金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』とは、株式会社コーエーテクモゲームス発売の女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』の続編タイトル。
『2』『2 アンコール』の順で発売、『2f』『2f アンコール』『2ff』は移植版。
季節は秋、前作の半年後のストーリー。
ヴァイオリン奏者の主人公のもとに、アンサンブルコンサートのお誘いが舞い込んでくる。そんな中、突如おとずれる学院の危機。
主人公は学院のため、仲間たちとコンサートの成功に向けて協力し、恋や絆が芽生えていく。

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』の概要

『金色のコルダ2』は、株式会社コーエーテクモゲームスの開発チーム「ルビー・パーティー」から発売された、女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』の続編タイトルである。
『金色のコルダ2』『金色のコルダ2 アンコール』『金色のコルダ2f(フォルテ)』『金色のコルダ2f(フォルテ)アンコール』『金色のコルダ2ff(フォルテッシモ)』の順でリリースされた。
『2f』『2f アンコール』『2ff』は、それぞれ『2』と『2 アンコール』の移植版である。
移植版は、ゲーム途中のイベント、エンディングムービー、描き下ろしスチル、豪華声優陣によるフルボイス化など、オリジナルからさらにパワーアップされた内容となっている。

『金色コルダ2』が2007年3月にPlayStation2、『金色コルダ2 アンコール』が2007年9月にPlayStation2、『金色のコルダ2f』が2009年2月にPlayStation Portable(PSP)、『金色コルダ2f アンコール』が2009年8月にPlayStation Portable(PSP)、『金色コルダ2ff』が2017年12月にPlayStation Vitaでそれぞれ発売された。
キャラクターデザインは前作同様に呉 由姫(くれ ゆき)が担当し、レイティングは『2』『2f』はCERO規格でA(全年齢対象)、『2 アンコール』『2f アンコール』『2ff』がCERO規格でB(12才以上対象)となっている。

『金色のコルダ2』は、前作に引き続き現代の学園を舞台にした「音楽」がテーマのゲームである。
前作『金色のコルダ』の学内音楽コンクールが終わって数ヵ月後、10月から12月までの秋から冬にかけての期間のストーリーとなっている。
ゲームの舞台は、音楽科と普通科が併設された高校である星奏学院(せいそうがくいん)。
主人公は普通科2年で、魔法のヴァイオリンとの出会いをきっかけにヴァイオリン奏者として音楽を続けていた。
そんな主人公にのもとへ、アンサンブル(少人数での合奏)でのコンサートの誘いが舞い込んできた。
主人公と仲間たちが気軽に始めたアンサンブルだったが、そこへ音楽の妖精ファータであるリリが魔法の力を失ったり、さらに学院の不穏な噂を耳にしたりする。
主人公はリリが魔法の力を取り戻せるように、また学院の危機を回避するため、アンサンブルコンサートを開催するために奔走する毎日を送るのだ。

今作の魅力は、なんといっても「ともに音楽を奏でること」である。
前作ではキャラクターとはライバル同士、競いあうことで仲を深めていたのだが、今作ははじめからキャラクターと一緒に協力して音楽を作り上げることができる。
時にぶつかり、時に励まし合いながら、濃密な時間を一緒に過ごすことで、より甘く絆を深めることができるのである。
恋と音楽がいっぱいの学院生活を満喫することができ、乙女ゲームとしての充実感をよりいっそう感じることができる。
キャラクターとは練習以外にも、学校への登下校、昼休み、休日のお出かけなどで一緒に過ごすことができ、日常生活の中で恋が芽生えるシーンがたくさん散りばめられている。
また、アンサンブルコンサート以外にも、体育祭や文化祭、誕生日パーティーなど、季節のイベントや学校行事も登場し、よりいっそう学院生活を楽しむことができる。

