絶園のテンペスト(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『絶園のテンペスト』とは2009年から城平京(原作)、左有秀(構成)、彩崎廉(作画)が『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載していたファンタジー漫画及び、それをもとにしたアニメ作品である。ひとりの少女を殺された二人の少年たちの復讐の旅と、現代に生きる魔法使いたちの争いを描いたミステリー要素を含むファンタジーで、作中はシェイクスピア作品から引用されたセリフが多い。伏線だけでなく、バトルアクションや主人公たちの心理戦を巧みに描いた作品。

『絶園のテンペスト』の概要

『絶園のテンペスト』とは2009年から2013年までが『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載していた漫画およびそれを原作としたアニメ作品。城平京(原作)、左有秀(構成)、彩崎廉(作画)の3人による作品で、原作は推理漫画『スパイラル~推理の絆~』の著者で知られる城平京が担当している。
単行本は全10巻が刊行されている。テレビアニメ化は『月刊少年ガンガン』2012年6月号で発表され、2012年10月にアニメ放送がスタート開始。本編の最終話までがアニメ化されている。

ある日不破真広の義妹不破愛花が強盗に殺されるてしまう。真広は、鎖部葉風の魔法で犯人を探すために、葉風と契約を交わして失踪する。愛花と交際していた滝川吉野は、友人である真広の復讐劇に巻き込まれていく。タイトルにもあるように、劇中にはシェイクスピア作品の『ハムレット』や『テンペスト』から引用されたセリフが数多くある。謎解きのヒントとなる伏線が張られているだけでなく、バトルアクションや主人公たちの駆け引きを描いた作品。

『絶園のテンペスト』のあらすじ・ストーリー

謎の女性と遭遇する

真広と山本が戦っている

ある日、高校生の滝川吉野は蒸発した同級生の不破真広を尋ねてやって来たエヴァンジェリン山本と名乗る女性と出会う。エヴァンジェリンは、世界各地で多発している異常現象「黒鉄病(くろがねびょう)」に真広が関与していると予想して、銃を突きつけて吉野に迫るが、そこに真広が現れる。

鎖部一族を追う

黒鉄病が発生した町

真広は、妹の不破愛花が殺された未解決の殺人事件を魔法で犯人を探してもらう事を条件に、孤島に閉じ込められた魔法使いの鎖部葉風と取引をする。真広が到着するやいなや、人が金属化する現象である黒鉄病が発生する。

しばらく実家を空けていた真広だが、葉風の魔法によって愛花を殺した者を探るために実家に帰ってくる。葉風の魔法で愛花を殺した犯人を探すために、犯人が確実にいたであろう場所から外見と逃走経路を割り出そうとする。しかし葉風の魔法を利用してみたところ、葉風と敵対する「鎖部一族」と判明し、真広と吉野は葉風と共に「鎖部一族」を追う。

潤一郎から聞かされる驚愕の事実

出迎えてくれる潤一郎

葉風は何らかの理由で魔法が使えなくなった非常時の時のために、一族の者にも気づかれないようにあらかじめ魔具を隠していた。吉野と真広は、「鎖部一族」と対抗するため、葉風の魔法の力を封じた特別製の魔具の回収するために、魔具を預かっていた星村潤一郎のもとを訪れる。

そこで二人は葉風が死んでいるという驚愕の事実を知らされ、困惑する。そして吉野は真広と葉風に気づかれないように、エヴァンジェリン山本と通じ、政府に情報を流出させる。復讐に燃える真広を危惧した吉野は政府に情報を渡し、「鎖部一族」に逆襲する用意を手配する。

左門との直接対決

対峙した時の左門

政府と「鎖部一族」と真広、3つの勢力が揃った状況で吉野と真広は遂に「鎖部一族」の長、鎖部左門と遭遇する。左門は「自分達のエゴではなく、世界を守るために自分達の崇める『はじまりの樹』と対となる『絶園の樹』を復活させる」と語り、自らの正当性を訴える。さらに左門により葉風は二年前に死に、現在の二人が話している葉風は過去から声を届けているだけだと明らかになる。左門は吉野と真広に対して、葉風の遺骨を見せ付け、それを魔具で連絡を取り合っている葉風に聞かせて死を悟らせる。

真広は、世界の行く末も葉風の運命にも興味を示さない。葉風が死んでいるのなら取引をする必要のない真広は、左門に愛花を殺した犯人を捜させようとする。左門は承諾して、部下に電話して鎖部一族で愛花を殺した犯人を調べさせることとなった。真広と左門の取引が成立することで、左門が世界を滅ぼす力を秘めている「絶園の樹」が復活させて、世界が滅んでしまう道へ進んでしまう。吉野は、真広が自分の欲望を叶えるために、世界の命運を考えることなく葉風を見捨てる状況を「悲劇」のようだと考える。

