SKET DANCE(スケットダンス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『SKET DANCE(スケットダンス)』とは、篠原健太によって、『週刊少年ジャンプ』で2007年から2013年まで連載された学園コメディ漫画である。2011年にはテレビアニメが放映された。ギャグを中心に、シリアスな面や謎解き要素など、様々なストーリーを楽しめることが魅力的な作品となっている。
開盟学園で生徒の学園生活をサポートする活動を行う学園生活支援部、通称「スケット団」。ここに所属するボッスン、ヒメコ、スイッチの3人を中心に、学校での様々な事件やハプニングの様子が描かれていく。

『SKET DANCE』の概要

『SKET DANCE(スケットダンス)』とは、篠原健太によって、集英社出版『週刊少年ジャンプ』で2007年から2013年まで連載された学園コメディ漫画である。2010年には、小学館が主催している『第55回小学館漫画賞』の少年向け部門を受賞した。累計発行部数は1400万部を突破している。1話完結のギャグストーリーや主要人物の過去に迫るシリアスな長編ストーリーなど、内容の幅が広い作品。それによって、登場人物の性格や関係性をより深く理解できることが魅力となっている。
2011年4月から2012年9月までは、テレビ東京系列にてテレビアニメが放映されていた。2021年にはテレビアニメ版の10周年を迎え、Blu-rayBOXの販売や各種映像サービスでの配信が解禁され再び人気を集めている。2018年から2019年にかけて、集英社文庫より文庫版全16巻が販売された。また小説の発売、ヴォイスコミックやインターネットラジオの配信も行われた。

物語の舞台は、開盟学園高等学校。この学校には、生徒の学園生活をサポートする活動を行う学園生活支援部、通称「スケット団」という部活動が存在する。メンバーは部長のボッスン、副部長のヒメコ、書記のスイッチの3人。彼らは学校の生徒や教師たちの依頼を受けて、人助けから部屋の掃除までこなす便利屋のような学校生活を送っていた。依頼に来る人物は皆、一癖も二癖もある個性的な人物ばかりである。そんな依頼人や依頼内容に翻弄されるスケット団の様子が時に面白く、時に真面目に描かれた作品となっている。

『SKET DANCE』のあらすじ・ストーリー

スケット団と転校生

開盟(かいめい)学園高等学校の2年C組に新しく転校生がやってきた。転校生の杉原哲平(すぎはらてっぺい)は、登校初日からとある3人のクラスメイトに絡まれる。3人は学園生活支援部・通称スケット団と呼ばれる、生徒や教師から依頼を受けて人助けをしている集団であった。部長である藤崎佑助(ふじさきゆうすけ)はボッスン、副部長の鬼塚一愛(おにづかひめ)はヒメコ、書記の笛吹和義(うすいかずよし)はスイッチとそれぞれのニックネームを名乗る。自己紹介を終えた3人は、杉原をスケット団に勧誘するのだった。

部室で寛いでいたスケット団の元に、頭からペンキを被った杉原が助けを求めてきた。仮面を被った何者かにペンキをかけられたという杉原の話を聞き、ボッスンは犯人を「ペンキ仮面」と呼ぶことにする。転校してきたばかりで狙われる理由がない杉原が被害にあったことから、スケット団は無差別の犯行だと推理した。そして犯行現場である裏庭を中心に聞き込み調査を開始する。
裏庭の調査中に、ボッスンはペンキ仮面から狙われたが、間一髪のところでヒメコに助けられる。ヒメコは急いでペンキ仮面を追ったが、裏庭にいた他の生徒にぶつかってしまい、その隙に逃げられてしまった。その様子を見ていたボッスンは、自分たちより長時間裏庭にいた他の生徒が、ペンキ仮面に狙われなかったことに疑問を持つ。その疑問と、これまでの杉原や他の生徒の証言を頼りに、ボッスンはペンキ仮面の正体が杉原であることに気付いた。更に情報収集が得意なスイッチにより、杉原は過去にこの近辺に住んでおり、現在この学校の生徒である城ケ崎充(じょうがさきみつる)からいじめられていたことが暴かれる。この事件は、城ケ崎にスケット団にペンキをかける嫌がらせをするように命令された杉原による自作自演の犯行だった。
杉原自身の口から過去にいじめを受けていたことと、今回の真相を聞いたスケット団は、近くでその様子を見ていた城ケ崎を発見する。喧嘩が得意なヒメコが制裁を加え、この事件は収束した。スケット団の協力で、いじめられていた過去を乗り越えた杉原は、バスケットボール部に入り新たな学園生活を始めることに成功するのだった。