『金色のコルダ2』 では前作のキャラクターが引き続き登場する。
登場するのは、前作に引き続き、ヴァイオリン奏者の月森 蓮(つきもり れん)、ピアノ奏者の土浦 梁太郎(つちうら りょうたろう)、チェロ奏者の志水 桂一(しみず けいいち)、トランペット奏者の火原 和樹(ひはら かずき)、フルート奏者の柚木 梓馬(ゆのき あずま)、音楽教師の金澤 紘人(かなざわ ひろと)、学院OBの王崎 信武(おうさき しのぶ)の7名と、新キャラクターであるヴィオラ奏者の加地 葵(かじ あおい)である。
また『金色のコルダ2f』ではヴァイオリン奏者の衛藤 桐也(えとう きりや)、『金色のコルダ2ff』ではベース奏者の不動 翔麻(ふどう しょうま)も登場する。
前作では彼らと競い、ライバルとして対立しながら仲を深めていたが、今作は彼らとともにアンサンブルを組み協力することでストーリーを進められる。
彼らと一緒に練習し、ときには演奏について対立し、音を合わせ心を通わせて行くことで、前作のでは知り得なかった彼らの心情や新たな魅力に惹かれていく。
さらに『金色のコルダ2 アンコール』は、『2』の続編内容となっており、コンサートの後日、1・2月にかけてのストーリーを楽しめる。

今作でもゲーム内で演奏される音楽はどれも生楽器で収録され、クラシック音楽の美しい調べを聞くことができる。
『パッヘルベルのカノン』、『美しき青きドナウ』、『恋とはどんなものかしら』、『諸人こぞりて』など、誰もが一度は聞いたことのある名曲ぞろいとなっている。
また、ネオロマンスシリーズの楽曲も合奏用にアレンジされており、『遙かなる時空の中で3』『ネオ アンジェリーク』『金色のコルダ』で使用されている曲をコンサートで演奏することも可能である。
アンサンブルらしい室内管弦楽の名曲も多く、ゲームをプレイしながらその音の魅力やハーモニーの素晴らしさを味わうことができる。

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』のあらすじ・ストーリー

ゲームの舞台

舞台は普通科と音楽科が併設された高等学校、星奏学院(せいそうがくいん)。
主人公が普通科2年生の、10月から12月、秋から冬へ移ろいゆく季節の中でストーリーは進んでいく。
体育祭、文化祭など、イベントも盛りだくさんな学院生活を楽しみながら、アンサンブルコンサートのための日々を送る。

はじまり

春のコンサート以降姿を消していたリリが突然あらわれた。

季節は秋。
主人公は音楽科と普通科が併設された高校である星奏学院(せいそうがくいん)の普通科2年生。
主人公はこの春に行われた学内音楽コンクールを経て、ヴァイオリン奏者として音楽の道を歩みつづけていた。

ある日の朝、主人公が同級生の天羽 菜美(あもう なみ)と登校していると、知らない男子生徒に挨拶される。
こちらを知っているような彼はその場を去っていったが、主人公は彼の顔に見覚えがない。
報道部に所属しているため学院の生徒をほぼ覚えているという天羽も、見たことがない顔だと首をかしげていた。

朝のホームルーム、主人公の教室は今日から来る転校生のことで浮足立っている。
そこに先生と転校生が現れ、転校生の加地 葵(かじ あおい)が自己紹介をする。
加地の席が主人公の隣になり、「よろしく」と挨拶する彼に、主人公は加地が今朝出会った男子生徒だったと気づいた。
加地は、春に公園でコンクールの練習していた主人公を見かけて、それから忘れられなかったと言うのだった。
そして彼は、転校初日から自分は主人公のファンだと名言するのだった。

