戦姫絶唱シンフォギアシリーズの楽曲まとめ

ここでは『戦姫絶唱シンフォギア』の楽曲をまとめた。本作は歌の力によって武装化するシンフォギアシステムというものが特徴的な変身ヒロインアニメで、多くの挿入歌・劇中歌が存在している。

『戦姫絶唱シンフォギア』の概要

『戦姫絶唱シンフォギア』は2012年1月3月に放送されたテレビアニメである。略称は「シンフォギア」。シリーズは現在4期放送中で5期までの製作が決まっている。
水樹奈々やfripSideボーカル南條愛乃をはじめとする歌手兼豪華声優陣によるライブにより人気の高い作品となっている。また音楽提供をしているElements Gardenは原作を手掛けた上松範康が主宰となり音楽を提供している。脚本はワイルドアームズなどの人気ゲームを出した金子彰史が書いている。
本編開始の2年前、人気ボーカルユニット「ツヴァイウィング」のライブという名目上の聖遺物起動実験を行っていた際、ノイズに襲撃される。ツヴァイウィングでありながらシンフォギア装者である「天羽奏」に助けられ重傷を負いながらも自分一人だけ生き残りシンフォギア装者になった立花響は、過去に周囲からいじめられたトラウマや、もう一人のツヴァイウィング「風鳴翼」との邂逅、唯一の親友「小日向未来」との関係に葛藤しながらも、ノイズとの闘いに身を投じることになる。キャラクターそれぞれの心情を歌った戦闘中や劇中の歌はシンフォギアの魅力の一つである。

立花響の楽曲

撃槍・ガングニール

「撃槍・ガングニール」は初めて立花響が変身したときに歌った曲である。ノイズに襲撃され親とはぐれた子供を連れて逃げる際、追い詰められて初めてシンフォギアを纏った。過去にツヴァイウィングの天羽奏に助けられて以来人助けをすることが趣味となってしまった立花響の心情を現した曲である。詞のはじめの「絶対に…離さないこの繋いだ手はこんなにほら暖かいんだ ヒトの作る温もりは」という歌詞は初めて助けた子供を守るためろくな闘い方も知らない響の、絶対に守るという強い意志の感じられる歌詞となっている。しかし、まわりの仲間からは16歳の少女が人助けをする理由が「歪」、「前向きな自殺衝動」と言われてしまう。響の守るという気持ちと同時に歪さを感じ取れる曲になっている。

私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ

「私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ」は先代ガングニール装者であり、響の命の恩人である天羽奏の曲「君ト云ウ 音奏デ 尽キルマデ」とリンクした歌詞になっている。
どちらも二人の心情を現した曲になっているが響の「私ト云ウ 音響キ ソノ先ニ」は当時、奏の代わりになりたいと思い戦っていた気持ちがあったからこその歌詞になっている。
アームドギアというシンフォギア装者特有の武器がどうしても奏や翼のように出せず、ひたすら素手で戦ってきた響だったが、翼と和解していくうちに誰かと手をつなげる自分の手こそアームドギアという独自のアームドギアを確立する。また響と奏の歌詞はそれぞれ目指すものが違う。響は誰かに思いを伝えその先、つまり未来を目指すことだが、奏の場合は尽きるまで奏でる、シンフォギア装者としては死ぬまで歌って戦うという意味になる。同じシンフォギアで同じ曲を歌っても二人の違いがよくわかる曲になっている。

正義を信じて、握り締めて

こちらは二期で響が初めて歌った曲。やはり響の歪が歌に出てきてしまう。「ヒーローになんてなりたくない」、「何故私でなくちゃならないのか?」という重圧と戦いたくないという気持ちが伝わってくる。同時に響の周りの人を守りたいという意思が伝わる歌詞である。特にくしゃくしゃした君の泣き顔も青空のような笑い顔も「絶対に(守りたい)抱け(強く)Love song」というフレーズが強く物語っている。一期のころから成長したとはいえやはり15歳の少女が戦うということの重さが表れている。

Rainbow Flower

この曲はシンフォギアGの10話で初披露された曲である。歌詞の内容は敵に響を助けたいと気持ちを利用され聖遺物『歪鏡・シェンショウジン』を纏わされた洗脳された親友『小日向未来』への気持ちを表した曲となっている。この曲を披露したときはシンフォギアを纏うと体に異常を起こしまともに戦える状態ではないにも関わらずガングニールを纏い戦った。またほかの曲と違いイントロにコーラスが入っている。洗脳されているとは言え響のために響を闘いから遠ざけようとする未来に対して『全力で「一人じゃない」と届けたい』という歌詞が入っている。

限界突破 G-beat

三期での響の戦闘中でのメイン曲である。二期での戦いを経て新たなガングニールを手に入れた響がしっかりとした意思をもって歌う曲である。特に「『何故?どうして?』の先を背負える勇気を迷いは…ないさ 拳に包んだ」という歌詞が一期や二期での響の迷いが晴れたのが感じ取れる歌詞となっている。また「自分色に咲き立つ花になれ(HEROじゃなく)」という歌詞がヒーローではなく自分らしいやり方でみんなを守るという考えに至っている。そのため仲間からいわれていた前向きな自殺行為や自分一人だけ助かったという後ろめたさではない気持ちで戦っているのがよくわかる曲である。

リトルミラクル -Grip it tight-

この曲はシンフォギアGX10話で使用された曲である。響は一期の時点で父親が響だけライブで生き残ったことで周りの人間から差別を受けることになり、仕事を首にされ耐えられなくったため家から出て行ってしまった。しかし、そうなるまえまでは響に「へいき、へっちゃら。」という言葉で乗り越えられると教えていた。そんな父親と再会した響であったが父親の方は臆病になり家族のもとに戻る勇気もなく、人としてダメになっていた。しかし、そんな父親が勇気を出し敵の攻撃から響を救い、もう一度響と向き合うことを決めた父親への気持ちが歌となっている。「やり直せばいい 壊れたってもうへいきへっちゃら」という歌詞からこのことがわかる。さらにつなぐ手こそが私のアームドギアという響ならではの家族をつなぎとめることができた。

風鳴翼の楽曲

絶刀・天羽々斬

絶刀・天羽々斬は人気ボーカルユニット、ツヴァイウィングの1人風鳴翼の纏うシンフォギア「天羽々斬」の戦闘曲である。翼は奏が響を守り死亡し、響がシンフォギア装者になるまでの間、一人で闘っていた。一人でノイズから人々を守るという覚悟を歌詞に表している。さらに家柄なのか自身のことを防人という。歌詞自体も和風な言い回しになっている。

FLIGHT FEATHERS

FLIGHT FEATHERSは人気ボーカルユニット「ツヴァイウィング」としての翼が奏を失いソロで風鳴翼として、なによりアイドルとして歌った曲である。
シンフォギアを纏っているときとは違い現代的な曲になっている。しかし、歌詞の中には「片翼の羽根と 泣かないと誓うよ」など奏に対して歌っている部分がある。

月煌ノ剣

二期になってからの翼の戦闘曲。響と和解し、ともに戦うと決めた翼の心情を表現した曲である。「二度と泣かぬと決めたのだ」という奏を失った悲しみから「流すものは血潮でいい」という歌詞につながっている。この歌詞は実は一期で響がまだ不安定な時に防人の覚悟を見せるため、自爆ともいえる必殺技「絶唱」を歌い、血の涙を流したことだと思われる。さらに「貴殿の胸には譲れない『何か』は在るのか?」という歌詞から響に対しての問いとしても取れる歌である。

恋の桶狭間

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