よふかしのうた(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『よふかしのうた』とは、不登校の少年と吸血鬼の少女の交流を描いた、コトヤマによる日本の漫画作品。ヒップホップ・ユニット「Creepy Nuts」の楽曲『よふかしのうた』に影響を受けており、アニメ化の際にはこの曲がEDに採用された。
中学生の夜守コウは、ある日密かに夜の街へ繰り出し、そこで吸血鬼の七草ナズナと出会う。彼女の自由な生き方に憧れたコウは、ナズナに「自分を吸血鬼にしてほしい」と願う。吸血鬼が同族を作るには「相手が自分に恋をしている」必要があるらしく、2人は不器用に仲を深めていく。

CV:戸松遥

コウがナズナ以外で初めて出会った吸血鬼の少女。ナズナがコウを狙っていることを知っており、街中でのナンパ待ちを装ってコウに接近してきた。
吸血鬼でありながら、人間との「友情」と「恋愛」について悩んでいる。
人とのかかわり全てに「恋愛」が絡むことに疲れてしまったようで、自身に好意を持つ秋山を利用して「男女の友情は成立するか」ということを実験している。
実験の結果、異性間の友情は成立しないという結論に至り秋山を殺そうとするが、友情の気楽さや素晴らしさに気づいた結果、自分に恋をしている秋山を眷属とすることにした。

小繁縷ミドリ(こはこべ みどり)

CV:大空直美

吸血鬼の少女。あらゆるグループ内で、いわゆる「オタサーの姫」的なポジションにつくことで数々のコミュニティを破壊してきたという逸話を持つ。自分に好意を抱きそうな相手には「君に興味あるなあ」という口説き文句で落としにかかる。
アルバイト先のメイド喫茶「う゛ぁんぷ」では、人気ナンバーワンのメイドでもある。

平田ニコ(ひらた ニコ)

CV:喜多村英梨

複数の吸血鬼をまとめる、組織の中のリーダー的な存在。
喋り方がナズナに近くぶっきらぼうで、さばさばした性格をしている。
人間に対しては「気が合いそう」と先に言うことで、相手に話しやすくさせ恋に落とすというモテテクニックを多用する。

蘿蔔ハツカ(すずしろ ハツカ)

CV:和氣あず未

吸血鬼の男性。一見すると容姿の整った女性のようだが、後に「女装した男性」という事が明らかになる。女装をしている理由は「似合うから」らしい。
自宅に眷属候補の人間を3人飼っており、食べ物を口に運ばせたり、椅子にさせたりと身の回りの世話をさせている。

本田カブラ(ほんだ カブラ)

CV:伊藤静

吸血鬼の女性。普段はとある病院で看護師として働いている。
セリがコウと初めて接触した際に、コウを連れ去って他の吸血鬼と対面させた。男に対して都合のいい女を意図的に演じ、時間をかけて徐々に人のものを横取りしたがる悪い癖があるらしく、結局そのままうまくいってしまうことが多い。
なぜかナズナに対して「母親の愛情」のような感情を時折見せることをコウに不審がられていたが、実はナズナの実の母親である七草ハルの眷属であることが後に明らかになる。生まれつき体が弱く入退院を繰り返していた人間時代のカブラは、親身にかつ本音で接してくれる担当ナースのハルに恋をすることで吸血鬼となった。後にハルと人間の男性の間にできた子供であるナズナの世話を頼まれ、以降はナズナの母親のような役割を全うしていた。

星見キク(ほしみ きく)

大人びた外見をした吸血鬼の女性。マヒルが恋をしている相手。マヒルが花の配達で訪れる夜の店の常連で、毎回真昼にソフトドリンクをおごっている。
ナズナと同じく奔放な性格らしく、吸血鬼の集まりにはあまり顔を出さない。
多くても10人弱程度の眷属しか作らない吸血鬼の中で、50人以上の眷属を作っている優秀な吸血鬼。しかし優秀でありながらなぜか望んで眷属を作っているような素振りではなく、同じ吸血鬼仲間からも「何を考えているのかよくわからない」と言われている。

『よふかしのうた』の用語

吸血鬼

ヒロインであるナズナをはじめとした、本作の中心となる種族の総称。
一般的なイメージと同じように人間の血を好物としており、吸血行為で栄養を補給するため他の食べ物や飲み物は本質的には必要としない(個人の趣味嗜好としてアルコールや果物・お菓子などを口にする吸血鬼も作中に存在する)。後述の方法で人間が吸血鬼になると容姿にも大きな変化が訪れ、いわゆる"垢抜けた"ような整った風貌になることが多い。吸血鬼同士のコミュニティも存在するが、普段は人間社会に溶け込んで普通に仕事をするなどして生活している。
吸血鬼になるためには「吸血鬼に恋をした状態で血を吸われること」が条件であり、作中に登場するほぼすべての吸血鬼(実の母親が吸血鬼であるナズナを除く)は、元を正せば全員が他の吸血鬼の眷属である。

人間が吸血鬼になると、人間時代の記憶が日を追うごとに徐々に失われる。吸血鬼の間ではそれぞれの人間時代の話題はタブーとされており触れられることはなかったが、探偵・鶯餡子の登場により「吸血鬼の弱点は人間時代の持ち物である」「思い入れが強い物ほど強い効果を発揮する」という事実が明らかになったことで、吸血鬼たちが自らの種の生存のため本能的にこの話題を避けていたことが明かされた。
中には望まない吸血鬼化を果たしてしまう人間もおり、吸血衝動と戦いながら頑なに人間として生きようとする個体も存在する。作中では「10年間血を吸わなかった吸血鬼は死ぬらしい」と触れられているが、その真偽は定かではない。

眷属

特定の吸血鬼に恋をした状態で血を吸われることで、吸血鬼化してしまった元・人間のことを指す言葉。
吸血鬼たちの大きな目的はこの眷属を増やすことであり、吸血鬼一人当たり2~3人、多い場合は数十人単位で眷属を抱えている者も存在する。
眷属と化した吸血鬼は、恋をした相手=親である吸血鬼と行動を共にすることが多い。

『よふかしのうた』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

コウ「俺に恋をさせてください!」

ナズナが吸血鬼であること、恋をした吸血鬼に血を吸われることでしかその眷属になれないことを知ったコウ。自身の抱える悩みを一笑に付し、もっと自由に人生を、夜更かしを楽しむことを勧めるナズナに、コウは意を決して「自分を吸血鬼にしてほしい」と頼み込む。
「初めてなりたいものができたんだ!この気持ちをなくしたくない!だから俺に恋をさせてください!」
この言葉にナズナは面食らい、赤面し、それを取り繕うように「好きになりたきゃ好きにしろ」と言葉を返す。あるいは一夜限りの交流で終わるかもしれなかったコウとナズナの交流が、本作の物語の中核として動き始めた名シーンである。

YAMAKUZIRA
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@YAMAKUZIRA

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