学院の正門で、星奏学院OBの王崎 信武(おうさき しのぶ)と、音楽科1年の冬海 笙子(ふゆうみ しょうこ)が話をしている。
主人公が話を聞いてみると、週末に学院近くの教会でコンサートがあり、そこで王崎が演奏をするという。
主人公と冬海は、王崎から「君たちも演奏してみない?」と誘われる。
1人で弾くのは緊張するという冬海のため、主人公と冬海は一緒に合奏するアンサンブルで演奏することにした。
そこへ天羽がやってきて「コンサートなら人数多いほうが盛り上がる」と提案する。
納得した主人公は冬海とともに、コンサートに一緒に出てくれるアンサンブルメンバーを探すため、春にコンクールをともにした仲間たちに声をかけにいくことにしたのだった。

声をかけたメンバー2名はアンサンブル参加をOKしてくれて、無事アンサンブル結成となる。
(※メンバー1人目は自分で選ぶことができ、2人目は強制選択となる。)

アンサンブル演奏にむけて、演奏する曲の相談していると、そこに突然、春のコンクール後に消えたはずの音楽の妖精ファータであるリリが現れる。
驚くアンサンブルメンバーだが、リリとまた出会えたことを喜ぶ。
リリは、「春に行われたコンクールのおかげでたくさんの生徒が音楽に興味をもってくれた」と嬉しそうに報告してくれた。
そして春のコンクールのお礼だと言って、アンサンブル用の楽譜をくれたのだった。
(※楽譜は強制選択となる。)
主人公たちは楽譜を受け取り、コンサートに向けてさっそく練習を始める。

放課後の練習が終わり、主人公は帰宅する。
(※メール・目覚まし機能が使用可能となる。)

第一コンサート(教会)

教会のそばを、謎の男性が通り過ぎていった。

教会でのコンサートまでの練習期間は7日間。
主人公たちは毎日練習を重ねる。

主人公は練習中、リリがアンサンブルを応援しようと音楽の魔法をかけてくれようとするが、なぜか魔法が効かない。
リリは「最近魔法の効き目が前より弱くなっているような気がする…」と悩んでいたのだ。
そして効かない魔法の代わりに、リリは魔法のアイテムを渡してくれる。
(※正門前のファータの店でアイテム入手可能となる。)

コンサート当日、教会はコンサートを楽しみにしているお客さんや、同時開催されているバザーを楽しむ人で賑わっていた。
教会の前には主人公と同じく正装したアンサンブルメンバーと、かつてコンクールで競ったライバルたちが集まってくれた。
いよいよコンサートの本番、主人公たちのアンサンブル演奏の音色が教会に響きわたり、観客から大きな拍手もらうことができたのだった。

コンサートは大盛況、みんなから温かい言葉をもらい、アンサンブルメンバーはお互いをねぎらった。
その後すぐ海外の国際コンクールへ出発する王崎を見送るため、全員で駅へ向かうことに。
主人公が車に乗り込む前、そのそばを大きな白百合の花束を抱えた男性が通り過ぎる。
彼は「内密に処理する」「手出しは無用だ」と険しい顔つきをしながら電話をしながらどこかへ去っていった。

荷物や着替えを取りに、駅から一度学院へ戻ってきた主人公たち。
そこへリリの「たすけて」というか細い声が聞こえてくる。
主人公が驚き急いで正門前に向かうと、冬海の手のひらの上でぐったりとしたリリの姿があった。
力がすっかり抜けてしまっているリリに「音楽を聞かせて、力を復活させてほしい」と請われ、アンサンブルメンバーはその場で演奏をする。
つらそうだが動けるまで復活したリリに、なぜそうなったのか経緯を聞くと、リリは「気づかないうちに自分の魔法の力が弱まっていて魔法の力が少なすぎて動けなくなってしまった。」と言った。
リリの様子をアンサンブルメンバーに伝えると、皆心配そうにする。
そして、リリの魔法の力を戻すために、またアンサンブルをやろうとメンバー全員で決意したのだった。

第二コンサート(創立祭)

