スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園(ゲーム)のネタバレ解説まとめ

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園(Danganronpa 2: Goodbye Despair)』とは、2012年7月にスパイク・チュンソフトから発売されたPSP向けのゲーム。
ダンガンロンパシリーズの第二作目。学級裁判での仕様変更や新要素が追加されており、前作よりも難易度が上がっている。
本作はジャバウォック島を舞台に、突如として現れたモノクマによる「コロシアイ修学旅行」が開催される。殺人事件が繰り返される異常事態の中、日向らは真実へと近づいていく。

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』の概要

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園(Danganronpa 2: Goodbye Despair)』とは、2012年7月にスパイク・チュンソフトから発売されたPSP向けのゲームである。
ダンガンロンパシリーズの第二作目になる。
2013年10月にはPSVita向けとして前作と今作をセットにした『ダンガンロンパ1・2 Reload』が発売された。
2016年4月には、PC向け『Danganronpa 2: Goodbye Despair』としてSteamで販売された。
PC版の発売当時は、テキストは英語のみ、音声は英語・日本語の対応だったが、2016年8月のアップデートにてテキスト表示に日本語、中国語が追加された。
本作のテーマは「サイコトロピカル」。
学級裁判で論破した後に「反論」が出て来る新要素に加え、前作にもあった閃きアナグラムやクライマックス推理等も仕様変更された。
また、前作よりもアクション要素が強くなっており、ゲーム難易度は上がっている。
他にも、前作ではプレイヤーから不評であった「親睦を深めるのに時間が掛かる」「やりこみが少ない」といった課題をクリアする為、おまけモードが充実した。
本作は希望ヶ峰学園の生徒が、修学旅行という形でジャバウォック島という無人島に連れて行かれ、突如現れた「モノクマ」と名乗るクマのぬいぐるみに、生徒同士の殺し合いを強要される事となる。
何度も繰り返されてしまう殺人事件の中で、黒幕は誰なのか、自分は誰なのかを主人公である日向が模索していくストーリーとなっている。

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』のあらすじ・ストーリー

憧れ続けた通う事になった主人公・日向創

子供の頃から憧れ続けていた、超一流の才能を持つ人間だけが入る事を許された「希望ヶ峰学園」。
国の将来を担う「希望」となる高校生を育てる事を目的としている、政府公認の超特権的な学園である。
世間では、希望ヶ峰学園に通う生徒達は「希望の象徴」として、憧れと羨望を向ける対象だ。
「希望ヶ峰学園を卒業できれば、人生において成功したも同然」とまで言われている。
希望ヶ峰学園への入学資格は、「現役高校生である事」と「各分野において超一流である事」の2つ。
更に、一般的な「入学試験」は存在せず、学園側がスカウトをした高校生のみ入学出来るシステムだ。
選ばれた生徒達の才能を称して、希望ヶ峰学園に通う高校生には「超高校級」と呼ばれたりする。
そんな希望ヶ峰学園に子供の頃から憧れ続け、ようやくその夢を叶えられた男、日向創はドデカイ希望ヶ峰学園の門の前に立っていた。
学園を見上げ、やっと憧れの存在の一員になれる喜びを日向は噛みしめていた。
しかしその直後、日向の視界はおかしくなり、眩暈のような物を感じた。
気付いた時には真っ暗な空間に唐突に存在している扉の前に居た。
扉は、学校で見かける教室へ入る為の扉のように見える。
何が何だか分からないまま、でも何故だか扉に吸い寄せられるように、日向は扉を開けた。
中には教室が広がっており、クラスメイトと思しき15人の少年少女が日向に視線を向けていた。
どうやら、彼らも日向と同じように今日から希望ヶ峰学園に入学した新入生のようだ。
日向は、何故新入生がここに集められているのか誰ともなく聞いてみた。
しかし、誰も理由を知る者は居ないようで、今からその事について話し合おうとしていたところに、日向が入ってきたようだ。
リーダーシップを取っているのは、太って眼鏡を掛けた男だ。
その男が「まず、自分がどうやってこの教室まで来たのか、把握している人間はいるか?」と全員に問い掛ける。
その問いに誰もが顔を見合わせ驚きの表情を浮かべていた。
そして、誰一人として手を挙げない。
太った男は「気付いたらこの教室にいた…やはり『ここにいる全員』がそうだという事か…」と一人で納得していた。
この教室に集まった全員、誰も自分がどうやってここに来たのか分からない。
更に全員が全員、学園に足を踏み入れた途端、妙な眩暈に襲われ、訳も分からずこの教室に居たというのだ。
偶然にしては出来過ぎている不可解な状況。
太った男は「では、偶然ではないという事だな。この妙な現象の裏には、『何らかの思惑』が働いているのだろう」と言った。
何だかおかしな話になってきた。
一体、どんな思惑が誰にあるというのだろうか。
そんな中、ガッシリとした体の大男が「それり、どうやってここに集まったかより、どうしてここから出られないのかの方が問題じゃろう…」と呟く。
その言葉を受け、日向の近くに居た小太りの男が慌てて扉に駆け寄り、手を掛ける。
しかし、いくら力を加えようと、扉が開く事はない。
大男は、先程トイレに行こうと思い、ドアを開けようとした時、その事に気付いたようだ。
先程、日向が入ってきた時には普通に扉は開き、鍵が掛かった様子もなかった。
知らない間に、集められた16人は教室に閉じ込められてしまっていた。
全員が不安に襲われる中、どこからともなくカワイイ声が聞こえてきた。
声の主は「はーい!ミナサンお集まり頂けたみたいでちゅね!それじゃあ始めまちょうか!」と言うと、教壇の上に突如現れた。
それは、ステッキのような物を持ち、背中に羽を生やした、どこからどう見てもウサギのぬいぐるみだ。
ウサギのぬいぐるみは自らを「魔法少女★ミラクルウサミ…略してウサミでちゅ!」と名乗った。
更には「こう見えても、ミナサンの先生なんでちゅ。よろしくね!」と言った。

