呪術廻戦名勝負「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」戦のネタバレ解説・考察まとめ

『呪術廻戦』の概要

『呪術廻戦』（じゅじゅつかいせん）とは、芥見下々による漫画作品。2018年から『週刊少年ジャンプ』で連載が開始された。MAPPAによりアニメ化され、2020年10月から2021年3月にかけてTVアニメシリーズ全24話が放送されて好評を博し、2023年にはTVアニメ第2期が放送される。また本作の前日譚『東京都立呪術高等専門学校』の内容が、劇場版アニメ映画『呪術廻戦 0』として2021年12月24日に公開。興行収入100億円を超えるヒット作となった。
人に仇なす化け物・呪霊と、それを祓う呪術師の戦いを描くダークファンタジー・バトル漫画。“呪い”というディープな題材を扱いながら、それに立ち向かう個性的なキャラクターたちの活躍を少年漫画的な手法で溌剌と描き、2021年10月時点でシリーズ累計発行部数が5500万部を突破するほどの人気を獲得。「全国書店員が選んだおすすめコミック2019 1位」、「みんなが選ぶTSUTAYAコミック大賞2019大賞」などに選ばれ、幅広い層から支持を得ている。作者の芥見下々にとって本作が初連載作品となるが、当初から評価は高く、編集会議でジャンプ編集者が満場一致で連載を決定したという逸話を持つ。

ジャンプGIGAの2017 vol.1から2017 vol.4にかけて連載された『東京都立呪術高等専門学校』をプロトタイプ及び前日譚としており、後に同作は『呪術廻戦 0巻 東京都立呪術高等専門学校』として単行本化され、地続きの物語であることが正式に明かされた。

高校生の虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）は、ある日呪術師の少年伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）と出会う。しかし彼が回収するはずだった呪物の封印を心霊現象研究会の仲間たちが解いてしまい、学校は呪霊に襲われる。彼らを守るため、虎杖は自らの体に呪物を取り込むも、結果最強最悪の呪霊両面宿儺（りょうめんすくな）をその身に宿してしまう。その後虎杖は伏黒と彼の師である五条悟（ごじょう さとる）の勧めで、両面宿儺の力を御するため、呪術師を目指して呪術高等専門学校に通い始める。
しかし両面宿儺の圧倒的な力を利用しようと、呪霊の中でも特に強力な者たちが暗躍。虎杖は伏黒や呪術高等専門学校の仲間たちと共に、呪霊たちとの戦いに挑んでいく。

呪術廻戦（漫画・アニメ）とは【ネタバレ解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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『呪術廻戦』とは、芥見下々による呪術を題材としたバトル漫画。作者にとって初連載となる作品だが、連載開始から話題となり、週刊少年ジャンプの看板作品へと成長。アニメ化、映画化と様々なメディアミックスを果たしている。
高校生の虎杖悠仁は、ある日友人を救うために最強の呪霊両面宿儺の体の一部を取り込んでしまう。否応なく呪術の世界に巻き込まれた虎杖は、邪悪にして強大な宿儺の力に振り回されながらも、新たな学友や師と共に、時に呪霊と、時に邪悪な呪術師との壮絶な戦いを繰り広げていく。

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」の対決について

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」とは、巨大な陰謀に立ち向かう呪術師たちの活躍を描く『呪術廻戦』で繰り広げられた戦いの1つ。
物語の序盤で主人公の虎杖たちが直面した絶体絶命の窮地であり、事前に「3人の内の1人が死亡した」という説明があったことで緊迫感ある展開となった。当初は主人公の親友ポジションの伏黒か、あるいはヒロイン然として登場した野薔薇のどちらかが犠牲になるかと思われたが、彼らを救うために虎杖が死を選ぶという意外な結果で読者に大きな衝撃を与える。

英集少年院に仮想怨霊が発生し、中にいた多くの少年たちが犠牲となる。この仮想怨霊は特級クラスの力があると目されたが、これを相手取ることが可能な術師は出払っており、緊急事態として呪術高専1年生の虎杖ら3人に白羽の矢が立てられる。彼らは生存者の避難誘導を命じられるも、「仮想怨霊を見付けたら全力で逃げろ、戦えば死ぬ」とはっきり警告される。
虎杖は「いざとなれば自分の内に封じられている史上最強の呪霊である宿儺の力を使おう」と安易に考えていたが、その宿儺は「この状況を利用していかに虎杖を絶望させるか」しか考えていなかった。少年院に入るなり虎杖たちは分断されてしまい、事態は連鎖的そして加速的に悪化していく。

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」の対決までの経緯・因縁

史上最強最悪の呪霊である両面宿儺の一片を自身の体の内に封じている虎杖悠仁。呪術の名門禪院家の血を引く天才児伏黒恵。田舎育ちで気風のいい姉御肌の少女釘崎野薔薇。3人はそれぞれの事情と理由から呪術師を目指し、東京都立呪術専門高等学校の1年の教室で修行と勉学に励んでいた。

