グレムリン(Gremlins)のネタバレ解説まとめ

『グレムリン』とは、1984年にジョー・ダンテ監督による映画作品。当時、大学生だったクリス・コロンバスが書いた脚本をスティーブン・スピルバーグが気に入り映画化された。スピルバーグは制作総指揮として参加している。発明家の父親ランダル・ペルツァーから主人公の息子ビリーの元に、クリスマスの贈り物として「モグワイ」と呼ばれる地球外生命体がやってきた。素直で愛らしい姿を気に入り、ビリーは「ギズモ」と名付けて世話を始めるが、次第に予想不可能な事態へと発展していくというコメディーSFパニック映画である。

『グレムリン』の概要

『グレムリン』とは、アメリカで1984年に公開された映画である。
グレムリンは機械を悪戯する”妖精”と言われ、ノームやゴブリンの遠い親戚にあたる。言わば「目には見えないと信じがたいもの」に値する。
人は目には見えず、耳では聞こえないものは「事実ではない」、「不思議なもの」として分類している。

1984年は他にも多くの話題となった映画が作られた年だ。
「ターミネーター」、「ベストキット」、「ゴーストバスターズ」などが作られたこの年、「グレムリン」はクリスマス映画として公開予定だったが、他社との競合を危惧したワーナー・ブラザーズスタジオが予定を変更し、同年6月8日の公開へと踏み切った経緯がある。
奇遇とはいえジョージ・オーウェルの「1984年」の出版日が”6月8日”だった事と重なるのは何を意味するのか、気にはなるところだが今のところ偶然の産物としか言いようがない。

日本での公開は同年12月8日で、興行成績から言えば、ライバルとされた「ゴーストバスターズ」に軍配があがった。
当時、「E・T」に続く大作「インディージョーンズ/魔宮の伝説」の準備中だったスピルバーグは、この「グレムリン」にまでは手がつけられず、信頼できるクリエイターに任せるべく人選が行われた。
そこには若き頃のティム・バートンの姿もあったという。そこで白羽の矢が立ったのがジョー・ダンテだった。
彼はスピルバーグの作品「ジョーズ」を真似て、「ピラニア」という作品を手掛けた強者でユニバーサルスタジオが訴訟まで起こそうとしたが、意外にもスピルバーグ本人が面白がった事で事態を免れたという。
そんな因果のあるジョー・ダンテが、スピルバーグの代わりに監督をすることになるとはこれもまた不思議な話だ。
ちょうどこの頃、ダンテはスランプに陥っていたらしい。そんな時に突如、「グレムリン」の話が舞い込んだ。
スピルバーグとしては低予算で効率よいヒットを目指したかったが、いざ準備に入ると目論見が外れ、かなりの予算と特殊技術が必要だという現実にぶつかる事となる。
とりあえず、予算と撮影環境は確保したダンテだが制作に当たっての方向性について、他の制作陣と意見の相違があったり苦労が絶えなかったらしい。そんな時の”相談役”としてスピルバーグという存在がいた。

ジョー・ダンテがスピルバーグに敬意を表してか、冒頭の雪の中で映し出される映画館のシーンでスピルバーグの「E・T」、「未知との遭遇」の制作時の仮タイトル「A Boy’s Life」と「Watch the Skies」という名が登場する。
また、スピルバーグ本人が一瞬だけ”発明品の見本市で電話をかけるシーン”に出演している。

ジョー・ダンテとスピルバーグの制作チーム側と、ユニバーサル側とで対立した逸話もある。
本編後半に「グレムリンの数が多すぎるのでは?」という指摘が入るが、この増殖して飲めや歌えの大騒ぎを繰り広げるシーンは人間と重ねて見せる重要なシーンだとしてスピルバーグが怒り、「じゃあ、グレムリンの登場シーンを全部カットして、タイトルを“Gremlins”じゃなくて“People”にしてやろうか!」と言ったそうだ。そのお陰で減らされる事もなくあの本編シーンとなる。

もう一つ問題となったセリフがあった。ビリーのガールフレンドが”クリスマスが嫌いな理由”を語る55秒のセリフ。
楽しいクリスマスのイメージを損なう内容にスタジオ側がカットしろと要請したが、ダンテはこの刹那的な雰囲気こそが「グレムリン」を創り上げる大事な部分だと拒み、スピルバーグの頑なさにスタジオ側が根負けした形で本編のセリフに残される事になった。

