金色のコルダ3(フルボイス Special)のネタバレ解説・考察まとめ

『金色のコルダ3(フルボイス Special)』とは、株式会社コーエーテクモゲームスから発売された、「音楽」がテーマの女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』の新作タイトル。
季節は夏、主人公はとある手紙をもらったことをきっかけに星奏学院に転校し、オーケストラ部に入り「全国学生音楽コンクール アンサンブル部門」での優勝を目指す。
全国各地の強力なライバルたちを相手に、仲間たちと共に勝利をつかむため暑い夏を駆け抜ける、青春恋愛ストーリーである。

『金色のコルダ3(フルボイス Special)』の概要

『金色のコルダ3』は、株式会社コーエーテクモゲームスから発売された「音楽」がテーマの女性向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』の新作タイトルである。
前作同様、開発チームは「ルビー・パーティー」、キャラクターデザインを呉 由姫(くれ ゆき)が担当している。
レイティングはCERO規格でB(12才以上対象)となっている。

『金色のコルダ3』の発売は2010年2月25日、家庭用据え置きゲーム機であるPlayStation2(PS2)用と、持ち運びできる携帯ゲーム機であるPlayStationPortable(PSP)用が同時発売された。
PSP用は、価格が安くなったBest版も発売されている。
また内容がアップグレードされた『金色のコルダ3 (フルボイス Special)』が、2013年9月19日にPSP用としてパッケージ版とダウンロード版で発売され、2015年2月26日にニンテンドー3DS用、2018年9月20日にPlayStationVita用として移植版が発売されている。
また『金色のコルダ3』は、ゲーム以外にも幅広くコンテンツ展開されている。
2014年4月に『金色のコルダ Blue♪sky』としてアニメ化され、2016年に『音楽劇 金色のコルダ Blue♪sky』として舞台化され、各方面でファンを増やした。

『金色のコルダ3』は、前作『金色のコルダ』と同じ舞台で、8年後の物語である。
季節は夏、7月〜8月にかけてのストーリーとなっている。
舞台は横浜。
主人公・小日向 かなで(デフォルト名)は小さい頃からヴァイオリンを弾きながらも、最近は思うように弾けず伸び悩む日々を送っていた。
しかしとある手紙をもらったことをきっかけに、幼馴染が通う音楽科と普通科が併設された高校「星奏学院(せいそうがくいん)」への転校を決意する。
主人公はもう1人の幼馴染と共にオーケストラ部に入り、この夏に行われる「全国学生音楽コンクール」の室内楽部門へ参加することになる。
仲間たちとアンサンブルを組み、全国各地の強力なライバルたちが揃う強豪校に立ち向かい、優勝を目指して大会を勝ち抜き全国一を手にするのだ。

今作の魅力は、「アンサンブル演奏」で競い合うことである。
『金色のコルダ3』は「仲間と音楽で頂点を目指す」をコンセプトとしており、仲間と力を合わせながらコンクールを勝ち抜いていくことで夏の青春を味わうことができる。
また今作では、仲間とはもちろん、ライバルとの恋愛も可能となっている。
仲間やライバルたちと過ごし競い合ううちに仲が深まり恋愛に発展し、お目当ての人物と一緒に暑い夏を過ごすことができるのだ。
また今作には夏らしいイベントもたくさん用意されている。
花火大会、バーベキュー、肝試し、夏祭り、など夏ならではのイベントで、お目当ての人物との甘酸っぱい思い出を作ることができる。
『金色のコルダ3』では、音楽を通して描かれるひと夏の恋愛ストーリーを楽しむことができる。

