絶園のテンペスト(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『絶園のテンペスト』とは2009年から城平京(原作)、左有秀(構成)、彩崎廉(作画)が『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載していたファンタジー漫画及び、それをもとにしたアニメ作品である。ひとりの少女を殺された二人の少年たちの復讐の旅と、現代に生きる魔法使いたちの争いを描いたミステリー要素を含むファンタジーで、作中はシェイクスピア作品から引用されたセリフが多い。伏線だけでなく、バトルアクションや主人公たちの心理戦を巧みに描いた作品。

吉野が隠している彼女の存在について話している様子

左門と早河の企てよって、羽村は「絶園の魔法使い」として大掛かりにアナウンスされてしまう。「はじまりの樹」の支配に対抗する存在が出現したことで、羽村が「はじまりの樹」に抗うための準備を整える事に成功する。
「はじまりの樹」の加護を受けているため、抜きんでた力を持つ葉風は、「はじまりの樹」倒すために羽村を鍛えるべく戦いに乱入した。
左門と早河、真広は羽村の「絶園の魔法使い」らしくない姿を見て、どこかに「絶園の魔法使い」の心を持つ存在がいるのではないかと考えるようになる。そしてその疑惑が吉野へと向けられた事をきっかけにして、真広は吉野の彼女が愛花であるという真実にたどり着く。まるで愛花の死からすべてが狂い、誰かの策略通りに現在の状況が演出されているかのような雰囲気に異様さを感じて、真実を究明する事を決意する。

「不破愛花殺人事件」の真実

愛花とタイムスリップした葉風が戦う様子

吉野が隠し続けていた秘密と噓に気づいた真広は吉野と墓場で遭遇する。そして愛花について本音を語り合った二人は、円満な和解を果たした。

一方、世界は「はじまりの樹」と「絶園の樹」、どちらが正義かわからず決めきれずにいた。この錯乱した状況を解く鍵が、すべてが狂い始めたきっかけである「不破愛花殺人事件」にあると考えた葉風は、「時間の檻」を脱出した際に使った魔法を応用して、愛花が殺される事件を自分の目で直接確かめるために時間移動をする。 葉風は無事に愛花が殺される前にタイムスリップをする。そこで葉風は、愛花が不審な動きをすることに気づく。葉風は愛花と直接話をして、愛花が羽村の前の「絶園の魔法使い」であると判明する。葉風から世界の現状を知った愛花は、自殺をする。

「はじまりの樹」を滅する決意

真広と吉野が戦う姿

その頃、現在の時間軸では巨大な「はじまりの樹」が太平洋上に出現して、人々は臆するようになる。世論は一気に「はじまりの樹」擁護説へと傾くが、真相を明らかにした者達は「はじまりの樹」は人類に課した最終試験であり、「はじまりの樹」から自立できなければ、人類の文明は10年以内に消滅すると語る。「はじまりの樹」を滅する決意を固める。本来ならば、「はじまりの樹」を破壊するべきだという世論を作り、国際的に意見をまとめるべきであろうが、時間的余裕もないし可能といえる状況ではない。そこで「はじまりの樹」を倒すにあたり、7人は太平洋上に出現した「はじまりの樹」のコアである「御柱」を破壊する決断をする。「不破愛花殺人事件」を見届けた葉風も現代に合流して、「絶園の魔法使い」である羽村と手を組んで最後の戦いに挑む。「御柱」には、各国から100隻の軍艦が護衛として集まっており、二人は犠牲を出さぬため、できる限り軍艦への攻撃せずに「御柱」を消滅させなければならない。この無理難題に真広は「絶園の魔法使い」と対立する存在である謎の魔法使い「舞姫」が争っている様子に目を引きつけている間に御柱を破壊させる一つの奇策を提案して、葉風と羽村に実行を求める。「はじまりの樹」によって作られた偽りの楽園を絶つために、夏村・山本・葉風・潤一郎・左門・羽村・哲馬の7人は己にできる全力を尽くして戦う。

御柱破壊のために7人は戦う。絶園の樹に異常発生して羽村が限界を感じたところで、絶園の樹の中から樹をモチーフにした武器が出てくる。羽村がその武器を用いて、呪文を唱えると御柱は破壊され世界中に蝶が舞い始める。