どこからともなく現れ、16人の先生だと名乗るウサギのぬいぐるみであるウサミ

太った男は「お前は知っているようだな。俺達がどのような状況に置かれているかを…」とウサミに言う。
ウサミはニッコリ笑って「もちろん知ってまちゅ!あちしは、この『修学旅行』の引率の先生でちゅから!」と答えた。
そしてウサミが「では、さっそく、楽しい修学旅行の旅に出発しまちょーう!」と言うと、ステッキを振り、魔法を使うような素振りを見せた。
すると、教室の天井が開き、その勢いで四方の壁もバタンッと開いた。
16人の目の前には、青い空の下には海が波打ち、砂浜にヤシの木が生えている南国の島の風景が広がっている。
日向は思わず、目も自分の頭も、世界すらも疑った。
先程まで、教室に居たはずだった。
何故教室に来たのか分からないまま、「引率の先生」を名乗るウサギのぬいぐるみが現れ、更には教室が舞台セットのように崩れた先には南国の景色が広がっている。
何もかもを疑いたくなるのは、仕方のない状況だった。
それはもちろん、日向だけでなく、他の生徒達も同じような反応だった。
口々に「ここはどこなんだ」「今どういう状況なんだ」「何で海に来たんだ」と言う生徒達にウサミは「希望ヶ峰学園の事は忘れてくだちゃーい!その為の修学旅行でちゅからね!」と言った。
そして「『この島』に危険は一切ありません!ね、安心してくだちゃい!」と答えになっていない答えを言う。
どうやら、日向達が連れて来られた場所は、南国の島であり、危険も他人も居ない、無人島のようだ。
ウサミは「ミナサンは、この島でほのぼの~と暮らしながら、仲良く絆を深めていってくだちゃい!それが『どっきどき修学旅行』のルールなのでちゅ!」と説明した。
最後にウサミは「どっきどき修学旅行が始まりま~ちゅ!」と言って、どこかへ去って行った。
当然のように日向の思考は、もう付いていけずに機能停止していた。
次に目覚めた時には、青い空をバックに日向を覗き込み、話し掛けている人物が目に入った。
「ねぇ、大丈夫?…だいぶ参っているみたいだね?それはボクも…ううん、他のみんなだって一緒だよ」とパーカーを着た少年は言う。
ようやく起き上がる日向に、パーカーを着た少年は「本当に大丈夫?」と心配そうにしている。
どうやら、自分では分からないが日向は青い顔をしているらしい。
改めて、砂浜に自分が倒れていた事を認識し、日向は周りを観察する。
何故かヤシの木の根元の方に小さいモニターのような物が設置されている。
今は何も映っていないが、何の為に存在しているのだろうか。
また、海の近くには三脚で立てられたカメラが置かれている。
監視カメラのようだが、日向達を監視する為の物だろうか。
ある程度、日向が周囲の観察を終えた所でパーカーの少年が「ねぇ、そろそろ落ち着いてきた?自己紹介くらいしておかない?」と日向に話し掛けた。
彼は「超高校級の幸運」である「狛枝凪斗」。
「超高校級の幸運」というのは、本来スカウトでしか入学出来ないはずの希望ヶ峰学園に、一般生徒から抽選で選ばれた1人の事を指す。
つまり、本来突出した才能を持っている訳でなく、ただ「幸運」だった為に希望ヶ峰学園に入れた普通の生徒。
狛枝は、抽選で当たり、たまたま希望ヶ峰学園に入る事になったという訳だった。
狛枝自身も最初は「大した才能もないのに恐れ多い」と入学を断ったようだが、学園側が「どうしても」と言うので入学を決めたようだ。
「運」という要素だけは学園が研究している才能の中でも、解明が進んでいない。
だから、学園は研究を進める為、毎年1人抽選で当たった生徒を「超高校級の幸運」として受け入れているのだ。
その後、日向も自己紹介をした。
狛枝は「日向クンはどんな超高校級の才能を持っているの?」と日向に質問する。
日向はその質問に答えようと口を開いた瞬間、思考までもが停止してしまった。
日向は自分の超高校級の才能が何だったのか、何も思い出せなくなってしまっていた。
いきなりおかしな事に巻き込まれ続け、記憶が混乱してしまっているのだろうか。
狛枝は「無理もないよね。落ち着いたらきっと思い出せるんじゃないかな」と笑った。
そして「これからもよろしくね」と狛枝が言うと、日向のポケットから機械音が鳴った。
日向が慌ててポケットに手を突っ込むと、見覚えのないカードキーのような物が入っていた。
どうやら、日向が思考停止している間にウサミから全員に配られた物のようだ。
「これは何なんだ?」と日向が狛枝に聞くと、どこからともなくウサミが現れ「それは『電子生徒手帳』でちゅよ!」と言った。
そして「ミナサンには、その電子生徒手帳を使って『希望のカケラ』を集める事をお願いしてるんでちゅ!」とウサミは続けた。
この島では仲間同士で絆を深めると「希望のカケラ」が手に入るらしく、それを集めて満開の希望を咲かせる事が修学旅行の目的らしい。
それだけ言って、ウサミは去って行った。
ひとまず、「他の人とも自己紹介をしておいた方がいいんじゃないかな?日向クンに付き合うからさ」と狛枝に言われ、半ば強引に島の探索と併せて他の生徒達を探しに行く事となった。