今作『金色のコルダ3』の登場人物はすべて新キャラクターである。
恋愛相手として登場するのは全員で12名。
如月 響也(きさらぎ きょうや)、如月 律(きさらぎ りつ)、榊 大地(さかき だいち)、水嶋 悠人(みずしま はると)、八木沢 雪広(やぎさわ ゆきひろ)、火積 司郎(ほづみ しろう)、水嶋 新(みずしま あらた)、東金 千秋(とうがね ちあき)、土岐 蓬生(とき ほうせい)、冥加 玲士(みょうが れいじ)、天宮 静(あまみや せい)、七海 宗介(ななみ そうすけ)。
攻略対象人数は前作に比べ大幅に増えており、見た目も性格も個性豊かなキャラクターが勢ぞろいしている。
12名の恋愛対象キャラクターたちとどのような恋愛を繰り広げるかはプレイヤー次第である。
また、星奏学院内がメインだった前作とはちがい、今回は同校の生徒だけではなく、全国の他校のライバル達との恋愛を楽しめる。
仲間との恋愛、ライバルとの恋愛、どちらとも魅力的で充実したストーリーが盛り込まれている。
また『金色のコルダ3』の一新されたキャラクターには、前作に出演した声優陣が引き続き起用されている。

『金色のコルダ3』では、各校の特色あるアンサンブル演奏を楽しめる。
弦楽器、金管楽器、ピアノなど、使う楽器も編成も異なるアンサンブル演奏で、各校の魅力を存分に味わえる。
星奏学院(せいそうがくいん)はヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ、至誠館(しせいかん)はトランペット・トロンボーン・ホルン・チューバ、神南(じんなん)はエレキヴァイオリン・ピアノ、天音学園(あまねがくえん)はヴァイオリン・チェロ・ピアノ、といった編成になっている。
また演奏される楽曲は、その学校の魅力を引き出すような楽曲がセレクトされている。

『金色のコルダ3(フルボイス Special)』のあらすじ・ストーリー

ゲームの舞台

舞台は横浜の星奏学院(せいそうがくいん)。
普通科と音楽科が併設された高等学校で、付属の学生寮が存在している。
主人公は星奏学院のオーケストラ部に入り、全国学生音楽コンクールのアンサンブル部門で優勝を目指す。
季節は夏、7月から8月にかけての暑い期間を、主人公は恋に練習に充実した毎日を駆け抜ける。

プロローグ

主人公と響也をおいて故郷を去る律。

主人公の小日向 かなで(こひなた かなで)は、幼馴染の2人、同い歳の如月 響也(きさらぎ きょうや)、一つ上の如月 律(きさらぎ りつ)と共に、小さいころからヴァイオリンを弾いて過ごしていた。
しかしある日、律が2人から離れてしまう。
彼は自らのライバルを探すため、数多くの音楽家を排出している星奏学院(せいそうがくいん)へ入学したのだ。
「この街にいても進歩はない」と故郷を捨てる律を響也は怒り、主人公は呆然と見送った。

2年後、主人公と響也はとあるコンクールに出場していた。
ステージから降りた主人公は自分の演奏に納得がいかなかった、最近の自分の演奏には何も進歩が感じられなくなっていたからだ。
落ち込む主人公が会場を出ようとした矢先、受付から一通の手紙を受け取る。
差出人の名前はなく、白紙に一文だけ記されていた。
「お前はここで終わるのか?」
この一文を見て、主人公は自らを高めるために故郷を出ていった律の姿を思い出す。
そして自分もこのままじゃダメだと決意し、主人公は響也に「星奏学院に転校してヴァイオリンの勉強する」と告げる。
響也が説得しても主人公の決意は変わらない。
主人公、そして主人公を心配した響也は、律を追いかけるように星奏学院へ転校したのだった。

転校

オーケストラ部の選抜試験で律と再会した。

転校初日、主人公と響也はオーケストラ部の噂を聞き部室へ向かっていた。
到着すると、ピリピリ緊張した空気の中、部屋の前に楽器を持ったオーケストラ部部員が列を作っている。
これからオーケストラ部内でなにかの演奏テストがあるという。
主人公が扉の前に立っていると、部員に間違われ部屋の中へ促される。
「なぜお前がここに?」という声に振り向くと、そこには2年前に別れた律がいた。
彼はこのオーケストラ部の部長で、その隣に立つ優し気な青年が副部長の榊 大地(さかき だいち)だと紹介される。
そして、今この演奏テストで「全国学生音楽コンクール アンサンブル部門」への出場メンバーを選抜しているところだと教えてくれた。
「全国学生音楽コンクール」は国内の強豪校がひしめく全国規模の大きなコンクールだ。
オーケストラ部に入って全国大会優勝を目指せば多くの演奏者とめぐり会えるはず、と考えた主人公は、自分もコンクールに出たいと訴える。
しかし、オーケストラ部の部員ではない主人公には参加資格はない、と律と、オーケストラ部員一年の水嶋 悠人(みずしま はると)、通称ハルが反対する。
しかし一方で、大地は主人公の参加を賛成してくれた。
そこでオーケストラ部内でアンサンブルを組み、学内で選抜戦を行ないコンクール出場者を決定することになった。
主人公と響也はオーケストラ部に入部し、律ハルの部長チーム、主人公・響也・大地の副部長チームを組み、学内選抜戦へ挑戦することになった。

