絶園のテンペスト(漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『絶園のテンペスト』とは2009年から城平京(原作)、左有秀(構成)、彩崎廉(作画)が『月刊少年ガンガン』(スクウェア・エニックス)で連載していたファンタジー漫画及び、それをもとにしたアニメ作品である。ひとりの少女を殺された二人の少年たちの復讐の旅と、現代に生きる魔法使いたちの争いを描いたミステリー要素を含むファンタジーで、作中はシェイクスピア作品から引用されたセリフが多い。伏線だけでなく、バトルアクションや主人公たちの心理戦を巧みに描いた作品。

主要人物

滝川 吉野(たきがわ よしの)

CV: 内山昂輝、桑島法子(小学生時代)
本作の主人公の1人。高校3年生で、右側頭部にヘアピンを付けた茶髪のイケメン。
温和で心優しい性格で良識的な部分もあるが、覚悟を決めた時は非情な手段を取ることもある。
愛花から生前送られたメールを何度も繰り返し見ている。真広に愛花と交際していることを内密にする結果、当人達以外はこのことを知らない。
真広の魔法を利用した復讐劇に巻き込まれていき、愛花のことに躍起になっている彼を冷静に見守っている。
絶園の樹復活の儀が行われた富士の樹海で、「愛花ちゃんの死を悲劇にしない」ため、葉風を救う選択をする。その結果、左門の陰謀は水泡に帰し、真広と別れ、葉風と共に行動をする。葉風に思いをよせられるも、本人に告白されるまでは気がつかなかった。周囲から絶園の魔法使いではないかと疑われることがある。
愛花との交際を隠していたため、周囲に悲しみを悟らせず泣くこともできなかったが、葉風の前で初めて涙を流す。合理性を求める真広とは逆に、非合理や奇跡であっても愛花が生き返ることを心の底から願いつつ、それが叶わない不合理な世界を嘆いていた。

不破 真広(ふわ まひろ)

CV:豊永利行、三瓶由布子(小学生時代)
本作の主人公の1人。愛花の義理の兄であり、吉野の幼馴染。金髪で赤い目をした派手な外見の少年。
妹の愛花を殺した犯人に復讐するため、葉風と契約して魔法の力を得る。
自己中心的で狡猾、目的のためなら非情な面もあるが、正反対の吉野とはなぜか馬が合い、親友である。
何事にも合理性を求め愛花の死を納得のできない「不合理」とし、復讐を決意する。合理的であるならば知人や友人の死すら受け入れるが、吉野には絶対の信頼があり、無意識的に彼を守ろうとする意思が見られた。
実家は地元でも有名な富豪であり、家事もそれなりに出来ると、女性にもてる要素は有り余る。しかしデリカシーに欠けるところがあり努力しなければならない人間の苦労が理解できない。御柱破壊後は、半年以上学校に通っていなかったにもかかわらず大学合格を果たしている。

鎖部 葉風(くさりべ はかぜ)

CV:沢城みゆき
本作のヒロインの一人。鎖部一族歴代最強の魔法使いの姫君。桜色のロングヘアと力強い緋色の眼元が特徴的な美少女。
同族たちから煙たがられ、樽詰めにされて無人島に島流しにされた。しかし、島から流した瓶詰めのメッセージと通信魔法がかけられた木の人形を偶然真広が拾ったことで、2人は契約を交わす。
吉野に救われたことから彼に恋心を抱くが、他人に指摘されるまで気づいていなかった。

不破 愛花(ふわ あいか)

CV:花澤香菜
本作のヒロインの一人。吉野と恋人関係であり、真広の義妹である。姫カットの髪型をした女子中学生。
葉風が流刑される1年前の11月23日夜10時、真広の留守中に事件に巻き込まれて殺害される。吉野と付き合っていることを悟られないよう、真広の前では吉野にあえて冷たく接していた。
会話では『ハムレット』と『テンペスト』の引用をよく用いる。鎖部一族の中に彼女の死に関係している者が居ることが、葉風の魔法によって明らかになるが、その真偽も次第に揺らいでゆく。

エヴァンジェリン 山本(エヴァンジェリン やまもと)

CV:水樹奈々
友人の早河に協力する美女。左利き。真広や吉野を上回る長身で、作中一の巨乳。「無職の28歳」を自称する。
魔法による異変の調査のため、真広の身辺を探る過程で吉野と出会う。当初は真広や吉野に敵意を抱き、殺しかねないほどの強硬手段で情報を吐かせようとしていたが、交戦の末に吉野と手を結ぶ。拳銃や散弾銃の扱いを得意とし、夏村と一戦を交える際は槍や釵も使いこなしていた。
敵と見なした相手には冷酷かつ暴力的な一面を見せるものの、基本的には明朗快活な上に冗談を織り交ぜて話す。
原作漫画では非常に童顔に描かれているが、アニメ版ではチョーカーが追加され、顔つきもチークやリップが描かれるなどややアダルトなデザインになっている。

早河 巧(はやかわ たくみ)

CV:浅沼晋太郎
政府に所属する黒鉄病対策本部長補佐で、エヴァンジェリン山本の古い友人。祖父からの遺言により、エヴァンジェリン山本を託される。祖父が鎖部一族の長と友人だった。国や社会構造を守るため魔法使いに戦争を企てたが、鎖部一族の妨害と「樹」の覚醒により大損害を出して閑職に送られ、以降は鎖部一族と協力して「絶園の魔法使い」捜査と「樹」への対処に奔走する。

羽村 めぐむ(はねむら めぐむ)

CV:梶裕貴
工事現場で働くフリーターの青年。頼りなさと将来性のなさを理由に、付き合っていた恋人(ゆっちゃん)にふられて嘆いていた。気弱な性格だが、真広をシスコンと言う度胸や吉野の恋人が愛花だと察する感の鋭さを持ち合わせている。
自らを絶園の魔法使いだと認識している。真広が愛花を殺害した殺人犯を追う中で犯人が鎖部一族内にいると思われていたが、絶園の魔法使いである彼が容疑者として一度は浮上する。

鎖部一族

鎖部 左門(くさりべ さもん)

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