スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)のネタバレ解説まとめ

『スラムドッグ$ミリオネア』とは、2008年製作のイギリス映画。インド人外交官ヴィカス・スワラップの小説『ぼくと1ルピーの神様』をダニー・ボイル監督で映画化。インドでオール・ロケーションされた社会派エンタテインメント。第81回アカデミー賞では作品賞を含む8部門を受賞した。日本でもお馴染みのTVのクイズ番組に出場し、史上最高額まであと1問と迫った青年。彼のスラムで育った過酷にして波瀾万丈の生い立ちを、クイズ番組に巧みに織り込みながら、スリリングかつ躍動感いっぱいに描いていく。

ジャマールは遂に最終問題に正解し、歓喜する観客の中で2千万ルピーの小切手を手にした。

『クイズ$ミリオネア』に出場したジャマールは、番組MCのクマールが出題する数々の問題を正解していき、あと1問正解すれば賞金2千万ルピーが与えられる最後の1問に行ける段階まで来ていた。クマールは過去に全問正解したたった1人の男であり、そのプライドからスラム育ちの若造が全問正解することが許せなかった。そして彼は収録の休憩時間にジャマールに第8問の偽りの答えを教え、揺さぶりを掛けたのだ。第8問は「最多センチュリーを記録したクリケット選手は?」という問題で、 今度は本当に答えが解らないジャマールは、4択のうち2つを消す「ライフライン」を使い2択に賭けた。そしてクマールの教えた答えと別の答えでその問題に正解。10,000,000ルピーを獲得する。
最後の1問は翌日に収録されるのだが、ジャマールにまんまと裏をかかれたクマールは「予め答えを知っていたのでは」という不正の疑いを持ち、こっそりと警察に連絡。ジャマールは警察に連行された。ジャマールは、 警部から激しい拷問を受けるものの「本当に答えを知っていただけだ」と主張。これまで出題された全ての問題の答えがいずれも自分の生い立ちの中での過去の出来事や経験に重なっていたことを延々と語り、それが「自分にとって運命的なものだった」と警部に語った。その正直な告白を信用した警部はジャマールを釈放する。

翌日、『クイズ$ミリオネア』はインド中の注目を集め、いよいよ前人未到の賞金20,000,000ルピーが与えられる最後の1問の収録が始まろうとしていた。
一方、サリームとラティカはジャヴェドとその手下たちと一緒に豪邸とは別のアジトにおり、テレビでジャマールの番組出場を観ていた。サリームは弟の活躍を喜ぶ反面、テレビをじっと見つめるラティカを見て気持ちが揺らいだ。今まで自分が弟とラティカに対してしてきたことを反省し彼女に詫びると、ジャヴェドの目を盗んで車の鍵と自分の携帯電話を渡し、「幸せになれよ」と彼女をアジトから逃がすのだった。

最終問題「アレクサンドル・ドュマの著書「三銃士」銃士2人の名はアトスとポルトス。3人目の銃士の名前は?」

遂に運命の最終問題の収録が始まった。最終問題は「アレクサンドル・ドュマの著書『三銃士』銃士2人の名はアトスとポルトス。3人目の銃士の名前は?」 という問題で、ジャマールには全く解らない問題だった。この問題に失敗すればこれまで積み重ねた賞金がパァになってしまう。だがジャマールは敢えて挑戦する。彼は答えを導く手段として「テレフォン」を利用する。それは知人に電話をして答えを聞く方法だ。同じ頃、ラティカは渋滞に巻き込まれ車から離れて公共のテレビで番組を見ていたが、ジャマールが兄の携帯電話に掛けたことを知り、大急ぎでサリームの携帯電話が置いてある車に戻った。番組ではクマールがなかなか出ない電話を切ろうとしたその時、ラティカが電話に出た。ジャマールはラティカが電話に出たことに驚きを隠せなかったが、同時に彼女の無事を知ったことで安心した。ラティカは答えが解らなかったが、ジャマールにとってはそれはどうでもよかった。彼は勘に頼って最後の問いに答えると、奇跡は起きた。なんと正解だったのだ。一方、ラティカの逃亡がジャヴェドにバレてアジトで追い込まれていたサリームは、逆にジャヴェドを拳銃で撃ち殺す。だが彼の手下たちの銃弾にハチの巣にされてしまった。サリームはテレビから聞こえるジャマールの奇跡の瞬間に対し、「神は偉大なり」と呟いて死んで行った。