星奏学院学内選抜戦

響也と大地と一緒に楽譜を探す。

学内選抜戦に向けて、主人公と響也と大地はアンサンブル用の楽曲を探していた。
オーケストラ部の部室にはたくさんの楽譜があり、手分けして探すと無事楽譜が見つかる。
(※2つある楽譜のどちらかを選ぶ)
3人はしばらく個人練習をして、それからアンサンブル練習で合わせることにした。
(※練習が可能となる)

放課後の練習が終わり、主人公は今日から暮らす学生寮「菩提樹寮(リンデンホール)」に帰る。
この寮には律も住んでおり、主人公の響也の2人は今日から寮暮らしとなるのだ。
部屋についた主人公は就寝する。
(※就寝すると1日の終了となる)

翌日の朝、部屋を出ると窓辺のソファに星奏学院の制服をきた女の子が寝そべっている。
彼女は起きあがり、自分は主人公の隣人の支倉 仁亜(はせくら にあ)だと自己紹介する。
通称「ニア」は星奏学院の報道部所属らしい。
日々おもしろいことを探しているという彼女に、主人公はオーケストラ部の学内選抜戦の話をする。
目を輝かせたニアは、お礼に周りの人物の情報を教えてくれるようになった。
(※重要人物の情報が見られるようになる)

主人公が練習していると、ヴァイオリンの弦が切れてしまう。
弦を買うため、響也と共に駅前の楽器屋に到着すると、店内の中央ガラステーブルの上に美しいヴァイオリンが。
ヴァイオリンのあまりの美しさに、響也が思わず手に取り弾いてしまう。
その音を聞こえたのか、奥の部屋から背の高い迫力ある青年が出てきて、激怒し響也を殴る。
主人公が響也が勝手にヴァイオリンを触ったことを謝ると、青年が目が見開く。
彼は主人公のことを知っていたようで、恨みをこもった目で睨みつけ去っていった。
青年を呆然と見送る主人公と響也に、御影 諒子(みかげ りょうこ)という女性が声をかけてくる。
そして彼女から、あの青年は冥加 玲士(みょうが れいじ)で、彼は大切にしているヴァイオリンに触られたのが嫌だった、と教えてくれた。
(※楽器屋で練習アイテムが買えるようになる)

7月20日、ついに学内選抜戦当日。
星奏学院内は学内選抜戦の噂で持ちきり、会場である音楽講堂にはたくさんの生徒が集まっている。
まず律・ハルの部長チームの演奏が始まり、完璧なハーモニーを響かせた完成度の高いアンサンブル演奏を見せつけた。
次は主人公・響也・大地の副部長チームだ。
主人公は先ほどの律・ハルの演奏に怖気付きそうになりながらも、響也・大地とともにステージに上がり、こちらも完成度の高いアンサンブル演奏をした。
客席は大歓声、主人公たち副部長チームの勝利となった。
選抜戦の結果として、勝利した主人公・響也・大地と、段違いのレベルだった律・ハル、計5名がアンサンブルメンバーとして決定した。
(※ハル、律との2人練習が可能となる)
主人公は無事コンクール出場が決まり、全国大会への道を進みだしたのだった。

