フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(ゲーム)のネタバレ解説まとめ

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』とは「Annapurna Interactive」から発売されたゲーム作品。変死や蒸発など、奇怪な事件に彩られたある一族の歴史を紐解いていく重層的なストーリーが高く評価され、数々の名誉ある賞を獲得している。主人公の少女エディス・フィンチはフィンチ家の末裔にして唯一の生き残りだ。彼女は6年前に去った、ワシントン州オルカス島の実家に再び足を運び、屋敷を探検する中で不審死を遂げた親族たちの秘密を知る事になる。

日記帳を手にしたエディスはイーディとドーンが喧嘩する居間には戻らず、書庫へと足を向ける。イーディは「あんたが恐れてることは家を出たからってなくならないよ」とドーンをなじり、ドーンは「みんなこの屋敷のストーリーを知ったから死んだのよ」と言い返す。父親や兄弟のみならず、愛する息子2人までもに先立たれたドーンは、屋敷の呪いを信じかけていた。この上娘まで奪われてはたまらないと、エディスを連れて屋敷を去る決断をしたドーンに対し、イーディはここを離れてもフィンチ一族の歴史から逃げきることはできないと説く。頑固なイーディに業を煮やしたドーンは、朝に介護施設から車を送らせるからそれに乗れとイーディに厳命する。
書庫へ入ったエディスは、机の上に置かれた1冊の本を見付ける。それもまたイーディがエディスに贈ったプレゼントだった。イーディは屋敷を去るエディスの為に、彼女が生まれた日の出来事を書き記していたのだった。エディスは本を開き、その記述を読み上げる。

操作キャラクター・イーディ

夫に先立たれ、2人の息子と共に実家へ帰ってきたドーンは身重だった。イーディはドーンのお産を手伝いエディスを取り上げたが、その日に奇妙な事が起きた。
エディスが産まれた夜はとんでもない引き潮で、翌朝潮が去ったあと、沖まで道ができていた。1000年に1度の記念すべき低潮のせいだ。沖にはオーディンが引きずってきた初代フィンチ家の屋敷が座礁しており、岩でゴツゴツした道を歩いてそこまで行く事ができた。イーディはランプを持って海底を渡り、自身が生まれ育った初代フィンチ家の屋敷をめざす。座礁した屋敷には何故か灯りが点滅し、弔いの鐘の音が響き渡る。視界は悪く、周囲には乳白色の濃霧が立ち込めている。霧の中をさまよううちに、イーディは多くの懐かしい物に出会い、過去の記憶を取り戻していく。それは屋敷から零れ落ちた家具で、イーディが幼少期に愛用していた机や椅子、衣装棚も含まれていた。イーディが門を開けて屋敷の敷地内に入ると、彼女が来るのを待っていたかのように2階の窓に明かりが灯る。イーディは懐かしい我が家に戻ってきたような安心感を抱いた。

操作キャラクター・ドーン

エディスがイーディの手記を読んでいるのを見付けたドーンは激怒し、娘の手から本をひったくろうとする。それに抵抗するエディスと奪い合いになり、本は真ん中から引き裂かれる。ドーンは朝になるのを待たずエディスと共に車で発ち、イーディは介護施設の車に押し込められ、老人ホームへ収容された。そして老人ホームで老衰による死を遂げたのだった。ドーンは屋敷で起きた出来事をイーディが知る事で、唯一残された娘まで屋敷の呪いにかかってしまうのではと恐れていた。

屋敷を去った数年後、ドーンは自身が末期癌で余命いくばくもないのを知る。

屋敷を出て数年後、ドーンは見るからに衰えて病気がちになった。咳き込む日が増え、少し良くなったかと思えばまた悪くなるくり返しで、ドーンの身体は既にボロボロだった。ドーンは末期癌に侵され、全身に癌細胞が転移していたのだった。病院で末期治療を施される中、ドーンはエディスに自分の気持ちを伝える。ドーンはずっと屋敷の呪いを恐れていたが、最期は死の不可思議さと生命の神秘をほんの少し理解し、エディスに看取られて安らかに息を引き取った。

操作キャラクター・エディス

唯一の身内であるドーンを亡くし天涯孤独になったエディスは途方に暮れたが、自分の中に新しい生命が宿ったのを知り、フィンチ一族の歴史を紐解くという目標ができた。
エディスがずっと書き留めていた日記は、自分の死後に子供に読ませる為のものだった。フィンチ一族の最後の1人となったエディスもまた、自分に迫る死を漠然と予期し、あと数年も寿命がもたないだろうと達観していた。エディスは残された時間を使って屋敷を訪れ、一族の身に起きた出来事を調べ、その全てを日記に書き留めたのだ。
「ただあなたに会いたい、会ってこの事を自分の言葉で伝えたい。でもあなたが今これを読んでいるってことは、私の願いはかなわなかったってことね」とエディスは綴る。「これがあなたのストーリーのはじまり。どうかこの世に存在できたことに目を見張ってほしい。幸運を祈って」と産まれてくる子にメッセージを贈り、エディスは日記を閉じる。

