フィオナ・フロスト／夜帳（SPY×FAMILY）とは【徹底解説・考察まとめ】

フィオナ・フロスト（夜帳）のプロフィール・人物像

所属：WISE
性別：女性
年齢：不明
本名：不明
野望：黄昏のお嫁さんになること

フィオナ・フロストは、『SPY×FAMILY』（スパイファミリー）の登場人物で、諜報機関WISEに所属する女スパイ。夜帳（とばり）は彼女のコードネームである。
『SPY×FAMILY』の世界は、東人民共和国（オスタニア）と西国（ウェスタリス）の2大国が戦争直前の緊張状態にあるという緊迫したものとなっている。WISEは「東人民共和国との戦争回避」を目的に活動する西国の組織で、フィオナもまたそのための様々な任務に従事している。

怜悧冷徹にして職務に忠実な人物で、スパイとして高い実力を持つ。物語の中心人物の1人でスパイとしての先輩でもある黄昏（たそがれ）からも評価されており、2人でチームを組んで任務に当たることもしばしば。しかし実は黄昏に熱烈な恋心を抱いており、彼の関心を買うことだけを第1の目標としている。
その黄昏が「ロイド・フォージャー」という名前で新たな任務に臨むこととなり、その際に疑似家族を作る必要に迫られる。妻役として自分が選ばれることを熱望するも、この時別の任務を遂行中だったためそれは叶わなかった。代わりに黄昏ことロイドが妻役に選んだヨルという女性に猛烈な敵愾心を抱き、なんとか彼女を排して自分が“ロイドの妻”の座に収まるべく様々に画策している。

フィオナ・フロスト（夜帳）の来歴・活躍

WISEのスパイとして活躍

経緯は不明ながら西国諜報機関WISEに所属し、スパイとなるべく訓練と教育を受ける。この中で黄昏のコードネームを持つ男と出会い、スパイの先輩である彼に熱烈な恋心を抱く。
黄昏はWISEのスパイの中でも最高の実力の持ち主とされており、これに見合う存在となるべく切磋琢磨する。そのかいあって、黄昏からも実力を評価されるほどのスパイへと成長する。

西国と東人民共和国の凄惨な戦争を経験した黄昏は、「子どもの泣かない世界」を作ることを目標としており、スパイとなったのも世界平和の一助となることを望んだためだった。直接聞いたのか誰かに教わったのかは不明だがフィオナもこれを承知しており、自身も黄昏の目標の実現のために日々力を尽くしている。
なお、自分の恋心について黄昏に打ち明けたことは無いようである。

オペレーション<梟>

"東西両国の戦争を望んでいる”とされる東人民共和国の要人ドノバン・デズモンドを警戒したWISEは、「彼に接近し継続的に情報を得る」という内容のオペレーション<梟>（オペレーションストリクス）を発動。極めて困難かつ重要度の高い任務であるため、黄昏がこれに当たることとなる。
ドノバンは息子が通っている東人民共和国の名門イーデン校の懇親会にのみ定期的に参加しているため、必然的にオペレーション<梟>の当面の目標も「イーデン校の懇親会に参加できる立場を得る」こととなる。このために黄昏は"イーデン校に通わせるための子ども”と"妻役となる女性”を調達する必要に迫られる。

フィオナは自分が妻役となることを熱望するも、この時たまたま別の任務を遂行中だったためそれは叶わず、またWISEの他の女スパイも実力不足などの事情からその役目から除外されることとなる。結果黄昏は、「ロイド・フォージャー」という偽造の戸籍と立場を用意した上で、孤児院から引き取ったアーニャという女の子を娘役に、仕事上の問題から私生活のパートナーを探していたヨルという女性を妻役にして任務に当たることとなる（以降、記事上では黄昏のことをロイドとして紹介する）。
フィオナは何度か本部に妻役を自分に変更することを提案するも、「頻繁に妻が変わると名門のイーデン校から不審に思われる可能性がある」という理屈から却下される。任務のための仮初のものとはいえ、自分以外の女性が"ロイドの妻”という立場にあることに、内心で憤然とした思いを抱えていく。