突然教室の天井と壁が開き、無人島に連れて来られた生徒達

狛枝によると、先程ポケットから出てきた電子生徒手帳には、島の地図が内蔵されているらしい。
地図を確認しながら、島の様々な場所へ向かう事とした。
まずやってきたのは牧場だ。
しかし、牧場という看板が掛かっている割には動物の姿がほとんど見えない。
相変わらず、この島は謎だらけだ。
牧場に居たのは着物を着た、高校生とは思えない程小柄な少女だった。
彼女は「超高校級の舞踊家」、「西園寺日寄子」。
日本舞踊界でも期待されている若手であり、既に海外公演も行っているらしい。
高校生とは思えない容姿に、可愛らしい声から、西園寺には若い層の男性ファンが多いようだ。
日向との自己紹介を終えると、西園寺はその場にしゃがみ込み、一生懸命地面を押している。
「何してるんだ?」と日向が聞くと西園寺は「蟻タン潰してんのー!上手くお腹の部分を潰すとね、プチッて気持ちいい音がするんだー」と、可愛らしい顔で怖い事を言ってのけた。
見た目とのギャップが激しい人物のようだ。
牧場にはもう一人居た。
褐色の肌にナイスバディな彼女は、「超高校級の体操部」である「終里赤音」。
女性だが、男性のような口調と一人称が「オレ」という、豪快な人物だ。
問題児と世間では噂されているようだが、体操の実力は「超高校級」そのものというスーパーアスリートだ。
しかし、体操の基礎や基本は滅茶苦茶で、完全な自己流であり、大会ではオリジナル技を連発しているらしい。
西園寺、終里と挨拶を済ませ、日向は狛枝と共にホテルエリアにやってきた。
「ホテル・ミライ」と名付けられたホテルは、南国リゾートに相応しい豪華な佇まいだ。
恐らく、島での滞在中はこのエリアで寝泊まりする事になるのだろう。
ホテルエリアのプール近くに居たのは、小柄で童顔だが不機嫌そうにしている少年だ。
日向が話し掛けるや否や「気安く話し掛けてんじゃねーぞ、ボケ」と少年は言った。
狛枝が少年を宥め、日向が自己紹介をしに来た事を伝えると渋々名乗った。
彼は「超高校級の極道」である「九頭龍冬彦」。
構成員は軽く3万人を超える、国内最大の指定暴力団・九頭龍組。
彼はその跡取り息子のようだ。
更に狛枝は「ちなみに、彼に『童顔』うんぬんは禁句らしいから気を付けた方がいいよ」と日向に言った。
小柄で童顔な事を、九頭龍自身も気にしているのかもしれない。
その後、顔を合わせたのはショートカットの少女だ。
彼女の名前は「小泉真昼」、「超高校級の写真家」だ。
今、期待の若手写真家であり、数々の賞を受賞している程の腕前を持っているようだ。
小泉は「でもちょっとホッとしたかも…アンタ達はまともみたいだもんね」と言った。
というのも、日向が倒れている間に全員がウサミから聞いた情報によると、絆を深めて手に入る「希望のカケラ」を全て集めると修学旅行は終了となり、全員でこの島から出られるというのだ。
しかし、そこは超高校級の才能を持った面々。
飛びぬけた才能を持っているだけでなく、クセの強さも一般人とは違う。
そんな中でも、どちらかと言えば普通っぽい日向と狛枝にそういう印象を持つ小泉の気持ちも分かるだろう。
つまり、平和にこの島で暮らし、みんなで仲良く希望のカケラを集めれば、島から出られるという事。
その事を知らなかった日向に対し小泉は「ちゃんと聞いておきなよね!大事な話なんだから!」と言った。
続けて「残念だけど、もう私の中では『頼りない日向くん』でインプットされたから」と日向に言い放った。
小泉は「しっかり者の姉御肌」という言葉がピッタリの人物だ。
続いて会ったのは、ガタイが良く、首に鎖を巻き付けた大男だ。
彼は「超高校級のマネージャー」、「弐大猫丸」。
選手の方が向いているのでは、と思う程の体格をしている弐大の圧倒的な存在感に委縮しながら、自分も名乗る日向。
すると弐大は「声が小さいぞぉ!もっと腹から声を出さんかいぃぃぃ!」と言われ、日向は何度か名乗らされるハメになってしまった。
声も体もデカい弐大だが、マネージャーとしての腕はやはり超一流。
弐大は様々な学校を転々としながら、様々な運動部でマネージャーをしてきた。
無名だった不良交のラグビー部や、廃部寸前の野球部を全国大会優勝にまで導いた実績がある。
更に噂レベルではあるが、アメリカンリーグで活躍中の選手ですら、弐大にトレーナーになってほしいと頼みに来る事もあったとか。
日向と狛枝はその後、ホテルのロビーへと入った。
そこに居たのは、竹刀を背負い、メガネのセーラー服を着た女子が居た。
彼女は「超高校級の剣道家」である「辺古山ペコ」。
可愛らしい名前とは反対の、凛々しい雰囲気が言動から伝わってくる。
大人の男でも敵わない程の剣道の腕前を持っているらしい。
続いて話し掛けたのは、ホテルのロビーにあるゲーム機の前に座り込み、真剣にゲームに興じている少女だ。
日向が自己紹介をしようと話し掛けても、ゲームに夢中で一向に少女は気付かない。
狛枝も話し掛けると、ようやくこちらに気付いたようで、少女は「あっ、ごめん…ちょっとゲームに夢中になってた…かもしれない」と言った。
彼女は「超高校級のゲーマー」、「七海千秋」。
ゲームに集中している時とは違い、実際に話をするとだいぶのんびりした性格のようだ。
日向との会話中でも、間が空いてしまう事が多々ある。
七海曰く「自分の中で喋る事をまとめてからでないと、ちゃんと喋れない性分なんだよね」という事だった。
それから日向と狛枝は、ロビー2階にあるレストランへ向かった。
そこには、小太りの男と金髪の女性が話をしていた。
小太りの男は「超高校級の料理人」、「花村輝々」。
本人は「料理人」よりも「シェフ」と呼んで欲しいようだ。
花村曰く「その方がアーバンな香りがするでしょ?」という事らしい。
金髪の女性は「超高校級の王女」である「ソニア・ネヴァーマインド」。
ソニアは、「ノヴォセリック王国」というヨーロッパの小国からやってきた留学生であり、正真正銘、本物の王女様だ。
本物の王女というだけあり、見た目のキレイさに加え、気品に満ち溢れている。
日向も思わず目を奪われてしまった。

