カルト＝ゾルディック（HUNTER×HUNTER）とは【徹底解説・考察まとめ】

カルト＝ゾルディックの概要

カルト＝ゾルディックとは、『HUNTER×HUNTER』に登場する伝説の暗殺一族・ゾルディック家の5人兄弟の末っ子である。親や兄の命令に従順であり、暗殺者として殺人に一切の躊躇が無い冷酷さを持つ。普段は母であるキキョウと行動を共にすることが多い。暗殺業に加え、クモと呼ばれ恐れられている盗賊集団・幻影旅団のNo.4として活動している。その入団目的の全貌は明かされていないが、「兄さんを取り戻す」という決意の元、No.2の座を狙っている。幼い外見とは裏腹に、自らの腕に自信を持っている戦闘狂であり、敵を拷問する癖がある。幻影旅団の故郷である流星街に拠点を設けた第一級隔離指定生物「キメラ＝アント」の師団長・ザザンの兵隊蟻と対峙したカルトは、兵隊蟻をすぐに殺害せず、身体を少しずつ切断していった。幻影旅団のリーダーであるクロロの指示のもと、人類未開のタブー地域・暗黒大陸へ向かう「B・W（ブラックホエール）号」に密航し、幻影旅団のNo.6・シャルナークとNo.12・コルトピを殺害した戦闘狂の奇術師・ヒソカを兄のイルミと共に捜索している。口元にホクロがあり、普段はおかっぱ頭に着物姿の中性的な容姿だ。武器の扇子を常備している。

カルト＝ゾルディックのプロフィール・人物像

CV：前田優子（1999年フジテレビ版）／能登麻美子（2011年日本テレビ版）
生年月日：不明
年齢：10歳
身長：150cm
体重：31kg
血液型：A型
念系統：操作系
旅団ナンバー：No.4

暗殺業を生業としており、ゾルディック家の一員として親や兄を敬愛し、その命令に従順な姿勢である。殺人に対して特別な感情を持たない冷酷さを持つ。口数が少なく物静かな性格だが、幻影旅団に「兄さんを取り戻す」という強い決意を持って入団し、No.2の座を狙っている。キルアが大事に想っている四男のアルカに嫉妬心を抱くといった、子どもらしい感情もある。その他にも、キルアを連れ戻す為、ゾルディック家の敷地内に侵入したゴンを睨むといった陰湿な一面もある。幼い容姿とは裏腹に、敵を拷問して殺害するといった残虐性に加え、戦闘時には笑みを浮かべるといった戦闘狂の一面を見せる。普段は黒の着物姿におかっぱ頭という、座敷童のような風貌である。口元にホクロがある。武器の扇子と紙を常備している。

カルト＝ゾルディックの能力

人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者であり、念系統はオーラで物体を操る操作系。オーラが込められた紙片を対象者に貼り付け、対象者の形をした紙人形を介して盗聴することが出来る。また、三角形に細かく刻んだ紙を、紙製の扇子で操ることも得意だ。カルトはこれを「紙吹雪」と称し、妖艶な佇まいで敵の周囲に紙屑の嵐を起こし、相手を撹乱させる。そして兵隊蟻が繰り出した鋼鉄製のロープを、カルトは紙製の扇子で切断した。念能力に加え、身体能力も常人の域を超えているカルトは、強者との戦闘を生きがいとするヒソカにもその潜在能力を見込まれていた。幻影旅団の任務でザザンの駆除に当たった際にカルトは、キルアが得意とする暗殺術の一つである「肢曲」の様な動きで兵隊蟻に詰め寄っていた。「肢曲」とは、動きに緩急をつけることによって分身した様に見せる技。またヒソカに影武者を頼まれたゾルディック家の長男・イルミの囮役として幻影旅団のアジトに侵入したカルトは、ヒソカとイルミが入れ替わる隙を作る為、凄まじい跳躍力で建物の窓から飛び降り姿を消した。

カルト＝ゾルディックの必殺技・蛇咬（ダコウ）の舞

妖艶な佇まいで紙製の扇子を操り、敵の周囲に三角形の細かく刻んだ紙屑の嵐を起こす。その嵐を蛇の様にうねらせ、勢いよく扇子を振りかざす事で相手に一極集中させる技。その威力は凄まじく、頑丈な皮膚を持つキメラ＝アントの兵隊蟻の身体を切断できる程である。

