【相棒】歴代相方まとめ

『相棒』とは、2000年からテレビ朝日・東映によって制作・放送されている刑事ドラマシリーズである。
警視庁特命係は、警視庁内部の左遷先として扱われている“人材の墓場”である。そこに所属する刑事杉下右京は、どのような難事件も解決する切れ者だが、事件と見ればそれが権力の闇に隠されていようと暴き立て、捜査のためなら強引な手法も辞さない厄介な人物としても知られていた。様々な事情からそこに異動させられる刑事たちは、時に右京に反発し、時に彼の推理力に圧倒されながら、次第に息の合った“相棒”となっていく。

『相棒』の概要

元々は2000年に土曜ワイド劇場で「相棒・警視庁ふたりだけの特命係」として単発の二時間ドラマを三回放送し、好評だったことからシリーズ物としてドラマ化が決まった。

初期の相棒『亀山薫』役の寺脇康文が降板することをきっかけに、相棒を交代していくシステムになった。
2代目『神戸尊』役を及川光博、3代目『甲斐亨』役を成宮寛貴、4代目の『冠城亘』役を反町隆史が演じている。

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亀山 薫(かめやま かおる)

杉下右京(左)と亀山薫(右)

演:寺脇康文

preseason1~3、さらにseason1からseason7まで特命係に所属していた。物語の上では初代相棒だが、設定的には彼以前にも特命係に送られて警視庁を去った人材は何人もいたようである。
指名手配犯を捕まえようとして逆に人質にされるという失態を生中継で放送されてしまい、この一件で警察の威信に泥を塗ったとして特命係に異動を命じられる。

冷静沈着な紳士である右京とは真逆の、アクティブで人情派な熱血漢。時に犯人や被害者に同情的になりすぎて失敗することもあったが、逆にこれによって状況を打破することもあった。
右京の冷徹かつ強引な捜査手法に当初はついていけず反発することも多かったが、次第にその根底に強い正義感があることに気づき、彼を上司として信頼するようになる。

一方の右京も、「人の心に自然と寄り添う」という自分にない能力を持つ亀山のことを少しずつ理解していき、やがて相棒としても認めていった。最終的に親友が命を落とすきっかけとなったサルウィン共和国で貧しい子供たちのために働くことを決意し、警視庁を辞職。右京はそれを引き留めることこそなかったものの、最後に彼に自ら電話をかけて別れの挨拶をしている。人の心の機微に疎い右京がそんなことをしたのは、これが初めてだった。
コーヒーを愛飲しており、彼が愛用していたコーヒーメーカーは現在も特命係に残っている。

神戸 尊(かんべ たける)

出典: www.amazon.co.jp

演:及川光博

二代目相棒。season7最終回からseason10の間、特命係として活動した。
もともとは警察庁の人間で、警察上層部から「右京の査察」という密命を与えられて特命係に配属。指示通り右京という人間の資質を見極めようと行動を共にするも、早い段階で「あまりに大掛かり過ぎるのではないか」と任務の内容に疑問を抱いていた。
神戸の感じた疑問は正しく、特命係への配属の真の理由は「右京と神戸の仕事上の相性」を見極めるためのものだった。当時警察では顔認証システムを利用した大規模な犯罪抑止システムを開発中であり、その運用を任せる人材の候補が神戸と右京だったのである。この真実を知る中で上層部の闇を垣間見てしまい、上からの指示に従って元の職場に戻るより、右京と共に第一線で市井の人々のために働くことを選んだ。

亀山と比べると洒落た雰囲気の男で、血を見るとめまいを起こすなど刑事としては線の細いところがある。一方で復讐相手と共に自爆しようとした老婆を身を挺して守ったり、事件に関わって施設送りとなった幼い兄妹を心配してこっそり遠くから見守るなど、内面は亀山と同等以上に優しい。
初めて相棒と認めた相手である亀山と別れたばかりの右京は、そんな神戸のことを当初は空気のように扱っていたが、上記の美点を知る中で次第に同僚として信頼し受け入れていった。神戸もまた右京の強引な捜査手法と偏屈な人間性には否定的な態度を崩さなかったものの、その推理力と根底にある正義感には敬意を抱いていく。自分の能力に自信があるせいか妙に張り合おうとする一面もあり、右京の推理に「お言葉ですが」と反論する姿が目立った(大抵はその場で逆にやりこめられる)。

season10の最終話で、犯人の子供の未来を守るため自身の命をも懸けて右京を脅すという強硬手段に出る。神戸の性格をよく知る右京はその本気を悟り、あっさりと取引に応じるも、自身はこのことを深く恥じる。もはや特命係に留まる資格は無いと職を辞することも考えるも、彼の能力を買っていた上層部によって警察庁長官官房付に異動となった。
新たな立場で市民のために働くことに意味を見出したか、その後も警察を辞めることなく活躍。右京とは必要に応じて今でも協力する仲である。

甲斐 享(かい とおる)

CV:成宮寛貴

三代目相棒。season11からseason13の間、特命係として活動した。
警視庁次長甲斐峯秋の実子。とはいえ関係は冷え切っており、父親顔されることも親子扱いされることも非常に嫌う。特命係に配属された歴代相棒の中ではもっとも若く、それだけに少々無鉄砲なところがある。