ある時、英集少年院にて強大な仮想怨霊が発生し、中にいた少年たちの多くが犠牲となる。この仮想怨霊は特級相当の力を持つと推測されたが、これを退治できるほどの術師はちょうど出払っている状態だった。生存者の保護のため、呪術高専は唯一動ける虎杖たちに少年院への突入を命じる。この際、彼らは「仮想怨霊に会ったら全力で逃げろ」と厳命され、「それができなかった時は死ぬだけだ」と釘を刺される。
作中では虎杖たちの突入前の時点で“事件後に書かれた報告書”の体裁で事件の概要が端的に紹介され、その中で「突入した生徒3人の内の1人が死亡した」旨が明かされた。

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」の対決の展開・流れ

少年院への突入

少年院に突入した虎杖たち3人は、内部がすでに特級仮想怨霊の力で外部から隔絶された異空間である生得領域（しょうとくりょういき）と化していること、さらにそこが無数の呪霊の巣と成り果てていることを知る。まともな方法では脱出もままならない生得領域を慎重に探索する中、一行は生存者と犠牲者を発見。虎杖が「犠牲者も運ぼう」と意見する一方、伏黒は「まだ中にどれだけ使者と生き残りがいるかも分からない、いちいち死体を運べない」と反論。両者が口論する中、突如野薔薇が姿を消す。
呪霊による分断工作だと気付いた虎杖と伏黒が身構えた時には、彼らの前に特級仮想怨霊が現れていた。ここまで近づかれては逃げることは不可能、といって戦えば全滅は必至。逡巡する伏黒に、虎杖は「自分が足止めする」と言い出す。自分たちを格下と見て侮る特級仮想怨霊がすぐに本気で殺しに来ることはないと見て時間を稼ぎ、伏黒たちが脱出した後に自らの体内に封じられている宿儺に一時の自由を与えて特級仮想怨霊を倒させようというのだ。「危険過ぎる」と伏黒は迷うが、他にこの状況を打開する良いアイデアがあるわけでもなく、結局はこの作戦を採用する。

その頃、野薔薇は無数の呪霊に囲まれて窮地にあった。すでに呪術師としても活動していた野薔薇だったが多勢に無勢で不覚を取り、絶体絶命というところで特級仮想怨霊の相手を虎杖に任せた伏黒が駆け付ける。伏黒は野薔薇を回収すると大急ぎで生得領域の内部から脱出し、式神を呼び出して遠吠えさせる。これが未だ内部に留まっている虎杖への合図だった。
その虎杖は、特級仮想怨霊を相手に何をどうしてもダメージを与えられず、自分の弱さに衝撃を受けていた。錯乱し、恐慌し、なお自分を奮い立たせて傷つきながらも立ち向かう中、式神の遠吠えが響く。伏黒からの「合図」だと理解した虎杖は、己の内に眠る宿儺を解放する。

暴虐の化身の顕現

虎杖の中から様子を見ていた宿儺だったが、「ここでこの小僧が死んで、自分が諸共に滅ぶとしても、消えるのはこれまでにこの小僧に取り込まれた自分の1／10に過ぎない」と悠然と構えていた。虎杖に力を貸す気もまったくなかった宿儺だが、肉体の支配権を譲られたことで特級仮想怨霊と相対する形となり、「人間の小僧に良いように使われている」と苛立ちを募らせる。
宿儺は「虎杖たちを苦しめるために、このまま特級仮想怨霊と共に伏黒を追おう」と考えるも、特級仮想怨霊は宿儺の力量を感じ取って錯乱。彼に攻撃を加え、反撃で造作もなく倒される。宿儺と仮想怨霊はどちらも特級にカテゴライズされる存在だったが、その強さには天と地以上の大きな開きがあった。

特級仮想怨霊を倒した宿儺は、「これで自分はお役御免だ」と虎杖が肉体の支配権を取り戻すのを待つが、彼がこれに手間取っていることに気付いて喜悦に顔を歪める。少年院を飛び出し、負傷した野薔薇を病院へと送り出して虎杖の帰還を待つ伏黒の下に駆け付けると、宿儺は自分と虎杖の状況を簡単に説明した上で己の肉体から心臓を抉り出して投げ捨てる。
呪霊である宿儺は心臓が無くなった程度では死なないが、人間である虎杖にとっては致命傷だった。「虎杖自身の命」を人質に、彼が肉体の支配権を取り戻せないようにして、さらに自由を満喫しようというのがその目的だった。

少年たちの決意

宿儺の当面の目的は「自分を良いように利用しようとした虎杖への意趣返し」であり、さらに「周辺住民を使って気の向くまま殺戮を楽しむ」ことにあった。虎杖を救うためにはここで自分が逃げるわけにはいかないと判断した伏黒は、勝てる相手ではないと知りつつ宿儺に挑む。
次々と式神を作り出して変幻自在の攻撃を見せる伏黒だったが、宿儺はそのことごとくを攻略。ただフィジカルの強さだけで伏黒を翻弄し、彼を嬲るように追い詰めていく。伏黒は「“心臓無しでは自分には勝てない”と思わせて宿儺に虎杖の心臓を修復させ、その隙に虎杖が肉体の支配権を取り戻すのを待つ」というものだったが、宿儺はこれを見抜いて「お前ごとき心臓無しでもどうとでもなるし、この小僧に自分の死を覚悟してお前を救う度胸は無い」と言い放つ。