体育祭でリレー対決をする土浦と火原。

主人公は廊下で、困った顔をしている音楽教師の金澤 紘人(かなざわ ひろと)と出会う。
金澤は約二週間後に行われる星奏学院の創立祭について、頭を悩ましているようだ。
創立祭は学院の理事会・OBやOGが集まる大規模なもので、学院の講堂で毎年コンサートを開いているのだが、今年のコンサートで演奏してくれる人が見つからず探しているという。
主人公は先日のリリの件を思い出し、リリの魔法の力を取り戻すため、コンサートの演奏を引き受けた。

主人公はさっそくアンサンブルメンバーを集め、創立祭のコンサートの話を伝える。
創立祭のコンサートでアンサンブル演奏をすればリリが元気になるかも!と、皆やる気まんまんだ。
そして創立祭のコンサートで演奏曲を増やし、また組み合わせや演奏の幅を広げるために、アンサンブルメンバーを増やすことにする。
(※初期メンバー以外ともアンサンブル演奏ができるようになる。)
また創立祭のコンサートのを聞きつけた音楽科の生徒から、自分もぜひアンサンブルに参加したい、と声をかけられるようになる。
(※音楽科の生徒ともアンサンブル可能となる)

そんな中、主人公は星奏学院の不穏な噂話を耳にする。
なんと学院の経営難を立て直すため、学院を郊外の別の場所に移し、敷地を再開発する計画があるという。
その噂話を知ったリリは猛反対、「”この地に建つ”学校に音楽の祝福を与えると約束した、学校をよそに移して魔法の力が消えてしまったらどうするのだ!」と大騒ぎしている。
主人公はまだ噂話だよ、とリリを落ち着かせるが、自身も不安な気持ちが消えなかった。
しかし噂話は学院中に広まり、生徒たちがいたるところで「学院の経営が破綻しかかっていて大変だ」と心配そうに話をしており、学院の生徒全体の不安が伝わってきた。

ある日天羽から、「普段閉め切られている応接室の扉が開いていたよ!」と興奮したように報告される。
応接室には貴重な楽器が飾られており、主人公と天羽は好奇心がおさえられず応接室に向かう。
開いていた扉から応接室に入り、並んでいる数々の楽器を感心しながら見ていると、ソファで寝そべっている男性を発見する。
スーツ姿のその男性は、主人公が先日の教会コンサート後で見かけた、百合の花束を持っていた彼だった。
目が冷めた男性から「用がないなら出て行け」と怒られ、主人公と天羽は慌てて退散する。
しかし主人公は、部屋を出る前に見た、テーブルの上に積み重なった学院経営の書類が気になったのだった。

10月、星奏学院で体育祭が開催された。
加地・土浦・火原が体育祭最大の目玉であるクラス対抗リレーに出たり、観覧スペースでは皆で集まり談笑したりと楽しい時間を過ごす。
最後に全員で集まり集合写真を撮り、良い想い出の記念となったのだった。

天羽が、先日応接室で見た男性の情報を仕入れてきた。
彼の名前は吉羅 暁彦(きら あきひこ)、星奏学院の理事のうちの1人で、創立者の直系で一族の後継者と目指されてる人物だという。
さらに彼は学院の経営難の噂が出た時期に急に学院に姿を見せ始めたというのだ。
天羽は吉羅の存在について「なにやらきな臭い」と怪しんでいた。

学院では、リリの音楽の力が弱まっている影響が徐々に表れてくる。
音楽科の生徒が「前より楽器を響かせられなくなった、スランプかな…」と悩んでいたり。
普通科の生徒が「以前のようにCDで音楽を聞いたり興味をもてなくなった」と首をかしげたり。
早くリリの魔法の力を取り戻さないと、と主人公ははやる気持ちをおさえられないのだった。

