魔軍司令・ハドラー(ダイの大冒険)の徹底解説・考察まとめ

ハドラーとは、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場人物。世界中の国々を蹂躙する魔王軍の前線指揮官である魔軍司令にして、主人公ダイにとっては師の仇である。
15年前に魔王として世界を恐怖に陥れたが、勇者アバンに敗北。しかし魔界屈指の実力者である大魔王バーンの力で復活し、魔軍司令となる。アバンを始末し、ダイや彼の仲間たちの前にも立ちはだかった。
物語当初は自身の地位に汲々とする小物としての描写が目立ったが、やがてダイの打倒に全てを懸ける恐るべきライバルとして覚醒していった。

ハドラーのプロフィール・人物像

年齢:357歳(外見年齢は30半ば)
出身:不明
職業:魔王/魔軍司令/ハドラー親衛騎団長
武器:地獄の爪、覇者の剣

CV:青野武(1991年版)、関智一(2020年版)

ハドラーとは、『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』の登場人物。15年前に世界を恐怖に陥れた魔王にして、大魔王バーンの下に新たに結成された魔王軍の前線指揮官である魔軍司令。主人公ダイにとっては師アバンの仇である。

かつて魔王を名乗った強大な魔族の男性で、物語開始の21年前に地上を我が物にするべくモンスターを率いて各地に侵攻。ダイとヒュンケル、それぞれの育ての親であるブラスやバルトスもこの頃の彼の部下である。
多くの国々を脅かしたが、その6年後に勇者アバンに討ち取られる。しかし死の直前、魔界屈指の実力者であるバーンの魔力によって命を救われ、アバンと人間たちへの復讐を誓いながら傷が癒えるまで眠りについた。また、まだ戦う力がありながらも負けを認め、アバンが自分の下へと向かうことを許したバルトスを、この時に処刑している。

15年後、傷の癒えたハドラーは、バーンが新たに編成した魔王軍六大軍団を統括する魔軍司令に就任。クロコダイン、ヒュンケル、フレイザード、バラン、ザボエラ、ミストバーンら六人の軍団長を率いて地上征服を推し進める。さらにバーンから直々に「アバン抹殺」を命じられ、自身の復讐も兼ねて単身その任務に赴いた。
辿り着いたデルムリン島でダイやポップに修行をつけていたアバンと再会、これと戦い彼が仕掛けた自爆呪文メガンテに耐え抜くことでなんとか勝利を収める。しかし目の前で師を奪われて怒り心頭のダイの猛攻を受けて負傷、撤退を余儀なくされる。この時、ダイの額に竜の形をした紋章が輝いているのを見て驚愕した。

その後ダイと彼の仲間たちを「地上侵略の新たな障害」と見定め、魔王軍の総力でこれを討たんと計るもことごとく失敗。クロコダインとヒュンケルに裏切られ、フレイザードは戦死。さらにはダイの額に輝く紋章が竜の騎士たる者の証であること、そしてそれをバーンを含む魔王軍全体に秘密にしていたことが問題化していく。

竜の騎士とは、世界の均衡を乱す巨悪を討つために神々が作り出した究極の生体兵器である。一つの時代に一人しか現れないとされており、六大軍団長の一人バランこそが当代の竜の騎士だった。
竜の騎士が一つの時代に一人しか現れない以上、ダイとバランには何かつながりがある。ただでさえ明らかに自分以上の実力を持つバランが、それに匹敵する部下を得てしまったら、魔軍司令の地位が危うくなる。そう案じたからこそ、ハドラーは紋章のことを秘密にしたまま彼を打ち倒そうとしていたのだ。

ダイの紋章のことが魔王軍内に知られ、次なる相手としてバランが出撃。恐れていた事態に直面したハドラーは、「ダイがバランを倒してくれれば全て有耶無耶になる」と冷や汗交じりに思案するほどの小物っぷりを披露。ダイたちは死力を尽くしてバランを退けるも倒すには至らず、それまでの数々の失態からバーンに「次に我が前に現れる時までにダイ一行を全滅させろ」と最後通牒を突き付けられる。
結果バランとの戦いで満身創痍のダイたちに夜討ちをかけるという卑劣な行動に走り、雑魚だと思って心底侮っていたポップから「残酷だが卑怯ではなかったのに、こんな騙し討ちに頼るとは見損なった」と痛烈な言葉を浴びせられる。あげくダイの反撃によって重傷を負わされた上で撃退され、元魔王の威厳も魔王軍内での立場も決定的に失う。