テーマソングのどこか騒々しく、どこか物悲しいように聴こえるメロディーは、この作品を捉える人によって其々違った印象を持つに違いない。

製作費:$11,000,000、興行収入:$153,000,000、配給収入:31億8200万円

『グレムリン』のあらすじ・ストーリー

ビリーのクリスマスプレゼントを探しにチャイナタウンの骨董店を訪れるランダル

発明家のランダル・ペルツァーは自身の発明品を売り込む為に訪れた街のチャイナタウンを訪れていた。
一人の少年に「良いものがある」と手をひかれ、地下の薄暗い店内に案内される。
そこには狭い空間に、珍しい商品が沢山並んでいた。

色々と物色をしていると、店内のどこからか聞いた事のない鳴き声が聴こえてくる。
興味を惹かれ鳴き声が聴こえてくる方へ歩み寄ると、布に覆われた箱のようなものがあった。
どうやら鳴き声はこの布に覆われた中から聴こえてくるらしい。

ランダルは傍に寄り、覆われた布を取り払って箱を開けると鳴き声を出している可愛らしい生き物がいた。
可愛らしい仕草をランダルが見つめると、生き物は鳴き声を歌声に変えてみせた。
「これは何て生き物だ?」とランダルが問うと、骨董店店主・ミスター・ウィングが「モグワイだ」と素っ気なく答える。

クリスマスが近かった事もあり、息子のビリーへの贈り物にしたいランダルはミスター・ウィングに交渉をするが、「これは売り物ではない」と、頑として譲らず売ろうせず、ミスター・ウィングは店の奥に行ってしまう。この生き物を飼うのはとても難しいらしい。
途方にくれたランダルだったが、最初に案内した少年が老人の目を盗み、内緒でランダルに売る決断をする。貧しい生活の費用を捻出する為には背に腹は代えられないのだった。

骨董店店主・ミスター・ウィングにモグワイを売って欲しいと頼むランダル

ビリーにクリスマスプレゼントのモグワイを手渡すランダル

ランダルの発明品はお世辞にも優れた製品とは言えなかった。
しかし、妻のリンは夫の夢を支える為、文句も言わずに応援している。
ランダルの発明品のほとんどが実用性のない欠陥品が多いのだが、リンは夫が苦労して創り上げた発明品を否定する事はしない。
生活は正直潤ってはいないけれど、夫の夢を優先して自分に納得させつつ不自由でも欠陥だらけの発明品を愛用している。

リンが夕食の支度をしていると銀行員の息子・ビリーが帰宅する。

帰宅したビリーが夕食の準備を手伝おうとキッチンに行くと、母のリンがどこか浮かない表情だ。
問うてみると、原因はディーグル夫人からの電話だという。
ペルツァー家に、ディーグル夫人から言いがかりをつける電話が度々あった。
内容は様々で、気に入らない事をまくしたてるのである。
今回は、その日愛犬バーニーが高価な雪だるまの置物を壊してしまった事への抗議だったのか、10年鳴かず飛ばずの父親の稼ぎが良くない事で困窮する資金面について嫌味を言ってきたのか、ビリーには、そういった話を決してしないリンだったので、夕飯を作りながら観ていた暗い映画のせいだと言い張っていた。