ついに創立祭でのコンサート当日を迎えた。
一曲めの演奏が終了すると、楽屋に慌てたように天羽が駆け込んできた。
さきほど吉羅と他の理事会メンバーが、学院の財務状況のことで揉めていたという。
理事会メンバーは学院移転を強く推していたが、吉羅はこれを否定し、良いプランがあると言って理事会メンバーを黙らせていたというのだ。
移転の話から学院を守ってくれた吉羅は、実はいいヤツなのでは?と思い直す主人公。
その後コンサートは順調に進み、無事終了したコンサートはOB・OGからの評判も良く大満足の結果となった。

コンサート終了後、みんなでリリのもとへ向かうと、リリはコンサートのおかげで力を取り戻して元気になっていた。
「演奏してよかった」とアンサンブルメンバー全員で喜ぶ。
しかしリリは、「完全に力を取り戻したわけではなく、今のままでは学院に音楽の祝福を与えることはできない」と言う。
「完全に力を取り戻すために、来月の文化祭でもう一度コンサートを開いてほしい」とリリに懇願されたメンバーは、再度コンサートを開くべく動きだすのであった。

第三コンサート(文化祭)

ステージでバンド演奏を披露するアンサンブルメンバー。

翌日、主人公とメンバーは文化祭を管轄する生徒会室へ向かった。
星奏学院の文化祭では毎年講堂のステージでの催し物が行われており、そこでアンサンブルコンサートをしようという計画だ。
幸いステージの空きスケジュールがあり、コンサートは文化祭二日目の一番のラストの時間に決定した。
そして文化祭一日目のスケジュールも空いていることを知り、コンサートだけではなく新しくバンド演奏にもチャレンジしよう!という話になった。
コンサートだけでなく、バンドでも良い演奏をすればリリの力もそれだけ回復するのでは?と考えたのだ。

そしてせっかくなので、メンバーは皆それぞれ普段の自分の楽器とはちがう楽器を演奏することになった。
火原がドラム、志水がリズム楽器、土浦がベース、加地と月森がギター、柚木がキーボード、主人公がボーカルに決定した。
文化祭までは25日間、主人公は新たなコンサートに向けて練習を始めたのであった。

主人公が練習の合間にリリの様子を見に行くと、リリからこれまでのコンサートのお礼に音楽の魔法をかけてくれる。
その瞬間、なぜか主人公のヴァイオリンの弦が切れてしまう。
「いくら自分の魔法の力が弱まっているとはいえ、ファータが見守っているこの学院で、音楽の祝福中にいきなり弦が切れることなんてありえない!」とリリは顔を青ざめる。
この学院でいったいなにがおきているのか…。
主人公もリリも、心の中の不安は大きくなるばかりだった。

放課後、主人公のもとへ「大変な話を聞いた!」と天羽が駆けこんでくる。
昨日吉羅が学院の新しい理事長に就任したのだが、「音楽科と普通科を分割して別々の学校に再編する」と言ったというのだ。
音楽科と普通科をバラバラにして別の学校にし、音楽科を音楽教育の専門性の高い高校にする計画だという。
主人公は、その話を聞き荒ぶっているリリとともに吉羅のもとへ向かった。

吉羅のもとへ到着し、学院が分割するのは本当かどうかと問いただすと、本当だときっぱり宣言される。
さらに吉羅はリリに向かって「お前のやり方は古い」と告げる。
創立者の直系である吉羅はファータの姿が見えるのだ。
「許さない!やめろ!」とカンカンに怒っているリリを無視し、吉羅はその場から去ってしまった。
学院自体の移転の話はなくなった。
しかし普通科と音楽科が分けられて別々の学校になってしまう。
学校を分割する計画を阻止すべく、アンサンブルメンバーは集まってどうにか阻止できないか相談した。
その結果、学外でコンサートを開き、今の学院でも十分に人を引きつける音楽ができる学校だとアピールする、という作戦を立てた。
メンバーは学外のコンサートを開くべく動き出し、さらに文化祭のコンサートに向けての練習もつづけるのであった。