至誠館との出会い

自販機前で新と出会う。

7月21日、学内選抜戦の翌日。
今日は東日本大会、地方大会と呼ばれる全国大会予選の説明会だ。
全国大会へ選ばれたメンバーは会場に集合することになっていたが、主人公は1人寝坊してしまう。
慌てて会場へ向かうも入り口が分からずさ迷っていると、道端の自販機前で明るい青年と出会った。
彼は主人公の楽器ケースを見て「地方大会の出場者?」と気づき、会場へ連れて行ってくれた。
会場についたとたん、青年は先輩に引っ張られていなくなり、主人公は無事星奏メンバーと合流できた。
地方大会では並み居る強豪校がひしめいている。
東日本大会は2日間行われ、それぞれの日の優勝校、つまり2校が全国に進む。
星奏学院は地方大会の1日目、仙台の強豪校である至誠館高等学校(しせいかんこうとうがっこう)と同日となった。

翌日、主人公は金管楽器の音で目が覚める。
外で誰かが吹いているようだ、目が覚めたので外の様子を見に行くことにした。
主人公は音をたどっていくと、昨日出会った明るい青年、水嶋 新(みずしま あらた)がトロンボーンを演奏していた。
彼は近くの宿舎に泊まっており、自主練でトロンボーン吹いてたと胸をはる。
そんな新の元に、昨日の会場で見た至誠館の強面青年、火積 司郎(ほづみ しろう)が駆け寄り「今何時だと思ってる!」と新を叱る。
頭をぶたれた新と火積の喧嘩を、穏やかな青年、至誠館吹奏楽部部長の八木沢 雪広(やぎさわ ゆきひろ)が仲裁する。
その後、狩野 航(かのう わたる)、伊織 浩平(いおり こうへい)も現れ、至誠館メンバーが全員集合しお互い自己紹介する。
彼らがこれから公園で練習するというので、主人公も共に移動し、彼らの練習を見学する。
伸びやかに響く金管の音が夏の青空に吸い込まれていくようで、彼らの団結の強さが伝わってくる素晴らしい演奏だった。
主人公は至誠館の演奏を聞いて、彼らに勝つことが容易くないことを肌で感じ、自分たち星奏メンバーも朝練をすることを思いついた。

主人公たちはミーティングのため部室に集まり、地方大会で演奏する曲を相談していた。
地方大会では課題曲と自由曲の2曲を演奏する。
課題曲は律が1stヴァイオリンを務めるというが、自由曲の1stヴァイオリンは響也に任せたいという。
そして主人公に自由曲の選定を任せてくれた。
(※楽器店で楽譜購入可能になる)
そこで主人公はメンバーに朝練を提案し、翌日から朝練を開始することになった。

今日から朝練だ。
眠そうな響也、主人公、ハル、律が集まったが、大地は急用で今日は来れないという。
全員集まらないとアンサンブル練習ができないため、今日はおのおの個人で練習するにした。
練習中、響也が律の演奏の仕方、左手の使い方が前と違うことに気づく。
律はなぜか誤魔化し、そこへ大地が来て朝練初日は解散となった。
翌日も朝練で森の広場へ。
今日は全員集まるも、眠そうにしている響也の態度にハルが怒る。
主人公がなんとかなだめ練習をすすめるが、今日は律の様子がおかしく調子が悪そうだ。
未だ喧嘩している響也とハルの間に大地が入り、慌ただしい中朝練が終了した。
また翌日も朝練へ。
今日は響也以外が全員集まっており、遅れてきた響也のだるそうな態度にハルが怒る。
練習でも手を抜いた演奏が許せないハル、それを律みたいだとうんざりする響也、2人は馬が合わないようだ。
対立する2人を大地がなだめ、練習が終わる。
次の日の朝練。
アンサンブル練習を始めるも、音が揃わずバラバラな演奏になってしまう。
そこへ新が現れ、「音がバラバラだね。こんな演奏レベルならウチが勝つな」と言って去ってしまう。
響也とハルは2人は新の挑発に火が付いたようで、2人は結託し練習を始めた。
また次の日の朝練。
今日はメンバー全員が揃い、課題曲と自由曲どちらもいい演奏ができた。
しかし響也とハルは「まだまだ改善余地がある!」と燃えている。
全員で至誠館を倒すぞ、と団結を固めたのだった。

東日本大会(全国大会予選)