リンとビリーは仕方ないといった風に夕食の準備にとりかかると、父・ランダルがご機嫌で帰宅した。

出迎えるリンとビリーに、ランダルは「クリスマスにはちょっと早いんだが」と言いながら、骨董店で手に入れ、包み紙で梱包したモグワイ入りの箱を見せ、ビリーに自慢げに手渡す。
ビリーが喜んで開けようとすると、ランダルが「待て。そこの電気を消して」と、ビリーに注意する。
ビリーは「何で電気を消すの?」と疑問を口にしながら包み紙を剥がして箱を開ける。すると可愛い姿の「モグワイ」が顔を出した。
モコモコの毛で覆われ、大きな耳と目が特徴的な生き物をビリーは一目で気に入った。
「なんていう生き物?」とビリーが父に聞くと、「モグワイ、という珍しい生き物らしい」とランダルが答えた。
もじもじと恥ずかしそうにして、目の前にいるモグワイの愛らしさにビリーはすっかり心を奪われる。
「名前をつけよう」と、ビリーが家族に提案すると、ランダルは少し思案して「ギズモはどうだ?新装置という意味だ」と言った。
チャイナタウンにいたモグワイはこの瞬間から「ギズモ」という名前になる。
リンも家族が増えた事が嬉しくなって「写真を撮りましょう」とカメラを皆に向けて構えると、パシャッとフラッシュをたいた。
「!?」ギズモが驚き飛び上がって、抱えられていたビリーの腕の中で震えだす。
一体どうしたんだと、皆が心配そうにすると、ランダルはリンとビリーに、骨董店で聞かされた「飼う時の3つの決まりごと」を伝え、必ず守るよう念を押した。

1. 光に当ててはいけない。
2. 水をかけたり、濡らしてはいけない
3. 夜中0:00以降に食べ物を与えてはいけない。

これを守らなければ大変な事になる、と骨董店の少年に言われていたのだ。

ギズモを飼う時の注意事項をランダルから聞かされるビリー

ビリーとおもちゃのピアノで遊ぶギズモ

可愛いペットが出来て上機嫌のビリーは早速、ギズモと遊び始める。
おもちゃのピアノを弾いてやると、合わせるようにギズモが歌いだした。楽しそうに笑うビリーとギズモ。
どうやらギズモは物覚えもよく、大人しい性格のようだ。
人間の言葉を理解して、それに応えてくれるし、知能がとても高い。学習能力もあるようだ。

暫くして、隣人の少年ピートがクリスマスツリーを売る仕事の手伝いから抜け出して、ビリーの家に遊びにくる。
ピートは小学生だが、ビリーとは仲良しの友人だ。
ピートはクリスマスツリーの着ぐるみを脱いで、勝手知ったるビリーの部屋に入ると、聞き慣れない声がする事に気づく。
すぐに反応するピートに、ビリーが自慢げにギズモを紹介する。
ふわふわの毛並みで見つめるギズモをピートも気に入ったようだ。
ピートとギズモはすぐに打ち解けた。
ピートはギズモの隣で、ジュースを片手に新しくビリーが買った漫画を読みだす。
「面白いものをみせてやるよ」と、ビリーがギズモを抱えてテーブルの上に乗せた。
ビリーがギズモに歌を歌うように言うと、ギズモは可愛らしい声で歌いだした。
ピート「へぇ、すごい」
ピートは身を乗り出して、テーブルに置いたジュースをこぼしてしまった。
ギズモ「!?△◆◎」
こぼれたジュースがギズモにかかった瞬間、『シュゥーーーッ』という蒸気と共に、ギズモがジタバタと苦しみ始めた。
驚くビリーとピート。「苦しそうだ」と、ピートが心配そうに呟く。
その時、もがくギズモの背中がモコモコと盛り上がり始め、『ポンッ』と何かが飛び出した。
続けて『ポンッ』『ポンッ』と数回鳴り響いた。
ビリーとピートは、驚いたまま飛び出たものを凝視すると、それはまるで毛玉のような丸い物体だった。
唖然と見つめている2人の目の前で、飛び出た毛玉がムクムクと変形し始める。
少しずつ大きくなり、耳が出てきて、顔がみえた。
毛玉だった物体は、ギズモと同じ「モグワイ」へと変貌したのだった。
全部で、5匹のモグワイが一気に増えてしまった。

これを見たピートは、驚きながら増えた新しい1匹に触れようと指を伸ばすと、そのモグワイは威嚇をしてきた。
ギズモとは、どうやら性格が違うようだ。
触れあいを拒否されたピートはへそを曲げてしまい、一瞬でモグワイ達から興味を失い、ふてくされて漫画を読みだす。
偶然の産物ではあるものの、念を押されていた禁止事項を一つ破ってしまったのだった。