20,000,000ルピーを手にしたジャマールは収録後、ムンバイの駅でラティカを待った。暫くしてラティカが現れた。彼女にもう追手はいなかった。ジャマールとラティカは無事再会を果たし、2人は熱くキスを交わした。それが2人の運命であったかのように。

『スラムドッグ$ミリオネア』の主な登場人物・キャラクター

ジャマール・マリク(演:デーヴ・パテール / アーユシュ・マヘーシュ・ケーデーカル(幼少期) / タナイ・チェーダー(少年期))

幼少期

少年期

本作の主人公。
誠実さを失わない真っ直ぐな心を持つ青年。携帯電話オペレーターの見習いでお茶汲みをしている。
インド最大のスラム街ムンバイに生まれ、幼い頃は母親と兄のサリームと共に暮らしていたが、母親をイスラム教徒を敵視する暴徒によって殺され、兄と孤児の少女ラティカと寝食を共にするようになる。やがて、孤児を利用して金儲けを企む「ママン」と呼ばれるマフィアの一味に兄とラティカと共に拐かされるも脱出し、逃げる際にラティカと離れ離れになってしまう。数年後、ラティカの事が忘れられず、彼女を探しにムンバイへ戻り彼女と再会するが、兄が地元マフィアのボス・ジャヴェドの手下になったために、ラティカはジャヴェドの囲われの身となり会うことが叶わなくなる。
恋心を抱くラティカがインドの何処かで見てくれることを願って、テレビで人気のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』に出場し、史上最高額の賞金2千万ルピーが与えられる最後の1問にまで到達するが、不正の疑いを掛けられ警察に連行された。

サリーム・マリク(演:マドゥル・ミッタル/アズハルッディーン・モハンマド・イスマーイール(幼少期)/アーシュトーシュ・ローボー・ガージーワーラー(少年期))

幼少期

少年期

ジャマールの実兄。
幼い頃は兄貴風を吹かすものの弟を可愛がっていたが、成長するに連れ、弟とは正反対に金と権力に貪欲になっていく。
拳銃を手に入れママンの男を殺したことで、ママンから守って貰うためムンバイの地元マフィアのボス・ジャヴェドの手下になる。そしてジャマールがラティカに恋心を持っていることを知っていながら、彼女に手を出し、それをきっかけにラティカをジャヴェドの囲われの身にしてしまう。
クイズ番組に出てまでラティカに会おうとするジャマールの情熱に心を打たれて改心し、これまで自分がラティカにしてきたことを謝罪すると彼女に自分の車と携帯電話を渡してジャヴェドのアジトから逃がした。

ラティカ(演:フリーダ・ピントー/ルビーナー・アリー(幼少期)/タンヴィー・ガネーシュ・ローンカル(少女期) )

幼少期

少女期

本作のヒロイン。
幼い頃、ムンバイで孤児となっていた少女。マリク兄弟と偶然に出会い寝食を共にするようになる。
ママンに拐かされ、マリク兄弟と離れ離れになったのち数年間は、ママンによって通称チェリーの名で踊り子として働かされていた。
自分を探しにムンバイへ戻って来たマリク兄弟に助け出されるが、兄弟喧嘩からサリームがジャマールを追い出したことで、お互いに好意を抱いていたジャマールとは音信不通となる。その後、サリームが地元マフィアのボス・ジャヴェドの手下になったことからジャヴェドの囲われの身となり、ジャヴェド邸で暴力を振るわれながら生活していた。その時にテレビで人気のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』をよく見ていたことが、ジャマールが番組に出場するきっかけとなる。
その後、クイズ番組に出ているジャマールの情熱に心を打たれたサリームから、車と携帯電話を渡され、これまでしてきたことを謝罪されるとジャヴェドのアジトから逃亡する。

プレーム・クマール(演:アニル・カプール)

インドのテレビで人気のクイズ番組『クイズ$ミリオネア』のMC。
自分は今や国民的な番組のスターMCであるという高いプライドを持った男。
今まで医者も弁護士も勝ち残った事がない史上最高額の賞金が与えられる領域に、学の無い普通の青年ジャマールが到達しようかという状況で、番組を仕切るプライドから正解を阻止したいと考える。収録の休憩時間にジャマールに偽りの答えを教え、揺さぶりを掛けたが、ジャマールは違う答えでその問題に正解した。そのことで「予め答えを知っていたのでは」という不正の疑いを持ち、こっそりと警察に連絡しジャマールを警察に突き出した。

警部(演:イルファーン・カーン)

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