留学生として希望ヶ峰学園にやってきた、本物の王女であるソニア

続いて日向と狛枝がやってきたのは、スーパーマーケットだ。
中はかなり広く、食料品から日用品まで、何でも揃っている。
仮に本当に島でしばらく生活するにしても、困らない程の量が置かれている。
スーパーマーケットに居たのは、体の至る所に包帯を巻き、髪の毛が散切りになっている少女だ。
彼女は「超高校級の保健委員」、「罪木蜜柑」。
罪木は気弱な性格のようで、自己紹介後に「話が続けられない」と言って泣き出す始末だ。
しかし、医療の知識は相当持っており、医者顔負けの処置が出来る程。
この島で怪我をしたら、恐らく罪木にお世話になる事になるのだろう。
続いて話し掛けたのは、やたら派手な格好をしているハイテンションな少女だ。
彼女の名前は「澪田唯吹」、「超高校級の軽音楽部」だ。
かなりのハイテンションに日向はなかなかついていけない。
代わりに狛枝が澪田について説明をする。
かつて澪田は、人気ガールズバンドでボーカルを務めていて、代表作「放課後ボヨヨンアワー」はミリオンヒットとなった。
ただ、その後音楽性の違いにより、澪田はバンドを脱退、現在はソロで活動をしているようだ。
罪木、澪田との自己紹介を終え、日向達が次に向かったのは空港だ。
空港というからには、飛行機も存在している。
飛行機を使えば、この島から出られるのではないかと日向は思った。
しかし、近くに居た黄色いツナギを着た男に「そりゃー無理だな。ありゃハリボテだからよ」と言われてしまった。
どうやら、空港の窓の外から見える飛行機は、エンジンが抜き取られていて動かす事は不可能のようだ。
日向に話し掛けた男は「超高校級のメカニック」である「左右田和一」。
その名の通り、機械には強く、恐らく飛行機も故障しているのならば修理しようと確認したのだろう。
しかし、エンジンを抜かれてしまっていては超高校級のメカニックと言えど、動かす事は出来ない。
それから空港に居たのは左右田だけではない。
右手に包帯を巻き、独特の喋り方をする男。
彼は「超高校級の飼育委員」である「田中眼蛇夢」。
田中は「いずれ、世界のすべてを支配する男の名だ。覚えておくがいい」と日向に言う。
また、田中は「貴様は誰のマスターだ?」「貴様が契約した種族はなんだ?」等と、なかなかに理解し難い言葉遣いで話を進める。
困る日向に狛枝は「きっと…動物を飼った事があるかって聞いてるんだと思うけど…」と助け船を出した。
田中はいわゆる中二病のような言い回しをする人物のようだ。
そうこうしているうちに、田中の服からハムスターが4匹程出現した。
田中は4匹のハムスターを「破壊神暗黒四天王」と呼んでいた。
話は難しいか、田中は飼育委員として、どんな動物でも手なずける事が出来、絶滅危惧種の繁殖を成功させた事もある「超高校級」の才能があるようだ。
空港を後にし、最後に向かったのは広場のようになっている公園だ。
中央には、数匹の動物をあしらった銅像が置かれている。
公園に居たのは、威圧感を放つ太った男だ。
彼は「超高校級の御曹司」である「十神白夜」。
十神は、巨大財閥である「十神財閥」の御曹司であり、幼い頃から帝王学を叩きこまれたエリートだ。
超高校級が集まる中でも、更に別格という人物だ。
話していると、日向は自分が見下されているような印象を拭えずにいた。
十神との自己紹介を終えると、島に「キーンコーンカーンコーン」とチャイムが鳴った。
近くにあったモニターにはウサミが映し出されている。
ウサミは「ミナサン、おめでとうございまーちゅ!どうやら、最初の『希望のカケラ』を全員分集め終わったみたいでちゅ!」と言った。
続けて「そんなミナサンをさらにハッピーにするプレゼントを用意しまちた!最初の砂浜に集まってくだちゃい」と言った後、モニターの映像は切れた。
日向は嫌な予感しかしなかったが、考えていても仕方がないという理由で砂浜に向かった。

全員と自己紹介が終わった後、モニターに映し出されたウサミ

日向と狛枝が砂浜に着いた時には、既に他の生徒達は揃っていた。
そこで、島に何があった等の報告を一通りした。
その中で十神が「誰もあの『重大な事実』に気付いていないのか…?」と怪訝な表情を浮かべた。
十神の言う「重大な事実」とは、最後に訪れた公園にある銅像の事のようだ。
あの銅像を見た時に十神は以前、誰かに聞いたある話を思い出したというのだ。
それは「太平洋に浮かぶ小さな島で、風光明媚な常夏の楽園と呼ぶに相応しい島がある。
中央の小さな島を中心として、5つの島で構成されるその島々は…同じく神聖な5体の動物を、島の象徴としているらしい。
その島の名前は…『ジャバウォック島』」というものだ。
確かに公園の中央には、動物の銅像が置かれていた。
また、島の至る所では別の島に行けるような橋が架かっていたのを、辺古山が発見している。
現在は橋自体は封鎖されているようだが、十神が聞いた事のある話といずれも一致する。
その後、十神は「俺の聞いた話では、ジャバウォック島はすでに…」と言いかけたが、「まだ調査が不十分だ」という理由でジャバウォック島についての明言はしなかった。
ひとまず、この島の探索を終えた面々は危険もなさそうだし、南国の島という事でこの島を気に入った様子だった。
そうこうしている内にウサミが現れた。
先程の放送で言っていた「プレゼント」を持ってきたようだ。
しかし、出てきたのは「ウサミストラップ」、お腹を押すと喋る仕様になっている、誰一人として「要らない」と感じた一品だった。
その証拠にほとんどの人間が、受け取った瞬間に砂浜へ落とし捨てていた。
ウサミはしょんぼりしながらストラップをかき集めると「うう…せっかくもう1つプレゼントを用意したのに、そんなに悪い子だとあげたくなくなっちゃいまちゅ…」と言った。
続けて「ウサミストラップに比べたら全然大したじゃないんでちゅけど…『動機』を用意したんでちゅ」と言った。
ウサミの言う「動機」とは、全員が仲良くなる為の「動機」である、全員分の水着だ。
海で水着に着替え、交流を深めてもらおうという、ウサミの気遣いだ。
先程のストラップと違い、場は一気に湧き、ほとんどの人間が軽い足取りで着替えに向かった。
日向だけは、まだウサミも信用しておらず、この島で「危険がない」という事についても疑問を抱いていた。
だからこそ、意気揚々と水着で泳ごうとしている他の生徒達の姿が信じられなかった。
しかし、水着に着替えて戻ってきた他の生徒達の様子を見ていた日向も、「仕方ない」といった様子で水着に着替え、他の生徒達に混ざろうとした。
その瞬間だった。
先程まではカンカン照りだったら上空が、怪しい雲に突然覆われた。
「今度は何が起こってるんだよ!お前は何をしたんだ!」とウサミに詰め寄る日向。
しかし、ウサミも日向同様に「な、なんでちゅか!これぇえええっ!?あちしは何もしていないのに…」と狼狽えている。
ウサミを含む全員が混乱する中、突如モニターに何かのシルエットが映し出された。
モニターから聞こえて来る声は、場違いな程に明るく、能天気な物だった。
日向は本能的に、その能天気な声の裏側にある、底知れぬ悪意の様な物を感じていた。
声の主は「うぷぷ…ビックラこいちゃった?さて、長らくお待たせしました。くだらない余興はこれぐらいにして…そろそろ真打ちの登場です!オマエラ…ジャバウォック公園にお集まりくださーい!」と言った。
そして映像は切れた。
生徒達が唖然とする中、ウサミだけは「ま、まさか今の声って…!大変でちゅ!」と先程の声の主に心当たりがあるような事を言っている。
そして「あちしが何とかしないと…!」と言って、一足先にジャバウォック公園に向かって行った。
ウサミに続くように、不穏な気配を感じている生徒達もジャバウォック公園へと向かった。
公園に着くなり、ウサミの「ど、どこでちゅか!?どこに隠れているんでちゅか!?」という叫び声が響き渡る。
すると、ウサミの呼びかけに応えるように、先程の放送の声と同じ声の高笑いが聞こえた。
その直後、中央の動物の銅像の場所から、左半身は黒、右半身は白のクマのぬいぐるみが飛び出てきた。
クマのぬいぐるみは「やぁ!お待たせしました!ボクはモノクマ!この学園の学園長なのです!」と自己紹介をした。
ウサミは「どうしてモノクマがここにっ!?」と驚いた様子を見せた。
モノクマは「ボクは怒っているんだよ…何が『どっきどき修学旅行』だよ!絶望的に退屈過ぎるんだって!茶番はいい加減にしろって!」と登場してからいきなり怒っている。
訳の分からない状況に、誰もが困惑するしかなかった。
ウサミは生徒達に向かって「ここは、あちしに任せて下がってくだちゃい!このマジカルステッキさえあれば…」と言い、モノクマに対抗しようとした。
その時、モノクマは「隙ありー!」と言ってウサミに襲い掛かり、ポカポカ殴りながら、最終的にはウサミの持っていたマジカルステッキを壊してしまった。
更にモノクマは「オマエは地味なんだよな。という訳で、ボク好みに改造してやるよ!」とウサミに言い放った。
モノクマとウサミのひと悶着後、ウサミはモノクマのようになってしまった。
左半身はピンク、右半身は白というカラーリングにオムツを履かされているウサミ。
ウサミは「あちし、こんな妙チクリンなの嫌でちゅ!元に戻してくだちゃい!」とモノクマに抗議する。
モノクマは「あらら…お兄ちゃんのセンスに口答えとは、モノミちゃんは不良さんなのかなー?」と言った。
続けて「オマエの立ち位置って今あやふやだから、ボクの妹の『モノミ』って設定にしたの。そういう訳だから…モノミよ!金輪際、お兄ちゃんに逆らったら許さないからな!」とモノクマはウサミ改め、モノミに言った。
当然、モノミは「ちょ、ちょっとー!勝手にそんな設定なんて許しませーん!」と怯む事なく、モノクマに抗議した。
するとモノクマはモノミにパンチを繰り出し「バッカモーン!お兄ちゃんに敵うと思ったかー!」と力の差を見せつけた。
動くぬいぐるみ同士のケンカをひたすら見させられて、日向達は呆然と立ち尽くしていた。
そんな生徒達に向かってモノクマは唐突に「今から『コロシアイ修学旅行』を始めまーす!」と宣言した。
全員で仲良く過ごし、希望のカケラを集める事が目的だった修学旅行が、モノクマの登場により、全く違う物へと変わってしまった。
動揺する生徒達をヨソに、モノクマは「コロシアイ修学旅行」についての説明を始めた。