スケット団廃部の危機

正義感が強く、生徒会の副会長である椿佐介(つばきさすけ)は、より良い学園作りのために部活動の整理を始めた。引きこもりだった過去のあるスイッチと、「鬼姫(おにひめ)」と呼ばれた元不良のヒメコ、その二人を束ねるボッスンの3人を問題児と判断し、スケット団の廃部を命じる。理不尽な椿の命令にボッスンが反論していると、「ヤバイ」が口癖の女子生徒・矢場沢萌(やばさわもえ)が、スケット団に依頼を持ってきた。事故に遭ってしまった劇団の代わりに幼稚園で劇を披露してほしいという内容を聞いた椿は、その依頼を生徒会で引き受けると申し出る。自棄になったボッスンと椿の言い合いにより、幼稚園でそれぞれ劇を披露し、どちらが園児の評価を得られるかで勝負をすることになるのだった。
スケット団は解散した小劇団から道具を譲り受け、白雪姫の劇をすることが決まった。メンバーを集め順調に練習を進めていたが、本番の2日前に何者かによって劇の衣装は破かれ、道具も破壊されているのが発見された。生徒会の劇に協力する演劇部部長の北大路正也(きたおおじまさや)は、この嫌がらせの犯人が自分であり、これで生徒会が確実に勝てると椿に報告する。卑劣な手段を実行したことに激怒した椿は、主役を務める予定だった北大路を殴打し負傷させてしまう。そのため、生徒会の劇の主役は椿が代理を務めることとなった。

劇を披露する当日、椿が主役となった生徒会側は、ピーターパンの劇を無事に終えた。それに対してスケット団は、唯一無事に残っていた白雪姫に登場する小人の人形をリメイクし、「ないた桃おに姫」という人形劇を披露する。ヒメコと、ヒメコに憧れている他校の不良である吉備津百香(きびつももか)の2人が登場人物の声を担当し、ボッスンとスイッチが人形を動かす役割を果たした。客である園児たちも巻き込むアドリブを加えながらの人形劇は、モモカの演技やボッスンの人形操作の上手さも相まって好評を得る。2つの劇を観賞していた生徒会長の安形惣司郎(あがたそうじろう)は、椿が主導の生徒会の劇は勝負に勝つことが目的となってしまい、子供たちに目が向いていなかったと指摘した。子供たちに見せるという目的を見失わなかったスケット団は、廃部を免れ、他校の生徒である吉備津が出入りすることも多めに見てもらえることになるのだった。

ヒメコの過去

ヒメコは、14歳の時に大阪から東京に引っ越してきた。小学生の頃からホッケーを続けていたヒメコは、転校先の中学校ではホッケー部に入部する。新しい環境に馴染めずに周囲から浮いていたが、ホッケー部に所属する同級生の加納ありさ(かのうありさ)に話しかけられたことがきっかけで友人もでき、学校生活を楽しめるようになっていった。ある日、ヒメコは加納が校内一の不良と言われている南場京子(なんばきょうこ)と一緒にいる姿を見かける。裕福な家庭である加納が、南場に目を付けられているとの噂を聞いたヒメコは、加納本人を問いただした。そして、偶然その日の夜に金を渡すように指示され、南場に呼び出されていると打ち明けられ、ヒメコはその現場に同行することにする。
ヒメコは加納を守るために自分からは手を出さず、南場とその仲間の不良たちに一方的に殴られていた。しかし、加納が南場に渡す予定で持ってきていた金の入った封筒に「京子」と書いてあることに気付く。いじめられているはずの加納が、南場を下の名前で呼び捨てにすることに疑問を持ったヒメコは、その場で加納に南場との関係を聞いた。すると加納は自ら南場に金を差し出し、用心棒として雇っていることを自白する。過去にいじめられた経験のある加納は、自分の平穏な学校生活のために、予め校内で1番強いと噂される南場を親の財力で味方につけていたのだった。加納に裏切られたことにショックを受けたヒメコは、怒りに任せてその場にいた南場と他の不良たちを、ホッケーのスティックで倒してしまう。この事件の噂は瞬く間に広まり、再びヒメコは校内で孤立した。ホッケー部を辞め、噂を聞きつけ喧嘩を売ってくる不良たちを倒していくうちに、ヒメコは「鬼姫」の異名を付けられ恐れられるようになる。

