信長協奏曲(信コン)のネタバレ解説・考察まとめ

『信長協奏曲』は2009年から『ゲッサン』(小学館)で石井あゆみが連載中の歴史漫画であり、第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞した。2014年からはフジテレビ開局55周年プロジェクトとしてアニメ・実写ドラマ・実写映画化を果たしている。勉強が苦手な普通の高校生サブローが、川沿いで足を滑らせて戦国時代にタイムスリップしてしまうところから物語は始まる。そこで出会ったサブローに瓜二つの織田信長に頼まれて、身代わりとして乱世を生きていくことになってしまう。

『信長協奏曲』の概要

『信長協奏曲』は石井あゆみが『ゲッサン』(小学館)で2009年から連載中の歴史漫画及び、それを原作としたアニメ・実写ドラマ・映画のことである。
原作である漫画『信長協奏曲』は第57回小学館漫画賞少年向け部門を受賞しており、2014年にはアニメ・実写ドラマが制作された。その後、2016年には実写ドラマの主演である小栗旬らのキャストで制作された実写映画が公開されている。
勉強嫌いな平成の高校生サブローは、学校の帰り道に足を滑らせて転落してしまう。その拍子に戦国時代へタイムスリップし、偶然にも馬に乗った織田信長の上に落下する。顔を上げたサブローの前には、自分にそっくりの織田信長がいた。咳き込む病弱そうな信長に「わしの身代わりになれ」と告げられ、後に続いていた家臣によって城に連れて帰られてからは、あっという間に織田信長として生きていくことになってしまった。織田家がまだ歴史の表舞台に出ていない時代に、サブローは己に降りかかる困難を飄々とかわしながら突飛な発想で戦に挑む。豊臣秀吉や徳川家康、明智光秀も登場して複雑に絡み合う戦国の世の人間関係や、歴史上の有名な戦いを高校生サブローの新鮮な視点で描く戦国青春記。

『信長協奏曲』のあらすじ・ストーリー

織田信長との出会い、天下統一の大望

高校1年生のサブローは、勉強嫌いで授業中はふざけてばかりだった。ある日の帰り道に川沿いで足を滑らせて転落してしまい、戦国時代にタイムスリップする。落下したのは騎乗の織田信長の上であり、その顔はサブローそっくりであった。信長は苦しそうに咳き込んでおり、城から逃げている様子でサブローにかまっている暇はなさそうだった。出会ったばかりのサブローに信長は、「わしの身代わりになれ」と告げて持っていた脇差を渡して行ってしまう。サブローは信長を追ってきた家臣の池田恒興(いけだつねおき)に見つかり、信長に瓜二つの顔のせいで尾張の那古野城に連れていかれる。

自由奔放に振る舞うサブローと、振り回される池田恒興。

城でサブローは信長の妻である帰蝶(きちょう)に出会い、夫婦仲を取り戻すために城外へデートに繰り出す。今まで品行方正で病弱な信長しか知らない家臣たちは、木に登り、魚を捕まえて子供と相撲をとるサブローに対して「うつけ者」と揶揄する者もいた。信長の乳兄弟で世話役をしていた池田恒興も、サブローの奇行を受けとめられずにいた。遂にデート中のサブローを「うつけの主君はいらぬ」と切りつけてしまう。しかし、持ち前の運動神経でかわしたサブローに「信長は天下を取る男だぞ」と言われ、その大望に感動してからはサブローの言動を少しずつ受け入れるようになる。

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瀕死の平手がサブローに遺言を伝える。

サブローの奇行に悩む家臣がもう一人いた。平手政秀(ひらてまさひで)は信長の教育係として、また織田家の家臣として長く仕えてきた。タイムスリップから既に2年が過ぎており、その頃には嫡男の信長に織田家の家督がうつっていた。相変わらずデートに出かけるサブローは、先々で見つけた元気な若者を気に入って家臣として召し抱えていくことも多く、このことも平手を悩ませていた。そこで、家臣の採用面接が急遽行われることになり、平手が面接官となって選別をしていった。面接も終わりに近づいた頃、現れた商家の息子だと名乗る男(後の羽柴秀吉)を忍だと見抜いた平手は、その男を追い払ってしまう。その後秀吉は平手の暗殺をもくろみ、実行に成功する。絶命寸前に、平手は駆けつけたサブローへ「天下をとりなされ」という遺言を遺す。このことにより、サブローは一段と強く「天下統一」を心に誓うようになる。

弟の裏切り、斉藤道三との出会い

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信行の信長への反発は家督を継いでからも続いた。

サブローが信長として振る舞うようになって、家臣と同様に親族も「うつけ」としてサブローを扱うようになる。家督が移る少し前から、信長の弟にあたる織田信行は突然言動のおかしくなった信長をみて、殺害する好機と捉えて謀反を繰り返すようになる。ある時はデート中の信長の妻である帰蝶を人質にしたり、家督が移ってからも間者に唆されて兵をあげたりしていた。初めは信行側についていた有力家臣の柴田勝家(しばたかついえ)も、天下を取る大望を抱く信長と兄を潰すことしか考えていない信行の器の違いを垣間見るうちに、信長側へと変わった。そんな折に信長の元を訪れた信行は、池田恒興・柴田勝家両人に斬りかかられて信長の目前で自害する。