突如現れたモノクマの手により、「モノミ」にされてしまったウサミ

モノクマが言う「コロシアイ修学旅行」とは、モノミの言っていた「修学旅行」とは全く違う物だった。
この島から出たいのであれば、「仲間の誰か」を殺さなければならない。
しかし、ただ殺すだけではなくその後開かれる「学級裁判」という制度で自分が犯人だという事を悟られないようにしなければならない。
学級裁判は、生徒同士の殺人が起きた場合、生き残った生徒全員の参加が必須となる。
裁判では殺人を犯した「クロ」と、それ以外の生徒「シロ」との対決となる。
「身内に潜んだクロは誰か?」を参加した生徒全員で議論するというのが、学級裁判の目的だ。
議論終了後は、「投票」を行い、クロを決定する。
この投票で選んだクロが正解ならば、クロだけが「おしおき」となり、残った生徒でまた修学旅行を続ける。
しかし、選んだクロが不正解ならば、クロだけが生き残り、島から脱出し、それ以外のシロ全員が「おしおき」となる。
それが学級裁判のルールだった。
左右田は頭を抱えながら「つーか…さっきから連呼してる『おしおき』ってのはなんの事だよ…?」とモノクマに疑問を投げる。
モノクマは「噛み砕いて言うと…処刑だね!」とあっけらかんと言った。
つまり、学級裁判で正解のクロを選べば、クロだけが処刑され、間違ったクロを選ぶとそれ以外のシロ全員が処刑されるという事だ。
「誰が殺し合いなんかするか!」と生徒からそんな声が上がる。
モノクマは「『殺せ』とは言ってないよ。やるかやらないかはオマエラ自身が決める事だからね」と言う。
それに対し小泉が「殺人が起きなかったらどうなるの?私達は島から出られないって事?」とモノクマに聞く。
しかしモノクマは「さぁ、どうでしょう!」と殺人が起きなかった場合については言及しなかった。
無茶苦茶なモノクマの話に血の気の多い生徒達が「ふざけるな!」とモノクマに詰め寄る。
するとモノクマは「そっちが力ずくなら、こっちも力ずくで返すしかないね…」と何やら呪文のような物を唱え始めた。
「いでよ、モノケモノー!」とモノクマが言った次の瞬間、公園の中央に置かれていた銅像が動きだし、機械獣に姿を変えた。
この島に来てからという物、何度も有り得ない光景を見てきた日向。
しかし、さすがに動くぬいぐるみや銅像、「殺し合い」という絶望、理解出来る範疇を超え、日向は驚きすらも声に出せずにいた。
モノミはそれでもモノクマに立ち向かおうとした。
モノクマは「よーし、じゃあ見せしめはオマエだー!」とモノミに対し言うと、「モノケモノ」という名の機械獣に乗り、マシンガンをぶっ放した。
モノミはあっという間にハチの巣となり、中からは綿が溢れた状態になってしまった。
生徒達はひたすら唖然とするしかなかった。
「恐るべき脅威の殺戮兵器!それが、モノケモノなのだ!」とモノクマは高らかに言う。
こんな状況を目の当たりにしても、思考が追い付かない生徒達は誰一人逃げようとしなかった。
それは、「怖くないから」ではなく、今まで経験した事のない事態に、どういう対処をすればいいのか頭が回っていなかったからだろう。
モノクマは「さて、これで分かってくれたと思うけど…オマエラはボクに逆らえないんだよ」と言った。
最後に「『コロシアイ修学旅行』を始めるにあたって、電子生徒手帳をアップデートしといたから…ルールをじっくり読んで、開放的で過酷で凄惨な修学旅行をお楽しみあれー!」と言って、モノクマはどこかへ去って行った。
モノクマが去った後の公園では、誰もが疲れ切り、青ざめた表情を浮かべていた。
「あり得ない…」全員が口々に呟いていた。
そんな中、十神だけは冷静で「いや、あり得ない事…ではない」と言った。
「モノケモノとやらは機械で動いているだけ…となれば、あのヌイグルミもそうなのだろう。そして、機械である以上、誰かがそれを作り、操作しているという事だ」と十神は分析した。
そして十神は全員に「今の俺達が1番警戒すべきなのは、あの機械でも、それを操る誰かでもない…ここにいる俺達自身の方だ」と言った。
新入生として希望ヶ峰学園にやってきたばかりで、まだ見ず知らずの状態である人間と島に閉じ込められ、殺し合いを命じられている。
そうした中で植え付けられた絶望的な恐怖心から、「この島を出たい」という気持ちこそが、生徒達全員の敵となってしまう。
十神が懸念しているのは、その恐怖により殺人が起きてしまう事だった。
その後は誰も言葉を発する事なく、無言のまま散り散りになって去って行った。

