よふかしのうた(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『よふかしのうた』とは、不登校の少年と吸血鬼の少女の交流を描いた、コトヤマによる日本の漫画作品。ヒップホップ・ユニット「Creepy Nuts」の楽曲『よふかしのうた』に影響を受けており、アニメ化の際にはこの曲がEDに採用された。
中学生の夜守コウは、ある日密かに夜の街へ繰り出し、そこで吸血鬼の七草ナズナと出会う。彼女の自由な生き方に憧れたコウは、ナズナに「自分を吸血鬼にしてほしい」と願う。吸血鬼が同族を作るには「相手が自分に恋をしている」必要があるらしく、2人は不器用に仲を深めていく。

『よふかしのうた』の概要

『よふかしのうた』とは、“誰もが寝静まった夜の街”という日常から地続きの非日常を舞台に、不登校の少年と吸血鬼の少女の交流を描いたコトヤマによる日本の漫画作品。
ヒップホップ・ユニット「Creepy Nuts」の楽曲『よふかしのうた』に影響を受けており、アニメ化の際にはこの曲がEDに採用された。

中学2年生の少年夜守コウ(やもり コウ)は、同級生からの告白を断ったことが原因でクラスで孤立し、不登校児となっていた。暇を持て余し、ある日家族に内緒で夜の街へと繰り出したコウは、そこで七草ナズナ(ななくさ ナズナ)という不可思議な少女と出会う。
実はナズナは吸血鬼で、夜の世界は彼女にとって慣れ親しんだものだった。自身の抱えていた悩みを一笑に付し、もっと楽しく生きることを勧めるナズナに、コウは強い憧れを抱いて「自分を吸血鬼にしてほしい」と願う。しかし吸血鬼が同族を作るには「血を吸う相手が自分に恋をしている」必要があるらしく、コウはナズナに「あなたに恋をさせてほしい」と重ねて頼み込む。あまりにも真っ直ぐなコウの言葉を、ナズナは照れ臭そうにしつつも「好きにしろ」と受け入れ、2人は不器用に仲を深めていく。

『よふかしのうた』のあらすじ・ストーリー

ようこそ“夜の世界”へ

「私が夜遊びを教えてやる」と言って、コウ(右)に夜の世界を紹介するナズナ(左)。

中学2年生の夜守コウは、同級生の少女の告白を「付き合うということがよく分からない」と断ったことが原因でクラスから孤立。今ではすっかり不登校児となり、ストレスからかなかなか眠れない日々を送っていた。暇を持て余したコウは、ある日“自分の居場所”を探し求めて家族に内緒で夜の街へと繰り出す。
好奇心に駆られて、自動販売機で酒を買ってみようと思い立ったその時、コウは不可思議な少女に話しかけられる。自身も二十歳を超えているようには見えないその少女は、コウに「君が眠れないのは、今日という日に満足していないからだ。私は眠れない人間の相談に乗ってその悩みを解決してやりたい」と語り、コウを自分の部屋へと連れ込む。ここで眠るよう勧められたコウが、とりあえず寝たふりをすると、少女はこっそりコウの首筋に歯を立てて彼の血を吸う。彼女は吸血鬼だったのだ。

コウが驚いて飛び起きると、少女は騙して血を吸ったことを詫びつつ、「自分も吸血鬼になってしまったのでは」と焦る彼に安心するよう伝える。吸血鬼が同族を作るには、その相手が自分に恋をしている必要があるらしく、この場合はセーフだろうとのことだった。
その後コウから夜更かししていた理由を聞いた少女は、「初めての夜はどんな気分だ?」と彼に語り掛け、面倒や煩わしさから逃げることが悪いわけではないと諭し、今日に満足できるまで夜更かししてみることを勧める。その自由奔放な生き方に強い憧れを抱いたコウは、彼女に「自分を吸血鬼にしてほしい」と頼み込む。

