『鬼滅の刃』の前身漫画『過狩り狩り』『鬼殺の流』のネタバレ解説まとめ

吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)による大ヒット漫画・アニメ作品『鬼滅の刃』。実はこの作品には、週刊少年ジャンプでの連載に至るまでの経緯で作られた、前身とも言える2つのプロトタイプ作品『過狩り狩り』『鬼殺の流』が存在する。この2作品の大まかな設定は鬼滅の刃とほぼ同じであるものの、主人公が異なるなどの違いがある。本記事では、その2作品についてをまとめていく。

『鬼滅の刃』の概要

『鬼滅の刃(きめつのやいば)』とは、吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)による漫画作品である。2016年11号から2020年24号まで週刊少年ジャンプにて連載され、2019年には『Fate』シリーズでも有名なアニメーション制作会社・ufotableによりアニメ化された。大正時代の日本が舞台。ある日鬼によって家族を惨殺され、妹の禰豆子を鬼に変えられてしまった主人公・炭治郎が鬼狩りを専門とする部隊・鬼殺隊に入隊し、その仲間とともに人々を守りながら家族の仇討ち、そして鬼にされてしまった禰豆子を人間に戻す方法を探していく物語である。

ジャンルは和風ダークファンタジーで、世界観や設定から流血表現や部位欠損など残酷な描写がしばしばあるため、2020年公開の劇場版ではPG-12指定とされた。シリアスな展開とコミカル・ギャグチックな展開の両側面がテンポよく描かれている。作者の持ち味である独特な和風の絵柄や雰囲気はジャンプ作品としては異彩を放っており、多くのファンから支持されている。

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『鬼滅の刃』の前身となった2つの作品

『鬼滅の刃』は週刊少年ジャンプで連載された漫画作品であるが、連載が始まる前に描かれた前身となった作品、いわゆるプロトタイプ版が存在する。それが、『過狩り狩り(かがりがり)』と『鬼殺の流(きさつのながれ)』である。

『過狩り狩り』は鬼滅の刃の作者である吾峠呼世晴がJUMPトレジャー新人漫画賞に応募した際の作品。この作品で佳作を受賞した吾峠呼世晴は、連載を勝ち取るために作品を練り直していくことになる。週刊少年ジャンプで連載を勝ち取るには、編集者たちが話し合って次の連載作品を候補作の中から選ぶ「連載会議」を突破する必要がある。そのため、漫画家は担当編集と話し合いを重ね、設定やストーリー、キャラクターなどを練っていき、連載を獲得できるような作品の完成を目指すのである。『過狩り狩り』は鬼滅の刃と似通った設定を持つ、まさに鬼滅の刃の前身と言える作品であり、それを連載会議用につくり直したことで『鬼殺の流』が生まれた。2作品とも鬼滅の刃と設定は似ているが、主人公が竈門炭治郎ではないなど違っている部分もある。

『過狩り狩り(かがりがり)』

『過狩り狩り』の概要

第70回(2013年)JUMPトレジャー新人漫画賞にて佳作を受賞した作品。鬼滅の刃のベースとなった作品。週刊少年ジャンプの公式サイトにも掲載されており、作品を読むことができる。

作者の吾峠呼世晴に担当編集がつく前の作品であり、第3者からのアドバイスなどを受けずに描いているため、作者曰く「何度か読み返さなければ意味が分からなかったりする」内容。身体的なハンデを持っているが普通の人よりも強い剣士や、着物を着た吸血鬼=和風ドラキュラを描きたいと考えていたようで、それに基づいて時代設定は明治・大正時代をイメージしている。

主人公は片腕と視力を失っている剣士・ナガレ。鬼滅の刃の主人公・竈門炭治郎と比べると口数も少なく、どちらかというと水柱の冨岡義勇に近い雰囲気がある。また、珠世と愈史郎がほぼ鬼滅の刃本編と同じ姿で出演しているほか、鬼舞辻無惨のもとになったような鬼のキャラクターも出てくる。タイトル名は「人を狩りすぎて目立ってしまった鬼は鬼狩りに狩られる」という意味。

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『過狩り狩り』の登場人物・キャラクター

ナガレ

鬼狩りをしている片腕、盲目の剣士。左腕には「ウ-拾壱号」という文字、刀には「悪鬼滅殺」の文字が刻まれている。顔には大きな傷跡がある。鬼滅の刃における鬼殺隊のような組織に属しているのかは不明だが、警察の中には彼を知っていて帯刀を見逃す者もいる。かなりの強さを誇るらしく、一人で敵を圧倒していた他、時川や珠世、愈史郎などの鬼もナガレが来た途端に逃げている。口数は少ないが喋れないわけではない。

元々は孤児であり、のちの師匠となる老人に拾われる。師匠のもとでの「罠を潜り抜ける修行」などを経て、鬼が19体いる山の中で1週間生き延びる最終選別に臨み、そこで1人で6体の鬼を同時に相手し、これを退けたものの右腕と視力を失った。修行内容や最終選別の設定などは鬼滅の刃に引き継がれている。炭治郎のように匂いではなく、相手の気配で感じ取りながら戦っている様子。

時川(ときかわ)

切れ長な目が特徴的な男。白いスーツとハットにネクタイという西洋風の装いをしているが、顔つきは日本人的。そのデザインと高圧的な物言いから、鬼滅の刃における鬼の始祖・鬼舞辻無惨のプロトタイプのようなキャラクターと言える。

大正時代の日本で暗躍している鬼であるが、自身の縄張りを何者かに荒らされていることを受け、犯人を突き止めるための協力の要請を同じく鬼である珠世と愈史郎に行う。そして3人での共闘のもと、異国からやってきた吸血鬼と戦った。指を鋭い刃物のように変化させて攻撃する。2人がかりでも吸血鬼に押され気味であったが、それは鬼狩りであるナガレを警戒して力を抑えて戦っていたため。その後、ナガレが現れたことにより川の中に逃げ込み気配を隠す。このことから、ナガレとは大きな力差がある様子。

珠世(たまよ)

美しい女性の姿をした鬼。花の柄の着物と花の髪飾りが特徴的。鬼滅の刃に登場する珠世と同じ名前であり、見た目もほぼ同じである。

自信の縄張りに近いところで人が殺される事件が多発していることを受け、時川と協力し愈史郎と共に吸血鬼と交戦した。鬼滅の刃の珠世と似た、自身の血の香りで相手の嗅覚と視覚を惑わす「惑血(わくち)」という能力を用いる。「狩り過ぎれば狩られる」という、本作のタイトルに繋がる言葉を残している。これは、吸血鬼が人を殺し過ぎたことでナガレに目をつけられて殺されたことを言っている。

愈史郎(ゆしろう)

青年の姿をした鬼。珠世と同じく、鬼滅の刃とほぼ同じ見た目をしている。時川曰く、少し前までは物乞いだったとのこと。

珠世と行動を共にしており、珠世に心酔している様子。協力を要請してきた時川に対しては敵意をむきだしにしていた。能力も鬼滅の刃の愈史郎とほぼ同じであり、自身の力を込めた札を通して遠くの様子を見ることができる。これを利用して、周囲を警戒する役割を果たしていた。

西洋風の吸血鬼

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