ランボー(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ランボー』(原題:First Blood)とは、1982年に米国で公開されたシルベスター・スタローン主演のアクション映画で、『ランボー』シリーズの第1作である。 社会から排除されたベトナム帰還兵のランボーが、たまたま訪れた街でランボーを追い出そうとする保安官に出会い、戦いへと発展する。ランボーを通してベトナム戦争の負の遺産として社会問題になった米国の暗部が描かれている。 本作は『ロッキー』に続き、シルベスター・スタローンの代表作となり、ハリウッドスターとしての地位を不動のものとした。

保安官のひとり。仲間と共に警察署でランボーをシャワーでいたぶる。

クリント・モーガン中尉(演:パトリック・スタック)

ランボーを捕獲しようと追いかける1人。ランボーを倒したと思って、部隊のメンバーで記念撮影したりと少しドジな役。

『ランボー』の用語

ベトナム戦争

ベトナム戦争とは、南北ベトナムの統治をめぐる戦争のこと。南ベトナムはアメリカ合衆国、北ベトナムはソビエト社会主義共和国連邦の支援を受けていたため、実質米ソを始めとする資本主義陣営と社会主義陣営の代理戦争ともいえる。べトナム戦争は1955年に始まり、勝敗が決まったのは1975年の4月30日である。南ベトナムのサイゴン陥落を受け、北ベトナムの勝利が決定した。20年もの間続いた戦争の結果、ベトナムを始めとする世界各国から、数百万人もの死者が出た。

ベトナム帰還兵

ベトナム戦争から帰還した米兵のうち約1割が今も心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状に苦しんでいると言われている。和平協定を受けて米軍がベトナムから撤退して既に45年以上が経つが、専門家らは帰還兵にとって「まだ戦争は終わっていない」と指摘している。

サバイバルナイフ

戦争などの軍事行動中などにおいて、万一銃器など他の装備を失った場合に、これを活用し「生きのびる(=サバイバル)」ために設計された、堅牢な大型のナイフのこと。

枯葉剤

除草剤の一種。ベトナム戦争でアメリカ軍が使用したことで知られ、その代表的なものをオレンジ剤(エージェントオレンジ)という。1962~71年に南ベトナム解放民族戦線と北ベトナム軍の勢力が潜伏していそうな森林地帯で木々を枯死させ、食料となりうる農作物を処分することを目的として低空飛行する航空機から散布された。

グリーンベレー

アメリカ陸軍特殊作戦コマンドの隷下の特殊部隊の通称である。これは特殊部隊資格課程を修了し該当部隊に所属する将兵だけが着用を許される緑のベレー帽にちなむ。

『ランボー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

ディヴィッド・マレルの小説『一人だけの軍隊 (原題:First Blood)』が原作となっている

アメリカの作家ディヴィッド・マレルによって1972年に執筆されたデビュー作『一人だけの軍隊 (原題:First Blood)』が原作となっている映画化権も同年に販売されたが、その権利は数々のスタジオに転売され、最終的に映画公開まで10年の歳月を費やしている。

実在のモデルは帰還兵で俳優のオーディ・マーフィである

原作者ディヴィッド・マレルがランボーのモデルにしたと言われているのが、帰還兵で俳優のオーディ・マーフィである。米陸軍軍人として第二次世界大戦を戦い、数々の勲章を受章。戦後は映画俳優となって自伝的作品『地獄の戦線』に主演するなど俳優として活躍した人物。実は戦争経験に苦しめられていたことで知られており、不眠や悪夢、うつ病に悩まされていたという姿が、苦悩するランボーとも重なる。

原作ではラストでランボーが死ぬ

原作のラストではランボーはトラウトマンに射殺されるが、映画でも当初は同じ結末を迎える予定だった。関係者への試写会の時点でこのラストに否定的な意見が多かったことや、2作目製作のプランがあったことから公開されたものへと変更されている。もし原作どおりにランボーが殺されていたら、その後のシリーズはなかったことになる。

First Bloodの意味は作品の「どちらが先に仕掛けたか?」というテーマに繋がる

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