道三は30年前に戦国時代にタイムスリップしていた。

周囲がサブローの振る舞いに動揺していた頃、うつけ者に興味を持ったのは帰蝶の父、斉藤道三(さいとうどうざん)である。道三からの会見の申し入れを受けたサブローは、帰蝶の故郷でもある美濃へと出発する。美濃のマムシと恐れられている道三との会見は粗相があってはならないが、アクシデントにより遅れて到着してしまう。加えて、サブローはタイムスリップ時の制服姿で登場した。衝撃を受けた道三であったが、信長と二人で話したいと告げる。しばらくして広間には、制服姿のサブローと警官服の斉藤道三がいた。道三も未来からタイムスリップしてきたようで、境遇の同じサブローへの好意として警官帽を渡して会見を終える。

その後織田が尾張の最大勢力となった頃、美濃斉藤家では父子親子の対立が一層深まっていた。いよいよ戦となった時に、父である道三側に着く家臣は少なく勝ち目はなかった。事態を聞きつけたサブローは援軍として美濃へ向かう。しかしその道中に道三の死を知り、形見としてピストルと未来に置いてきたもう一人の娘への手紙を受け取ることになる。

桶狭間の戦い

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今川戦ではサブローの信長としてのカリスマ性が垣間見えた。

しばらくして、織田家の統治する尾張を上洛するために今川軍4万が通るとの知らせが届く。もし戦にでもなれば、織田の兵はせいぜい3千であるため勝ち目はない。緊急事態にもかかわらず、サブローは領内へデートに出かけていた。そこで何やら村の若者に指示を出しており、そのうち一人をリーダーに命名する。織田家の家臣団は、この一大事に呑気に夕食を取って早々に寝所に向かうサブローに、何の考えもないと確信していた。しかし、夜がふけてきた頃サブローにリーダーから知らせが届く。サブローは今川側に村人を忍ばせ、情報を探っていた。今川義元の居所を掴んだサブローは、まだ整っていないわずかな手勢で大将を直接叩く作戦に出る。タイミングよく降ってきた雨で散り散りになった今川軍の間を縫い、一気に大将に攻め込むサブローの突飛なアイデアでこの戦を見事勝利で終わらせることができた。

美濃奪取

帰蝶の故郷である美濃は道三の死後息子が治めていたが、息子も病死しその子へと受け継がれていた。サブローの尾張統一の次なる目標は、隣国美濃の攻略であった。しかし、国境にある稲葉山城がなかなか陥せず、連敗が続いていた。一方難攻不落の山城、稲葉山城には道三の孫に当たる斉藤竜興(さいとうたつおき)がおり、酒と女に溺れる生活をしていた。斉藤家の家臣である竹中半兵衛(たけなかはんべえ)はそんな殿にも嫌気がさし、「本当に誰にも陥せぬのか、この手で試してみとうなりましてな」といって城を占拠してしまう。サブローにもこの事件は伝わり、半兵衛に城を譲ってくれるよう頼みにいくがフラれてしまう。

一夜城を成功させた藤吉郎は「秀吉」と名乗り、織田家家臣として大出世を果たす。

サブローは半兵衛の城攻めの方法により、内部から城を陥すことを考える。美濃衆を織田に取り入れるために何か策はないか、偶然居合わせた木下藤吉郎(後の羽柴秀吉)にサブローが尋ねたことで、一夜城を造る妙案が誕生する。馬の世話などの雑用をしていた藤吉郎は、織田家でのし上がるタイミングを狙っていた。藤吉郎の提案を快諾したサブローは、家臣たちの注意も聞かず築城資金をたっぷり渡す。その金でならず者たちを集めた藤吉郎は、一夜にして美濃との国境に砦を築いてしまった。この一夜城が織田の力を示し、美濃三人衆が織田へ寝返る決め手となった。

一夜城に動揺した斉藤竜興は、急いで兵を出すがその騒ぎに乗じて斉藤家重臣の美濃三人衆が稲葉山城を占拠する。そして、サブローは前々から手紙によって美濃三人衆を調略し、織田に取り入れていた。遂に、美濃と稲葉山城は織田の領地となる。

明智光秀の登場と上洛

光秀はサブローとそっくりな顔を普段は布で隠しており、光秀だけがサブローの本名を知る。

サブローが信長になって数年が経ったある日、帰蝶とのデート中に突然サブローは誘拐されてしまう。捕らわれたサブローの目の前に現れたのは、明智光秀と名乗る本物の織田信長であった。乱世から逃れるためにしばらく放浪していた光秀は、自分の託した織田家をここまで大きくしたサブローの力になりたいと考えていた。「家臣としてそばで支えさせて欲しい」という光秀の頼みをサブローは「いーよー」と即答する。また、サブローとそっくりの光秀は顔を隠すために頭巾をかぶって普段は過ごし、サブローと二人きりの時はサブローの要望で「サブロー」と呼ぶことになった。無事に家臣となった光秀の足利義昭(あしかがよしあき)とのつながりから、サブローは将軍後継者を擁して上洛する計画を実行に移していく。

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