一方、宿儺は伏黒の呼び出す数々の式神に興味を持ち、「優秀な術式の持ち主」だと彼を評価する。進退窮まった伏黒は、自身の呼び出せる中でもっとも強力でもっとも危険な式神の召喚を決意。宿儺はこれに目を見張り、その気配だけで伏黒の奥の手がただならぬ怪物であることを察し、歓喜と好奇心に身を震わせつつ「魅せてみろ」と叫ぶ。
しかし、このタイミングで虎杖が“心臓の無い”自身の肉体の支配権を取り戻す。伏黒は切り札の召喚を中止し、自分なりの信念で「死体を置いていけ」と言い張ったことを説明し、虎杖に謝罪。虎杖は「自分が間違っていたとは思わないが、伏黒が間違っているとも思わない」と語り、後のことはよろしく頼むと言い残して力尽きるのだった。

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」の対決のその後の影響

伏黒と野薔薇は「虎杖を死なせてしまった」と相応のショックを受け、それを乗り越えるためにさらに呪術師としての修練に励んでいく。一方、宿儺の呪力を帯びた虎杖の肉体はまだ完全には滅んでおらず、その肉体の内では虎杖と宿儺の魂が対面する状態にあった。その宿儺は伏黒の術式に興味を持ち、「この小僧の内に封じられたままでは自由に動けないが、あの男の肉体を奪えば自由を得られるし、あの強力な式神も自分のものとなる」と考えていた。
いつか機を見て伏黒の肉体を奪うことを画策した宿儺は、虎杖に「自分が“契闊”と唱えたら1分間だけ肉体の支配権を譲る。その間決して人間を傷つけない」、「この契約の内容を強制的に忘れる」という条件で彼の傷を癒して蘇生させるという取引を持ちかける。虎杖は「何を考えているのか分からないし、そもそもコイツは危険過ぎる」とそのまま死のうと考えていたが、宿儺にむりやり契約を押し付けられる形で息を吹き返す。

復活した虎杖は、すぐには伏黒たちと合流せず、別口の特訓メニューで呪術の基礎を急ピッチで学んでいく。数か月後、ついに虎杖は伏黒や野薔薇の前に姿を現すが感動の体面とはならず、「生きているならなんで連絡の1つくらい寄越さなかったか」となじられることとなった。
その後も虎杖、伏黒、野薔薇の3人は様々な呪霊と戦い、それぞれに呪術師としての経験を積んでいく。宿儺は虎杖の中から伏黒の成長を観察し、いずれ彼の術式を自分のものにする時のことを思って邪悪な笑みを浮かべていた。

「虎杖悠仁・伏黒恵・釘崎野薔薇 vs. 特級仮想怨霊 vs. 両面宿儺」の対決の重要人物・キャラクター

虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）

東京都立呪術専門高等学校の1年生。高校生になるまで呪術とは無縁に生きていたが、ひょんなことから宿儺の肉片を飲み込んでしまう。本来はそのまま宿儺に肉体を乗っ取られるはずがそのまま自我を保ち、呪術の世界に関わるようになる。
善良で真っ直ぐな少年で、良くも悪くも物事をあまり悩まない。呪術師としては特に技術も知識も持ち合わせておらず、肉弾戦メインで立ち回る。

虎杖悠仁（呪術廻戦）とは【徹底解説・考察まとめ】 - RENOTE [リノート]

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虎杖悠仁（いたどり ゆうじ）とは、『呪術廻戦』の主人公で、その身に“呪いの王”両面宿儺を宿す少年。
宮城県の学校に通う高校生で、陸上の世界記録を軽々と更新するほどの驚異的な身体能力を誇る。心霊現象研究会に所属していたが、ある日仲間を救うため特級呪物をその身に取り込み、両面宿儺と肉体を共有するようにる。その力を御する術を学ぶため東京都立呪術高等専門学校に転入し、最強の術者である五条悟の下、両面宿儺の力を狙う呪霊たちと戦いを繰り広げながら、同級生の伏黒恵、釘崎野薔薇らと共に呪術師を目指していく。

伏黒恵（ふしぐろ めぐみ）

東京都立呪術専門高等学校の1年生。呪術の名門禪院家の血を引く天才児で、陰を介して式神を呼び出す「十種影法術」（とくさのかげぼうじゅつ）の使い手。
幼い頃から呪術の世界に触れて生きてきたため、歳のわりに物事の見方がシビアで、「全ての人を助けることはできないからこそ、助けたいと思った相手は必ず助けるし、その結果がどうなっても後悔はしない」と決めている。