ゴブリンスレイヤー(ゴブスレ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ゴブリンスレイヤー』とは、蝸牛くもによるライトノベル、およびそれを原作としたアニメ作品である。冒険者になったばかりの女神官が初めての冒険で危機に陥った時に出会ったのは、ゴブリン退治のみを専門に行う変わり者の冒険者・ゴブリンスレイヤーだった。ゴブリンに強い恨みを持つゴブリンスレイヤーと、彼の仲間である冒険者たちの物語を、厳しい冒険者の現実と共に描き出したダークファンタジー。

地下水路での戦いで壊れてしまった鎖帷子を修繕に出そうとする女神官に、ゴブリンスレイヤーは「買い換えた方が早いだろう。」と聞いた。それに対して女神官が返した言葉だ。
女神官にとって、冒険者として出た最初の冒険で危機的状況に陥った時にゴブリンスレイヤーと出会ったこと、ゴブリンスレイヤーと過ごしたその後の数ヶ月間は大切なものであることが、鎖帷子を大切にする姿から感じられる場面である。

『だが、俺は今も怖くて仕方ない。手伝ってくれるのはありがたいと思っている。しかし手伝う必要はないんだ。』(第8話)

水の街で束の間の休息を過した日の夕方、ゴブリンスレイヤーは幼い時から抱いていた不安を女神官に打ち明け、女神官がゴブリン退治に恐怖を感じるなら無理に自分のゴブリン退治を手伝う必要はないのだという意図を込めて言った言葉だ。
前回の地下水路の探索で女神官が初めて参加したパーティーがゴブリン退治の任務で全滅したトラウマを思い出してしまい、平常心を失った上に、大怪我をさせてしまったことをゴブリンスレイヤーは気に病んでいた。もしも本当はゴブリン退治にこれ以上参加したくないと女神官が思っているなら無理には止めないとゴブリンスレイヤーは伝えたつもりだったが、女神官は不満げな表情をして「好きにするって、言ったじゃないですか…。」と呟いただけだった。
ゴブリンスレイヤーが女神官に気を許しており、女神官のためになることを本当に考えているが、同時にゴブリンスレイヤーについて行くという女神官の意志は変わらないということを確認した場面でもあった。

『だが、ゴブリンが出たなら俺を呼べ。ゴブリンは俺が退治してやる。』(第9話)

剣の乙女は、15歳の時に出た冒険でゴブリンに捕まり、凌辱され両目の視力を奪われた過去を持つ。彼女は未だにその時のことがトラウマになっており、英雄として扱われている現在も毎晩夢でうなされていた。そのことをゴブリンスレイヤーに打ち明け、「誰にも言えないし、助けてももらえない。」と言葉を続けた時に、ゴブリンスレイヤーが返した言葉。
ゴブリンスレイヤーには決して他意はなく、ゴブリンならいつでも自分が退治するといういつもの目的意識から言った言葉だった。しかし、今まで誰にも自分の過去やトラウマ、助けてほしいという気持ちを受け止めて貰えなかった剣の乙女にとっては、この言葉を言ってくれたゴブリンスレイヤーはまさしく救世主に思えた。
その後、剣の乙女は密かにゴブリンスレイヤーのことを思慕するようになるが、これはそのきっかけとなった言葉である。

『それに、冒険者を引退しても死ぬまで生きていく訳ですから、誰にとっても必要だと思うんです。』(第10話)

牛飼娘も参加した昼食の席で、受付嬢は引退した冒険者が新人の冒険者に訓練を行う施設を作る計画を冒険者ギルドが立てていることを説明した。その時に、受付嬢が何気なく付け加えた一言。
牛飼娘はその場では表情や態度には出さなかったが、ゴブリンスレイヤーがいつまでも冒険者を続けられるわけではなく、いつかはゴブリンを退治できなくなる日が来ることに、受付嬢の言葉で初めて気づいた。この言葉をきっかけに、牛飼娘はゴブリンスレイヤーの将来について不安を抱えるようになる。

『先のことはゆっくりさ、考えようよ。』(第10話)

昼間に聞いた受付嬢の何気ない一言で、牛飼娘はゴブリンスレイヤーの将来に不安を感じ、その日は1日中気持ちが晴れなかった。しかし、夜にゴブリンスレイヤーと2人で話していると、「誰にも先の事は分からない。」と考え直して今の生活に意識を戻すことにし、ゴブリンスレイヤーにこの言葉を語りかける。
ゴブリンスレイヤーには何のことだか分からない牛飼娘の言葉だったが、彼女の中では1つの答えが出た瞬間の場面である。

『だから嫌だってば。だって…、2回目はやだもん…。』(第11話)

ゴブリンスレイヤーは牧場がゴブリンの群れに襲われると知り、牛飼娘に伯父と一緒に逃げるようにと言ったが、牛飼娘は「逃げない。」と返した。ゴブリンスレイヤーが再度逃げるように言った時、牛飼娘が涙を流しながら言った言葉だ。
牛飼娘は、自分が留守にしている時に故郷の村をゴブリンに襲われ、帰る家も家族も失くし、幼馴染であるゴブリンスレイヤーも5年前まで行方不明だった。そのため牛飼娘は、大切な場所や大切な人を失う悲しみと苦しみを味わっており、自分の身に危険が迫るのだとしても、もう2度と同じ思いはしたくなかったのだ。
普段は明るい性格で、ゴブリンスレイヤーにとっては穏やかな日常を象徴する存在である牛飼娘が、涙を流してゴブリンスレイヤーの言うことを聞かなくなるほど、彼女のトラウマが深刻な物であることが分かる場面である。

『お前の命なんざいるか、この野郎!後で1杯奢れ!』(第11話)

ゴブリンスレイヤーは辺境の街のギルドに赴き、その場にいる冒険者たちに、牧場を襲うゴブリンの群れを退治するために力を貸してくれないかと頭を下げてお願いした。それを聞いた槍使いは、「ここは冒険者ギルドで、俺たちは冒険者だぜ?お願いなんざ聞く義理はねぇ。依頼を出せよ。つまり報酬だ。」とゴブリンスレイヤーに言い、ゴブリンスレイヤーは自分の持つ物全てを報酬とするが、自分が死ぬと泣く人がいるため自分の命は自分の裁量ではどうにもならないということを伝えた。
槍使いはゴブリンスレイヤーが何を言ってるのかよく分からずに呆れ果てたが、1杯奢ることで依頼を引き受けることにし、この言葉を返した。
この槍使いの言葉をきっかけに、ギルドや他の冒険者たちもゴブリン退治に積極的になり、冒険者ギルド総出でのゴブリン退治が始まったのだ。

『悪かった。信頼していたからな…。』(第12話)

ゴブリンロードとの戦いで無茶をして重傷を負ったゴブリンスレイヤーに、女神官は「もうちょっと色々気にしてください!」と怒った声で言う。それにゴブリンスレイヤーが返した言葉。
ゴブリンスレイヤーは相変わらずゴブリン退治の時には無茶をしており、第1話とやっていることは変わらないように見えるが、復讐に囚われてではなく仲間を信頼しているからと、無茶をする理由が変化していることが分かる場面だ。

『少しまとまってきた。俺は多分、冒険者になりたいのだと思う。』(第12話)

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