愛花から『テンペスト』の話を聞く

吉野はかつて愛花とシェイクスピアの作品について話していた過去をふと思い出す。同じ復讐劇だが「悲劇」とされる『ハムレット』と対比してハッピーエンドを迎える『テンペスト』の作品の話をしていたことを思い出して、現状を「悲劇」ではない物語にできるのではないかと考える。そこで吉野は葉風を助けようとして、左門に対してハッタリをかける。吉野は左門と真広に対して、死者である愛花を生き返らせることは不可能だが、2年前の時空間にいる葉風を現在の時空間に呼び戻せるというのだ。葉風を見捨てようとしている真広は吉野の主張に聞く耳を持とうとしなかったが、吉野は真広が葉風側につくならば、愛花の彼氏が誰だったかを教えてやると持ちかけて話を聞こうとしだす。この吉野のハッタリは無茶な仮説をわざと左門にぶつけて動揺させることで、葉風を立ち直らせるだけでなく真広までも葉風側につく気にさせたのだった。

そこで吉野は葉風が封じ込められた2年の「時間の檻」の穴を突く。そこに左門の部下から「鎖部一族に殺人を犯した者はいない」という知らせが届いたことで、真広は取り乱し、葉風は自らと対になる「絶園の魔法使い」の存在に思い至る。その理由としては、探査したときに魔法の網に誰も引っ掛からなかったからである。人を殺すという理を破れば「はじまりの樹」の網から逃れることが不可能であるからだ。しかし網に引っ掛からない理由の例外として、「はじまりの樹」に許された人ということで鎖部一族の人間が愛花を殺したのだと考えられてきた。

鎖部一族にとっては殺人という行為は禁忌とされている。鎖部一族の人間がその手で人を殺せば、反動として魔法が使えなくなり再び使えるようになるためには「はじまりの樹」に許しをこう儀式をおこなう必要がある。しかもその儀式を行ったかどうかは、一族で高い地位にある者が調べればすぐ分かる仕組みとなっている。そこで葉風は、「はじまりの樹」に従わない者であり、理を犯しても罪にならぬ者の存在として破壊を理とする「絶園の魔法使い」の存在について仮説を立てる。

「絶園の樹」の復活をしはじめると、創造の力を持つが休眠中だった「はじまりの樹」が覚醒して街中にも出現するようになる。「絶園の樹」と「はじまりの樹」がお互いを滅ぼそうと争っていると、葉風は遂に「時間の檻」を破って、2年前の世界から現在の世界にやってくる。しかし2本の樹による争いが世界規模の大災害を引き起こしたため、人類は滅亡の危機に陥いる。「はじまりの樹」の攻撃によって吉野と真広も致命傷を負うが、葉風が2人を助けつつ「絶園の樹」と「はじまりの樹」の争いを鎮めるため尽力する。

「絶園の樹」と「はじまりの樹」の争いが収束

目を覚ます真広

致命傷を負った吉野と真広がベットの上で目を覚ましたのは、「絶園の樹」と「はじまりの樹」の争いが収束した1か月後だった。真広と吉野は別行動をしていたが、「絶園の樹」と「はじまりの樹」の争いが葉風によって鎮められた事実を聞かされる。真広は黒鉄病対策本部長補佐を行っていた早河巧の家でしばらく療養していたため、早河と初めて顔を合わせる。

「はじまりの樹」は天文学的な被害をもたらすのと同時に、人々の争いや兵器を消滅させ、多くの恵みを人類に与えていた。そして「はじまりの樹」と「絶園の樹」を抑えた葉風は、吉野に恋心を抱くようになる。葉風が「時間の檻」に縛られて諦めかけていたときに、自分のことを励まし助けてくれた吉野に葉風は心を許すようになる。一方で左門達は、吉野と葉風の2人の関係性は意図せずも世界の行く末を握ってしまうとして問題視する。

葉風の吉野への恋心

「絶園の魔法使い」の力を見せる羽村

左門と早河巧は協力して、共に「はじまりの樹」と「絶園の樹」の問題について考えていると、吉野から「絶園の魔法使い」を発見したと連絡を受ける。吉野が葉風と行動を共にしている最中に出会った青年の羽村めぐむはどう見ても気弱な人物だった。彼が殺人が出来なさそうなタイプであることと愛花が殺害された当日にアリバイがあった事で、事件の犯人探しは振り出しに戻る。一方、葉風は潤一郎と話している中で、吉野へ恋心を抱いていることを指摘される。そこで葉風は吉野に恋愛感情を抱いていることを自覚する。葉風は「はじまりの樹」に加護を受けているため 、「はじまりの樹」が吉野の彼女に危害を及ぼす可能性を考えて、自らの過酷な運命に吉野を巻き込まないためにも、吉野への恋心を諦めようと決心をする。しかし葉風はますます吉野を好きになってしまう。葉風は、自らの思いを吉野に打ち明けてあきらめようとすると、吉野の彼女が愛花であったことと愛花と恋人関係であったことを真広を含めて秘密にしていた真実を知ってしまう。葉風は人の運命をもてあそぶ「はじまりの樹」を打倒する事を誓う。

「絶園の魔法使い」の存在

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