「そのために恋をする必要があるなら、あなたに恋をさせてほしい」と言い切るコウに、吸血鬼の少女こと七草ナズナは赤面しながらも「好きになりたきゃ好きにしろ」と言葉を返す。こうして始まった夜の街での交流の中、コウはナズナとの距離を不器用に憶病に近づけていく。ナズナはナズナで、懸命に自分を受け入れようとするコウをからかい、おもしろがり、一方でその純粋さに振り回される。
しかし今時携帯電話も持たずに夜の街を飛び回るナズナを探すのは簡単ではなく、コウはトランシーバーを彼女に渡す。これはかつてセットで購入したものの一緒に遊ぶ相手がおらず、子供の浅知恵でマンションの受け取りポストに置いておいたら、片方を誰かが持ち去ってしまったものだった。新しく購入したトランシーバーと組み合わせてナズナと通信を楽しむコウだったが、その日の帰りがけに以前購入したトランシーバーに着信が入る。驚くコウに、背後から幼馴染の朝井アキラ(あさい アキラ)が「何をしているの」と話しかけてくる。かつてコウがポストに隠したトランシーバーは、アキラの手に渡っていたのだった。

「友達」の定義

アキラはコウとの再会を喜び、最近学校に来なくなった彼のことを心配していた。「自分と一緒に学校に行こう」と誘ってくるアキラに、コウは自分がなぜ学校に通わなくなったのかについてどう説明すればいいのか分からず言葉を濁す。一方、最近コウが妙に早く帰り支度をすることに気づいたナズナは、「他の女とでも会っているのか」と彼をからかう。
ナズナはその後コウがアキラと会っている現場に押しかけ、彼女を「コウの良い友達」だと評する。一方のアキラは、コウが見知らぬ女性と出会っていたことに驚き、その正体について問い質す。ナズナはあっさりと自分が吸血鬼であることをアキラに明かすが、コウとの関係についてははぐらかすのだった。

実際のところ、コウもナズナも、今の自分たちの関係がどのようなものか分かっていなかった。逃げ出すようにその場を去ったナズナを探す内、コウは転んで唇を切ってしまう。その場にふらりと現れたナズナは、コウの様子が最近おかしかったのは、アキラと一緒に学校に行くかどうかを悩んでいたからではなく、自分が不登校になった理由をどう説明するか悩んでいたからだと知って安堵する。
今の自分たちは、多分「友達」という間柄なのだろうと結論し、ナズナはコウの唇の血を吸い取って去っていく。コウは驚き、去っていく彼女の背に向かって「友達はキスはしないと思います」とつぶやく。キスをするような間柄ということは、自分たちはもう恋人同士といってもいいのではないかと1人盛り上がるコウだったが、ナズナはそれを「友達なら誰でもすること」と西洋風の常識を持ち出してあっさり片付け、コウがそこに特別な何かを感じているのなら、それは性欲だろうと笑い飛ばすのだった。

一方、アキラもまた“引き籠もりになった幼馴染が吸血鬼と夜遊びしている”という現実をどう受け止めればいいのか分からずにいた。悩み過ぎて眠れなくなり、いつもより何時間も早く外に出たアキラは、その日もまたナズナに会おうと出掛けたコウと偶然出会う。そこにナズナも現れ、彼女に誘われるままアキラもまた夜遊びに参加することとなる。
ナズナの部屋でゲームをしながら、コウが吸血鬼になることを望んでいること、そのためにはナズナに恋をしなければならないことを教えてもらったアキラは、遠い存在になりかけていた幼馴染が、自分の知るままのコウであることに気づく。そのコウから「吸血鬼になるのを止めるつもりなのか」と尋ねられたアキラは、「コウがなりたいならコウの自由にすればいい。今のコウとナズナが友達なら、コウが吸血鬼になったって私たちもきっと友達でいられる」と答える。懸案を片付けたアキラはそのままぐっすり眠ってしまい、すっかり遅刻する羽目になるのだった。