水がかかったギズモから飛び出た物体に驚くビリーとピート

夜中に騒ぎだすモグワイ達

騒ぐモグワイ達に食べ物を与えようと、確認した時計

ギズモから増えた別の個体達は、兎にも角にも騒がしい。
1匹は頭から背中に白色のストライプが入っていて粗暴な性格だ。どうやら、5匹のリーダー格らしい(以下:ストライプ)。
ビリーは水をかけてモグワイが増えてしまった事を、ランダルに報告する。
賑やかにリビングで騒いでいるモグワイ達とギズモをみて、ランダルは「これは犬に代わるペットになるかも。売れば大儲けなる」と喜んだ。

やがて夜になり、ビリーは愛犬バートがいなくなった事に気づいた。
慌てて探した結果、何故かバートはクリスマス飾り用のコードに巻かれ、玄関の外に宙づりにされていた。
ビリー「一体誰がこんなこと」
ビリーが濡れたバートをタオルで拭きながら頭を捻る。

次の日、ビリーは繁殖した1匹のモグワイを箱に入れ、ピートの小学校で理科を教えているハンソン先生の所を訪ねた。
ハンソン先生の目の前で、モグワイに水を垂らし増殖するところを見せてみる。
ハドソン先生は目を丸くしながら、ビリーに「1匹、おいていってくれるか?調べてみる」と言った。

その夜、ビリーは同じ銀行に勤める同僚のケイトが、ボランティアで手伝っているパブに立ち寄った。
ビリーはケイトに密かに好意を抱いている。
もうパブは閉店の時間だが、泥酔したムレイ・ファッターマンがケイトに絡んで愚痴をグダグダと話している。
ケイト「もう飲んじゃダメよ」
ケイトはムレイのふらつく身体を支えて、店の出入り口に向かう。
ムレイ・ファッターマン「おう、お前さんか」
出入り口の外でケイトとムレイのやり取りを見ていたビリーに気づき、ムレイが気さくに声を掛ける。
ムレイ・ファッターマン「小悪魔(グレムリン)め。知ってるか?先の大戦で飛行機が墜落したのもグレムリンのせいだ」
泥酔したムレイ・ファッターマンが、フラフラと一人で悪態をつきつつ、路上駐車していた自分の除雪車に乗り込む。
ファッターマンは、戦争で兵隊経験があり、外国製品をとても嫌っている。
そして、小悪魔(グレムリン)」という妖精の存在を信じている数少ない人物だ。

ビリーはケイトを家まで送る途中、ケイトがクリスマスを良く思っていない事を聞かされる。
理由は分からないが、ケイトをデートに誘う事に成功はしたビリーだった。

夜も更けてきた頃、ギズモとビリーはベットでテレビをつけて寛いでいた。
雑誌に夢中になるギズモ。
ビリーがギズモに「面白いかい?」と聞くと、「オモシロイ。カッコイイ」と、ギズモが楽しそうに答えて3Dメガネを使って雑誌を読む。
いつもつけっぱなしのテレビも、ギズモは面白がって観ているようだ。

その時、箱に入れたモグワイ達がまた騒ぎ出す。
ビリー「腹が減ったのかな」
ビリーは、念のため枕元の時計を確認するとAM0:00前だ。

仕方ない、と腰をあげるビリーを見送るモグワイ達は、何やらコソコソと企んでいる様子だ。
ビリーはキッチンの冷蔵庫からディナーの残りのチキンを取り出し、モグワイ達に与えた。
ベットにいるギズモに、ビリーが「食べるか?」と聞いたが、ギズモは首を横に振りいらないという。
モグワイ達はもの凄い勢いでむしゃぶりつき、あっという間にチキンが骨だけになっていく。
ビリーは飛び交うチキンの残骸に唖然としながらも、その夜はひとまず眠りについた。

その頃、ハドソン先生の研究室では覆いをつけた檻に入れたモグワイと、デスクに向かうハドソン先生がいた。
時刻はAM2:00を過ぎている。
サンドイッチをパクついていたハドソン先生に、モグワイが「タベタイ」と訴える。
ハドソン先生「今夜はこれでもう寝よう」
モグワイにそう答えて研究室の電気を消し、出ていった。
ニヤリとしたモグワイは、檻から手を伸ばし食べかけのサンドイッチをズルズルと引き寄せる。