しかし、この敗戦こそがハドラーの転機となる。宿敵アバンの忘れ形見、ダイを始めとする彼の弟子たちこそは「魔軍司令の地位に汲々としている限り絶対に勝てない強敵」だと今さらながらに痛感。彼らを倒すためにザボエラに協力させ、あらゆるモンスターの長所を備えた戦闘生命体・超魔生物へと自らを改造させる。
竜の騎士にも匹敵する強大な力を得るも、代償にその残りの寿命のほとんどを失う。しかし「それだけの価値のある相手だ」とまるで意に介さず、ひたすら戦士として己を高め、新たな部下である親衛騎団を率いてダイたちの前に立ちはだかり、恐るべき強敵、そして尊敬すべきライバルとして壮絶な激闘を繰り広げた。

苛烈にして残酷、己の強さに絶大な自信を抱く、魔王と呼ばれるにふさわしい人物。一方で卑劣な策略の類は好まず、自ら敵陣に乗り込む勇猛さを持ち、逃げ出す弱者を嘲笑することはあっても追撃するようなことはせず、弟子に最後の別れを告げるアバンへの攻撃を控えるなど、武人としての心意気も備えている。双方合わせて彼の魔王としての風格を作り出しており、特に後者についてはアバンなど敵方の人物からもある程度評価されていた。
しかし魔軍司令となった後は、雲の上の存在であるバーンや自分と同等以上の力を持つ者すらいる六大軍団長へのプレッシャーから前述の長所は失われ、魔王時代の覇気を失ってしまう。ただ自分の地位を守るためだけに策略に走る姿は、「らしくない」やら「褒められた人格ではないがひどい策謀家でもなかった(のに)」と敵味方双方から散々な言われようだった。
ギリギリまで追い詰められた結果、ついに戦士として奮起。過去の栄光、現在の地位、そしてこの先の命までをも捨ててダイたちに勝利すべく超魔生物への改造を受ける。以降は武人としての側面が際立たされ、命を懸けて高みを目指す猛者へと変貌。物語前半の情けなさが信じられないほどの雄々しい活躍を見せた。

ドラゴンをも一撃で葬る卓越した格闘家であり、これに強力な魔法を組み合わせて戦うのが基本的なバトルスタイル。拳から生える地獄の爪はヒュンケルの鎧をも貫く威力があり、高位の攻撃呪文を易々と使いこなす。魔王時代は最上位の爆裂呪文イオナズンを、魔軍司令となった後は最上位の閃熱呪文ベギラゴンを切り札としていた。
その肩書きにふさわしい実力者ではあるが、多芸なだけに特定の分野に限ればそれを極めた専門家に微妙に及ばず、白兵戦ではヒュンケルに、呪文の撃ち合いではマトリフにやや押されていた。これは己の能力に自信があるからこそ、相手にその得意分野を超える力を見せつけてやろうとする悪癖も影響している。
超魔生物への改造を受けた後は、自身の右腕に仕込まれた覇者の剣をメインウェポンとしつつ、地獄の爪や攻撃呪文などのそれまでに得ていた戦術、自身の生体エネルギーの奔流魔炎気や超再生能力などの新たに得た能力を縦横に活用する。地位への執着さえ捨てれば優秀な戦士であることは間違いなく、竜の騎士としての力を操れるようになったダイと互角に渡り合った。

終始ダイたちの敵ではあったが、中盤以降の成長には目を見張るものがあり、ファンの間では非常に高い人気を誇る。当初はアバンの仇として憎しみを募らせていたダイやポップも、誇りを懸けて仲間と共に戦い抜くその姿にいつしか感銘を受け、「自分たちと何も変わらない」と敬意と共感を抱いていった。

ハドラーの装備

地獄の爪(ヘルズ・クロー)

