ジェイムズ・ブラック（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

ジェイムズ・ブラックの概要

ジェイムズ・ブラックとは『名探偵コナン』シリーズの登場キャラクター。
初登場は原作32巻「ライオンの落とし物」、アニメ第258話「シカゴから来た男（前編）」。
当初は、事件に巻き込まれてしまう謎のイギリス人として登場したが、後に実際はFBI捜査官の指揮官的存在であることが発覚する。
『名探偵コナン』主人公の江戸川コナン（えどがわこなん）が追っている黒の組織に潜入捜査するFBI捜査官の赤井秀一（あかいしゅういち）が日本へ呼び寄せた。
初登場ではFBI捜査官ということを隠していたためわざとカタコトの日本語を話していたがそれは演技で、本当は日本語を流暢に話すことができる。
生まれはイギリス、ロンドンのベイカーストリートだが、育ちはシカゴであると自らがコナンに説明した。
見た目は白髪と白い口ひげが特徴的で、ゆっくり穏やかな話し方をする。
FBI捜査の間の指示や、捜査官が絡んだ事件が解決したあとの裏の手回しをしているかなりのやり手捜査官である。

ジェイムズ・ブラックのプロフィール・人物像

性別：男
年齢：不明（推定50～60歳）
職業：FBI捜査官
家族構成：不明
出身：ロンドン生まれ、シカゴ育ち
愛車：メルセデス・ベンツLCK

髪の毛は白であるが、初登場時は金髪だった。
のちにアニメ版でも白髪になっている。
FBI捜査官を長く務めているため、「人を見る目」には長けているという。
捜査本部の指揮をとるリーダー格存在である。

ジェイムズ・ブラックの来歴・活躍

ジェイムズ・ブラックの初登場

初登場は原作32巻で、ジェイムズはアニマルショーのスポンサー社長と外見が似ていたために、人間違いで拉致されてしまう。
拉致された際、自分の指を切って血を出し、もっていたストラップの文字「P」「&」「A」の部分を血で汚しメッセージを残していた。
それを見つけた『名探偵コナン』の主人公である見た目は小学生、頭脳は高校生の江戸川コナン（えどがわこなん）が、ジェイムズの拉致に気づく。
このメッセージはつなげると「P AND A」で「パンダ」となり、黒と白に塗られている車体のパトカーを連想させ、連れ去られた車がパトカーだというメッセージだった。
ジェイムズが推理力に長けているコナンに気づいてもらうため、とっさに残したものだった。
コナンは車で拉致されたジェイムズを助けるため、連絡先を知っている警視庁の佐藤美和子刑事（さとうみわこけいじ）、高木亘刑事（たかぎわたるけいじ）に連絡をして協力を得る。
一方ジェイムズは、拉致されていてもメッセージを残すくらい頭の回転が早く、冷静だった。
犯人は途中で、ジェイムズが本来拉致する予定だった人物のそっくりさんで、人違いで拉致したことに気づいてしまう。
誘拐は間違いなのでジェイムズは用無しとなり、すぐにでも殺されるかもしれない状況になるも、コナンの計画で犯人の車を警察車両が包囲する。
警察の合図で、犯人の車を包囲する全車両がブレーキを踏むと犯人の車も止まらざるを得なくなり、後部座席に座っていたジェイムズが運転席と助手席の間をすり抜け、両脇の犯人が背もたれにぶつかる。
犯人が顔を上げたときには包囲した警察が拳銃を向けている状態なので、犯人確保となる。
このコナンの作戦が行われる際に、ジェイムズは心の中のセリフを英語で実況していて、自分を助けるための計画を事細かに当てていた。
その表現から、ジェイムズがどうやらただの外国人ではないことは明らかである。
最後のシーンはジェイムズが警察の取り調べより前にさりげなくいなくなり、FBI捜査官である赤井秀一（あかいしゅういち）と合流して車に乗って逃げていた。
ここでジェイムズがただの外国人ではなく、FBI捜査官のメンバーだということが判明。
黒の組織を捕まえるために動いている赤井がジェイムズをアメリカから呼び寄せたとのこと。
赤井が敬語を話していたり、年齢的なこともあって、ジェイムズがFBIの上司ではないかということが読者の間で予測された。

第42巻-File11「雨中の刻印」

この回の直前の事件にて入院中の、FBI捜査官でジェイムズの部下であるジョディ。
ジョディが追っていたのは黒の組織のメンバーであり、ジョディの両親を殺した張本人のベルモット。
ベルモットは黒の組織から抜け出し、薬を飲んで幼児化した灰原哀（はいばらあい）を拉致して殺害するため逃げていた。
その後、銃撃戦になった末にジョディが拳銃で撃たれてしまったからである。
その病室にジェイムズが現れる。
ジョディから「日本の警察はあの説明で納得してくれましたか？」と聞かれたジェイムズは、黒の組織の犯行をただの誘拐事件だったと説得したと返事した。
日本の警察に内緒でFBI捜査官が潜入捜査していたことを隠すため、ジェイムズは事件の後始末を日本の警察に説明する役目をしていたことがわかる。

