ダイの大冒険(ダイ大)のハドラー親衛騎団まとめ

『DRAGON QUEST -ダイの大冒険-』とは、原作:三条陸、漫画:稲田浩司、監修:堀井雄二による漫画作品。
世界征服を目論む魔王が、勇者によって倒されてから十数年。デルムリン島に住む少年ダイは、ある日「勇者の家庭教師」アバンと出会う。勇者に憧れるダイはアバンの弟子となるが、やがて彼こそが伝説の勇者であることを知る。戦いの中倒れたアバンの志を継ぎ、ダイは仲間たちと共に壮大な冒険の旅に挑む。
ハドラー親衛騎団は、本作後半に登場する敵組織。魅力的な好敵手として描かれ、物語を大いに盛り上げた。

ハドラー親衛騎団とは

ハドラー親衛騎団(以下、親衛騎団)とは、物語前半の敵である六大軍団壊滅後、主人公ダイたちの前に立ち塞がった敵組織である。
その名の通りハドラー直属の総勢5人の戦士たちで、全員が大魔王バーンから譲渡されたオリハルコン性のチェスの駒に禁呪を施して生み出された魔法生物。大魔王バーンではなくハドラーのためだけに存在し、彼のために命を賭して戦う、勇猛にして忠烈極まる組織である。
その全身は伝説の金属オリハルコンで構成されており、打撃や斬撃などの直接的なものであれ、呪文を利用したものであれ、ほぼあらゆる攻撃を受け付けない。多少傷ついたところで、人間でいう心臓の位置にある核を破壊されない限りいくらでも修復可能。さらに個々が高度な戦闘技能を有し、呪文を使った攻撃も可能など、恐るべき強敵として描かれた。
一方でその闘争への高潔な姿勢、戦士として覚醒しながらも朽ちていくハドラーへの絶大な忠誠心、高い仲間意識にダイたちが共感し、親衛騎団もまた彼らに敬意を払うなど、魅力的な好敵手として活躍し、物語を大いに盛り上げた。

ヒム

オリハルコン製のポーン(兵士)の駒から生み出された戦士。
チェスでいうとポーンは最弱の駒のように思えるが、実際は戦術的に非常に重要な駒である。ヒムもまた親衛騎団の中でも随一の勇猛さを誇り、切り込み隊長として活躍した。
徒手空拳での戦いを得意とし、近接戦闘において親衛騎団でも屈指の技量を持つ。メラ系の呪文を修得しているが、ただの攻撃呪文として使うより、メラの力を拳に宿した「ヒートナックル」で殴り掛かることが多い。
さっぱりとした気性の持ち主で、直情径行な熱血漢。その性格は戦い方にも現れており、全力で突撃し、敵に最大威力の攻撃を見舞うのが得意戦術である。闘争のみを絶対の価値観としており、強者であれば敵であろうと敬意を払うが、弱者には辛辣な態度を取る。初めて戦った時からヒュンケルの戦士としての才覚に目を付け、自身の倒すべき相手と見定めて幾度となく勝負を挑んだ。
ハドラーの戦士としての精神をもっとも色濃く受け継ぎ、卑怯な振る舞いを嫌う。ヒュンケルとバランが決闘しているところを発見した際は、横槍を入れようとするアルビナスを止めようとさえした。親衛騎団は全員がハドラーに対して強い忠誠心を抱いているが、中でもヒムのそれは際立っており、ハドラーの志に順ずることを誇りにさえ思っている。自分の魔力無しには存在を維持できない親衛騎団に対して、余命わずかとなったハドラーが実質的な道連れにしてしまうことを詫びた際、「あなたのために生き、あなたのために死ぬのなら本望」と言い切り、命を賭して強さを極めんとするハドラーの戦士としての高潔さに涙すら流して感動した。本来魔法生物である親衛騎団には涙を流す機能は搭載されておらず、このことには本人ばかりかハドラーも驚いていた。
バーンパレスでのハドラー親衛騎団最後の戦いで、決着をつけるべくヒュンケルと交戦。アバン流槍殺法を極めつつあったヒュンケルとは力量に大きく差をつけられつつあり、大ダメージを負ってバーンパレスから転落していった。

