スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)のネタバレ解説まとめ

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『スラムドッグ$ミリオネア』とは、2008年製作のイギリス映画。インド人外交官ヴィカス・スワラップの小説『ぼくと1ルピーの神様』をダニー・ボイル監督で映画化。インドでオール・ロケーションされた社会派エンタテインメント。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞した。日本でもお馴染みのTVのクイズ番組に出場し、史上最高額まであと1問と迫った青年。彼のスラムで育った過酷にして波瀾万丈の生い立ちを、クイズ番組に巧みに織り込みながら、スリリングかつ躍動感いっぱいに描いていく。

『スラムドッグ$ミリオネア』の概要

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『スラムドッグ$ミリオネア』とは、2008年製作のイギリス映画。原作はインド人外交官ヴィカス・スワラップの小説『ぼくと1ルピーの神様』。インドでオール・ロケーションされた社会派エンタテインメントムービー。日本でもお馴染みのTVのクイズ番組インド版『クイズ$ミリオネア』に出場し、史上最高額まであと1問と迫った青年。彼のスラムで育った過酷にして波瀾万丈の生い立ちを、クイズ番組と巧みに織り込みながら、スリリングかつ躍動感いっぱいに描いていく。フォックス・サーチライト配給でアメリカ公開は2008年11月12日。日本ではギャガの配給で2009年4月18日に公開された。
全米公開後から2009年に掛けて、第33回トロント国際映画祭観客賞、第66回ゴールデングローブ賞作品賞(ドラマ部門)、第62回英国アカデミー賞作品賞を受賞。さらに第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞した。

制作は本作が代表作となる若手プロデューサー、クリスチャン・コルソンが担当。監督は『トレインスポッティング』『28日後...』のダニー・ボイル。脚本は『フル・モンティ』のサイモン・ビューフォイ。撮影は『28日後...』のアンソニー・ドッド・マントル。そして音楽には『ムトゥ 踊るマハラジャ』などインド映画界で活躍する作曲家、A・R・ラフマーンが抜擢された。
キャストは、主人公ジャマールに映画初出演のインド系イギリス人俳優、デーヴ・パテール。クイズ番組のMC役にはインド映画界の大スター、アニル・カプール。他の出演者のほとんどが日本では無名のインドの俳優で構成されている。

『スラムドッグ$ミリオネア』のあらすじ・ストーリー

プロローグ

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クイズ番組に出場したジャマールは、番組MCのクマールが出題する数々の問題を正解していく。

2006年、インドのテレビで人気のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』に出場していた青年ジャマール・マリクは、番組MCのプレーム・クマールが出題する数々の問題を正解していき、ついに史上最高額の賞金2千万ルピーが与えられる最後の1問にまで到達。その1問は翌日に収録される。だが、電話オペレーターの見習いでお茶汲みをしているスラム育ちのジャマールが、平然とクイズに勝ち進んでいったことに「予め答えを知っていたのでは」という不正の疑いを持ったクマールは、収録後にこっそりと警察に連絡。ジャマールは警察に連行された。警部から激しい拷問を受けた彼は、「本当に答えを知っていただけだ」と主張し、その答えを知った背景を自分の生い立ちになぞって警部に語り始めた。

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取り調べを受けるジャマールは、クイズの問題の答えを知った背景を、自分の生い立ちになぞって警部に語り続けた。

第1問「1973年のヒット映画『鎖』の主演俳優は?」

インド最大のスラム街ムンバイに生まれ、母親と兄のサリーム・マリクと共に暮らしていた幼き日のジャマールは、悪戯好きな明るい子供だった。ある日スラム街にインドの映画スター、アミターブ・バッチャンがやって来た。兄弟そろって彼のファンだったが、サリームはジャマールに邪魔されまいとトイレにジャマールを閉じ込めてバッチャンに会いに行ってしまう。ジャマールは仕方なく糞尿にまみれながらトイレを脱出し、そのままの恰好でバッチャンにサインを貰い大喜び。だがその後、サリームは弟に内緒でそのサインを売り捌いてしまう。

『クイズ$ミリオネア』の第1問は「1973年のヒット映画『鎖』の主演俳優は?」という問題。
答えは「アミターブ・バッチャン」であり、幼き日の経験から正解したジャマールは1,000ルピーを獲得する。

