ダンジョン飯(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ダンジョン飯』とは、年10刊漫画誌「ハルタ」(KADOKAWA)にて2014年2月から2023年9月に連載されていた、九井諒子原作の長編連載作品である。古典的ファンタジーな世界観をもつ作中のダンジョンに登場する魔物を、現実にある方法で料理し食す、グルメ&アドベンチャー漫画となっている。作中で作られた料理にはレシピが記載され、これにより作者の持ち味である、架空と現実が融合した世界観が存分に発揮されている。

ライオスが翼獅子を追い詰め「食欲」を奪うと、執着心から解放された翼獅子が姿を消す間際に残した言葉である。
物語の最終盤、悪魔である翼獅子が、「欲望を消化することができる魔物」となったライオスにより、最初に知った欲望「食欲」を奪われる。これにより執着心から解放され、存在を失った翼獅子は消える間際に「お前たちはきっと飢えるために生きているのだな」と言葉を残すのである。
この言葉は、後述の通り『ダンジョン飯』の主題である「食は生の特権」をそのまま反転した言葉なのである。
悪魔にとっては呪いである「飢え」が人間にとっては「特権」であり、それが生物にだけ授けられた祝福なのだとわかるセリフである。

ライオス・トーデン「食は生の特権だ 生きるためには食べ続けなくてはならない」

作中の最後に王となったライオスが、市井の子どもたちへ残した言葉。
ライオスは黄金卿の王となった後、魔術や魔物を利用した生産法の研究に力を注いだ。それについて、市井の子どもたちが「なぜそこまで食料にこだわるのか」と尋ねた際に、ライオスは「食は生の特権だ 生きるためには食べ続けなくてはならない」との言葉で諭したのである。
このライオス王の言葉は、作中の第1話でもナレーションで同様の文章が登場している。
これは、『ダンジョン飯』のテーマにもなっており、作中では寝食を疎かにすれば上記のように「睡眠や食事をして初めてやりたいことができるようになる」と説いている。
現実社会では、労働などで寝食のままならない暮らしを送る者も多いのが実情であるが、そういった人々にとっては、自身の生活を見直す重要なセリフと言える。

『ダンジョン飯』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

発売1ヶ月で重版4刷となった第1巻

『ダンジョン飯』第1巻の初版部数は発売当初はそれほど多くはなかった。これは、掲載誌である「ハルタ」自体が発行部数2万部程度のマイナー誌であったが故とされている。そのため、出版社側の予想に反して店頭・通販ともに品切れが続出した。これによりさらに注目を集め、重版に重版を重ね、発売から1ヶ月で重版4刷という異例の自体となったのである。

公式で制作された作中登場料理の食品サンプル

『ダンジョン飯』はそのテーマとなる魔物料理に人気さから、公式で食品サンプルが制作された。
2016年の8月には3巻の発売を記念し、1巻収録の第1話に登場する「大サソリと歩き茸の水炊き」が、同年9月には2巻第10話の「天然おいしい宝虫のおやつ」と13話の「ミミックの塩茹で」が制作され、東京・大阪・徳島のイベント会場にて展示された。
また2024年1月18日~21日には渋谷にて期間限定で展示イベント「ダンジョン飯店」が開催された。ここでは「大サソリと歩き茸の水炊き」「人食い植物のタルト」「ローストバジリスク」「マンドレイクとバジリスクのオムレツ」などの食品サンプルが展示された。
さらにTwitterアニメ公式アカウントからも「#魔物飯作ってみた」のハッシュタグで、アニメに登場した魔物飯の食品サンプル画像を公開している。
これらは、食品サンプル制作会社イワサキ・ビーアイが制作協力を行っている。

ファンによって発表される再現レシピ

『ダンジョン飯』はグルメ漫画としての面が強く、作中に登場する料理は食材が魔物である点を除けば、非常に美味しそうに演出されている。
それゆえ、本作のファンにより現実にある食品を代用して調理された再現料理も発表されている。
この再現料理の工夫が必要な点は、実在しない魔物素材をどのような食材で代用するかや、色や味わいをどれほど原作に近づけるかという点にある。

『ダンジョン飯』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):BUMP OF CHICKEN「Sleep Walking Orchestra」

人気バンドBUMP OF CHICKENによるOP曲。作詞作曲はボーカルである藤原基央が担当している。

ED(エンディング):緑黄色社会「Party!!」

緑黄色社会が歌うED曲。同グループにとって2つ目となるTVアニメ用の曲である。

Kyazu0818t2
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