志々雄真実(るろうに剣心)の徹底解説・考察まとめ

志々雄真実(ししお まこと)とは『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』に登場するキャラクターであり、主人公の緋村剣心(抜刀斎)と相対する志々雄一派の首魁にして剣客。剣の力量は剣心と互角で、その内に強大な野心と支配欲を秘める危険人物。かつて自身を裏切った維新志士への復讐を兼ねて明治政府転覆を目論み、大久保利通暗殺など様々な事件を主導する。「弱肉強食」を信念としており、一番の強者である自分が国の覇権を握り、国を強くすることが「正義」だと信じている。京都編の大ボスとして剣心達と激しい闘いを繰り広げる。

斎藤一に放った台詞。剣心を「紅蓮腕」で戦闘不能にし、勝利の余韻に浸っている時、身を隠していた斎藤が奇襲の牙突を仕掛ける。針金の額当てをすることで奇襲を防いだ志々雄は、既に脚に怪我を負っている斎藤はもう牙突を放てないと推測する。しかし、一撃目の牙突で間合いを詰めた斎藤は「言ったそばからまた油断か?」と、密着した状態から上半身のバネのみで使い繰り出す「牙突零式」を放つ。しかし、彼の奥の手をなんなく防いだ志々雄は「油断?なんのことだ?これは"余裕”というもんだ」と、手刀を斎藤に食い込ませ火薬を爆破させることにより重傷を負わせる。一見、油断にしか見えない彼の態度はその高い実力に裏付けられた余裕だったのだ。

「かかってくるなら如何ともし難い力の差をちったあ埋めてからかかって来い!」

相楽左之助に放った台詞。剣心・斎藤と実力者が次々と倒れていく中、激昂した左之助は奥義「二重の極み」で彼の顔面を打ち抜く。圧倒的破壊力を持つ「二重の極み」を顔面に受けてもなお余裕の態度を崩さない志々雄は「かかってくるならこの如何ともし難い力の差をちったあ埋めてからかかって来い!」と左之助をカウンターの打撃で気絶させる。剣心一行の中でも特に強い耐久度を持ち、安慈との「二重の極み」を何度受けても倒れなかった彼を一撃で倒したことから、剣の腕だけでなく肉弾戦でも相当に強いことが窺える。彼の自信と圧倒的強さが表れた一言。

「終わりはしねえさ。俺が無限刃を手にしている限り!」

剣心と互いの奥義をぶつけ合う前に放った一言。互いの力量を称賛し合った後、自分たちのような「人斬り」の時代はとうの昔に終わっていると剣心の言葉に対し、自身が無限刃を手にしている限り「人斬り」の時代は終わらないと返す。志々雄が国盗りを起こせば、再び動乱の時代となり人々が刀を持ち「人斬り」を必要とする時代が始まる。その時代の覇権を一番の強者である自分が取るという彼の国盗りの意志の固さが窺える一言。一方、剣心は「終わっているんだ。拙者がこの逆刃刀を手にした時に…」と返している。この2人の掛け合いは「無限刃」と「逆刃刀」を用いた対比となっており、読者の中でも非常に熱いワンシーンになっている。

「裏切るだと…?てめえのものさしで語るんじゃねェよ。コイツは誰より俺を理解し、俺は誰よりコイツを理解している」

「天翔龍閃」のダメージと過ぎてしまった制限時間が原因で激しく苦しみ出した志々雄。彼の身を案じた由美は、剣心の前に立ちはだかり「これ以上志々雄様を苦しめないで」と懇願する。彼女の姿を見て、剣を納めようとする剣心。しかし、その隙を志々雄は見逃さなかった。彼は、自身を庇おうとした由美ごと剣心を貫いたのだ。その志々雄の行動に「自分を愛する女性を裏切ってまで勝ちを得たいかァ!!」と激昂する剣心。その剣心の問いに対して「裏切るだと…?てめえのものさしで語るんじゃねェよ」と告げる。剣心からは裏切りにしか見えない行為だが、由美は自身が志々雄の戦闘の役に立てたことに嬉し涙を流していたのだ。彼女が本当は宗次郎や鎌足に嫉妬していたこと、戦闘の役に立てないことに歯がゆさを感じていたことを志々雄は理解していた。最期の最期で満ち足りたまま息を引き取った由美。常人からは理解されない愛の形だが、志々雄が由美の事を愛していたことが表れている一言になっている。