夜のお仕事体験

ミウとナズナの関係は少しずつ進展し、2人は共に夜遊びすることを楽しみに感じるようになっていった。ある日、コウが「ナズナは自分以外の人間の血も飲んでいるのだろうか」と気にしているのを察したナズナは、今はコウの血しか吸っていないと語り、話の流れで“添い寝屋”をして生計を立てていることを説明する。吸血鬼なので通常の食費はかからないが、都会で生きていくには家賃や電気代などそれなりにお金が必要なのだ。
ナズナの添い寝屋は快眠を与えることを目的としたマッサージ店のようなもので、コウもそれを実際に体験させてもらう。そこに常連客の白河清澄(しらかわ きよすみ)が訪ねてくるが、ナズナは「今日はもう疲れたから働きたくない」と言い出す。看板を出しっぱなしにしていたため追い返すわけにもいかず困惑するコウに、ナズナはコウに「自分の代わりに清澄にマッサージする」こと、「お礼にキスをしてあげる」ことを提案するのだった。

『よふかしのうた』の登場人物・キャラクター

夜守コウ(やもり コウ)

CV:佐藤元

中学2年生の少年。学業も人間関係も卒なくこなしてきたつもりが、同級生の少女からの告白を「好きとか嫌いとかよく分からない」という理由から断ったことが原因でクラスの女子たちから責められ、学校に通い続ける気力を失い不登校児となる。その内に寝付きが悪くなり、暇を持て余して夜の街にこっそり遊びに出掛けた際にナズナと出会い、彼女の自由な思想と生き方に強く惹かれる。
このためナズナによって吸血鬼となることを望むようになり、「初めてなりたいものができた、この気持ちをなくしたくない」と彼女に“恋をさせてほしい”と願う。ナズナに言わせると、血の味がかつてないほど彼女の好みと一致しているらしい。

七草ナズナ(ななくさ ナズナ)

CV:雨宮天

吸血鬼の少女。見た目はコウとそれほど離れているようには見えないが、実年齢は相当なものだと思われる。吸血鬼らしからぬことに血以外の人間の嗜好品も好み、特にビールを愛飲している。
長い歳月を生きてきた者ならではの含蓄のある言葉を口にする一方、どうも色恋には苦手意識があるらしく、特に自身が恋愛の対象にされるような事態には妙に恥ずかしがる。学校生活に悩んでいたコウに、面倒事や煩わしさから逃げることが必ずしも悪いわけではないと諭し、思う存分夜更かしを楽しんでみることを勧める。結果彼から「自分を吸血鬼にしてほしい、あなたに恋をさせてほしい」と乞われ、照れ臭そうにしつつも「好きになりたきゃ好きにしろ」と言葉を返した。

朝井アキラ(あさい アキラ)

CV:花守ゆみり

コウの幼馴染。かなり早起きするタイプで、夜明かしするあまり朝方に帰宅しようとしていたコウと対面を果たす。コウにとっては気安く接することのできる相手で、「友人」と呼べる数少ない相手。
学校に来なくなったコウのことを心配しており、早起きして彼と会うことを繰り返すようになる。

『よふかしのうた』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

コウ「俺に恋をさせてください!」

ナズナが吸血鬼であること、恋をした吸血鬼に血を吸われることでしかその眷属になれないことを知ったコウ。自身の抱える悩みを一笑に付し、もっと自由に人生を、夜更かしを楽しむことを勧めるナズナに、コウは意を決して「自分を吸血鬼にしてほしい」と頼み込む。
「初めてなりたいものができたんだ!この気持ちをなくしたくない!だから俺に恋をさせてください!」
この言葉にナズナは面食らい、赤面し、それを取り繕うように「好きになりたきゃ好きにしろ」と言葉を返す。あるいは一夜限りの交流で終わるかもしれなかったコウとナズナの交流が、本作の物語の中核として動き始めた名シーンである。

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