親の手を借りずに刑事になる夢を叶えた直後、香港の日本大使館で起きた事件を右京と共に解決。この際に見せた強い正義感と刑事としての資質を気に入られ、右京から指名される形で特命係に配属となった。
本人は最終的には殺人事件などの重大案件を扱う警視庁捜査一課への配属を希望しており、警視庁への配属はともかく特命係行きを命じられたことには疑問と不満を感じていた。しかし右京と共に過ごす内に彼の類稀な推理力を尊敬するようになり、様々な意味で感化されていった。

感情的に動く傾向もあるが、その根底には法と正義に則って人々を守りたいという警察官としての誇りがあり、この点は右京からも評価されている。一方で(本人は隠そうとしているが)お坊ちゃん育ちらしい品の良さが言動や振る舞いに見え隠れしており、亀山や神戸と比べると精神的な成長を遂げ切っていない印象がある。

親友である梶の妹が惨殺される事件が起きた際、その犯人が規制対象外のドラッグを使用していたため罪に問うことができず、無罪放免となる。妹の復讐を誓う親友を止められないと悟った享は、殺人という最悪の結果を避けるため先んじて犯人を暴行し重傷を負わせる。これによりある程度溜飲を下げ、またそこまでしてでも自分を止めようとした享に報いるため梶は復讐を諦めるものの、今度は本人が「不当な方法で罪を免れた犯罪者への私的制裁」という行為を繰り返すようになってしまう。後にこのことは右京たちに知られることとなり、逮捕という形で特命係を去る衝撃的な結末を迎えた。

犯行を重ねた理由については本人も「分からない」と語るも、父である峰秋は「右京という絶対的な存在を見続けた結果、心のどこかで対抗したい、並び立ちたいという想いが生まれたのではないか」と分析している。
周囲の計らいで最後に右京と話をした際、諦観と後悔と共に「(俺に)失望しているでしょう」と問いかけるも、彼から「君を止められなかった自分自身に失望しています」と言葉を返され、新米刑事の自分を見守り続けてくれたことに感謝していた。

冠城 亘(かぶらぎ わたる)

演:反町隆史

四代目相棒。season14から特命係に所属している。
法務省のキャリア官僚で、人事交流という名目で警視庁に出向。かねてから捜査の現場での仕事に興味を持っており、右京という協力者(右京の強引な捜査手法に何も知らない顔をしながら加担する形が多いので、ノリとしては共犯者に近い)を得て嬉々としながら事件に首を突っ込むようになった。

飄々とした性格で、表面上は遊び慣れている風にも感じられる軽妙な人物。しかし内面はしたたかで計算高く、興味を抱いた対象には執拗に付きまとう。歴代の相棒となった者たちが多かれ少なかれ右京に敬意を抱いていた一方、冠城はどちらかというと「次はどんな方法で捜査をするつもりなんだろう」とおもしろがっている節があり、少々煙たがられている。それを物ともせずに図々しくついていくという点も、これまでの相棒とは一線を画すところである。

当初は「お客様」という立場で、事件に対してもどこか興味深い見世物のように接していたが、その態度を右京に咎められたこと、また被害者やその遺族、切実な理由から犯罪に手を染めるしかなかった犯人などを自分の目で見たことで己の認識を改めていく。元来正義感が強かったらしく、やがてそういった人々を守るためにこそ事件を解決しなければならないと考えるようになり、そのためなら自身のコネでも法律知識でもフルに活用するようになっていった。
無茶が過ぎてキャリア官僚の道から外されることとなった際、上司が用意した左遷先の中に申し訳程度に「警視庁」という文字が記されているのを見つけ、これを選択。要領の良さと学習能力の高さであっさりと刑事になり、今度は自ら望んで特命係に戻ってきた。これには右京も呆れていたが、正式に同僚となってからは程好い距離感を保ったまま一定の信頼を置いている。なお、エリートコースを外れされたことに関して、本人はまったく気にしていない。

刑事になる前は「ケンカは苦手」と吹聴しており、実際に犯人との乱闘になるとあっさりやられるか逃げ回るかの二択だった。それがブラフだったのか、警察学校で素質が開花したのかは定かではないが、刑事として特命係に戻ってきてからは荒事に滅法強くなり、そういったシーンでは右京を差し置いて活躍することもしばしば。
亀山と同じくコーヒー派だが遥かに凝り性で、市販の豆では満足できないのかオリジナルブレンドを作る姿がたびたび見られる。

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『相棒』は、テレビ朝日・東映制作の刑事ドラマシリーズ。 水谷豊演じる主人公『杉下右京』は、人材の墓場と呼ばれた「警視庁特命係」に属する警部である。 その右京が自身の下についた「相棒」と共に超人的な推理力・洞察力を駆使して活躍していく。 亀山薫(演:寺脇康文)、神戸尊(演:及川光博)、甲斐享(演:成宮寛貴)、冠城亘(演:反町隆史)と相棒は代替わりしている。

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