ゲンスルー（HUNTER×HUNTER）とは【徹底解説・考察まとめ】

ゲンスルーの概要

ゲンスルーとは、『HUNTER×HUNTER』に登場する、人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者が作ったゲーム空間「G・I（グリードアイランド）」で暗躍した殺人鬼。ゲームクリアを目論む大資産家・バッテラに雇われ、「G・I（グリードアイランド）」内で使用できるアイテム「呪文（スペル）カード」を人海戦術で集めるグループ「ハメ組」の初期メンバーだ。しかし裏の顔は、ゲームクリアに必須となる「呪文（スペル）カード」をプレイヤーから強奪する「爆弾魔（ボマー）」。自身の能力を知った人物は漏れなく殺害する為、「ハメ組」として活動する五年間、素性が周囲に知られる事は無かった。カードを収納する本「指定ポケット」内のカードを「ハメ組」が100種類中90種まで集め、ゲームクリア目前となった時、ゲンスルーは自身が「爆弾魔（ボマー）」であると彼らに明かした。そして他者の身体に時限爆弾を埋め込む能力「命の音（カウントダウン）」をメンバー全員に発動し、「命の保証」とゲンスルーが所持する九枚を除いた「81種のカード」との交換条件を持ち掛けた。カードを「ハメ組」のリーダー・ニッケスから受け取ったゲンスルーは、彼らとの約束を反故にし、一斉に爆弾を起動させた。この様に残虐非道な性格の持ち主だが、仲間であるサブとバラの事は信頼しており、共にゲームクリアに向けて活動する。その後も「爆弾魔（ボマー）」としてプレイヤーからカードの強奪を進めたゲンスルーとサブ、バラだったが、標的として目星をつけたゴンとキルア、ビスケに返り討ちに遭い、ゲームクリアの野望は潰えた。普段はロングコートを身にまとい、サングラスを着用。長身であり、特徴的な尖った顎の持ち主だ。

ゲンスルーのプロフィール・人物像

CV：小山剛志（1999年フジテレビ版）、吉野裕行（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：不明
身長：不明
体重：不明
血液型：不明
念系統：具現化系

仲間のサブとバラには「ゲン」の愛称で親しまれており、ゲンスルー自身も彼らへの仲間意識は高い。ゴンとのカード交換を条件に行われた決闘で敗北した際は、ゴン組のメンバーである暗殺一家「ゾルディック家」の三男・キルア＝ゾルディックとストーンハンター・ビスケット＝クルーガーに重症を負わされたサブとバラの身を真っ先に案じていた。その一方、ゲームをクリアする為には手段を選ばない冷酷な性格の持ち主だ。「G・I（グリードアイランド）」内では「爆弾魔（ボマー）」の名を轟かせ、カードを強奪する為にプレイヤーを殺害するなどの残虐行為を繰り返している。ゲンスルーはカードを強奪する為、正体を隠して所属していた「ハメ組」のメンバーに「命の音（カウントダウン）」を仕掛け、「命の保証」と「呪文（スペル）カード」の条件交渉を提案する。そしてゲンスルーは、「ハメ組」の交渉役を担ったプレイヤーのプーハットから、「このままだと共倒れだぞ…！」と駆け引きをされるが、聞く耳を持たずに彼を殺害した。「ハメ組」のリーダーから「呪文（スペル）カード」を受け取ったゲンスルーは、サブ、バラと手を合わせて「解除（リリース）」と宣言し、メンバーに取り付けた爆弾を爆破。約束を守るわけがないと高笑いした。この様にゲンスルーは、他者の命を軽んじる危険人物なのである。背は長身であり、特徴的な尖った顎の持ち主だ。普段はロングコートを身にまとい、サングラスを着用している。