プロモーション・ヒム

仲間たちやハドラーの最後の戦いを感じ取り、ポーンの駒がもともと持っていた“プロモーション(昇格)”の能力と、死の淵にあってなお「アバンの使徒に一矢報いたい」と熱望するヒムの闘志が反応し、まったく新たな存在として生まれ変わった姿。
頭部にはハドラーのそれを思わせる銀髪が備わり、ただの魔法生物には存在しない生命エネルギーをその身に秘める。これはロボットが生命体になったようなものであり、文字通りの奇蹟である。
プロモーション後のポーンがチェスの駒の中でも最高の戦力となるのと同様、あらゆる能力が大きく増している。また、生命を得たことで光の闘気(生命エネルギーの一形態)を操ることができるようになっており、それを拳に乗せた「オーラナックル」を必殺技とする。純粋な生命体であるために、それまでの弱点であった空裂斬や虚空閃が通じなくなり、攻防ともに隙の無い戦士である。なお、形態はかなり違うが金属生命体という意味ではメタルスライムに近い存在であり、通常の回復魔法も受け付けるようになっている。
プロモーションする前から好敵手と見込んでいたヒュンケルと今度こそ決着をつけるために彼の前に現れ、その場にいた大魔王の手下の魔物たちを殲滅。全身全霊を賭けて最後の勝負を挑んだ。限界までヒュンケルを追い詰めたものの、彼のカウンター戦法の前に敗北を喫する。その後自分を庇ったヒュンケルが二度とは戦えないほどのダメージを負ったことに責任を感じ、彼に代わってダイたちの力になることを宣言。大魔王との戦いにて重要な戦力となる。
短い交流の中で、もともと戦士として共感していたダイたちや、彼らが信頼する者たちを新たな仲間として認め、好感を抱いていく。特にチウからは「獣王遊撃隊」の一員として子分に任命され、当初は辟易していたが、自分より遥かに弱い彼の中に気高い戦士の精神を見出し、徐々に隊長として相応に敬うようになっていった。これは戦士としての強さでのみ他者を評価していたヒムが、弱者の中にも価値あるものを認められるようになったということであり、彼の成長が見て取れる。
大魔王との決戦後も生き残り、チウ率いる「獣王遊撃隊」の一員としてデルムリン島で暮らすようになった。

ヒムの必殺技

ヒートナックル

ヒムが得意とするメラ系の火炎呪文を直接放つのではなく、その膨大な熱エネルギーを自身のオリハルコンの拳に込めて殴り掛かる技。最強の硬度を誇るオリハルコンに金属をも融解させるほどの高熱が加わるため、威力は絶大。
ヒムは左利きなのか、この技を放つ際は常に左手を使用している。プロモーションした後は、事実上の上位互換であるオーラナックルを修得したためか、ヒートナックルを使用する場面は描かれなくなった。

オーラナックル

プロモーション・ヒムが編み出した、ヒートナックルに代わる必殺技。金属生命体として覚醒したことで操れるようになった光の闘気を拳に込めて、雄叫びと共に突撃、ただシンプルに敵を殴りつける。突撃する際の運動エネルギーも加わるため、ヒートナックルをさらに上回る威力を誇る。
光の闘気を扱う技であるため、暗黒闘気で動くモンスターには効果が高く、作中ではラーハルトが苦戦していたミストバーンを圧倒。一時は戦闘不能に追い込んだ。

グランドクルス

体内の光の闘気を十字架状の物体に収束し、一気に解き放つ技。ヒュンケルとの最後の戦いで彼が放とうとしたものを見てその術理を覚え、バーンパレスの心臓部から脱出する際に使用した。
制御が極めて難しく、下手に威力を高めようものなら全ての闘気を放出してそのまま死に至る。実際にヒムも完全にコントロールできていたとは言いがたく、放つ前の時点で両腕が砕け始めていた。
短い時間の中で共闘する内、「絆を守るためなら命をも捨てるバカばっかり」なダイ一行をすっかり気に入り、彼ら全員を救うために敢行。止めようとするヒュンケルに向かってその心情を打ち明け、不死身と称される彼に上記画像の台詞を吐きながら使用した。
結果反動で両腕を失い胴体も裂けるほどの深刻なダメージを負うもなんとか生存。完全に自分が死んだ前提でその活躍を心底称えるチウの声を聞いて「そりゃないぜ」とぼやいていた。

アルビナス

オリハルコン製のクイーン(女王)の駒から生み出された戦士。
クイーンはチェスにおいて最強の駒であり、親衛騎団でもリーダー格の存在。戦場においても、自身が直接戦うよりは一歩離れたところから戦況を俯瞰し仲間に指示を出す姿が目立った。
ギラ系の呪文を修得しており、針のように細かく束ねたそれを無数に撃ち出す「ニードルサウザンド」を必殺技とする。元となった駒が“女王”なだけに、やや尊大ながら見た目も口調も女性らしく、「創造主(この場合はハドラー)の内面が性格に表れる」という禁呪によって生み出された魔法生物の特徴をあまり感じさせない。
沈着冷静な性格で、常に戦局を見定めて動く。その行動原理は「大魔王のため」ではなく「ハドラーのため」であり、ハドラーの利益になると判断すれば彼の不興をも恐れない。ヒュンケルとバランの決闘を偶然発見した時の対応はその顕著なもので、「決闘に横槍を入れたりすればハドラー様がお怒りになる」と止めようとしたヒムを振り切り、ハドラーにとっても脅威となるヒュンケルたちに容赦なく襲い掛かった。
ハドラーの手足となって戦い続ける一方、超魔生物への改造によって余命いくばくもない彼を支え、親衛騎団の中でも特に強く案じていく。最後までハドラーに付き従い、バーンパレスでの決戦にてマァムと激闘を繰り広げた。

戦闘形態

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