帰戦に挑む姿を、彼の人生の思い出の数々をちりばめつつ熱く感動的に綴る。
Read Article

ロッキー3(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー3』とは、1982年公開のアメリカ映画。『ロッキー』シリーズの3作目であり『ロッキー2』(1979年)の続編。前作に引き続きシルヴェスター・スタローンが監督・脚本・主演の三役を務め、シリーズ最終章の予定で製作された。世界チャンピオンとなり、順風満帆な生活を送っていたロッキー。そこへ強敵黒人ボクサー・クラバーが挑戦して来た。だが、ハングリー精神を忘れたロッキーは無残に敗れ去る。再起をかけるロッキーにかつての宿敵アポロがトレーナーとして名乗りをあげ、クラバーとのリターンマッチに挑む。
Read Article

ロッキー2(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー2』とは、1979年公開のアメリカ映画。シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムに押し上げた『ロッキー』(1976年)の続編でシリーズ第2弾。本作ではジョン・G・アヴィルドセンに代わりスタローンがメガホンを取り、監督・脚本・主演の三役を務めている。ロッキーとの試合に納得がいかない世界チャンピオンのアポロは、彼をリターンマッチに引きずり出そうと目論む。ボクシングを辞め、恋人エイドリアンと結婚しジュニアも誕生したロッキーだったが、苦悩の末、再びアポロの挑戦を受けることにする。
Read Article

ロッキー5/最後のドラマ(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ロッキー5/最後のドラマ』とは、1990年製作のアメリカ映画。ボクシングに挑む1人の男の愛と闘いを通して、サクセス・ストーリーを描いてきた『ロッキー』シリーズの第5作にして完結篇。シリーズ1作目で監督を務めたジョン・G・アヴィルドセンを再び監督として招き、脚本・主演はシルヴェスター・スタローンが務める。脳へのダメージからボクサーを引退し、財産も失い、原点であるフィラデルフィアの下町に戻ったロッキーが、新人ボクサーを育成しトレーナーとして第二の人生を歩む姿を描く。
Read Article

クリード チャンプを継ぐ男(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『クリード チャンプを継ぐ男』とは、2015年に製作されたアメリカ映画。シルヴェスター・スタローンを一躍スターダムに押し上げた『ロッキー』シリーズ初のスピンオフ作品で、『ロッキー・ザ・ファイナル』以来9年ぶりに新たな物語を描く。今は亡き伝説のボクサー・アポロの息子アドニスは、かつて父と歴史に残る激闘を繰り広げたロッキーを探し出してトレーナーを依頼。アドニスの純粋さと情熱にアポロの面影を見たロッキーは、彼を鍛え上げ自らのすべてを託し、セコンドとして共に世界タイトルマッチに挑む。
Read Article
タグ - Tags
目次 - Contents
- 『ランボー』の概要
- 『ランボー』のあらすじ・ストーリー
- 戦いの始まり
- 山狩り
- トラウトマン大佐の登場
- ランボーの反撃
- 終結へ
- 『ランボー』の登場人物・キャラクター
- ジョン・ランボー(演:シルヴェスター・スタローン)
- サミュエル・トラウトマン大佐(演:リチャード・クレンナ)
- ティーズル保安官(演:ブライアン・デネヒー)
- カーン州警察長(演:ビル・マッキニー)
- ガルト(演:ジャック・スターレット)
- バルフォード(演:マイケル・タルボット)
- ウォード(演:クリス・マルケイ)
- オーヴァル(演:ジョン・マクリアム)
- レスター(アルフ・ハンフリーズ)
- ミッチ(演:デヴィッド・カルーソ)
- シングルトン(演:デヴィッド・L・クローリー)
- プレストン(演:ドン・マッケイ)
- クリント・モーガン中尉(演:パトリック・スタック)
- 『ランボー』の用語
- ベトナム戦争
- ベトナム帰還兵
- サバイバルナイフ
- 枯葉剤
- グリーンベレー
- 『ランボー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- ディヴィッド・マレルの小説『一人だけの軍隊 (原題:First Blood)』が原作となっている
- 実在のモデルは帰還兵で俳優のオーディ・マーフィである
- 原作ではラストでランボーが死ぬ
- First Bloodの意味は作品の「どちらが先に仕掛けたか?」というテーマに繋がる
- 『ランボー』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- トラウトマン大佐「わかっておらんようだな。私はランボーを助けにやってきたんじゃない。君らを彼から守りに来た」
- ランボー「何も終わっちゃいません! 何もです! あの戦争は続いている! 俺にとっちゃ今でも!」
- 『ランボー』の主題歌・挿入歌
- ED(エンディング): ダン・ヒル『It’s a Long Road』