“ロイドの妻”の座を巡って

"ロイドの妻”という立場を自分のものにしたいという思いは次第に抑えられなくなり、ついには平静を装いつつフォージャー家に直接乗り込むという手段に出る。最悪ヨルを実力で排除することも検討するが、そこから派生する諸問題を考慮して断念。ヨルに自分の力を見せつけ、彼女に自ら妻の座を辞退させ、代わりにそこに収まることを画策する。
そのためにテニスでの勝負を挑むも、実はロイドも知らないことながら、ヨルは「いばら姫」の異名で恐れられる凄腕の暗殺者であり、戦闘力と身体能力においては夫をも超える力量の持ち主だった。

放たれたサーブのすさまじいまでの威力に"直撃すれば死ぬ"と戦慄し、なんとかこれを打ち返そうとするもラケットを粉砕されるに留まり、力の差を痛感。このままでは「自分の力を見せつけてヨルに妻の座を辞退させる」ことなど夢のまた夢だと敗北感に打ちのめされ、当面は彼女をロイドの妻として認める旨を告げて泣きながら走り去る。
その後山に籠ってラケットのスイングスピードの特訓に励むなど、明後日の努力を続けている。

偽造文書作成任務

緊張状態にある西国と東人民共和国だが交流が無いわけではなく、農作物や工業製品など様々な物資が公的にやり取りされている。しかし東人民共和国のタカ派の工作によりイチゴの輸出がストップすることとなり、西国の世論が大きく反発。これを解消するため、イチゴの輸出を認める公文書の偽造任務を遂行することとなる。
ロイドに相談し、彼の知り合いの情報屋フランキー・フランクリンのツテで偽造屋に接触。見事に偽造文書を作成し、西国世論の反発を解消することに成功する。

任務完了後、フランキーの人脈の豊富さを評価し、必要であれば次も仕事を依頼することを彼に伝える。しかし偽造屋との接触の中で散々に振り回されたフランキーは、これ以上は付き合い切れないと考えたのか「2度とごめんだ」と言葉を返している。

東西諜報合戦

WISEが炙り出した組織内の内通者ウィンストン・ウィーラーが、機密情報を手に東国へと逃走。彼が東国の者と合流して情報を渡せば、ロイドを含む多くのスパイたちの命が危うくなるという危機的状況が発生する。フィオナは「オペレーション<梟>を含む今の諜報体制自体を見直すべきでは」と提案するも、ロイドに「それは上層部の判断することで、今すべきは内通者の確保だ」と指摘されて意見を引っ込める。東国の国家保安局も動く中、フィオナたちはウィーラーの確保のための大規模な作戦を開始する。

国家保安局はこの1件に対して周到な準備を進めており、後手に回ったWISEは翻弄される。変装を見破られたロイドは追撃をかわして下水道に逃げるも、保安局はこれに感づいて彼を追い詰めていく。ヨルの実弟に追いつかれたロイドは、それがベストだと分かりながらも殺すことができず、傷を負いながらも彼を昏倒させて撤退する。
ロイドが保安局の注意を惹きつけている間に、フィオナたちWISEのスパイは逃げ回るウィーラーを追跡。単身下水道に突入したフィオナは、負傷したロイドと鉢合わせたウィーラーが彼を昏倒させたところを目撃する。憧れるロイドが傷つけられたことにフィオナは激昂し、自分の体が壊れるほどの勢いでウィーラーを殴りつける。これによって気絶したウィーラーの身柄はWISEが確保し、諜報合戦はフィオナたちの勝利に終わる。ロイドの負傷も幸いそれほどのものではなかったが、「偽装とはいえ家庭を持って腑抜けていたのかもしれない。家族のためにもスパイとして完璧な己であらなければ」と語る彼を見て、「やはりロイドは今の家族を大切な存在として認識している」と内心で嫉妬と焦燥を募らせる。

