本好きの下剋上(ラノベ・漫画・アニメ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』とは、香月美夜が『小説家になろう』に投稿したweb小説である。「TOブックス」より書籍版が発売され、その後、漫画化・アニメ化された。シリーズ累計発行部数850万部を突破する人気作品である。本が大好きな主人公が、マインとして異世界に転生してしまう。その世界でマインは本を入手することができず、自分の手で本を作るために奮闘する。マインが成長していく姿や、家族を大切にする姿が丁寧に描かれており、読者の心を打つ。

アレキサンドリア

ローゼマインがアーレンスバッハの礎を奪ったことでできた新領地。紋章は魔術具のシュミルと本。色は紺色。
外患誘致を行い、大きな問題を起こしたアーレンスバッハは、混沌の女神に魅入られた土地を女神の化身が清める、という名目でローゼマインが治めることになる。
アレキサンドリアという名前は、薬草園を併設する図書館があった古代都市からローゼマインが名付けた。

ランツェナーヴェ

ユルゲンシュミットとアーレンスバッハの国境門で繋がっている国。
約400年前、ユルゲンシュミットを出た者によって建国された。ユルゲンシュミットとは違って魔力を持たない土地であるため、国を維持するためにユルゲンシュミットと取り決めをしている。その取り決めによってランツェナーヴェの姫はユルゲンシュミットへ献上され、その姫が産んだ子供はアダルジーザの実と呼ばれる。アダルジーザの実の中で最も魔力量の多い男児は、ランツェナーヴェの王となり、それ以外の子供は洗礼式前に魔石にされ、ランツェナーヴェを支える魔力になる。
王族以外の国民は魔力を持たないため、魔力を使わない道具の開発に優れている。その結果、魔力を通さない銀の布が完成し、エーレンフェストへの侵攻に利用された。
その他にも、砂糖や香辛料の原産国でもある。

下町

エーレンフェストの貴族街の南側にある平民の生活区域。主人公のマインが生まれ育った場所。
エーレンフェストが作られた際に、魔術で白の建物が建てられたが、住民たちが白の建物に増築を行っている。
汚物を窓から捨てているため、町全体が薄汚れており、エックハルトが体調を崩すほどの悪臭がする。
貴族街に近い北側は平民の中でも裕福な家が集まっており、南側は貧しい家庭が集まった集合住宅が多い。

貴族街

エーレンフェストの中心地。貴族の生活区域。
エーレンフェストの初代領主が魔術で作った白の建物をそのまま美しく保っている。
下町に近い南側から下級貴族、中級貴族、上級貴族、領主の城の順に建ち並ぶ。領主から領土を与えられている貴族は、冬の社交期間のみ貴族街の冬の館で過ごす。

貴族院

中央の領地内にあり、王族が管理している。
ユルゲンシュミットの貴族の子供は、10〜15歳の冬の間貴族院で過ごし、魔力制御や魔術具など貴族として必要な知識を学ぶ。また、魔術を使うのに必須のシュタープを得られる場でもあり、シュタープを所持し貴族院を卒業しなければ、正式な貴族として認められない。
他領の貴族と交流する貴重な社交場ともなっており、冬の後半は多くの貴族たちがお茶会を開催している。そこで婚姻相手が決まることも多い。
学生たちは、それぞれの領地の色のマントを纏っており、領地の順位によって各々の地位が決まる。

地位・派閥

平民

魔力をほとんど持たない者。
時折平民の中でも魔力を持った「身食い」が生まれることがある。
感情を隠すことはなく、はっきりとものを言う。
平民の中でも、裕福な者と貧しい者で格差が存在する。

身食い

貴族のみが持って生まれるはずの魔力を持って生まれた平民の子供。
魔力を制御できず、許容量を超えた魔力が熱となって、いずれは死に至る。魔力量が多いほど長くは生きられず、洗礼式を迎えられることはほとんどない。
生き延びるためには、魔力を放出するための魔術具が必要になる。そのため、魔術具を提供する貴族の助けが必要不可欠。魔力量の少ない下級貴族は、魔力量を補うために身食いと契約し、側仕えや愛人にすることもある。しかし、その契約による身食いの扱いは千差万別であり、時には奴隷のように扱われることもある。

貴族

一定以上の魔力を持ち、貴族の親の元で洗礼式を受けた者。さらに厳密には、シュタープを取得し、貴族院を卒業しなければ、正式な貴族とは認められない。
生まれた子供が一人の人間として認められるのは、洗礼式でのお披露目が終わってからで、それまでは子供が生まれても周囲に知らせない。また、子供にとっての両親が決まるのも洗礼式の時で、第2夫人や第3夫人の子であっても、第1夫人の子として洗礼式を受ければ、第1夫人の子供ということになる。
生まれた子供の魔力量が極端に少なかった場合、貴族院に入学することなく神殿に入れられ、青色神官や青色巫女になる。
幼い頃から魔力を暴走させないため、感情を隠すように教育される。その他にも、貴族間で腹の探り合いが行われることは多いため、ポーカーフェイスを保つことが貴族の社交で求められる。
普段は領主から与えられた領地を治める者、騎士、文官、側仕えといった仕事をしている。冬になると領主の城に集まって社交が開かれる。大人が社交を行っている間、成人していない子供たちは子供部屋に集められ、遊んだり勉強をして過ごす。

ツェント

ユルゲンシュミットの国王。厳密にはユルゲンシュミットの礎を魔力で染めた者を示す。
礎を染めている魔力がなくなると国が崩壊してしまうため、礎への魔力供給が何より優先される職務となっている。
初代国王は、中央神殿の神殿長も兼任していたが、長い歴史の中で王宮と神殿が分けられた。また、初代国王は英知の女神メスティオノーラが持つ、メスティオノーラの書を書き写したグルトリスハイトを使って国を納めていた。グルトリスハイトは代々の王に受け継がれていったが、政変で消失してしまい、トラオクヴァールはグルトリスハイトを持たないまま王に就任した。

アウブ

王から各領地を下賜された領主のこと。エーレンフェストの領主であれば、アウブ・エーレンフェストを名乗る。
領地の礎を魔力で染め、礎を守ることが最優先の職務である。礎を他者の魔力で染められると、領地を奪われることになる。そのため、礎の場所は領主本人しか知らない。

9bty_0603_2011
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@9bty_0603_2011

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