そしていよいよ文化祭を迎える。
初日はバンド演奏。
観客の反応は上々、翌日のコンサートの宣伝も十分でき、大満足の結果になった。
翌日はコンサート本番、こちらも大盛況で終わり、文化祭両日とも音楽を響かせ、リリは音楽の力を取り戻すことができたのであった。

文化祭の最後、エントランスホールで後夜祭が開催される。
後夜祭では男子生徒が女子生徒にコサージュを贈り、エスコートし、ウィンナ・ワルツを踊るイベントである。
意外なふたりがカップルになることも多く、文化祭最大の人気イベントで、今年も大盛況で終了したのだった。
(※お目当てのキャラクターとウィンナ・ワルツを踊ることができる。)

最終コンサート(クリスマス)

吉羅の手紙で、学院分断の危機を阻止できたことを知り、喜ぶメンバー。

学院分断の危機を阻止するための学外コンサートは、12月24日のクリスマス・イブ、市民ホールでの開催に決まった。
毎年この日に市民ホールを使う星奏学院OB会が、今年は別の会場で行うことに目をつけたのだ。
アンサンブルメンバーはOB会に市民ホールを使わせてもらえうようお願いし、許可がおりる。
学院の今後をかけた最後のコンサートが決定した。

主人公とメンバーはさっそく吉羅のもとへ向かい、今度のコンサートを成功させて一般にアピールできる大きな実績ができたら、学院を分割させないよう約束をつける。
吉羅から言われたコンサートの条件はとても難しいものだったが、アンサンブルメンバーは真っ向から挑戦するため、練習を始めた。

ある日、リリが吉羅に対し怒っていた。
吉羅が音楽に対してなんの思い入れもなく、「この学院には音楽の祝福もファータの加護も不要だ」とはっきり言ったからだ。
音楽のために存在しているリリと、学院に音楽は必要ないと言う吉羅、2人は真っ向から対立しているものの、リリは吉羅をなんとか説得したいようだった。
なぜリリがそこまで吉羅にこだわるのか。
そこにはこの学院の創立時に交わされた約束が関係していた。

リリいわく、「この学院は音楽を世界に広めるために創られた。その時学院の創立者とファータで”皆に音楽を広げる”という約束をし、その力で魔法が成り立っていた。しかし今、創立者との約束の力も限界がきており、創立者の後継者である吉羅と新しく約束を結ばないと、また魔法が消えてしまう。」という。
リリが魔法の力を完全に取り戻すには、吉羅が音楽に心を開く必要があるというのだ。

「音楽に興味はない」と言い切っていた吉羅に音楽を愛する心を取り戻させるため、アンサンブルメンバーはアンコール曲としてベートーヴェンの「第九交響曲」を演奏することにした。
第九交響曲、通称「第九」は、人々の結びつきをたたえた曲と言われており、バラバラに分かれたものを一つに結びつける和解の曲。
この曲を、アンサンブルメンバーだけではなく会場に来た人にも演奏に加わってもらい、大勢で演奏して吉羅の胸に届けることに決めたのだった。

コンサート当日、学校の終業式を終えてから会場に向かうメンバーに、学院の生徒たちから応援の声がかかる。
みんな、主人公たちが学院のためにコンサート開くことを応援してくれていたのだ。
主人公たちは彼らの声援を背に、会場に向かった。
会場の客席は演奏を待つ観客でいっぱい、その中には吉羅の姿もあった。
コンサートが始まると、その演奏を聞いた客席からは大きな拍手が送られる。
そして会場全体で演奏するベートーヴェンの「第九」。
感動の声で溢れる会場、身をもって音楽の力を感じた吉羅は、何も言わず一人席を立ちその場から去ってしまった。

コンサートが終わり吉羅の姿を探す主人公たち、そんな彼らのもとに金澤が現れ、その手には吉羅からの手紙があった。
その手紙には書かれていたのは「学院の様々な計画はいったん凍結し新しい案を考えてみる」というものだった。
コンサートの盛況を見て、学院を分断することを吉羅があきらめたのだ。
主人公たちは見事学院の危機を救ったのだった。
そしてリリは無事魔法の力を取り戻し、学院は音楽の祝福であふれたのだった。