フィオナの負傷は入院を要するほどのものではあったが後遺症が残るほどでもなく、しっかり治療を受ければそれほど時間をかけずに完治するとのことだった。看護師に変装して見舞いに来たシルビアに「ロイドのためだったとはいえ、無理はともかく無茶はしてくれるな」と諭されたフィオナは、自分の恋心が彼女にバレていることに気付いて大いに慌てるのだった。

フィオナ・フロスト（夜帳）の関連人物・キャラクター

ロイド・フォージャー／黄昏（たそがれ）

フィオナの同僚にしてWISE屈指の敏腕スパイ。スパイとして先達で、訓練教官でもあったことから、フィオナからは「先輩」と呼ばれている。スパイとして要求されるあらゆる技能と能力に長けた傑物だが、任務と無関係のことについてはやや鈍感。
かつて西国と東人民共和国との間で繰り広げられた戦争で家族を失い、兵士として泥沼の戦場を生き抜いた過去を持つ。その際に抱いた「子どもが泣かない世界を作りたい」という思いがスパイを志す原動力となった。

現在は東人民共和国の要人ドノバン・デズモンドへの継続的な接触のためオペレーション<梟>に従事し、そのために「ロイド・フォージャー」という人物を演じている。この任務に不可欠な妻子を東人民共和国での生活の中で自ら選び、フォージャー家の長として家族を見守っている。
フィオナのことは後輩のスパイとして信頼し、その実力を高く評価もしているが、直接伝えられていないこともあって彼女の暑苦しいまでの好意にはまったく気付いていない。そのフィオナは「ロイドがヨルやアーニャに向ける笑顔には本心からの信頼と喜びが見え隠れしている」と感じており、彼女の危機感を煽ることとなっている。

ロイド・フォージャー／黄昏（SPY×FAMILY）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

renote.net

ロイド・フォージャーとは遠藤達哉による漫画『SPY×FAMILY』（スパイファミリー）の主人公で凄腕のスパイ。コードネームは「黄昏」で本名は不明。東国の大物政治家ドノバン・デズモンズとの接触を目的とした任務・オペレーション〈梟〉（ストリクス）を遂行するため、精神科医ロイド・フォージャーを名乗り偽装家族を形成する。スパイとしての能力は超一流で、戦闘能力だけでなく変装技術、人心掌握術と様々な技能に長けている。スパイらしく常に冷静で合理的な性格だが、本質的には平和を愛する心優しい青年である。

ヨル・フォージャー

ロイド・フォージャーの妻。立場としては後妻である。27歳。
仕事上の都合で私生活のパートナーを探していたところロイドと出会い、彼と意気投合して結婚。優しく温和な性格で、義理の娘となったアーニャとも良好な母子関係を築いている。

憧れてやまない「ロイドの妻」という立場を手に入れたヨルに対し、フィオナは猛烈な敵愾心を抱いており、強引に排除することまで検討している。その後発生する諸問題を考えてこれは断念するものの、「自分がロイドの妻の座に成り代わる」ことは諦めておらず、実力差を思い知らせようとテニスでの直接対決を挑むに至った。
実は東人民共和国で古くから活動するガーデンという暗殺者組織に所属する殺し屋で、ロイドですら一撃で昏倒させる恐るべき戦闘能力の持ち主。仕事上の都合というのも、「殺し屋であることを周囲に怪しまれたくない」という剣呑なものだった。上記のテニス対決の際も、圧倒的な身体能力に物を言わせて「全力で振るったラケットのガットでボールを賽の目に細断する」、「力をセーブして打ったサーブで相手に死を意識させ、死に物狂いで打ち返そうとしたラケットを破壊する」という人間離れした所業を披露し、フィオナを戦慄させた。

殺し屋稼業を別にすれば優しい女性であることは間違いなく、自分の素性をロイドたちにも隠しつつ、フォージャー家の妻として恥ずかしくないよう健気な努力を続けている。