大会に負け、涙を流す至誠館メンバー。

8月1日、東日本大会、全国大会予選の1日目。
会場にはたくさんの高校・たくさんの人たちが集まり、緊張感が高まっている。
楽屋で調弦を済ませた主人公は、一度外の空気を吸おうとテラスに出ると誰かとぶつかってしまう。
ぶつかってきた青年は火原 和樹(ひはら かずき)、その後に追いかけてきたのは衛藤 桐也(えとう きりや)といった。
火原はあわてて平謝りしながら、主人公の制服を見て「俺は星奏学院のOBだよ!懐かしいなぁ」と喜ぶ。
彼は中学教師をしており、昔の教え子が今日出場するため応援に来たそうだ。
「あの子達と星奏、どっち応援するか迷うなぁ」と言う火原を「どっちもいい演奏ができるように応援すればいいだろ」と衛藤が突っ込む。
騒がしい2人が去り、主人公も楽屋へ戻った。

第42回全国学生音楽コンクール東日本大会。
コンクールでは午前の演奏で2組が勝ち上がり、午後の部はその2組で競い合う。
そして勝利したほうが全国大会セミファイナルへ駒を進めるというシステムだ。
星奏学院は午前の部で無事上位2位に残ることができ、午後は至誠館高校と戦うことになった。

まず至誠館が演奏し、次に星奏学院も演奏する。
最初の演奏では、星奏学院が至誠館よりも高得点で終了することができた。
星奏メンバー全員が喜んでいると、突然律が手首を押さえて苦しそうにうずくまってしまう。
大地がすぐさま動き律を楽屋へ、ハルには氷を取りに行かせ、響也に病院に連絡してタクシーを呼ぶように指示した。
楽屋で「どういうことだ?!」と響也が詰め寄る。
そこで衝撃的な事実があかされる。
先日響也が指摘した通り、律の演奏の仕方は変わっていた。
実は昨年律は手首を負傷し手首に負担をかけない引き方に変えた、変えざるをえなかったというのだ。
しかし課題曲でレベルの高い技巧で演奏をするため、律は弾き方を戻し手首を酷使しながら無理をして弾いていたのだった。
そしてこの事実を律は大地以外のメンバーには秘密にし、演奏が終わる今までその事実を言わなかった。

至誠館の二曲目の演奏が終わり、拍手喝采で終わる。
次は星奏学院の番だ。
律はステージを見届けるまで病院には行かない、とかたくなに楽屋から動こうとしない。
辛そうにする律に耐えられず、響也は「勝ったって負けたってどっちでもいい、律の手首が大事だ」と言う。
すると律は「負けてもいいなど俺の前で口にするな。皆この夏にかけてるんだ、俺は勝ちたい!」と怒る。
律の熱い思いを受け取った星奏メンバーはステージに上がり、至誠館を打ち負かした。
勝利した星奏学院は全国大会出場が決まり、セミファイナルへと駒を進めたのだった。
無事勝利できたことを喜ぶ星奏メンバーだが、まずは律を病院へ向かわせた。

その頃、至誠館は負けたことを悔しがり落ち込んでいた。
「やりきったね」と笑顔を浮かべる八木沢に、火積は「なんで怒らない!なんで俺を責めない!」と吠える。
昨年、至誠館は火積が起こした暴力事件のため欠場せざるをえず、火積は自分が部の全国出場への道を閉ざしてしまったことに負い目を感じていた。
しかし火積は事件の後も自分を部に残してくれた八木沢に感謝し、今年が最後の夏となる八木沢のためにも絶対に全国に行きたかったのだ。
そんな火積の胸ぐらを八木沢が掴み「立て火積。僕はさっきの演奏が最高だったと思っている。負けても僕たちが作り上げた音楽はかわらない。うつむくな、恥じる必要なんかないじゃないか」と叫ぶ。
「勝ってみんなで演奏したかった、全国に行きたかった…」と火積はたまらず涙を溢れさせ、周りもつられたように涙を流した。
至誠館の夏が終わりを告げた。

翌日、地方大会2日目を見に行く予定にも関わらず、主人公はまた寝坊してしまった。
今日は同じく寝坊した響也とともに会場に向かう。
しかしハルから「今日の予選、午後の部はないかもしれない」という連絡が来る。
疑問に思いながら会場に到着すると、会場内には嘆き、おびえ、打ちひしがれる学生たちで溢れていた。
その中には昨年の覇者、関芸大付属の円城寺 阿蘭(えんじょうじ あらん)もおり、彼は「ステージなんて出たくない」と怯えている。
皆、天音を悪魔みたいな連中だと恐れきっているようだ。
午後の部に進んだのは冥加率いる天音学園と関芸大付属だが、結局関芸大付属が棄権し、天音学園の全国大会出場が決まった。

