諸伏高明（名探偵コナン）とは【徹底解説・考察まとめ】

諸伏高明の概要

諸伏高明（もろふしたかあき）とは青山剛昌による推理漫画『名探偵コナン』の登場人物。長野県警刑事部捜査一課の刑事で階級は警部。東都大学法学部を首席で卒業するもキャリア試験を受けず、ノンキャリアとして長野県警本部に入った変わり者。同僚である大和勘助（やまとかんすけ）警部とは小学校時代からの同級生。幼いころから何かにつけて大和と競い合っていたらしい。そのほとんどは高明が勝っていた。知的な見た目通り推理力に優れており、知識も豊富。よく『三国志』に登場する賢人が残した教訓や中国の故事などを好んで使っている。そのため、大和からは「コウメイ」というあだ名で呼ばれおり、所轄時代には「諸葛亮孔明」をもじって「所轄のコウメイ刑事」とも呼ばれていた。一見冷静沈着に見られる高明だが、推理に入ると周りが見えなくなるほど没頭し、一度決めたら危険をも顧みずに突き進むという一面も持っている。大和と同様に江戸川コナン（えどがわこなん）の推理力を高く評価している。
名前の由来とモデルは『三国志』に登場する軍師・諸葛亮孔明と彼の別名・伏龍。

諸伏高明のプロフィール・人物像

年齢：35歳
容姿：先端が上に向いている眉・ハノ字の口髭が特徴
一人称：”私”ときどき”僕”
階級：警部
名前のモデル：『三国志』に登場する軍師”諸葛孔明”
家族構成：父・母・弟（全員すでに他界）

CV：速水奨

小学校時代から付き合いのある大和とは当時よく競い合い勝利していた。
小説家の小橋葵（こばしあおい）とも同級生で、彼女の書いた「2年A組の孔明君」に登場する少年探偵のモデルになっている。
葵は既婚者ですでに他界しているが今でも好意を持っているようで、彼女の書いた本を車のグローブボックスの中に今でも大切に入れている。
以前、大和が雪山で行方不明になった時は上司の命令を無視して強引に捜査を続行し大和の追う容疑者を確保。大和の入院先の病院を無事見つけ出したが、このことがきっかけで所轄へと異動になってしまった。しかしその後自力で県警本部に復帰する。
弟は公安部に所属していた諸伏景光（もろふしひろみつ）。両親が殺害された際に景光は東京の親戚に引き取られたため、離れて生活していた。お互い連絡し合っていたが、「警察をやめた」と聞いてから連絡が途切れてしまった。

諸伏高明の来歴・活躍

両親が殺害される

高明が中学校の林間学校で留守にしていた時、自宅では高明の両親と弟の景光が家族3人夕食をとっていた。
すると突然玄関のベルを乱暴にならす人が現れ、父親は玄関で、母親は当時小学1年の景光を押し入れに隠したあと殺害されてしまう。
景光は押し入れの中でそのまま眠ってしまい、翌日帰宅した高明が景光を発見した。その後、景光は東京の親戚に預けられることになり兄弟は離れ離れに。
この事件がきっかけで2人は警察官を目指すことを決意し高明は長野県警、景光は警視庁に就職。高明が長野県にとどまったのは未解決の両親の事件を追うためだと思われる。
連絡はたびたび取り合っており、景光はともに警察を目指す友人として降谷零（ふるやれい）を紹介したこともある。
しかしある日突然「警察をやめた」と連絡があってから音信不通になってしまった。

大和と意見が食い違う

ある別荘で殺人事件が起きた。殺害された男性は愛人とその貸別荘に旅行に来ていたのだが、そこに奥さんが包丁を持って乗り込んできた。騒ぎを聞いた警官が駆け付けると部屋の中は血の海。奥さんが来ていた白いレインコートも真っ赤に染まるほどご主人を包丁で刺し続けいていた。そのため奥さんは”赤女”と呼ばれるようになり、この事件は”赤女の事件”と名付けられた。
その2年後、警察学校の研修で捜査に加わっていた大和と高明は逃走中の”赤女”と思われる白骨を沼の中から見つける。
しかし当時、DNA鑑定しようにも赤女は自宅を燃やしていたため遺物がなく調べる方法がなかったため、その白骨が誰の者か分からなかった。
大和はこの白骨遺体は赤女ではないと考えたが、高明はそれを否定。この遺体は赤女であると言ったため意見が食い違った。
それ以来、2人は事ある毎にこの件に関して言い争っている。

所轄に異動

大和が事件の容疑者を追っていたところ、雪崩に巻き込まれ行方不明になってしまう。
その事を知った高明は上司の反対を押し切って強引な捜査を開始。無事容疑者を確保し、大和が入院している病院を見つけることができたがその責任として所轄へと異動になった。
この時のことに大和は少なからず罪悪感を持っているようで、高明が本部へと復帰できるように模索したと思われる。

