フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと(ゲーム)のネタバレ解説まとめ

『フィンチ家の奇妙な屋敷でおきたこと』とは「Annapurna Interactive」から発売されたゲーム作品。変死や蒸発など、奇怪な事件に彩られたある一族の歴史を紐解いていく重層的なストーリーが高く評価され、数々の名誉ある賞を獲得している。主人公の少女エディス・フィンチはフィンチ家の末裔にして唯一の生き残りだ。彼女は6年前に去った、ワシントン州オルカス島の実家に再び足を運び、屋敷を探検する中で不審死を遂げた親族たちの秘密を知る事になる。

操作キャラクター・エディス

エディスが所持する日記。一族の誰かの死因が判明すると、系統樹の名前の上に似顔絵が描きこまれる。

モリ―の日記を読み終えたエディスは、自分の日記の系統樹にモリ―の似顔絵を描きこむ。エディスはモリ―の日記の記述を全面的に信じるわけじゃないが、イーディは娘の言い分を信じていた。
イーディは夕食抜きでモリ―を軟禁したせいで、腹をすかせた娘が手あたり次第に異物を食べ、幻覚症状を引き起こして死に至った事実を認めたくなかったのだ。モリ―の死後、イーディは動物好きだった娘を偲んで飼い猫にモリ―と名付けた。
エディスがモリ―の部屋の窓を開けると、窓伝いにキャットゥォークが設置されていた。エディスはそのキャットウォークを歩き、曾祖母イーディの部屋へ行く。窓からイーディの部屋へ侵入したエディスは、この部屋で長い時間を過ごした昔を思い出して郷愁に浸る。イーディには奇妙な習慣があり、飼っているペットや家族の誰かが死ぬと丸太の断面をキャンバスにして絵を描き、そこに名前と生没年を彫るのだった。イーディの部屋には沢山の鳥籠が吊るされ、弔いのキャンドルと共に昔飼っていた小鳥の絵が中に入っていた。

イーディは死んだ一族の絵を描くのを弔いと考え、工場で事故死したルイスの肖像も手がけた。

イーディの部屋にはエディスの兄ルイスの未完成の肖像も残されていた。ルイスが死んだのはエディスとドーンが屋敷を去る1週間前だったが、イーディは既に故人の肖像の製作にとりかかっていたのだった。イーディは風変わりな老人だったが、エディスは毎年新しい手袋を編んでくれる優しい曾祖母を慕っていた。イーディの部屋を見回したエディスは、故人の肖像や遺品で埋め尽くされて、まるで博物館みたいだと素朴な感想を抱く。
チェストの上には古い双眼鏡があり、エディスがそれを覗くとフィンチ家の先祖オーディンの話が始まる。

操作キャラクター・オーディン

フィンチ家はもともとノルウェーで有名な一族だった。彼らはその富と不運で、500年の永きに渡りノルウェーの地に名を轟かせた。フィンチ一族の家系は不可解な変死や若死にがとにかく多く、ノルウェーの人々は彼らに呪いがかけられているせいだと噂し合った。
オーディンの妻インゲボルグと産まれて間もない息子ヨハンもその犠牲者だった。

祖国ノルウェーを捨て新天地アメリカに屋敷ごと漕ぎ出すオーディン。

妻子を葬ったオーディンは心機一転、アメリカで再起を図る。一族の呪いから逃げる為には祖国を捨て新天地をめざすしかないと決断したのだ。1937年1月7日、オーディンは残された家族および家と共に海に漕ぎ出す。巨大な船の上に屋敷を移築し、海を渡ったオーディンだが、ワシントン沖で高波にさらわれて消息不明となる。オーディンの娘イーディと夫スヴェン、まだ赤子のモリ―だけが救命艇でオルカス島に上陸した。フィンチ家の新しい墓地に最初に葬られたのはオーディンだった。赤子のモリ―を抱いた若きイーディはオルカス島に建てる新しい屋敷を夢見、スヴェンは愛妻の期待にこたえて現在のフィンチ家の屋敷を設計したのだった。

操作キャラクター・エディス

双眼鏡を下ろすと現在のエディスの視点に立ち戻る。エディスがさらに部屋を探索すると、板壁に「1397年建造 スヴェン・フィンチ」の署名があった。イーディの部屋はスヴェンが最初に手がけた場所だった。スヴェンは大工仕事が好きで、子供たちの為にドラゴンのすべり台を庭に作ろうとしていたが、そのすべり台が途中で崩れて圧死したのだ。イーディはスヴェンの死を「ドラゴンに殺された」とたとえ、当時の新聞は「ドラゴンがスヴェンを殺した」と面白おかしく書き立てた。
壁には晩年のイーディの写真が飾られていたが、ベッドに上体を起こしたイーディは気丈な笑みを浮かべ、介護にあたるドーンよりもずっと若々しく見えた。イーディは90歳で大往生したが、台風で島民に避難が命じられた時も退去を拒み、島に居残り続けた事で地元では有名人だった。イーディは最愛の夫が遺した屋敷を独りで守り続けたのだ。イーディの部屋にはフィンチ家に関するニュースを報じた新聞や雑誌の切り抜きが額入りで飾られており、その中にはフィンチ家の地下に住む、モグラ男の記事もあった。モグラ男の真偽に関する取材を申し込まれたドーンはカンカンだったとエディスは思い出す。