鬼姫であることを隠して平穏に過ごすために、ヒメコは中学のある土地から離れた開盟学園に入学する。加納の裏切りにより人を信用できなくなっていたヒメコは、高校では友人を作らずに1人で過ごそうと決めていた。しかし、同じクラスの学級委員である高橋千秋(たかはしちあき)はそれを良しとせず、自分が最初の友達だと言い張り毎日のように話しかける。それに加えて、幼少期に見ていたアニメ「ポップマン」のグッズの帽子をきっかけに、ボッスンにも絡まれるようになった。執拗に話しかけてくる高橋とボッスンに、少しずつ気を許すようになってきていた頃、ヒメコは高橋がチンピラに絡まれている姿を目撃する。ヒメコは高橋が後日チンピラに呼び出されていることを知ったが、また裏切られてしまうことを恐れて放っておくことにした。しかしそんなヒメコを叱責し、「俺は友達は裏切らない」と断言するボッスンを見て考えを改め、高橋を助けに行く決意をする。
チンピラを倒したヒメコは、自分が鬼姫であることを高橋とボッスンに明かす。鬼姫が周りに怖がられる存在であることを話し、自分と関わらないように伝えるヒメコだったが、2人はそれを拒否した。喧嘩が強いが故に、たくさんの人間を傷付けてきた自分を嫌っているヒメコに、ボッスンは「その力を生かさないか」と提案する。「人助けをする部活を作るためにその強さが必要だ」という言葉に、居場所をもらえたと実感したヒメコは、その場でボッスンの肩を借りて涙を流した。

ボッスンと椿

ボッスンは、15歳の誕生日の前日に、自分が現在の母親・藤崎茜(ふじさきあかね)から生まれた子供ではないことを知る。それを知ったきっかけは、自宅に保管されていたビデオテープを見たことだった。そのビデオテープには茜と、茜の親友でありボッスンの本当の両親である桐島亮輔(きりしまりょうすけ)と桐島波瑠(きりしまはる)の姿が映っていた。
ボッスンが生まれる日、予定より早く陣痛が始まった波瑠は、茜の運転する車で病院に向かう。親友が出産する嬉しさに涙を流し視界がぼやけた茜は、居眠り運転をしていた車と事故を起こしてしまった。一方、2人が事故に遭う直前に連絡をもらっていた亮輔は、波瑠へのプレゼントを手に病院へと急ぐ。しかしその道中で、車道に飛び出した子供を救った亮輔は、代わりに車に轢かれてしまう。偶然にも、波瑠と亮輔は同じ日に事故に遭い亡くなってしまっていた。
茜からこの話を聞いたボッスンは、ショックを受けそのまま家を飛び出す。公園のベンチで一夜を明かしたボッスンは、父である亮輔が事故に遭ったという場所へと訪れた。そこで、亮輔が身を挺して守った当時5歳だった男性・三島泰介(みしまたいすけ)と出会う。三島は毎年亮輔の命日であるこの日に、亮輔から預かった波瑠へのプレゼントを持って、この場所に来ているのだった。よく似た外見から、一目見てボッスンが亮輔の息子だと分かった三島は、そのプレゼントをボッスンに渡す。プレゼントの中には事故当時の日時で止まった腕時計と、波瑠と生まれてくる子どもへ向けた手紙が入っていた。
自宅に戻ったボッスンは、茜に「自分と茜が家族であることは変わらない」という考えを伝える。そして亮輔からの手紙にあった「人助けをできる人間になってほしい」という願いを見て、高校に入学したら人助けをする部活を作ることを目標に掲げるのだった。