第57巻file7「赤と黒のクラッシュ（血縁、覚醒、撹乱、嫌疑、潔白、決死）」

アナウンサーの水無玲奈（みずなしれな）が実は黒の組織のメンバーの一人キールだったことが判明し、有名な議員を暗殺しようとしていた事件を食い止めたコナン。
しかしその事件の際に水無はバイク事故により意識不明の重体で、FBIが保護、組織にバレないように杯戸中央病院（はいどちゅうおうびょういん）に匿っている。
実は水無はCIAの諜報員で、黒の組織には潜入捜査をしていることがわかっている。
その杯戸中央病院で黒の組織のメンバーが目撃されたという情報を聞いたコナンは、急いで病院に向かう。
その際、ジョディと合流し、車の運転席にはジェイムズがいた。
アナウンサーとして一般人に有名な水無が実は組織に潜入しているCIA諜報員だということは完全に秘密事項である。
そんな危険な患者を匿うと病院が引き受けたのは、杯戸中央病院の院長が昔ロスで暴漢に襲われた時にジェイムズが助けて友人になったという過去があるため。
1コマだけ当時の様子の黒髪で若いジェイムズが描かれている。
ジェイムズは「まさか彼が大病院の院長になるとは思っていなかった」「いい事はやっておけということさ…」とコナンにアドバイスをする。
ちなみにこの57巻の背表紙にはジェイムズが描かれている。

第65巻-File3「運命の人」～FILE5「揺れる心」

FBI捜査官でジェイムズの部下であるキャメルの誕生日を祝うためコンビニでお酒を買いに来たジェイムズ、ジョディとキャメル。
そこでお酒のバーボンを見つけ黒の組織の新しいメンバーのコードネームも「バーボン」だったことを思い出す3人。
さらに、黒の組織に潜入が疑われて死んだ赤井秀一の話になる。
（のちに赤井は生きていて別人になりすましているがこの時点ではみんな赤井が死んだと思っている。）
キャメルは「赤井さんがいればバーボンなんて奴にビビることないんでしょうね」と話すとジョディが「ビビってなんかいない」と怒り出す。
実は潜入捜査をする以前はジョディと赤井は恋人だった。
空気の読めないキャメルに対しジェイムズは「少しは気を遣ってくれ！彼女にとって赤井くんはただのFBIの同僚じゃなかったんだから…」と叱る。
ジェイムズのセリフがより紳士的に聞こえるシーンである。

劇場版『ルパン三世VS名探偵コナンThe Movie』

劇場版コラボ作品として制作された映画。
FBI捜査官も出演する内容になっている。
ジェイムズはこの作品で『ルパン三世』のメンバーでセクシー女怪盗、峰不二子（みねふじこ）のファンであることが発覚。
スリーサイズまで知っているというかなりコアなファンぶりが描かれた。
不二子と直接会うというシーンでは、顔を赤らめ、こっそり写真を撮っていて、本編で描かれていた印象とは違ったジェイムズが見れる映画である。

劇場版第18弾『異次元の狙撃手（スナイパー）』

ベルツリータワー（東京スカイツリーのような展望観光施設）で狙撃事件が発生。
その狙撃事件に黒の組織が関わっていることがわかりFBI捜査官も物語に登場する。
この映画では沖矢昴（おきやすばる）が初登場。
ラストでは、ジェイムズが電話で何者かと話し、赤井の声で「了解」と返事をした相手が沖矢だった。
このシーンにて、沖矢が赤井であり、赤井は生きていて、ジェイムズもその事実を知っていたということが初めて明かされる。
原作では赤井は死んだことになっており、ファンの間では赤井が死んだことにして新キャラになりすましていると予想されていたが、長い間誰が赤井なのかわかっていなかった。
いつか原作で判明すると思われた赤井の正体が沖矢だということを映画のラストで描かれたことは、『名探偵コナン』の長い歴史の中でも今までの傾向になかったためファン歓喜の名場面である。

劇場版第20弾『純黒の悪夢（ナイトメア）』

記憶喪失でオッドアイ（目の色が左右違う）の女性と知り合ったコナンたちは、記憶を取り戻すために遊園地で一緒に人探しをすることになった。
その女性は黒の組織のメンバーで、FBI捜査官が登場するためジェイムズも出演する。