カルト＝ゾルディックの来歴・活躍

十老頭の暗殺

クロロは、ヨークシン街のセメタリービルで開催されるオークションを襲撃する計画を旅団員と立てた。そしてクロロは、ヨークシン街のマフィア「ノストラード組」のボスの娘・ネオン＝ノストラードの能力を盗むため、セメタリービルに進入。幻影旅団のNo.11・ウボォーギンは、かつて幻影旅団が「緋の眼」を盗むために滅ぼした「クルタ族」の生き残りであるクラピカに殺害された。旅団員は、クロロからの伝言に従い、ウボォーギンの弔い合戦としてセメタリービル周辺でマフィア達に抗争を仕掛ける。その頃クロロは、マフィアン・コミュニティーの長で構成される十老頭が雇ったゾルディック家のシルバとゼノからの攻撃に遭い、劣勢を強いられていた。同時刻、カルトはある任務の為、イルミとゾルディック家の長老・マハとセメタリービルに潜入していた。

そしてクロロは、シルバの視線に一瞬の気を取られた隙をつかれ、ゼノの龍型のオーラ「龍頭戯画（ドラゴンヘッド）」に捕らえられた。ゼノに右足を掴まれ、壁に追いやられたクロロの元に、シルバから巨大なオーラの弾丸が放たれた。万事休すかと思われたが、寸前でシルバは攻撃を止め、戦いは中断された。クロロは以前から顔見知りであったイルミに、ゼノとシルバの依頼人だった十老頭の始末を事前に依頼していたのだ。依頼人が死亡した場合、標的から手を引くというゾルディック家のルールに則り、ゼノとシルバはクロロの暗殺を取り止め、その場から立ち去った。クロロがシルバとゼノを相手に戦闘していた際、カルトはクロロが雇ったイルミのサポート役として、十老頭の暗殺をマハと共に遂行していたのである。

兵隊蟻との闘い

キメラ＝アントの女王が死亡し、師団長たちは自分の王国を作るという野望を持ち、世界各地へ散らばった。師団長の一人であったザザンは自らを女王と名乗り、幻影旅団の出身地である流星街に城を設けた。仲間を次々と兵隊蟻に変形させられた住民の元に、ザザンを駆除するべく幻影旅団が到着した。カルトを含む旅団メンバー六人はザザンの城に潜入。城についたカルトと旅団員はそれぞれ別方向に分かれた。オーラを込めた紙を旅団員に密かに張り付けていたカルトは、旅団員それぞれを模った紙人形を手元に持ち、ザザンの位置を探った。幻影旅団のNo.2・フェイタンがザザンと対決していると知り、カルトはどうやって手柄を横取りするかを模索する。

しかし、目の前にクワガタ型の兵隊蟻が現れた。カルトは、三角形に細かく刻んだ紙を扇子で操り、「紙吹雪」と称して兵隊蟻を撹乱。軽傷で済んだ兵隊蟻は余裕の佇まいで、鋼鉄製のロープを繰り出した。カルトはそれを紙製の扇子で細切れにし、蛇の様にうねらせた紙屑の嵐を兵隊蟻に集中させ左腕を切断した。そして「次は右腕だね」と詰め寄ったカルトは、さらなる攻撃を続ける。幻影旅団のNo.5・フィンクスとNo.10・ボノレノフがそれぞれ兵隊蟻を倒し終えた頃、カルトはようやく兵隊蟻の息の根を止めた。拷問の末、床に散らばった兵隊蟻の死骸をカルトは、「直さなくっちゃ 標的（エモノ）を嬲る悪い癖…」と冷たい目を光らせた。

その後カルトは、フェイタンとザザンの戦闘を見物している旅団員の元へ合流した。フェイタンの戦闘技術を見たカルトは、フェイタンとの力量の差を痛感すると共に、その戦闘に見惚れていた。フェイタンがザザンに周囲を焼き尽くす技「太陽に灼かれて（ライジングサン）」を発動した時、カルトは興味津々にその様子を見ていたが、フィンクスから逃げるように促された。ザザンが息絶えた後、カルトと旅団員はザザンによって兵隊蟻に変えられた流星街の住民達を発見する。殺してくれと懇願する住民達に対しフィンクスは、「最期まで根性見せやがれ！！！」と檄を飛ばし、自ら倒されに来る様に呼びかけた。フィンクスに賛同したカルトと他の旅団員は、襲い掛かってくる住民達を返り討ちにした後、ザザンが占拠した城を去った。