ボッスンの17歳の誕生日は、開盟学園の文化祭の日でもあった。前日までの準備で活躍し、当日に暇を持て余していたボッスンは、1人の男性に声をかけられる。その男性は、茜と事故を起こした車の運転手で、波瑠の出産を担当したつばき医院の椿(つばき)医師であった。「波瑠の命を奪ったのは自分だ」と謝罪する椿医師は、「もう1つ謝らなければならないことがある」と語る。それはボッスンには双子の弟がおり、その相手が椿佐介であるという衝撃の事実だった。
波瑠の出産時、椿医師は波瑠からお腹にいる子供は2人だと明かされる。波瑠は茜を驚かせるために、茜にはその事実を伝えていなかった。病院の待合室で亮輔の訃報を受けた茜は、波瑠の身に何かあった時は生まれて来た子供を自分が育てると決意する。それに気づいていた波瑠は、茜に負担をかけたくない一心から椿医師に生まれてくる子供の世話を頼んだ。「2人が協力して人を助けられる人になるように」との願いを込めて、子供の名前を「佑助」と「佐介」に決めていることを告げた波瑠は、そのまま息を引き取ってしまう。事故の責任を感じている上に、自身と妻の間に子供ができないことに悩んでいた椿医師は、佐介を引き取り、佑助を茜に託すのだった。
椿医師からの話を聞き終えたボッスンは、文化祭終了後に椿医師の息子であり、自分の弟であることが判明した椿と出会う。一足先にこの事実を父から聞いていた椿は、「それでも現在の両親が自分の家族であることに変わりはない」と言い切った。同じ考えであるボッスンは、お互いの関係も今のまま変わることはないことを確認する。2人は互いに誕生日を祝い、その後も変わらぬ関係性を続けるのだった。

スイッチの過去

1年生時の秋頃、ボッスンとヒメコは部活の申請に必要な部員3名以上という条件をクリアするため、スケット団に加入してくれる生徒を募集していた。正式な活動がスタートしていないスケット団だったが、ある日開明学園裏サイトについての依頼が舞い込む。開盟学園裏サイトとは、表では言えない生徒や教師の悪口などを投稿する学園専用のコミュニティサイトである。依頼内容は、このサイトの管理人を探しだし、サイトを閉鎖させてほしいということだった。ネットやパソコンの知識がないボッスンとヒメコは、別のクラスの1年生である笛吹和義がその手の知識が豊富だと知る。しかし笛吹は自宅に引きこもり、連絡が取れない状況であった。
笛吹が「スイッチ」と名乗り、ネット上でアバターを使って会話するコミュニティサイトにいることを知ったボッスンたちは、自分たちもアバターを作り笛吹との接触を試みた。無事にスイッチと名乗るアバターを発見し会話することに成功するが、ボッスンが開盟学園の生徒だと明かすとすぐに逃げられてしまう。何とか引き止め裏サイトの管理人の特定を依頼するが、特に進展のないまま笛吹はサイトをログアウトした。
後日ボッスンとヒメコは、裏サイトには「デスファイト」と称した、管理人に選ばれた生徒同士が殴り合いをする企画があることを知る。選ばれる生徒は、全員過去にいじめなどの悪事を働いた者ばかりで、デスファイトは正義の名のもとに行われていた。歪んだ正義を止めるために、より一層調査に力を入れ始めたボッスンは、ネット上で笛吹にもその内容を話す。裏サイトの話だけでなく、他愛のない雑談も行っていたある日、笛吹は「オレが弟を死なせた」と言い残してログアウトしてしまった。