自分達の持つ「恐怖」という感情こそが、最大の敵であると話す十神

ひとまず公園からホテルエリアへと戻ってきた日向はモノクマがアップデートしたという電子生徒手帳を確認していた。
モノミが仕切っていた時には、ルール4までしかなかったが、ルール5以降がいつの間にか追加されている。
「ルール5 生徒内で殺人が起きた場合は、その一定時間後に、全員参加が義務付けられる学級裁判が行われます」
「ルール6 学級裁判で正しいクロを指摘した場合は、クロだけが処刑されます」
「ルール7 学級裁判で正しいクロを指摘できなかった場合は、校則違反とみなして残りの生徒は全員処刑されます」
「ルール8 生き残ったクロは特別措置として罪が免除され、島からの帰還が許可されます」
「ルール9 3人以上の人間が死体を最初に発見した際に、それを知らせる『死体発見アナウンス』が流れます」
「ルール10 監視カメラやモニターをはじめ、島に設置された物を許可なく破壊する事を禁じます」
「ルール11 この島について調べるのは自由です。特に行動に制限は課せられません」
そこまで読むと、日向は重い溜息と共に顔を上げた。
日向は現時点でもまだ、当然の事ながら現実であると信じる事が出来なかった。
ふと空を見上げると、邪魔する物は何もなく、ただ美しい星だけが広がる夜空がある。
先程の事は、全て嘘だったのではないかと思う程の綺麗な夜空だった。
そして午後10時になった時、モニターにモノクマが映し出され、島全体への放送がされた。
「午後10時になりました。夜は人を惑わせる…夜中に出歩いて、うっかり殺人鬼に出くわしたらエライ事になりますよ」と、モニターの向こうのモノクマはいかにも南国といった木のイスに座り、飲み物片手にくつろいでいる。
そしてどうやら、そうならない為に、生徒一人一人に宿泊用のコテージが用意されているようだ。
当然、部屋の鍵も掛けられるようになっている。
モノクマの言葉にイラつきながらも、日向は疲労困憊になった体を引きずり、自分の名前が書いてあるコテージへと向かった。
コテージの中はスッキリとしているが、南国の雰囲気が漂う。
ベッドには、男子の部屋でも天蓋がついている。
日向はコテージに入るなり、頭を抱えてベッドに倒れ込んだ。
信じられる人間が誰も居ない環境。
そもそも信じる、信じないの前に、お互いの事すらもよく分からないのだ。
日向の頭の中はぐちゃぐちゃになっていた。
「どうして俺が」「ここで何をやってるんだ?」そんな自問自答が浮かぶ。
少しも眠くなどなかったが、現実逃避のように日向は無理矢理眠りについた。
目が覚めたら日常に戻っているのではないかという、淡い期待を込めて。

翌朝、モニターに映るモノクマの朝を知らせる放送で目覚めた日向。
やはり夢ではなかった。
改めてそう認識させられ、最低の気分で日向は朝を迎えた。
ひとまず起き上がり、コテージを出る。
コテージから出た所には左右田が居た。
左右田は日向を見るなり「お前、橋見たか?」と問い掛けてきた。
「橋?橋ってなんだよ?」と日向が左右田に聞くと、中央の橋から4本架かっている橋の前に、昨日のモノケモノが橋を封鎖しているのを左右田は目撃したらしい。
するとそこへモノクマが突然現れ「あのモノケモノ達はオマエラが進行を無視して、他の島に行かないように守ってくれてるガーディアンなんだよ」と言って去って行った。
モノケモノがそれぞれの橋に居るという事は、不用意に橋へ近づくのは危険という事だ。
そうこうしているうちに、辺古山がやってきて「いつまで経っても来ないお前達を呼びに来たんだ」と言った。
どうやら、日向と左右田以外はレストランに集まっているようだ。
それでいつまでも来ない2人を辺古山が呼びに来たという事らしい。
日向がレストランに向かうと、辺古山の話通り、全員集合していた。
全員を集めたのは、十神のようで、何やら話があるとの事だ。
全員揃ったのを確認すると、十神は「まずは、お前達に質問だ」と話し始めた。
十神の質問は「モノクマによって殺し合いを命じられた『異常な状況』下を生き抜く為、自分達には今何が必要か?」というものだった。
質問の意図も、答えも分からないままの状態が続き、最終的に狛枝が「もしかして…それって『絆』なんじゃないかな?」と答えた。
狛枝は「超高校級のみんなが協力し合えれば、不可能なんてない」という思いから、答えを出したようだ。
十神は「なるほどな…なかなか立派な答えだ。個人で立ち向かうのは不可能だ。ならば、集団として立ち向かう他ない」と満足そうにしていた。
しかし十神は、「だが、団結に必要なのは『絆』などと言う甘っちょろい繋がりではない」とも言った。
そこで十神が必要としたのは「明確なリーダーによる『秩序』を持った統率」だ。
そして、その「明確なリーダー」の役割を十神は自ら買って出た。
その後、本題に移ろうとした十神に対し、小泉が「いくらなんでも強引過ぎでしょ!勝手にリーダーなんて決めちゃって…しかも、どうしてアンタなのよ!?」と反発した。
十神は動じる様子も見せず、「俺は『超高校級の御曹司』だ。人の上に立つ事を宿命づけられた人間だぞ?俺以上の適任はいないだろう?」と言った。
その強引さが更に気に食わない小泉だったが、狛枝が「ある程度、強引じゃないとこの状況でリーダーは務まらないよ」と宥めた。
そう言われ、小泉も渋々了承した。
ようやくリーダーが決まった所で、十神が本題を話し始めた。
十神には、日向達全員に「見せたい物がある」らしい。
それは、中央のジャバウォック公園にあるようで、十神は全員を連れて移動した。
ジャバウォック公園の中央には、モノケモノになった銅像の代わりに何やら大きな球体が置かれていた。
球体には、タイマーのような物が取り付けられており、「アト21ニチ 03:42 08」と表示されている。
数字が減っている為、何かのカウントダウンのようだ。
十神は、今朝改めて島の中を見回っている時にこの球体を見つけたようだ。
球体のデザインからしてモノクマが設置した物のようだが、いつの間に設置されたのか、あのカウントダウンが何を表しているのか誰も分からなかった。
全員で球体について話していると突然「…謎でちゅね!」とモノミが現れた。
昨日、モノケモノを操るモノクマに壊されていたはずだが、ぬいぐるみというだけあり、どこかにスペアがあるようだ。
十神は、モノミに「このカウントダウンのタイマーにはどんな意味があるんだ?」と早速問い掛けた。
しかし、モノミも「モノクマのする事までは把握してなくて…」と、分からない様子でそのまま去って行った。
この島は謎だらけだ。
たった一晩で訳の分からない球体が置かれていたり、16人の超高校級達がどうやってこの島に来たのか、リゾート地だったはずのジャバウォック島が無人島になっていたり。
十神の見解では、今のこの状況を見れば何等かの巨大な組織が動いているのではないかという事だ。
リゾート地を無人島にし、モノクマやモノミ、モノケモノを動かし、監視カメラで監視して、困らない程度の食料品や日用品を用意する。
確かに並大抵の組織、ましてや個人では資金も時間も足りないだろう。
しかし、結局のところ現段階では何も分からないままだ。
仮に巨大な組織が絡んでいるのならば、超高校級から見た「敵」の正体や、この島の謎について調べなければ、目的すらも分からない。
まずは、自分達の出来る事からやっていこうという話になり、その場は解散となった。