コナンとの初対面

長野県にある古い館で先日1人の遺体が発見された。被害者は館の住人・明石周作（あかししゅうさく）。一室に閉じ込められ餓死していたのだ。その部屋の壁一面はスプレーで赤く塗りつぶされており、これは被害者のダイイングメッセージだと考えられた。しかし、捜査は難攻。長野県警の大和警部と上原由衣（うえはらゆい）刑事は知恵を借りるために東京に出向き毛利小五郎（もうりこごろう）に捜査協力を依頼。江戸川コナン（えどがわこなん）と毛利蘭（もうりらん）と共に事件現場に向かった。

今回の事件はの発端は3年前に心臓発作で亡くなった小橋葵（こばしあおい）。殺害された明石の妻だ。明石は葵が倒れたとき部屋にこもって絵を描いていたため、その事を恨んだ人物の犯行だと思われた。容疑者はこの館に以前一緒に住んでいた翠川尚樹（みどりかわなおき）・山吹紹二（やまぶきしょうじ）・百瀬卓人（ももせたくと）・直木司朗（なおきしろう）の4人。事件の詳細を聞いていると”コウメイ”と呼ばれる男がやってきた。「姓は諸伏、名は高明…あだ名は音読みでコウメイ…以後…お見知り置きを…」と自己紹介した男は第一発見者で新野警察署に勤務する警部だという。そんな高明も加えて捜査をしていると、第2の事件が起きてしまった。直木司朗が自宅アパートで殺害されたのだ。その部屋も壁一面が赤く塗りつぶされていたが、犯人がわざわざ第1被害者のダイイングメッセージを残す意味が分からず捜査はさらに難航していく。しかしその後、1人で第1事件の現場へと向かった高明はダイイングメッセージの謎を解くことに成功。大和へと連絡しようとするが、その前に犯人の手により気絶させられ館に火をつけられてしまう。間一髪のところで由衣が救出したため一命をとりとめた。

病院内で蘭の言った何気ない一言でダイイングメッセージの意味が分かった大和とコナン、そして意識を取り戻した高明の3人だったが決定的な証拠がない。そのため「空城の計」を参考にした罠を仕掛けることにした。（空城の計とはわざと隙を作って逆に相手に警戒心を抱かせ、そこに相手を寄せ付けないようにする戦略）その際、コナン達は様々な犯罪者を演じることで犯人を油断させ逮捕に至ったが、その時の高明の演技がうますぎることが話題になった。
ダイイングメッセージは補色残像を用いたもので赤い壁を見た後白い壁を見ると浮かび上がる色が犯人を指すというもの。そのため、みどりが名前に入っている翠川尚樹が今回の事件の犯人だった。3年前、葵は明石が描いた自身の肖像画を探しているときに亡くなった。しかしその肖像画は明石が塗りつぶして別の肖像画を描いていたらしい。葵に好意を持っていた翠川はその事実を知り犯行に及んだ。司朗を殺したのは自身が犯人だと気づかれゆすられたため。そして高明を襲ったのは高明が葵の小説「2年A組孔明君」に登場する少年探偵・孔明君のモデルになった人物だと知ったためだった。
翠川逮捕後、大和は今回の事件は高明が先に犯人にたどり着いたから報告を書くように言う。しかし、大和の本当の狙いは高明を本部に復帰させるために手柄を渡すことで、コナンをそばに置いたのは事件解決の手助けになると考えたからだった。だが高明はそんな大和の思惑はとっくに気づいており、嫌味を添えてそれを拒絶する。大和は怒って帰ってしまったが、コナンに会わせてくれたことだけは感謝している。

本部へ復帰

西の高校生探偵・服部平治（はっとりへいじ）とコナンが訪れた住宅で殺人事件が発生した。すると被害者の父親も先月軽井沢の別荘で殺害されており、手がかりを求めて平治は大和に連絡をとる。すると、大和は高明と共に現場に残されたダイイングメッセージを発見したらしく、父親殺しの犯人は東京で殺害された息子であることが判明。連続殺人事件だと考えていたために難航していた捜査はこの事実により解決まで導かれ、東京での犯行は軽井沢で殺された被害者の復讐だということが分かった。
ちなみにこの日から、高明は本部に復帰。そのことを知らなかった大和は最初、所轄は帰れと怒鳴ったが高明は”自力”で復帰したことを強調して言い返した。

”赤女の事件”解決

赤女の事件が起きてから15年たったころに、容疑者の母親が死亡し容疑者のへその緒を隠し持っていたことが分かった。
そのへその緒を用い、DNA鑑定したところ13年前に見つかった白骨遺体は容疑者の者であることが判明した。だが、この15年近くの別荘で何度も空き巣被害が起きていたり、白骨遺体と共に錆びてもいない凶器の包丁が見つかっていたことから大和は納得しなかった。
そのため、当時容疑者を見ていた元制服警官に高明と共に話を聞きに行くと当時の調書に間違いがあることが発覚。白骨遺体は容疑者の者で、15年間空き巣を繰り返し森の中に潜んでいたのは被害者の愛人であることが分かった。