笛吹には正文(まさふみ)という名の弟と、幼馴染みの山内沙羽(やまうちさわ)という同級生の女子がいた。ある日山内がストーカー被害に遭い、笛吹兄弟に相談する。その時頼りになったのは、頭が良くプログラムの天才でもあった弟の正文であった。そんな正文に嫉妬した笛吹は、山内の友人である平井雪乃(ひらいゆきの)に「正文と山内が付き合っている」という嘘を吐く。平井は、山内のことをストーカーしていたとされる男の元彼女で、山内に彼を奪われたと勘違いして恨んでいた。そして逆恨みした平井によって、正文が刺されて亡くなるという事件が起きる。それ以来笛吹は自分のせいで正文が死んだと思い、一言も喋らなくなり、学校にも行かなくなってしまった。
この事件を知ったボッスンは、笛吹に対して何もしてやれない自分に腹を立てる。ヒメコに諭され、冷静になったボッスンはまずは裏サイトについての調査を進めていくことにした。

デスファイトの現場への潜入に成功したボッスンは、裏サイトの管理人が同級生の奥山和樹(おくやまかずき)であることを突き止める。しかし奥山は元管理人であり、デスファイトを主催する現在の管理人は別人だということが明かされた。振出しに戻ってしまったと思われたが、ボッスンは笛吹との会話を思い出す。教えていないはずデスファイトの参加者のフルネームを知っていたことなど、会話の中の様々な違和感に気付いたボッスンは、笛吹が真犯人であるという答えに辿り着いた。

自身が犯人であることを認めた笛吹に、ボッスンは外に出ろと呼びかける。1人で塞ぎ込んでいるから思考が歪んでしまうと考えたボッスンは、ネット内だけでなく実際に笛吹の家に通い、毎日呼びかけるようになった。頑なに外の世界を拒み、部屋のドアを開けない笛吹に痺れを切らしたボッスンとヒメコは、笛吹の部屋の窓を叩き割って怒鳴り込むという暴挙に出る。乱暴ながらも自分のために一生懸命になってくれる2人に衝撃を受けた笛吹は、考えを改め自分から外の世界に踏み出すのだった。
再び学校に通い始めた笛吹は、正文が作った合成音声ソフトで話すようになる。そして弟の姿と名前をこの世から消したくないという気持ちから、自分のことは「スイッチ」と呼ぶように周りにお願いした。スイッチの加入により、無事に部員が3人揃ったスケット団は、その日から本格的に活動を始めるのであった。

ラストダンス

3年生になり、最後の文化祭を控えたボッスンたちは、緊急の全校集会に召集される。集会では、前理事長の息子である一丸龍成(いちまるりゅうせい)が新理事長に就任にしたことが報告された。一丸は現在の自由な校風を批判し、「学園改造計画」と称し、学力向上を最優先とする方針に一新すると宣言する。そして学業に関係ない文化祭を無駄だと判断し、中止すると言い出した。ボッスンは困惑する生徒を代表し、一丸と直接話をするために理事長室へ訪れる。そこで告げられた一丸の考えは、「個性を奪い、生徒が平等に育つ環境が理想」というものだった。あまりにも極端な思考にボッスンが疑問を投げかけると、一丸は自分の子供である中学3年生の一丸友貴(いちまるゆうき)を紹介し始める。友貴はとある自分の個性によりいじめを受け、学校に行かなくなり自分で喋ることもなくなっていた。それにより個性を重視する社会を疑問視した一丸は、個性を無くし平等な環境を作りをすることが最適解だと判断したことを告げる。自身の説得に一切応じない一丸に、ボッスンは文化祭で個性の大切さを証明すると宣言した。それを聞いた一丸は、文化祭で友貴を喋らせることができれば、自分の考えを改めるという条件を提示する。学園の命運をかけた文化祭の成功を、ボッスンはクラスメイトからの依頼として受け取り、スケット団最後の仕事と言って意気込んだ。