ゲンスルーの能力

念能力

人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者であり、念系統はオーラを実体化させる「具現化系」。他者の身体に時限爆弾を取り付ける「命の音（カウントダウン）」や触れた物を爆破する「一握りの火薬（リトルフラワー）」を得意技とする。「具現化系」でありながら、オーラで物質を操る「操作系」とオーラを放出する「放出系」の念能力をバランス良く兼ね備えている。身体からオーラを発現させる「練」は、その際のオーラの揺らぎによって念能力者としての実力が分かる。ゲンスルーの「練」は洗練されており、その実力の高さが伺える。基礎体力も申し分なく、互いの「呪文（スペル）カード」を賭けたゴンとの戦闘時には、パンチやキックを繰り出し反撃の隙を与えなかった。

交渉術

交渉術を活かした駆け引きにも優れている。ゲンスルーはゲームクリアに必須となる「呪文（スペル）カード」をコンプリートする為、5年前から人海戦術によってカード収集を行う「ハメ組」に所属していた。素性を隠しながらメンバーに「命の音（カウントダウン）」を取り付け、カードのコンプリート目前になった瞬間、ゲンスルーはメンバーの時限爆弾を作動させた。「命の保証」と「呪文（スペル）カード」の交換条件を持ち出したのだ。野望の為なら、他者の命も利用する冷酷な策略家である。

ゲンスルーの必殺技

一握りの火薬（リトルフラワー）

オーラで火薬を作り、掌で発火させる事で掴んだ対象物を爆破する技。ゲンスルーに身体のどこかを掴まれた際、その箇所をオーラを身体の一部に集中させる技「凝」で覆えば防御が可能だ。しかし「凝」による防御が不十分な場合、「一握りの火薬（リトルフラワー）」を受けた対象者は致命傷となる。ゲンスルーは「一握りの火薬（リトルフラワー）」を使う際、爆破による火傷を防ぐ為、自身の手を「凝」で覆っている。その為、「一握りの火薬（リトルフラワー）」を使うと見せかけて対象者の身体を掴み、爆破は行わずに「凝」で覆われた拳による殴打といったフェイント攻撃も出来る。

命の音（カウントダウン）

他者の身体にオーラで具現化した時限爆弾を取り付ける技。サブとバラとの複合能力であり、「具現化系」に加え、「放出系」と「操作系」の性質が合わさった念能力である。作動した爆弾にはカウントが表示され、6000からスタートし、0になった瞬間に起爆する。その殺傷力は「一握りの火薬（リトルフラワー）」の10倍であり、起爆した場合、死を免れる事は不可能だ。カウントは対象者の心拍数とリンクしている為、興奮状態なら数字の減りも早くなる。発動条件は対象者に触れながら「爆弾魔（ボマー）」と言う事、対象者に能力の説明をする事である。対象者が時限爆弾を解除する方法は、ゲンスルーに触れながら「爆弾魔（ボマー）捕まえた」と宣言する事だ。また、念能力を除去できる能力者・除念師であれば強制的に時限爆弾を解除する事は出来る。しかし除念師のアベンガネは、自身につけられた時限爆弾を除去する際、除念に要するオーラで作られた獣「念獣」の大きさから「命の音（カウントダウン）」は強力な念能力であると推察していた。その為、除念師であれば、確実に時限爆弾を解除することが出来るとは限らないのだ。そして時限爆弾はカウントが0にならない内は安全というわけでもない。ゲンスルーとサブ、バラの三人が親指を合わせ「解除（リリース）」と宣言することで、時限爆弾を強制的に起爆させる事も出来る。

ゲンスルーの来歴・活躍

「G・I（グリードアイランド）」内での暗躍

人間の生命エネルギーをオーラとして操る念能力者が作ったゲーム空間「G・I（グリードアイランド）」のクリアを目論む大資産家・バッテラは、ゲームクリアに必要なプレイヤーを雇っていた。ゲンスルーもその内の一人だ。しかしゲンスルーは水面下でバッテラを裏切り、ゲームクリアによる報酬独占を目論む。「G・I（グリードアイランド）」内のアイテム「呪文（スペル）カード」には、「カード化限度枚数」というルールが設けられており、プレイヤーが多いほどカードを入手し難い仕組みとなっている。ゲンスルーはプレイヤーの数を減らすべく、仲間のサブ、バラと共に「爆弾魔（ボマー）」としてプレイヤー狩りを開始。その一方で、ゲンスルーは素性を隠しながら、人海戦術によってカード収集を行う「ハメ組」を結成し、メンバーを募っていく。