仕掛け絵本に次の部屋の鍵が隠されていた。

イーディの部屋には『バスルームには秘密がある』と題された1冊の仕掛け絵本があった。エディスが表紙を開くとバスルームの挿絵が出てくる。仕掛け絵本の摘まみを捻ると本棚の背板がスライドし、次の間へのルートが開く。
イーディの部屋の隣はサムの暗室だった。スヴェンはサムにカメラを与え、以来サムは写真の撮影と現像にのめりこんだ。暗室には大量のネガやフィルムが保管され、現像に使用する溶剤が棚に並んでいる。暗室を抜けると、そこはサムとカルビンの部屋だった。サムとカルビンは双子の兄弟で、ベッドや机は左右対称に配置され、扉には背中合わせの男の子の絵が描かれている。
サムの兄カルビンは子供の頃に事故死したのだが、何故かサムは彼の事を話したがらなかった。カルビンのベッド周辺には宇宙飛行士のフィギュアやロケットの模型が飾られており、彼が宇宙飛行士に憧れていた事がわかる。
エディスはチェストの上の宇宙飛行士のヘルメットの中にサムが亡きカルビンへあてた手紙を発見し、それを読む。

操作キャラクター・カルビン

11歳で死去したカルビンは空へ飛ぶことに憧れを抱き、無心にブランコを漕ぐ。

左足を骨折したカルビンが、断崖に面した庭先でブランコを漕いでいる。ブランコを一心に漕ぐカルビンの視点にサムのモノローグが被さる。
カルビンは宇宙飛行士になるのが夢で、本気で空を飛びたがっていた。カルビンは空の高みへ行けるブランコが大好きだったが、サムはブランコに乗ったままぐるりと一周するのは無理だと言い、チャレンジ精神に火が付いたカルビンはむきになってブランコを高く漕ぐ。
ブランコの高度が頂点に達した時、手を放したカルビンの身体は彼が思い描いた通りに宙を飛んで、断崖の下へと墜落して行ったのだ。

操作キャラクター・エディス

カルビンの遺品の宇宙飛行士のヘルメットの中にサムの手紙を戻すエディス。

カルビンの死には謎が多く、彼が事故死したのか自殺なのかはわからない。判明しているのはカルビンが勢いの付いたブランコから投げ出され、断崖から落ちて死んだ事だけだ。しかし手紙の中でサムは事実の是非ではなくカルビンをどう覚えていたいかこそが重要だと説き、兄は本気で空を飛ぶ願望を抱き、実行したのだと結ぶ。
エディスはサムの手紙をヘルメットの中に安置し、探索を再開する。カルビンの本棚を探索したエディスは、大きい順に並んだ本の列を発見する。一番小さい右端から押し込んでいくと、左端の大きな本と合体し、カチャリと錠が開く音がする。
左端の一番大きな本を開くと、真ん中に四角い空洞があり、そこにレバーが固定されていた。エディスがレバーを引くと本棚の背板がスライドし、秘密のルートが開く。そのルートは幅が狭く、子どもの肩幅や胴回りに合わせて作られているのは一目瞭然だ。エディスは這い蹲ってなんとか通路を抜ける。

バーバラの部屋には彼女の子役全盛期のポスターが飾られている。

次の部屋はサムとカルビンの姉、バーバラの部屋だった。バーバラは16歳で死んだが、子供時代はハリウッドで活躍する子役スターで何本も映画に出ていた。バーバラの部屋には彼女の出世作となったビッグフットの映画のパネルやポスターが飾られ、戸棚のカゴには大量のファンレターが投げ込まれている。机の上には年代物のタイプライターがあり、その隣には「ハッピーバースデーバーバラ」とアイシングで描かれたケーキがあったが、蝋燭の大多数は抜き取られていた。エディスの目にはそれがバーバラが年を重ねるのに抵抗しているように感じられた。机には吸殻がたまった灰皿が放置され、当時未成年のバーバラに喫煙の習慣があり、私生活が荒んでいたことが窺える。
部屋の片隅にはイーディが描いたバーバラの肖像を飾ったチェストがあり、その上に『デッドフルストーリーズ』と題された1冊の漫画が置かれている。表紙に印刷された金髪の少女は往年のバーバラによく似ていた。その漫画はバーバラの死後に出版された物で、バーバラの死の理由をセンセーショナルに脚色したフィクションであり、エディスは何故イーディがよりにもよってこれをとっておいたのか訝しむ。エディスが漫画を開くと視点がバーバラに切り替わる。

操作キャラクター・バーバラ

『デッドフルストーリーズ』の語り手はおいぼれジャックというカボチャ頭の怪人だ。彼は物語の狂言回しとして、バーバラ・フィンチの死の真相を語りだす。

16歳になったバーバラはボーイフレンドのリックと悲鳴の練習をする。

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