文化祭の出し物案の良い所を集めた結果、ボッスンのクラスでは学校全体を利用したウォークラリーを行うこととなる。演劇の要素を取り入れ、ストーリー仕立てにするこの企画を「劇場型ウォークラリー」と名付け、クラスメイトがそれぞれ特技を活かせるような役割分担を始めた。本格的に準備期間に入る中、友貴とメールでやりとりしていたスイッチは、本人から喋らなくなった原因はいじめではないことを告げられる。友貴が喋らなくなった原因が分からず、喋らせる方法に頭を悩ませていると、友貴は文化祭の準備を見学しに訪れるようになった。ボッスンは、準備の様子を見学している友貴に頻繁に話しかけ、原因を探ることにする。友貴の服がいつもオーバーサイズであること、ウォークラリーの仕様で参加者の胸元にシールを貼る案が出た後に文化祭を欠席すると言い出したことから、ボッスンは友貴が喋らない原因に辿り着いた。
友貴は身体は女性、心は男性の性同一性障害である。オーバーサイズの服は体型を隠すため、欠席すると言い出したのは胸元に触れることで女性だとバレることを恐れたためだとボッスンは推理した。文化祭終了後、ボッスンの推理を聞いた友貴は自らの声でそれを肯定した。喋らなかった理由も、声で女性だとバレないようにするためである。そして、生き生きとした開盟学園の生徒の姿を見てきた友貴は、一丸に向かって「今のままの開盟学園に入学したい」と申し出る。それを聞いた一丸は自身の負けを認め、学園改造計画は白紙に戻すことを約束するのだった。

『SKET DANCE』の登場人物・キャラクター

スケット団(学園生活支援部)

ボッスン/藤崎 佑助(ふじさき ゆうすけ)

TVアニメ声優:吉野裕行/ドラマCD版声優:同左

身長171cm、体重57kg。血液型はAB型。誕生日は11月11日。
スケット団の部長。お調子者だが気が弱く、ヘタレな面も目立つ。常に角が生えた帽子とゴーグルを付けている。ゴーグルを装着すると、視界が狭くなることで驚異的な集中力を発揮できる。ヒメコから「ボス」の間抜けにした「ボッスン」というあだ名を提案され、他の生徒からもボッスンと呼ばれるようになる。スケット団では集中力や推察する能力の高さを生かし、司令塔のような役割を果たしている。

15歳になる誕生日の前日に、自身の本当の両親は亡くなっていることを知る。父である桐島亮輔は人を助けて亡くなり、自分の子供にも人を助けられる人間になってほしいと願っていたことを知り、スケット団の結成を決意した。開盟学園に入学し、それぞれ辛い過去を抱えていたヒメコとスイッチの心を開き、3人でスケット団の結成に成功する。高校2年生時の文化祭で、当時生徒会の副会長であった椿佐介とは双子の兄弟であったことを知った。高校卒業目前に大学進学をやめ、世界中を旅して人助けをする決意をする。

ヒメコ/鬼塚 一愛(おにづか ひめ)

TVアニメ声優:白石涼子/ドラマCD版声優:同左

身長162cmで体重は不明。血液型はB型。誕生日は7月7日。
スケット団の副部長。喧嘩っ早くて気が強く、関西弁で鋭いツッコミをする。小学4年生~中学生の頃まではホッケーを習っていた。そのため、ホッケーのスティックを持ち歩いており、喧嘩をする際にはそれを武器に使用する。スケット団の結成時に、名前が一愛(ひめ)であることから、「ヒメコ」という呼び名になる。スケット団では、戦闘などの体力やフィジカルの強さが必要な仕事を担当する。

中学の頃は名の知れた不良で、「鬼姫」と呼ばれ恐れられていた。噂が1人歩きし、極悪人かのように思われることも多かったが、自分から相手を襲ったことはない。自分が鬼姫だということを隠して生きるために、出身中学から離れた開盟学園に入学する。入学当時は友人を作らないようにしていたが、同じクラスだったボッスンと高橋の努力によって心を開き、スケット団に加入した。高校卒業後は教師を目指し大学に進学する。

スイッチ/笛吹 和義(うすい かずよし)

yukichi09
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