次にゲンスルーが講じた策は、新たなプレイヤーに「爆弾魔（ボマー）」の噂を流し、安全なゲームクリアを餌にした「ハメ組」への勧誘だった。これによりゲンスルーは、「ハメ組」のメンバーとなったプレイヤーのカードが把握できる様になる。「ハメ組」を結成してから5年もの間、ゲンスルーは「爆弾魔（ボマー）」としての顔を隠しつつ、プレイヤー狩りを遂行していった。そしてメンバーに他者の身体に時限爆弾を埋め込む能力「命の音（カウントダウン）」を取り付け、カードを強奪する機会を伺っていたのだ。「命の音（カウントダウン）」を発動させる為にはゲンスルー自身が対象者の身体に触れ、「爆弾魔（ボマー）」と発言する必要がある。この発動条件を満たしながら、勧誘活動を行っていたのだ。

「ハメ組」の脱退

ゲンスルーが5年前に結成した「ハメ組」は、ゲームクリアに必要となる100種類中90種の「呪文（スペル）カード」を集める事に成功した。リーダーのニッケスは、人目につかない洞窟にメンバー全員を集め、彼らにゲームクリアが近いことを告げる。意気揚々とするメンバーに対し、ゲンスルーは突如として自身が「爆弾魔（ボマー）」であると打ち明けた。困惑するメンバーにゲンスルーは、「命の音（カウントダウン）」による時限爆弾を仕掛けたと話す。危険を察知したメンバーの一人・ジスパーはゲンスルーを背後から狙うが、手で掴んだ物を爆破させる能力「一握りの火薬（リトルフラワー）」によって返り討ちにされる。ゲンスルーは「命の音（カウントダウン）」の発動条件である「能力の説明」をメンバーに行い、時限爆弾の作動を確認した瞬間、「命の保証」と「90種のカード」との交換条件を出した。

時限爆弾を解除する為には、ゲンスルーに触れた状態で「爆弾魔（ボマー）捕まえた」と言わなければならない。ニッケスとメンバーの一人・プーハットはその場でゲンスルーの捕獲に乗り出す。それに対しゲンスルーは、ゲーム外に脱出できるカード「離脱（リーブ）」を使い、取引場所として指定したバッテラの古城へ場所を移した。そしてサブ、バラと合流したゲンスルーの前にプーハットが交渉役として現れた。プーハットは、「ハメ組」のメンバーが混乱状態にあるため、このままだと双方がゲームオーバーになると話す。ゲンスルーはその発言を遮り、躊躇なくプーハットを殺害。そしてプーハットの死体をバラに持たせ、ゲーム内にいる「ハメ組」のメンバーに持っていかせた。バラは次の交渉でカードを持ってこなければ即起爆すると脅した。そして今度はニッケスが交渉役としてゲンスルーの前に現れる。

ゲンスルーは「時限爆弾の解除」を要求するニッケスの言葉を遮り、セーブデータの入った指輪を奪い取った。そして強奪したカードのデータを確認する為、ゲンスルーは再度、バラとサブを連れてゲーム内に進入。目当てのカードを見た三人は喜んだ。その様子を目にしたニッケスが「爆弾を解除してくれ！！」と声を上げると、ゲンスルーは快諾してサブとバラを呼び、三人で親指を合わせて「解除（リリース）」と宣言。その瞬間、ゲンスルーの周囲にいたニッケス、洞窟で待機していたメンバー全員の時限爆弾が一斉に起爆した。ゲンスルーは不敵な笑みを浮かべ、横たわる「ハメ組」メンバーの死体を前に大笑いした。「ハメ組」を裏切り、カード総数を一気に上げたゲンスルー組は、バッテラに雇われた「懸賞金（マネー）」ハンターのツェズゲラのグループを次なる標的と定めるのだった。