フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(ゲーム)のネタバレ解説まとめ

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』とは「Annapurna Interactive」から発売されたゲーム作品。変死や蒸発など、奇怪な事件に彩られたある一族の歴史を紐解いていく重層的なストーリーが高く評価され、数々の名誉ある賞を獲得している。主人公の少女エディス・フィンチはフィンチ家の末裔にして唯一の生き残りだ。彼女は6年前に去った、ワシントン州オルカス島の実家に再び足を運び、屋敷を探検する中で不審死を遂げた親族たちの秘密を知る事になる。

「僕たちに教えてほしかった、どんな世界を見ていたのか」

浴槽で遊ぶグレゴリーの視点。

グレゴリーの死後、サムが離婚したケイへあてた手紙の言葉。グレゴリーは入浴中に溺死し、ケイは自分の不注意を責めてサムに離婚を申し出た。ケイは妻への手紙でグレゴリーが亡き兄カルビンによく似ていたと追憶し、たった1歳で死んだグレゴリーがどんな世界を見ていたのか、両親である自分たちにも教えてほしかったと語る。幼い我が子を亡くしたサムの哀しみと妻への思いやりが伝わる言葉。

「永遠に生きていたらいろいろ理解する時間があるのかもしれないけど、現状では目を見開くことしかできない。そしてこの世の不思議さとはかなさを理解することぐらいしか」

終盤、エディスがまだ見ぬお腹の子に日記を通して語りかけた言葉。屋敷を出たエディスは数年後母を失い、天涯孤独となって屋敷に戻り、自分の中に宿った新たな生命に、フィンチ一族の歴史を語り継ぐ決意をする。
一族の生き死にを通して人生の儚さと命の尊さを理解し、それを我が子へ伝えようとしたエディスの母なる強さに感動するシーン。

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

本作はガルシア・マルケスの小説『百年の孤独』にインスピレーションを受けて製作された

en.wikipedia.org

本作は幻想小説家として有名なコロンビアの作家、ガルシア・マルケスの小説『百年の孤独』にインスピレーションを受けている。
『百年の孤独』はホセ・アルカディオ・ブエンディア、ならびにウルスラ・イグアランという架空の夫婦を始祖とするブエンディア一族の100年間の年代記で、彼らがマコンドという村を開拓し繁栄するものの、やがて衰退していく様子を綴る。
本作もオーディンがオルカス島へ至ってから現在に至る100年間の話であり、フィンチ一族の生と死の物語は、怪奇と幻想に彩られた『百年の孤独』との類似点も多い。

エンディングに表示されるのは、本作の製作に携わったスタッフの子供時代の写真である

本作のスタッフロールの映像。

本作のエンディングのスタッフロールにおいて、スタッフの名前と共にその人物の子供時代の写真が掲載される。上から下へスクロールしていくのは木馬に跨った男の子やモデルガンを構えた女の子であり、作中で少女から大人へ、そして母親となったエディスの成長ともフィードバックする演出が感無量の余韻をもたらす。

本作のテキストはリリース1週間前に半分ほど作り直された

www.4gamer.net

本作を開発した「Giant Sparrow」のディレクターであるIan Dallasはインタビューにおいて、リリース1週間前のテキストの半分の修正に踏み切ったと語る。対象となったのは主人公のエディス・フィンチのナレーション部分で、より彼女の心情が伝わるように言葉を選び抜いた、製作陣の徹底ぶりが伝わる。

「Giant Sparrow」のディレクターであるIan Dallasは、本作が影響を受けた作品として伊藤潤二の『うずまき』を挙げている

jp.ign.com

本作はガルシア・マルケスの『百年の孤独』を下敷きにしているが、「Giant Sparrow」のディレクターであるIan Dallasは、伊藤潤二の漫画『うずまき』からも影響を受けたと語っている。
『うずまき』は呪われた土地・黒渦町で暮らす女子高生の五島桐絵と、その恋人の斎藤秀一の周りで頻発する惨劇を描いたものだが、のちに一連の惨劇の原因がある呪いに関連しているとわかる。
呪いによって虚実入り混じり空間が歪んでいく黒渦町の描写や、人生を狂わされていく登場人物たちの悲喜劇は本作と通じるものがある。

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』の主題歌・挿入歌

エンディングソング:ジェフ・ルッソ『エディス・フィンチの遺物』

作曲:ジェフ・ルッソ

keeper
keeper
@keeper

目次 - Contents