続く第2問は「インドの国章には3頭の獅子の姿が。その下に書かれた言葉は?」という問題。
この言葉はインドで最も有名な言葉なのだが、ジャマールはこの問題の答えが解らなかった。そこで彼は観客に答えを仰ぐ「オーディエンス」を使って正解し、4,000ルピーを獲得する。

第3問「ラーマ神の描写で彼が右手に持つ物は何でしょう?」

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幼き日のジャマールとサリームの兄弟は、イスラム教徒を敵視する暴徒から逃げ惑う。

幼いジャマールは、母親と兄との平和な暮らしが続いていたのだが、ある日のこと、イスラム教徒を敵視するヒンドゥー教の暴徒が街に押し寄せて来て、あっという間に母親が暴徒に殺されてしまった。ジャマールとサリームはさらに街を焼いて襲ってくる暴徒から懸命に逃げ回った。そして逃げる最中、孤児のラティカという少女と出会い、3人は寝食を共にするようになる。

第3問は「ラーマ神の描写で彼が右手に持つ物は何でしょう?」 という問題。
ラーマ神とはヒンドゥー教の神であり、ジャマールは暴徒から逃げる途中でラーマ神を目撃する。彼の眼にはその姿がハッキリと焼き付いていた。ジャマールは第3問を正解し16,000ルピーを獲得する。

第4問「クリシュナ神の歌を書いた有名な詩人は?」

暴徒の行動が治まり、テントを張って生活していたジャマールとサリーム、ラティカの3人に、ある男たちが近付いてきた。彼らは3人をバスに乗せると孤児の保護施設のような場所に案内する。そこでは同年代の子供たちが楽しそうに遊び、ジャマールたちにとっては楽園のような場所だった。だが、その男たちは「ママン」と呼ばれるマフィアの一味で、孤児を利用して金儲けを企んでいたのである。ジャマールたち3人はしばらくの間、この施設のような場所で生活していた。ジャマールとラティカはお互いを意識する仲になり、サリームはそんな2人の仲が面白くなかった。ある夜、1人の歌の上手い子供がママンの男たちに眠らされて薬品で失明させられた。その子供は「プロの歌手になれば大金が手に入る」と信じ込まされ、盲目の歌手には同情が集まり2倍の儲けになるという理由から目を潰された。次に男はその場を目撃していたサリームに、ここへジャマールを連れて来いと言う。危険を感じたサリームは弟を連れてくるなり置いてあった薬品を1人の男にぶっ掛けると、ジャマールとラティカを連れて施設から逃亡する。足の速いサリームとジャマールは追って来る男たちを振り切って線路まで走って行き、走り出す列車に飛び乗ることに成功するが、足の遅いラティカは男たちに掴まってしまう。走り去る列車の中で、何が起こったのか分からず、しかもラティカと離れ離れになった事を悲しむジャマールに、サリームは男たちが少年にした行為を説明し、「ラティカは女の子だから殺されることは無い」と納得させるのだった。

第4問は「クリシュナ神の歌を書いた有名な詩人は?」 という問題。
ママンは目を潰された子供やジャマールに「クリシュナ神の歌」という歌を教え歌わせていた。その経験から答えを知っていたジャマールは第4問も正解し、250,000ルピーを獲得する。

第5問「アメリカの100ドル札にはどの政治家の顔が描かれているでしょう?」

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兄弟喧嘩がもとでジャマールに拳銃を向けるサリーム。

無一文のサリームとジャマールはその後、あちこちの列車を渡り歩いて売り子をしたり、偶然行き着いたタージ・マハルで観光客相手にインチキのガイドやカメラマンをしたり、観光客の脱いだ靴を転売したりしてお金を稼ぎ、過行く年月を過ごしていた。だがジャマールの眼の奥には常にラティカの姿が焼き付いていた。
数年が経ち、資金を集めたジャマールはラティカを探し出すためムンバイへ戻ることを決意する。弟の真っ直ぐな性格とは対照的に、金と力に貪欲な態度を示すサリームは、ムンバイ行きにためらいながらも渋々了承し、一緒に生まれ故郷へと戻ることになった。ジャマールは一人でムンバイの街を歩き回り、ラティカの手掛かりを掴もうとする。そんな折、地下道で歌を歌っていた、かつてママンに眼を潰された少年と偶然再会する。ジャマールは少年に100ドル札をあげると、少年は「お札に誰の顔が描いてある?」とジャマールに聞く。ジャマールが容姿を伝えると、少年は「ベンジャミン・フランクリン」と言った。少年は相手の声がジャマールだと分かり再会を喜んだ。彼はラティカの現在の居場所を知っており、彼女は通称チェリーと言う名で踊り子をしているという。だが彼はジャマールに「ママンには近付くな。殺される」と警告する。その夜、ジャマールはサリームを誘ってラティカのいるその場所へ向かった。ラティカはセクシーな衣裳を身に着け踊っていた。ジャマールと再会し嬉しそうなラティカだったが、そこへ運悪くママンの男たちがやって来た。彼らは仲間を薬品で傷つけ施設を逃亡したサリームとジャマールに、ようやく会えた嬉しさと憎しみを込めて2人の前に立ちはだかった。殺されると判断したサリームは、咄嗟に何処からか手に入れた拳銃を男たちに向けるとリーダー格の男を撃ち殺した。そして2人はラティカを連れ金を奪ってその場から逃走するのだった。