操作キャラクター・エディスの息子(名前表記なし)

エディスの死後、フィンチ家の墓所を訪れた彼女の息子は母親の墓に花を手向ける。

エディスがこの世を去ったあと、新しくフィンチ家の1人となった彼女の息子はフィンチ家の墓所を訪れ、母親の墓に花を手向ける。エディスは子供を産んですぐ死亡し、息子は母親の顔すら覚えてないが、形見として彼女に託された日記帳を読み、フィンチ一族の数奇な運命をしっかりと胸に刻むのだった。

完成した系統樹には、フィンチ一族の名前と似顔絵が描きこまれている。

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』のゲームシステム

遠くから見たフィンチ家の屋敷の外観。

本作はウォーキングシミュレーターと呼ばれるジャンルであり、このジャンルの最大の特色はプレイヤーと操作キャラクターの視点が同期し、物語世界を探索しているような感覚を追体験できることである。
特にゲームスキルは要求されず、プレイヤーは操作キャラクターを動かして物語世界を歩き回ってアイテムを発見することでストーリーを進めていく。ゲームというより小説を体験する感覚に近く、操作キャラクターのモノローグが頻繁にテロップとして導入されるなどのノベル要素も多い。
またこのジャンルの特徴として、プレイヤー=操作キャラクターはメインストーリーの主人公に位置し、二人称(you)と何者かに呼びかける事が多い。その何者かの正体は大半の場合終盤明かされるので、往々にして倒叙もののミステリー要素も含む。
本作もウォーキングシュミレータージャンルの基本を踏襲しており、終盤になって初めてエディスが妊娠していること、彼女が「あなた」の二人称でお腹の中の胎児に語りかけていたことが明かされる。
本作には選択肢が存在せずストーリーも一本道である。本作の舞台となるフィンチ家の屋敷は、100年もの間増築と改築を繰り返して迷宮さながら入り組んでいるが、テロップがカットインする方角へ進めば迷うこともない。テロップが右方向からカットインすれば右へ、左方向からカットインすれば左へと、操作キャラクターを進ませていけば次の目的地へ辿り着ける。このようにプレイヤーをそれとなく誘導するテキスト演出の工夫がなされており、マップがなくてもストレスフリーで探索を楽しめる。
作中では郵便受けを開けたり、鍵を挿してひねったりといった単純な動作において、コントローラーによるスティック操作を求められる。パソコンでプレイする場合はカーソルキーを押し、上下左右を指定する。
アイテム取得の概念もなく、エディスが見た故人の日記や手記、手紙などは読んだあとに元の場所に戻される。
冒頭時点において、エディスが所持する日記の系統樹には彼女を除いて12人の名前が記されている(サムの妻のケイなど、フィンチ一族の血縁ではない姻戚は除く)。エディスが屋敷の内外を探索し、故人の死に纏わるエピソードを知ると、系統樹の名前の上にその人物の似顔絵が描きこまれる。12人分のエピソードを収集し終えるとエディスの死の物語が始まり、彼女を最後の1人として系統樹が完成する。
この系統樹を完成させることがゲーム上の目標ではあるのだが、テロップがカットインする方角へ進んでいき、テロップが誘導する場所の日記や手記を読めば自動的に達成できるので、キャラクター自身がクリアしなければいけない試練などは設定されていない。
あくまでフィンチ家の面々の数奇な運命や虚実入り混じる奇抜な死のエピソードなど、エモーショナルな演出や不思議な感覚を追体験する事に主眼がおかれている。
パソコンプレイ時に冷蔵庫に貼られたメモや手記の文章などを拡大して見たい場合は、[Shift]キーを押すと拡大して見れる。なおゲームオーバーは存在せず、一族の誰かの死の物語が補完されるごとにオートセーブが実施される。

ゲーム中で獲得できるトロフィー一覧

本作で獲得できるトロフィー一覧の画像。

本作にはゲームオーバーが存在せず、操作キャラクターがクリアすべき目標など設定されてないが、ゲーム中である動作やノルマをこなすとトロフィーが授与される。トロフィーはブロンズ、シルバー、ゴールドの3種類。ゲームのクリアには影響しないお遊び要素である。

すべての終わり

エディスを含めたフィンチ一族13人、全員分のストーリーを見ると貰えるトロフィー。種類はゴールド。

より近くで見る

屋敷に存在する全部の覗き穴、および望遠鏡や双眼鏡を覗くと貰えるトロフィー。種類はゴールド。

すべての道のり

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