ハドラーの拳から生える爪。魔力で自分の骨を硬質化して突出させたものであり、ヒュンケルの鎧を貫くほどの威力を持つ。
発動になんらかの条件があるのか、ハドラーにとっても負担が大きいのか、魔王時代からアバンとの再戦までは使用していない。覇者の剣を手に入れてからはそちらをメインウェポンにしたため出番自体は減ったが、ダイに深手を負わせたりキルバーンに痛烈な一撃を食らわせたり、要所要所で目立つ活躍を見せた。

覇者の剣(はしゃのつるぎ)

ロモス王国の秘宝。神々から与えられたともいわれる伝説の超金属オリハルコン性の長剣で、他の金属で作られた武器とは比較にならない硬度と強度を誇る。
ロモス王国で開かれた武術大会の賞品だったが、ザムザによって密かに摩り替えられザボエラの手に渡っていた。そのまま超魔生物への改造中だったハドラーの右腕の中に仕込まれ、彼の得物となる。
超魔生物ハドラーの体を覆う魔炎気に耐えられる、地上に数少ない武器の一つ。魔炎気をまとわせた時の威力は、竜の騎士としての力を解放したダイが振るうオリハルコンの武器にほぼ匹敵する。
ハドラーはこれを手に持つのではなく、手の甲から生えるような形で保持していた。もともと剣術より格闘戦を得意としていただけに、十八番のスタイルに近い感覚で剣を使おうした工夫だと思われる。
バーンパレスでのダイとの最終決戦で、アバンストラッシュXを受けて砕け散った。

ハドラーの必殺技・呪文

ハドラーの必殺技

超魔爆炎覇(ちょうまばくえんは)

超魔生物と化したハドラーの体を覆う魔炎気を覇者の剣にまとわせ、全力で突進。相手に剣を突き立てると共に開放する大技。超魔生物と化したハドラーの切り札である。
竜の騎士としての力を解放したダイが本気で放つ魔法剣に匹敵する威力を誇り、消耗した状態であればバーンですら不覚を取りかねない、まさに必殺の技。作中では妨害されたり相殺されたりで、結局完全な形で決まることは一度も無かった。
魔炎気をこれほどの濃度と密度で放出すること自体、すさまじい勢いでハドラーの生命力を削るらしく、使うたびに彼の命を縮める壮絶な技。しかしダイとの決着のために全てを捨てる覚悟を決めたハドラーは一切の躊躇も見せず然るべき時にこの技の使用に踏み切っており、彼の決意のほどがうかがえる。超魔生物ハドラーの代名詞とも呼べる技。

生命の剣(いのちのつるぎ)

パレスでのダイとの最後の戦いで、必殺技の打ち合いに敗れて倒れたハドラーが、なおも立ち上がって繰り出した最後の切り札。
自身の生命力そのものを闘気の刃として生成するというもので、グランドクルスで放つのと同等のエネルギーを剣の形に凝縮していると考えれば威力はすさまじいが、実際はほとんど自殺行為に近い。同時期に同じ技を使って強敵を倒そうとしたノヴァは、たった数コマで頬がこけるほどに消耗しており、結局は止められたものの実際に斬りつけていれば「その一太刀で命を使い尽くす」とまで言われていた。これを使ったのがハドラーほどの実力者でなければ、ダイはしばらく逃げ回るだけで勝利できたと思われる。
自身の戦士としての誇りのため、主のために戦い尽くして散っていった親衛騎団の忠誠に報いるため、今まさに燃え尽きようとする己の命を刃と変えて再び超魔爆炎覇を放とうとした。これに対してダイは新たな必殺技で対抗し、二人の決闘は最終局面を迎える。

ハドラーの使用した呪文

メラゾーマ

火炎(メラ)系の高等呪文。並みの兵士程度なら一発で戦闘不能に追い込むほどの威力を持つ。
ハドラーのメラゾーマは、独自の工夫なのか「相手を焼き尽くすまで延々と燃え続ける」という性質を持つ。作中ではヒュンケルが鎧に開けられた穴からこれを流し込まれて苦しんでいたが、その後もまったく動けないというほどではなかったところを見ると、前述の効果についてはやや誇張していた印象が強い。
竜の騎士として覚醒したダイにはほぼあらゆる呪文が通じないため、本作後半で彼と戦った際には一度も使用しなかった。

イオナズン

shuichi
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