「決まってんだろ。閻魔相手に地獄の国盗りだ」

今際の際に方治が見た光景に現れた志々雄の台詞。剣心との死闘の末、自らの上昇し過ぎた体温によって人体発火を起こし夢半ばで倒れた志々雄。方治は彼の後を追い自決するが、夢か現か幻化、骸骨の山の上に待ち構える志々雄と再会する。これからどこに行くのか?と訊ねる方治に対し志々雄は「決まってんだろ。閻魔相手に地獄の国盗りだ」とかつてと同じ不敵な笑みを浮かべる。現世では時代が剣心に味方をしたが、悪人しかいない地獄では邪魔をする者はいない。圧倒的強さとゆるぎない信念は地獄でも変わらず、再会した由美と方治と再び修羅の道を歩き始める志々雄。高笑いの意味は、地獄にいる猛者達との戦いに胸を躍らせているのか、地獄の国盗りを為せる確信からなのか、真意を知る者は彼自身しかいない。

志々雄真実の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

実写版の志々雄

実写版るろうに剣心「京都大火編」と「伝説の最期編」にも志々雄が登場しており、演じたのはDEATHNOTEや多くの実写映画で主役を務めた藤原竜也氏。鬼気迫る演技力で抜群の存在感を放っている。剣心と志々雄の戦いは概ね原作をなぞった設定となっているが、最後の決戦は志々雄のアジトではなく煉獄内で決着をつけている。原作内では「国盗り」を目論む野心家だったが、劇中では自身を裏切った明治政府への復讐心が強い。また、原作では面識のなかった薫を人質にするなど、原作との相違点も楽しめる。煉獄内での最終決戦は、原作同様剣心と一対一だったが、左之助や斎藤、四乃森が参戦し一対四の激戦を繰り広げる。原作とは違い、劇中で接点のなかった左之助や四乃森が現れた際には「なんだお前はァ…」「誰だお前は…」と律儀にツッコんでおり戦闘シーンのはずなのにシリアスな笑いを提供している。一方、その強さは原作並みがそれ以上になっており、斎藤の牙突を即興で真似したり左之助相手に刀を使わず肉弾戦で叩きのめしたり、極めつけは剣心・斎藤・左之助・四乃森4人の攻撃を同時に捌ききっている。「天翔龍閃」と「火産霊神」のぶつかり合いでは、愛刀の無限刃が折れており「終わっちゃいねぇな。俺がこの無限刃を手にしている限り」という原作セリフを混ぜ込んだことで両者の決着がより明確についたと言える。

志々雄のデザインのモデル

志々雄にはモデルとなった人物とキャラクターがそれぞれ存在する。彼の特徴である全身の火傷を隠すミイラのような風貌は「犬神家の一族」の青沼静馬がモデルである。ラバーで顔を隠した人物だが、白黒漫画ではマスクの質感が出しづらく火傷の痛々しさも伝わりにくいという理由から包帯に変更となったと語られている。また、大久保利通の回想と京都編後の「追憶編」における剣心の回想にて同志に裏切られる火傷を負う前の志々雄の姿が見られる。その姿は作者・和月先生が大ファンの「サムライスピリッツ(通称・サムスピ)」に登場する牙神幻十郎に酷似している。狂気じみた表情と後ろに束ねた長い髪。半身を服から出したその姿は牙神そっくりである。作者はこの経緯を元々志々雄の過去の姿は描かないつもりでデザインを考えていなかったが、京都編の序盤で志々雄の過去の姿を登場させることになり、牙神そっくりになったと説明。後に謝罪している。また、人物像のモデルは、新撰組筆頭局長芹沢鴨。豪傑肌で高い実力を持つも、その凶暴さを危険した同志に裏切られるという共通点を持っている。

無限刃の行方

剣心との戦いで跡形も無く焼失した志々雄だが、彼の愛刀・無限刃は戦場に残され、後に「志々雄一派」末端の構成員・長谷川明日郎の手に渡っている。彼は「志々雄一派」の中でも一番の新入りの少年で、志々雄真実の食事を盗み食いし、彼相手に「食えれば行き!食えなきゃ死ぬ!それだけだ!」と悪びれもせず啖呵を切ったことで志々雄に気に入られ下っ端として雇われた。志々雄としては、武功次第では新たな十本刀になれるかもしれないと気にかけていた様子。
志々雄の「国盗り」に興味を示さず、ただ己の「美味いもんを食う」という夢のために鍛錬を積んでいた彼だが、剣心一行との戦いで「志々雄一派」は壊滅。逃走する際中に戦場に残った無限刃を拾って逃走した。その後、明日郎は警察に捕まり5年の刑期を終え出所。その際、「志々雄一派」との戦闘で無限刃を抜き、志々雄の技・壱の秘剣「焔霊」を偶然発動する。しかし、刀の力に魅入られる寸前に剣心に止められ、明日郎は神谷道場預かりの身となり、無限刃は剣心の手で厳重に封印された。

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