次の日、目が覚めるとビリーとギズモは驚きを隠せずにその場に佇んでしまう。
部屋のモグワイ達が忽然と消えて、そこには得体の知れない蛹のような物体があった。
ギズモ「タイヘン」
ギズモは無事のようだ。
リン「今日はこの部屋を掃除しなくちゃ…」
リンがビリーの部屋に入ると、驚きを隠せずに蛹を見つめる。
リン「水をかけたの?」
リンが佇んだままビリーに聞いた。
ビリー「違うよ」
リン「AM0:00過ぎに、食べ物をあげた?」
リンが、たたみ掛けて尋ねる。
ビリー「あげたけど。ちゃんと時間は…」
ハッとしたビリーが慌てて枕元の時計に走り寄る。

ビリーは「まさか」と枕元の時計を手に取り確認すると、時計のコードが切られており、針は止まっていた。
考えたくはないが、この状態を見るとあのモグワイ達がやったとしか思えない。

翌朝、蛹になったモグワイ達を見つめるビリー

発明品展示会場から「今夜のクリスマスイブには行けない」と、リンに電話をするランダル

ランダルは、発明品の展示会に出掛けていた。
家にいるリンに電話を掛けて「今日は帰れない」と告げた。
「クリスマスイブに家を開けたことなんてないのに」と残念そうに電話をきるリン。

ビリーの部屋では、ビリーのヘルメットの中に隠れたギズモがブルブルと震えている。
蛹が次々と割れ、中から何かが出てき始め、それに怯えていたのだ。

ハンソン先生のモグワイにも同じ事が起こっていた。
ハンソン先生「蛹がかえった」
ビリーに驚きを隠せないハンソン先生から電話が入る。
ビリー「すぐ行きます!」慌てて、ビリーはハンソン先生の研究室に向かった。

研究室では身を潜めて唸り声をあげている何かを、ハンソン先生が誘き出そうと必死になっていた。
ハンソン先生「ほら、うまいぞ。全部食ってもいいんだ」
恐る恐る、何者かの方へ、ハンソン先生がチョコキャンディーを差し出す。
その時、ハンソン先生の表情が驚愕に変わった。
ハンソン先生「ヴぁぁっぁ」
差し入れた腕を襲われて、ハンソン先生の顔が苦痛に歪み絶叫した。

ハンソン先生から電話を貰って、急いで駆けつけたビリーが研究室に到着すると、ハンソン先生は意識もなく床に倒れていた。
唖然とするビリー。
ハッとして、電話をかけようと受話器に手を伸ばすと何者かに思い切り引っ掻かれた。
片手を負傷し、手当てをしようと救急箱のある部屋に駆け込むと、「!?」ビリーは仰天した。
思い切り、備え付けの棚扉がひらき、グロテスクな姿のモンスター(以下・グレムリンとする)が飛び出した。
驚いたビリーは、飛びかかるグレムリンを咄嗟に避けようとして壁にのけ反ると、グレムリンは扉の空気口を破り外へと逃げ出した。

キッチンにいたグレムリンを、咄嗟にミキサーで砕くリン

その頃、リンはビリーの部屋が異様に騒がしい事に気づく。
クリスマスイブのクッキーを作る手を止め、そっと傍にあったナイフを握りしめる。

ビリーの部屋では、ギズモが蛹からかえったグレムリン達に弄ばれ、ダーツの的にされていた。

恐る恐るビリーの部屋にナイフを片手に近寄るリン。
覗き込むと、蛹がかえっている。
そこへ電話が鳴り、「蛹がかえったんだ。早くそこから逃げて」とビリーの切迫した声が聞こえた。
リンが答えようとすると、『ブチッ』と回線が切れた。

グレムリンが電話線を引きちぎったのだ。
電話が突然切れた事に驚いたビリーは、慌てて小学校の研究室から家へと駆け出した。

リンが切れた受話器を握って佇んでいると、レコードの音楽が鳴り始める。
『♪あの音が聴こえる?♪』と曲が流れだす。
リビングに戻ると、何者かがレコードをわざわざかけた様子だ。
慌ててリンが止めて、辺りを伺うと不穏な物音が聞こえる。