『金色のコルダ2(2f / 2ff / アンコール)』のルート・エンディング

月森 蓮(つきもり れん)

主人公と離れたくないと本音をこぼす月森。

教会でのコンサートへ向けて、アンサンブルメンバーとして音楽科2年のヴァイオリン奏者である月森 蓮(つきもり れん)を誘うが、「そんな時間はない」と冷たく断られてしまう。
月森を説得してもらうため、まず月森も一目おく音楽科1年の志水 桂一(しみず けいいち)に声をかけ、志水から月森を誘ってもらうと彼は説得に応じてアンサンブルメンバーに加わってくれた。

昼休み、屋上で読書をしている月森。
彼の本からと何かがひらりと落ち、主人公が拾い上げると、それはイタリアのフィレンツェの風景を描いた絵はがきだった。
両親とともに子供のころからヨーロッパに行っているという月森が、昔旅の想い出として買ったものだという。
そこから海外の話になり、月森から海外へ音楽留学する重要性を語られる。
彼は、音楽を志すならクラシック音楽の本場であるヨーロッパに一度は踏み入れ、また留学をすることが大事だと考えている、と話してくれた。

図書館で、英語で書き物をしている月森を見かける。
主人公が月森に話しかけるが、彼はそっけない態度をとり、主人公には知られたくなかったかのようにすぐその場から去ってしまう。
月森の手元にあった紙には「アプリケーションフォーム(入学願書)」の文字が。
月森は学院に在籍しながら、海外留学の準備を進めていたのだった。

月森と音楽教師の金澤 紘人(かなざわ ひろと)が真剣に話し込んでいる。
2人の会話から、住む場所、学校側の手続き、書類、などの単語が漏れ聞こえ、どうやら月森の留学について手続きをしているようだった。
そこへ主人公が現れると、月森から、ウィーンに音楽留学するという事実を打ち明けられる。
彼は向こうで一度ゆっくりと音楽を学んでみたいという。
主人公は月森との別れが近く訪れてしまうことを知ったのだった。

主人公は月森に呼び止められ、彼からヴァイオリンの教本を渡される。
月森は独学でヴァイオリンを弾いている主人公のことを心配し、自分が使っていた教本を渡してくれたのだった。
彼は、自分が留学したあとの主人公の音楽のことを気にかけ、自分がそばにいられないことに歯痒い思いを感じているようだ。
月森はぽつりと、「君と離れたくないな」と本音をこぼしたのだった。

休日、主人公は月森に誘われデートに出かける。
2人だけの空間で何気ない会話をかわす中、月森が自分の今の心境を語りだした。
春に行われた学内音楽コンクールからこのコンサートまで主人公と共に過ごして楽しかったこと、主人公とずっとそばに居たいこと、しかし留学をするとこの先同じ時間は流れないこと。
月森は、自分が音楽を選び留学し主人公のそばを離れることで、主人公を失ってしまうのではないかと怖がっているのだった。
苦しそうに胸の内を語る月森だが、もし主人公が留学したいという日がきたら自分がいるであろうウィーンを選択肢にいれてほしいという。
主人公は「今は離れてしまうが、いつかまた音楽を通じてともに過ごしたい」という彼の願いを伝えられたのだった。

クリスマスコンサート後、会場前の大きなクリスマスツリーの前で月森が主人公に告白した。
「俺は、君のことが好きだ」
しかし彼は、主人公が自分と同じ気持ちでも、自分は主人公ではなく音楽を選びウィーンへ旅立つ、その決意は変わらないという。
「それでも君と結ばれていたい、そしてと共に音楽の道を歩んでほしい」と、懇願する月森に、主人公はうなずき返し、2人は気持ちを通じ合わせたのだった。

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