「はじまりの樹」を倒した、その後

愛花が最期に残したビデオメッセージの様子

「はじまりの樹」を倒した一行は解散し、それぞれ日常の生活に戻る。真広に助けられた少女の林美森は再び真広に会うため奔走し、平和になった日常の中、早河巧はエヴァンジェリン山本と出会った日を思い返す。そしてエヴァンジェリンは左門と付き合い始め、新たな生活を始めていた。
大学に合格した真広と吉野を魔法の力を失った葉風が出迎える。3人で合流して墓参りに向かうため免許をとったばかりの葉風の車に乗り込む。移動中、葉風は「はじまりの樹」を倒したあとに読んで欲しいと愛花に託された手紙の内容について尋ねる。そのメッセージにはパソコンにつなぐメモリーが入っていた。そのメッセージは自殺を仄めかすにもかかわらず最後に冗談を言う愛花らしい洒落っけのある別れの言葉だった。そして墓参りを終えた真広は林美森と付き合い始めたことを吉野と葉風に紹介する。その様子をみた葉風は吉野に本気で付き合わないかと尋ねるが、吉野は本気として受け入れない。そんな4人と羽村と合流して物語は終わりを迎える。

『絶園のテンペスト』の登場人物・キャラクター

主要人物

滝川 吉野(たきがわ よしの)

CV: 内山昂輝、桑島法子(小学生時代)
本作の主人公の1人。高校3年生で、右側頭部にヘアピンを付けた茶髪のイケメン。
温和で心優しい性格で良識的な部分もあるが、覚悟を決めた時は非情な手段を取ることもある。
愛花から生前送られたメールを何度も繰り返し見ている。真広に愛花と交際していることを内密にする結果、当人達以外はこのことを知らない。
真広の魔法を利用した復讐劇に巻き込まれていき、愛花のことに躍起になっている彼を冷静に見守っている。
絶園の樹復活の儀が行われた富士の樹海で、「愛花ちゃんの死を悲劇にしない」ため、葉風を救う選択をする。その結果、左門の陰謀は水泡に帰し、真広と別れ、葉風と共に行動をする。葉風に思いをよせられるも、本人に告白されるまでは気がつかなかった。周囲から絶園の魔法使いではないかと疑われることがある。
愛花との交際を隠していたため、周囲に悲しみを悟らせず泣くこともできなかったが、葉風の前で初めて涙を流す。合理性を求める真広とは逆に、非合理や奇跡であっても愛花が生き返ることを心の底から願いつつ、それが叶わない不合理な世界を嘆いていた。

不破 真広(ふわ まひろ)

CV:豊永利行、三瓶由布子(小学生時代)
本作の主人公の1人。愛花の義理の兄であり、吉野の幼馴染。金髪で赤い目をした派手な外見の少年。
妹の愛花を殺した犯人に復讐するため、葉風と契約して魔法の力を得る。
自己中心的で狡猾、目的のためなら非情な面もあるが、正反対の吉野とはなぜか馬が合い、親友である。
何事にも合理性を求め愛花の死を納得のできない「不合理」とし、復讐を決意する。合理的であるならば知人や友人の死すら受け入れるが、吉野には絶対の信頼があり、無意識的に彼を守ろうとする意思が見られた。
実家は地元でも有名な富豪であり、家事もそれなりに出来ると、女性にもてる要素は有り余る。しかしデリカシーに欠けるところがあり努力しなければならない人間の苦労が理解できない。御柱破壊後は、半年以上学校に通っていなかったにもかかわらず大学合格を果たしている。

鎖部 葉風(くさりべ はかぜ)

CV:沢城みゆき
本作のヒロインの一人。鎖部一族歴代最強の魔法使いの姫君。桜色のロングヘアと力強い緋色の眼元が特徴的な美少女。
同族たちから煙たがられ、樽詰めにされて無人島に島流しにされた。しかし、島から流した瓶詰めのメッセージと通信魔法がかけられた木の人形を偶然真広が拾ったことで、2人は契約を交わす。
吉野に救われたことから彼に恋心を抱くが、他人に指摘されるまで気づいていなかった。

不破 愛花(ふわ あいか)

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