キッチンを覗くと、グロテスクな容姿のグレムリンが作りかけのクッキーを「ウメェ」と言いながら、頬張っている。
リンは、物陰に隠れたまま隙を伺い、ミキサーにグレムリンが飛び乗ったのを見計らうとスイッチを入れて粉々にした。

残りは4匹だ。息絶えた残骸が残るミキサーを止めると、食器がリンに飛んできた。
咄嗟にテーブルを盾にして攻撃をかわすと、リンは食器を投げているグレムリンの隙をつき、手にしたナイフで滅多刺しにした。

また1匹現れたが、手近にあったスプレーで目をつぶし、そのまま電子レンジへ放り込むと破裂した。
リンは息を整えて、キッチンの包丁を両手に持つと恐る恐るリビングへ向かう。
暖炉の前につるした大きな靴下が微かに動いている。思い切り切りつけると、中身はおもちゃのロボットだ。
ほっとしているリンの背後に潜んでいたグレムリンが、大きなクリスマスツリーごとリンを押し倒し、鋭い牙や爪で攻撃する。
身動きが取れないリンは、ツリーのコードで背後から首を絞められた。

そこに、小学校の理科研究室から急ぎ戻ってきたビリーが、リンの首を絞めているグレムリンに向けて壁に飾ってあった剣を一振りした。
グレムリンの首が飛び、そのまま暖炉の炎に焼かれていく。

ぐったりと傷だらけの母を介抱しようと駆け寄ったビリーの視界に、白い線の入った残りのグレムリンが見えた。ストライプだ。
ビリーが身構えると、ストライプは窓を蹴破り、外へと逃げていってしまう。

グレムリンとの奮闘で大けがをしたリンを、モロー医師の所へ連れて行くビリー

リンをとりあえず、医者のモロー先生の所へ連れて行くビリー。
モロー医師と妻はクリスマスムードが一転した。

ビリーはとりあえず、家に戻り様子を伺うと備え付けの棚から物音がする。
恐る恐る近付くと、聞き慣れた鳴き声。ギズモだ。
散らかった衣服を除けて扉を開くと、隠れていたのか怯えたギズモがいた。

ビリーはギズモを近くにあったリュックに入れ、ストライプの行方を探しに出掛ける。
リュックの中から「ボク、コワイ」というギズモの声が聞こえてくる。
ビリーは「大丈夫だよ。捕まえてみせる」と宥めながら、ストライプの積雪についた足跡を追い、YMCA体育館に辿り着く。
夜の体育館の正面扉は何者かに壊されていた。壊れた隙間から手を差し入れ鍵を外し、ビリーとギズモは中に入る。
すると、突然の警報音が鳴る。思わず耳を塞ぐビリーにストライプが飛びかかり、爪でビリーの胸を引っ掻いた。
ストライプはそのまま体育館のプールに飛び込んだのだった。

唖然とする、ビリーとギズモ。プールの色は変色し不気味に泡立ち始めていた。
とんでもない事になった。
グレムリンが増殖してしまう。

なす術のないビリーとギズモは、足早にその場を立ち去り、警察署へと走った。

そこにはフランク保安官と、ブレット保安官補佐がいたが、焦るビリーの話を冗談半分で聞いていた。
ビリーが「このままじゃ街が大変な事になる。住民を避難させてください」と、いくら説明しても、まともに受け取って貰えない。
フランク保安官もブレット保安官補佐も、酔っ払いの戯言だと、決めつけている様子だ。
フランク保安官「そのちっこいモンスターはどっから来たんだ?」
馬鹿にしつつ、ビリーに問いかけると、ビリーはフランク保安官に明かりを消すように告げ、リュックからギズモを取り出した。

街ではビリーの予想通り、グレムリンが大群となって押し寄せようとしていた。

その頃、失業中のムレイ・ファッターマン夫妻の家はクリスマス気分に包まれていた。ムレイはテレビをゆったりと眺めていたが、突然の砂嵐。
ムレイ「これだから、外国製は」と悪態をつきながら、外のアンテナを見に玄関を出た。
すると、目に入ったのはアンテナにぶら下がるグレムリン達。
唖然としているムレイに向かって、ムレイの除雪車を運転するグレムリンが突進してくる。
慌てて「グレムリンだ!」と叫んだムレイは、家の中に入り妻と身を寄せるが、除雪車は玄関をぶち破りそのまま家の奥まで突進した。