イルミとの密航

カルトは、天空闘技場でヒソカを殺害したクロロの指示で、カキン王族や各国の要人を乗せて暗黒大陸へと向かう「B・W（ブラックホエール）号）」に密航した。当初クロロは、旅団員にカキン王族の財宝を強奪すると呼びかけていたが、急遽その目的は後回しとなった。その理由は、死後に強まる念による心臓マッサージで息を吹き返したヒソカが、幻影旅団を狙っているからである。カルトを含む旅団員は、マフィアや密航者が暗躍する第五層の中央食堂でクロロと作戦会議を開いた。そこには新たにメンバーに加わったイルミの姿もある。イルミは、クロロの指示で自己紹介とヒソカの動向予測について旅団員に話す。するとそこにカキン帝国で暗躍するマフィアが現れ、中央食堂の中でも特に大きいテーブルを占拠していた幻影旅団に対し、場所を移すよう詰め寄ってきた。

マフィアから協力的な姿勢を見せられたクロロは大人しく立ち退き、旅団員もテーブルから離れた。そしてカルトは、クロロの「ヒソカの首を獲って来い…！！」という団長命令の元、旅団員と同時にヒソカ狩りに乗り出した。その頃、カキンの第四王子が支えるマフィア「エイ＝イ一家」組員・ルイーニーが一般客室のある第三層で殺人事件を起こし、逃走していた。ルイーニーを捕まえる為、第三層は準戒厳令が出され、一般乗客は自室での待機を余儀なくされた。カルトはイルミと共に、一般乗客がオーシャンビューのできる第三層の展望エリアへと場所を移していたが、その場に集まった軍から銃を向けられる。

カルトは「緊急放送を聞いてないのか！？」の問いかけに両手を上げて「寝てて気付かなかったでーす」とあっけらかんと答えた。軍を仕切るミズリ伍長は、イルミのIDチケットが上層部のものである事に驚き、上層部へ案内すると持ち掛けた。しかしイルミは第三層に残る意向を示し、幻影旅団全員が密航中であると、その場に居合わせたハンター協会長・アイザック＝ネテロが選抜した精鋭集団「十二支ん」のボドバイとミザイストムに打ち明けた。それを聞いたカルトは「兄さん！」と驚く。ミザイストムは二人に第三層に残る条件としてIDチケットの居住番号を、中央警察署に変更することを提案。この提案をイルミが了承した事で、カルトはボドバイの案内で、イルミと共に中央警察署に向かうことになった。

カルト＝ゾルディックの関連人物・キャラクター

キルア＝ゾルディック

CV：三橋加奈子（1999年フジテレビ版）／伊瀬茉莉也（2011年日本テレビ版）
生年月日：7月7日
年齢：12歳
身長：158cm
体重：45kg
血液型：A型
念系統：変化系

第288期ハンター試験合格者であり、伝説の暗殺一族「ゾルディック家」出身。野生児のハンター・ゴンとハンター試験で出会い、共に試練を乗り越えるうちに感化され、現在は殺し屋を引退したい意向である。分身の様な足運びで移動する「肢曲」を始め、手刀や蛇の様な瞬殺技「蛇活」等、幼少期から様々な暗殺術の訓練を受けてきた。電流や毒にも強い耐性がある。人間の生命エネルギーをオーラとして自在に操る念能力者であり、念系統はオーラの性質を変化させる変化系。キルアは電気に強い体質を活かし、掌から放電する「雷掌（イズツシ）」、雷のオーラで相手の動きを封じる「落雷（ナルカミ）」、電気のオーラを体内に蓄積し自身のスピードを強化する「神速（カンムル）」という三つの基本的な技を体得。さらに「神速（カンムル）」の発動時に蓄積された電気オーラを活かし、超音速で移動できる「電光石火」と、脳に電気信号を送って素早い攻撃を繰り出す「疾風迅雷」という二つの必殺技を生み出した。クールな外見とは裏腹に、ゲームやお菓子が好きな子供らしさもあり、普段はスケートボードやヨーヨーを愛用している。キルアはカルトの兄。カルトは、キルアが大事に想う四男のアルカに嫉妬心を抱いている。