突如ジャバウォック公園のど真ん中に出現した謎の物体

その日の夜。
モノクマからの夜時間を告げる放送が始まったかと思いきや「お楽しみのレクリエーションタイムが始まるよー!ジャバウォック公園にお集まりください!」と言い出した。
こんな夜中に何を始める気なのかと、嫌な予感が沸き起こる日向。
しかし、モノクマに逆らえば昨日のモノミのようになるかもしれない。
そう考えると、やはり行かない訳にいかなかった。
仕方なく日向は夜のジャバウォック公園へと向かった。

日向がジャバウォック公園に着いた時には、日向以外の全員が到着していた。
しばらくすると、何やらスーツのような物を着たモノクマが「南国の島っぽく漫才をやる為の衣装だよ!」と言って現れた。
そして「相方を用意してきました」とモノクマが言うと、フリフリのドレスを着せられたモノミも現れた。
色々とツッコミどころ満載だったが、誰の話も聞かずにモノクマは公園の中央に設置されたステージに上がると突然モノミと漫才を始めた。
最初はしょうもない漫才を繰り広げていたモノクマとモノミ。
しかし、漫才の途中で「モノミって本当は悪いヤツだからね」とモノクマが言い出した。
そしてモノクマは「ここだけの話だけどね…モノミって…オマエラの記憶を勝手に奪っちゃったんだよ!」と言った。
「なんでやねん!」と漫才風に一度はツッコミを入れたモノミだったが、そのすぐ後、慌てた様子を見せていた。
モノクマは続けて「ほら、オマエラってさ、この島にどうやって来たのか誰も覚えてないでしょ?それはね、モノミがオマエラの記憶を奪ってしまったからなんだ!」と言う。
「きゅ、急に何を言い出すんでちゅか!」とモノクマを止めようとするモノミだったが、モノクマはスルーして話を続けた。
「ちなみに…こいつが奪った記憶ってのはね、この島に来るまでの経緯とか陳腐なモンじゃないよ。なんと、オマエラが希望ヶ峰学園で過ごした数年間の記憶丸ごとなのでーす!
うぷぷ。ビックリでしょ?実は、オマエラは新入生なんかじゃないんだ。学園生活の記憶を丸ごとなくしたオマエラが、勝手にそう思い込んでただけなんだよ!」と漫才の中に入れ込むにはヘビーな話題をモノクマは披露した。
いきなりぶち込まれた衝撃の事実に、生徒達は呆然とするしかなかった。
漫才が終わった後、衣装を脱いだモノクマが「どうだった?笑い取れてた?」といつもの調子でステージから降りてきた。
十神はすかさず「おい…今の話はなんだ?」とモノクマに問う。
モノクマは「あぁ、オマエラが『学園生活の記憶』をまるっと奪われちゃった件か!」と笑った。
「そんな訳がない」「ウソだ」「自分達はついこの前、希望ヶ峰学園に入ったばかりだ」と口々に言う生徒達。
するとモノクマは「もしウソなら、希望ヶ峰学園に足を踏み入れた時、オマエラ全員が経験した『妙な眩暈』は何だったのさ?」と返す。
確かに、日向を始めここに居る全員、教室に集まった時は「妙な眩暈を感じて、気付いたらこの教室に居た」と言っていた。
しかし、それはモノクマが生徒達の前に現れる前の話だ。
モノクマが知っている話ではないはず。
「どうしてお前がそんな事を知っているんだ…?」と問う日向だったが、モノクマはそれに答えず「うぷぷ…要はあそこが『記憶の接合点』だったわけですよ」と言った。
そして、モノクマは「コロシアイを始めれば、オマエラの記憶を取り戻してやる」と言い放った。
反発する生徒達。
「記憶喪失なんて信じない」そう言った小泉に対し、「けど、それ以上に信じられないのはお互いの事でしょ?」とモノクマは言う。
確かに日向達にとっては、数日前に初めて会ったクラスメイト達であり、まだお互いの事は何も知らないと言ってもいいほどだ。
そしてモノクマは「お互いの事を何も知らないからこそ…裏切り者が紛れ込んでるのにまるで気付かないんでしょ?」とサラリと言った。
「裏切り者に殺られる前に殺らないとね!」とだけ言って、モノクマは去って行った。
モノミもバツが悪そうにその場を去って行った。
記憶喪失に、裏切り者、無人島に閉じ込められた16人の高校生。
やはり何もかもが常識を逸脱していて、誰もかれもが状況に追いつけないでいた。
モノクマとモノミが去った後、モノクマの夜時間を告げる放送が流れる。
誰もが冷静でない中、ひとまず一晩寝て、思考を落ち着かせようという結論に至った。
明日の朝、レストランに集まり、そこで話をする事に決定し、その場は解散となった。