長野県刑事連続殺人事件

ある日、長野県に来ていた小五郎・蘭・コナンは偶然長野県警の大和・由衣・高明と出会い、観光地を案内してもらうことになった。
しかしその途中、赤く染まっていく川を目撃。いそいで駆けつけると川には生首が浮かんでいた。手繰り寄せて顔を確認した大和はその首が長野県警捜査一課竹田班班長の竹田繁（たけだしげる）警部だと言う。竹田の額には×印がつけられており、近くでは首のない焼死体が発見された。かろうじて焼け残っていた足の指でDNA鑑定したところ竹田のものと一致。警察を恨んだ犯行だと考えた長野県警は、過去の捜査資料から竹田を恨んでいる人物がいないか捜査した。その結果、竹田が9年前と半年前に被疑者を射殺していることが分かった。しかし、被疑者の家族は80歳を超える祖母しか残っておらず犯行は不可能。捜査は停滞していた。ちなみにその時、秋山に”2人は大親友”だと言われた大和と高明は機嫌を悪くし別れて捜査を始めた。
だがその間にも犯行は続き、竹田班に所属する鹿野昌次（かのしょうじ）警部補が自宅で絞殺される。同じく竹田班に所属する秋山信介（あきやましんすけ）巡査部長は車に引きずられて崖から転落し、目視できたのは首のない遺体だけだった。さらにどの現場からも大和が犯人だと裏付ける証拠がみつかった。動機として考えられたのは9年前に竹田が被疑者を殺害した事件。実はその被疑者は大和の幼馴染だったのだ。しかも事件当時竹田班に所属していた大和は、幼馴染が射殺されるその瞬間を目の前で見ていたらしい。
これらのことから長野県警は犯人は大和だと断定し、指名手配をかけた。そのあと高明の携帯に大和から「往く事は流れの如し」と書かれたメールが届いた為、高明は大和の身を案じていた。（「往く事は流れの如し」軍師山本勘助が責任を感じて敵軍に突撃し命を落とす前に残した言葉）
実はこの指名手配は犯人を油断させ、おびき寄せるための罠。そのことに気がつかなかった犯人は大和に罪を着せ殺害するため、大和の前に現れた。
その犯人は3人目の被害者だと思われていた秋山信介だった。崖の上から見ていた遺体は秋山ではなく竹田の切り離された胴体。最初に見つかった焼死体は手配中の強盗犯のもので、竹田の遺体だと思わせるために足の指だけ焼け残るように細工していた。大和と高明に”大親友”だと言ったのも喧嘩させて大和に単独行動をとらせるためだった。
動機は9年前の事件。被疑者が乱射した弾が秋山の妹に当たり亡くなってしまうのだが、その時使用された銃が竹田達が売りさばいてものだったのだ。その事実を知った秋山は妹を死に追いやった原因を作っておきながらのうのうと生きている連中に復讐を決意。犯行に及んだ。大和は銃の横流しには関与していなかったが、被疑者が大和の幼馴染だったため罪をかぶせて殺害しようとしていた。しかしそれは失敗に終わり、秋山は逮捕された。

キッドvs高明

高明は自分宛だと思われる封筒を確認するため本庁に訪れていたが、ちょうど担当者が出払っていたため後日また来ることになった。
そんな時、キッド捕獲作戦に頭を悩ませている鈴木財閥相談役・鈴木次郎吉（すずきじろきち）と出会い、氷柱の中に宝石を入れて展示することを提案する。
犯行予告日、高明はキッドの狙う宝石”妖精の唇”が展示されているミュージアムにやってきた。そこにはコナンや平治もおり、キッドは犯行を諦めかけるがその直後に「その宝石は自分の祖父が貰ったもので、明日行われる祖母の葬儀の際に棺桶にいれてたい」と主張する山本萌奈（やまもともえな）が現れた。しかし、宝石の持ち主である鳥越苗路（とりごえなえじ）は山本を軽くあしらい追い出してしまった。キッドはそんな彼女の願いを叶えるために今夜の犯行を決意。捜査二課の刑部・中森銀三（なかもりぎんぞう）を利用し今夜0時に宝石を盗むという内容の予告状を出したが、高明はキッドが今犯行の決行を決めたこと見破った。
0時になるとキッドは煙幕とシートを使い氷柱を隠すと、10分間で氷柱の中に無数の妖精の唇を出現させた。氷柱中央には大きな穴があり、本物の宝石はすでに盗まれたと思われた。
しかし実は宝石はまだ氷柱の中にあり、キッドの狙いは変装してその場に留まり氷柱が解けてから本物を盗み出すことだった。そんなキッドの変装や思惑にコナンと高明は気づいていたが、妖精の唇を本当の持ち主に帰すためにわざと見逃す。
ちなみにこの時、平治は幼馴染で思い人の遠山和葉（とおやまかずは）にメロメロでへっぽこ探偵になり果てていた。（和葉はキッドの変装）