そしてあちこちで、異変が起き始める。
ポストの投函を邪魔したり、信号機を全て青に変えて事故を誘発するといった具合だ。

フランク保安官の元に、今しがた起きた事件をムレイ・ファッターマンが通報してきた。
耳を疑うフランク保安官だったが、とりあえずビリーとギズモには家に帰る事を指示し、ムレイの家へと向かった。

keeper
keeper
@keeper

Related Articles関連記事

ジュラシック・パーク(Jurassic Park)のネタバレ解説まとめ

『ジュラシック・パーク』とは、1993年に公開されたSF映画である。スリラー、ホラー、パニック、アクション、ドラマなど様々な要素で構成されている。マイケル・クライトンによる同名小説を原作としており、監督はスティーヴン・スピルバーグ。後に続編が公開されるジュラシック・パークシリーズの第1作。 バイオテクノロジーにより作られた恐竜が暴走し、恐竜に追われる恐怖と、仲間を守ろうとする主人公達の絆を描いており、生命や科学技術に関する倫理観が問われている。

Read Article

バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future、BTTF)のネタバレ解説まとめ

1985年のアメリカ映画。公開当時、全米で『フューチャー現象』と呼ばれるブームが生まれるほど大ヒットしたSF作品。監督は視覚効果の匠で高い評価を受けるロバート・ゼメキス。主人公マーティが親友の科学者ドクの発明したタイムマシン「デロリアン」で30年前にタイムスリップしてしまう。マーティは未来を取り戻すため過去で奮闘する。

Read Article

レディ・プレイヤー1(レディプレ、Ready Player One)のネタバレ解説まとめ

『レディ・プレイヤー1』とは、2018年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督による近未来SFアクション映画である。 荒廃した近未来におけるVR世界「オアシス」を舞台に、オアシスの世界を愛する少年を主人公とした冒険を通し、VR世界と現実世界それぞれを模索していく様子が描かれる。80年代をメインとした映画をはじめ、あらゆるポップカルチャー要素が登場する。VRを取り扱った映画では最も成功した作品。

Read Article

トランスフォーマー(Transformers)のネタバレ解説まとめ

トランスフォーマー(Transformers)とは2007年にアメリカ合衆国公開された、変形するロボットをテーマにした玩具等の実写版アクション映画。監督はマイケル・ベイ、制作総指揮はスティーヴン・スピルバーグ。 主人公サムはある日、変形するパトカーに襲われるが、その窮地を救ったのは変形する愛車だった。サムは知らないうちにある種族の戦争に巻き込まれようとしていた。

Read Article

バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2(Back to the Future Part II、BTTF2)のネタバレ解説まとめ

大ヒットSF映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のPART2。監督は前作も手がけたロバート・ゼメキス。主人公マーティは、30年後にタイムトラベルしに行ったはずの親友ドクから今度は未来が危ないと告げられる。未来で起こる事件に関わる息子たちを助けるため、再びタイムマシン・デロリアンでタイムスリップする。

Read Article

リアル・スティール(Real Steel)のネタバレ解説まとめ

『リアル・スティール』とは、人間の代わりに高性能ロボットたちが激しい戦いを繰り広げる“ロボット格闘技”が人気を博す近未来を舞台にした痛快SFアクションムービー。落ちぶれた元プロボクサーの男と、彼の前に突然現れた11歳の息子が、スクラップ置き場で見つけた旧式ロボットATOMに希望を託し、親子の絆を深めながらロボット格闘技の王者を目指す姿を描く。アメリカ劇場初登場1位のヒットを放った。2011年制作。

Read Article

【BTTF】バック・トゥ・ザ・フューチャーに隠された小ネタ・伏線・パロディまとめ【Back to the Future】

バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)とは、1985年公開のアメリカ映画で、世界中で大ヒットしたタイムトラベルSF映画。バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作の原点となるPart1に焦点をおいて、細かく小ネタを紹介。当時のアメリカを知らないとわかりにくいパロディなど、知ったら思わずもう一度観たくなる小ネタが満載。

Read Article

目次 - Contents