第5問は「アメリカの100ドル札にはどの政治家の顔が描かれているでしょう?」 という問題。
正解は「ベンジャミン・フランクリン」であり、目を潰された少年と再会した時のやり取りで覚えていた。ジャマールはこの問題も正解し1,000,000ルピーを獲得する。

第6問「リボルバーを発明したのは?」

逃走した3人は、その足で無人のホテルの一室に入り込んだ。ママンの1人を殺したサリームは、1人でムンバイを牛耳るギャングのボスであるジャヴェドと言う男に会いに行った。彼はママンから自分の身を守るため、ママンと敵対するジャヴェドの手下にしてもらった。そしてサリームはホテルに戻るなりジャマールからラティカを奪おうとする。怒ったジャマールはサリームに抵抗するが、ドアから外へ突き出されると「俺がボスだ。コルト45をぶっ放す!失せろ」とサリームから銃を向けられた。驚いたラティカは咄嗟にジャマールを守ろうとして自らサリームと共に残ると言い、ジャマールに出て行くように促した。閉め出されたジャマールはドアの外で一人呆然と佇むのだった。

第6問は「リボルバーを発明したのは?」という問題。
答えは「コルト」であり、兄から突然銃を向けられた恐怖と共に記憶に残っていた答えでもある。ジャマールは2,500,000ルピーを獲得する。

第7問「ケンブリッジサーカスはUKのどの街にある?」

数年後、サリームとラティカの行方が分からなくなっていたジャマールは、携帯電話のコールセンターでお茶汲みとして働いていた。彼は仕事の合間に社内のコンピュータを使い、サリームと同姓同名の人物をインド中から検索して電話を掛け兄の行方を探していた。そして遂にサリームの携帯電話に繋がった。会う場所を決め、久しぶりの再会を果たした兄弟だったが、ラティカを奪って姿を消した兄を許せなかったジャマールは、会うなり彼を殴り倒した。サリームは、「ママンの手下に追われたために逃げていた」と謝ったが、ラティカの行方は知らないという。サリームに家に来るよう誘われたジャマールは、翌日、何処かへ出掛けた兄を尾行した。彼が行った先はジャヴェドの豪邸だったが、何とそこにラティカがいたのだ。ジャマールは兄が去ったタイミングで臨時のコックを装って豪邸の中に入り、ラティカと再会する。彼女はジャヴェドに囲われており彼の振るう暴力に怯えながら暮らしていた。そして彼女は近々何処か知らない場所へ連れて行かれるという。何とかラティカを救い出したいジャマールは、「毎日夕方の5時にムンバイの駅で待っている」と彼女に逃げて来るように伝えた。
それから数日、ジャマールは駅で待ち続け、ついにラティカは現れた。だが、ジャマールが遠くから彼女に声を掛け彼女が振り向いた瞬間、ジャヴェドの手下であるサリームたちがやって来て彼女は捕えられそのまま連れ去られてしまった。茫然自失のジャマールだったが、彼はその後、ラティカが『クイズ$ミリオネア』をジャヴェド邸で観ていたことを思い出し、彼女が見てくれればきっとまた会えると信じ、番組への出場を決めるのだった。

第7問は「ケンブリッジサーカスはUKのどの街にある?」 という問題。
コールセンターで働いていたことから、職場に有った広告や看板などの記憶で第7問の正解が解ったジャマールは、5,000,000ルピーを獲得する。

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ジャヴェドの豪邸にて、行方の分からなくなっていたラティカと再会したジャマール。

第8問「最多センチュリーを記録したクリケット選手は?」

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