モノクマとモノミのしょうもない漫才の中で、突然告げられた真実

翌朝、レストランに集まった日向達。
しかし、そこには九頭龍の姿はない。
辺古山がレストランの外で会い、九頭龍に声を掛けたようだが「欠席する」と言っていたようだ。
十神も九頭龍に関しては諦めているようで「仕方ない、俺達だけで話を始めるぞ」と切り出した。
「話ってなんだよ?」と日向が聞くと十神は「喜べ、今日の夜パーティーを開催する事にしたぞ」と言った。
全員の頭の上に「?」が浮かぶ中、十神はパーティを今日の夜から明日朝まで開催すると付け足した。
しかも、欠席は認めず、全員強制参加らしい。
「こんな時にパーティーという気分にはなれない」
ほとんどの生徒達はそう思っていた。
狛枝だけは十神の意見に賛成し「こんな時だからこそ、ボクらはお互いに親交を深め合うべきかもしれないよ」と言った。
しかし、十神には狛枝が考えるのとは別の思惑があるようで「今晩は俺達全員が1つの場所に集まっておく必要があるんだ」と言う。
十神もそれ以上、詳しい事は語らなかったが、十神、狛枝の意見を聞き、他の生徒達もパーティー開催について乗り気になった。
それから、パーティーを開催する場所は十神としては「外部の干渉を受けない場所が相応しい。モノクマでも立ち入れないような閉ざされた空間が条件だ」という事だった。
となると、今集まっている、開放感のあるレストランは自動的に外される。
十神の言う条件に当てはまるような場所があっただろうかと、全員が頭を悩ませていた。
そんな中、狛枝が「だったらさ…ホテルの離れにある、ロッジ風の『旧館』なんてどうかな?」と提案した。
狛枝が言っているのは、レストランに上がる階段横にあるボロボロの建屋の事だろう。
レストランやコテージ等、様々な施設で手入れが行き届いているのにも関わらず、旧館だけ手付かずで現在は「改築予定」との事でモノミが立ち入り禁止としている。
そこへモノミが現れ「ミナサンの話は聞かせてもらいまちた!ミナサンの結束を固める為なら、あちしも協力は惜しみません」と、旧館への立ち入りを許可した。
開催場所は旧館で決定したが、結局の所手付かずの為、掃除は必要だ。
誰が掃除をするかという話になった時に狛枝が「こんな事もあろうかとくじを用意したから、くじ引きで決めるってのはどうかな?」と提案した。
赤い印がついているくじを引いた人物が、旧館の掃除当番になるという物だ。
どんな事を想定して、狛枝がくじを用意していたのか不明だが、一番分かりやすい方法の為、全員でくじを引く事になった。
すると、言いだしっぺである狛枝自身が赤い印のくじを引いた。
掃除当番は狛枝に決まり、料理については「超高校級の料理人」である花村が担当する事となった。
パーティーについて様々な事が決まった後、夜時間の放送が終わってから旧館に集まるという事になり、その場は解散となった。

夜時間を告げるモノクマの放送が終わった後、日向は旧館へと向かった。
旧館の中はロッジ風になっており、レストランがある方の建物よりも確かに古い印象を受ける。
入口の所には十神が立っており、入るなりボディーチェックをされる日向。
十神の横にはジュラルミンケースが2つ置かれており、日向は危険物は持っていなかったが、持っていた場合、それも没収してケースに入れているという警戒ぶりだ。
1つには没収した危険物が入っているらしいが、もう1つは「念の為にな…」と言って中身について十神は明言しなかった。
そして、他の生徒達は既に大広間に集まっているという情報を聞き、ボディーチェックが終わった日向も大広間へ向かった。
大広間は、日中掃除をしていた狛枝が、パーティーらしくちょっとした飾りつけをしていたり、スーパーマーケットから持って来た絨毯を敷いたりしていた。
また、テーブルの上には既に花村が用意した料理が豪華に乗せられている。
そんな華やかなパーティー会場だが、窓があったであろう部分には鉄板が打ち付けられている異様な光景も存在していた。
しばらくすると、十神もボディーチェックが終わったのか大広間にやってきた。
辺古山が九頭龍にも声を掛けたようだが、結局九頭龍がパーティーに顔を出す事はなかった。
「本来なら全員参加だが…まぁ、1人では何も起こせないだろう」と十神が呟く。
そしてその直後、テーブルに置かれた料理を見た瞬間、十神の顔が強張った。
「危険だ」と言って料理に近寄ると、十神はおもむろに鉄串に刺さった肉を貪り始めた。
十神は鉄串すらも危険物とみなし、肉を食べつくした後、鉄串だけをジュラルミンケースに放り込んだ。
厨房から大広間にやってきた花村が十神を見て「もう食べ散らかしてる!?」と驚く程の勢いだった。
そして十神は「まだ危険物があるかもしれん、日向、厨房に行くぞ」と日向を連れて厨房へ向かった。
「徹底的に探せ」という十神の指示の下、日向も厨房内の危険物探しを始めた。
どうやら、十神の中ではナイフやフォークも立派な危険物のようだ。
日向も、棚に掛かっている厨房内の備品リストをチェックしながら危険物探しを始めた。
BBQ用の鉄板やカセットコンロもあるようだが、これらは十神の言う「危険物」には入らないようだ。
十神もリストを見ながら、現物を確認していた。
すると、鉄串が一本足りない事に十神が気付く。
タイミング良く厨房にやってきた花村を捕まえて、何故足りてないのか問う十神だったが、花村も「最初からなかったみたいなんだよね」と、その行方については知らないようだった。
一通り厨房の探索を終え、日向は十神と一緒に大広間へと戻った。
2人が大広間へ戻り、ようやくパーティーが始まった。

パーティーを楽しむ超高校級達

『スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園』のゲームシステム

(非)日常編パート

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