困惑している主人公と響也は星奏メンバーと合流し、天音学園の演奏を聴いていたという律、大地、ハルに話を聞く。
天音学園の冥加は質が違う演奏を見せつけた。
彼はその演奏で、極寒の夜に投げ出されたような逃れられない死の恐怖を生み出し、客席に苦痛を伴うような恐ろしい瞬間を味わわせたのだ。
会場中が冥加の脅威的な実力を見せつけられたのだった。

重くるしい雰囲気の中、至誠館メンバーが声をかけてくれた。
彼らは中学時代の恩師と昼食の約束があってここで待ち合わせしているのだという。
そこへ火原と衛藤が現れ、至誠館の中学時代の恩師とは火原のことだと知る。
再会を喜ぶ火原に誘われ、みなで中華街へ昼食に行くことにした。
お互いを祝いながらの和やかな昼食後、至誠館メンバーが仙台へ帰ることを知る。
すると火原が「もう少し合宿していけば?全国の演奏を聞くのは良い経験や学びになるよ」と言い、さらに「星奏の寮に泊まればいい!」と提案し、衛藤が理事長から許可をもぎとってくれた。
その結果、至誠館5人がしばらく菩提樹寮に住むこととなった。
(※至誠館と2人練習が可能となる)

神南との出会い

我が家のようにくつろぐ東金と土岐。

翌日の朝、目覚めた主人公は違和感に気づく。
古臭い寮の設備や備品が新品ピカピカになっていたのだ。
あわててラウンジに降りると、そこには紅茶を飲みながら優雅にくつろいでる2人がいた。
神南高校(じんなんこうこう)の東金 千秋(とうがね ちあき)と土岐 篷生(とき ほうせい)だ。
神南は裕福な家の子息が集まる学校で、彼らは大会中この寮に滞在するお礼に寮内をリフォームしてくれたのだった。

さて次に挑むのは全国大会セミファイナルだ。
部室へ集まった星奏メンバーは、まず律の腕の状態を聞く。
医者の話では完全に動くようになるまで2週間かかり、次の大会に出るのは難しいだろうということだった。
律は、次のセミファイナルでは自分が務めていた1stヴァイオリンを主人公に、2stヴァイオリンを響也にと決めていた。
疑問を呈す大地、「俺じゃ勝てないっていうのか」と怒る響也。
しかし律は頑なに意見を変えず、「これは神南に勝つための選択だ」と決定を覆すことはなかった。

翌日は全国大会のセミファイナルの説明会、星奏メンバーは会場で改めて神南メンバーと顔を合わせる。
東金は律が出場しないことを馬鹿にするが、律は「俺のベストメンバーで挑む。ヴァイオリニストはお前の目の前にいる」と主人公を推す。
しかし東金は主人公にまったく興味がないようだった。

公園に人だかりができており、その輪の中心で神南の東金、土岐、芹沢(せりざわ)が演奏していた。
大勢の観客に囲まれながら、艶やかに華やかに音を奏でる彼らの音がザクザクと心に突き刺さる。
演奏を聞いていた主人公は無意識に涙を流していた。
主人公に気づいた東金は「お前は演奏には「花」がない」と言う。
「花」とは演奏者それぞれ固有のクセ、アク、個性で、表現したいものをもち貫き通す信念があってこそ生まれるもの、他者に訴えかける力。
「それが無いお前のまるでいい子ちゃんの演奏は面白くない」と彼は言うのだ。
自分の演奏の花、それはどんなものなのだろう。
今まで人に言われたように、あるいは楽譜通りに演奏していた主人公が自分の音を振り返るきっかけだった。
主人公は自分の演奏の「花」を求め、もがき苦しみながら練習を続ける。
そして練習をする中で自分なりの「花」を完成させ、セミファイナルへ挑むのだった。

全国大会セミファイナル

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