SKET DANCE(スケットダンス)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『SKET DANCE(スケットダンス)』とは、篠原健太によって、『週刊少年ジャンプ』で2007年から2013年まで連載された学園コメディ漫画である。2011年にはテレビアニメが放映された。ギャグを中心に、シリアスな面や謎解き要素など、様々なストーリーを楽しめることが魅力的な作品となっている。
開盟学園で生徒の学園生活をサポートする活動を行う学園生活支援部、通称「スケット団」。ここに所属するボッスン、ヒメコ、スイッチの3人を中心に、学校での様々な事件やハプニングの様子が描かれていく。

アバターを作成し、仮想世界で他のプレイヤーとの会話やゲームを楽しむサイト。引きこもり時のスイッチが入り浸っていたサイトでもある。不登校のスイッチとコンタクトを取るため、ボッスンはロボットのアバターを作成していた。

開盟学園裏サイト

奥山和樹が作成し管理人を務めていたコミュニティサイト。基本的には開盟学園の生徒だけが閲覧することができ、現実では言えない悪口などを書き込むためのもの。管理人がスイッチに変わってからは、デスファイトと呼ばれる悪事を働いた生徒同士が殴り合をする企画があった。
ボッスンとヒメコにより管理人が暴かれた後に閉鎖された。

『SKET DANCE』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

藤崎佑助「夢を叶えられんのは本人だけだぜ」

ボッスンのベースの練習を手伝ってくれていた天才バイオリニストの杉崎。
そんな杉崎にボッスンが送った言葉が「夢を叶えられんのは本人だけだぜ」だ。
バイオリンのために音楽留学を考えている杉崎だったが、留学に行かないことを決断してしまう。

そんな中、カイメイ・ロック・フェスティバルにボッスンとヒメコとスイッチの3人で出場することになったスケット団。
杉崎の背中を押そうと考えたボッスンの選曲でこのセリフのような歌詞のある『the pillows』の『Funny Bunny』を演奏する。

スケット団の演奏を聴いて留学を決意する杉崎。

このシーンは本作でもトップクラスの名シーンである。

藤崎佑助「友達を助けたいと思うのに理由なんかいらねぇよ 助けると言ったんだから助ける!」

1年生時に高橋がチンピラに絡まれた場面で、ボッスンがヒメコに向かって放った言葉。ヒメコは高橋を助けに行く際に、ボッスンを巻き込まないようにするために、ボッスンには指定された場所とは違う場所を教えていた。それでもボッスンは、高い推理能力で場所を特定し助けに現れる。「何でそこまでして助けようと…」と困惑するヒメコに対し、ボッスンは「友達を助けたいと思うのに理由なんかいらねぇよ 助けると言ったんだから助ける!」と言い放った。その後に「俺は友達は裏切らねえ」と続けたことで、ヒメコがボッスンを信用するきっかけとなった言葉となっている。

中学時のトラウマで人を信用できなくなっていたヒメコに、ボッスンが全力で気持ちをぶつける姿が印象的なシーンである。ヒメコの過去を本人から聞いていたボッスンは、ヒメコが人を信用することを恐れていることに気付いており、以前から自分は裏切らないということを伝えていた。それでも信用しきれていなかったヒメコに対して「裏切らない」「助ける」という言葉を実行にするために、推理で場所を特定してまで駆け付けたのである。これをきっかけに、ヒメコはもう1度人と関わる勇気を持つことができ、ボッスンにとってもスケット団結成の大きな1歩となった。

鬼塚一愛「勇気出したなぁ よう来てくれた 長い間辛かったな アタシも強くならな」

ヒメコが中学の同級生だった加納にかけた言葉。スケット団の3人は、ヒメコの新しいホッケースティックを買いに行った帰りに、開盟学園近くの公園で加納に出会う。自分がヒメコの心を傷付けてしまった自覚があった加納は、いつかヒメコに謝りたいと思い、開盟学園の周辺に訪れていたのだった。そして加納は、中学時代のヒメコを傷付けて後悔していることと、当時の不良たちとは縁を切ったことを伝え、謝罪する。ヒメコはその謝罪を聞いて、「勇気出したなぁ よう来てくれた 長い間辛かったな アタシも強くならな」と返した。中学以来会っていなかった2人が、仲直りをする印象的なセリフとなっている。

加納が原因で他人を信用できなくなったヒメコは、高校入学後、ボッスンと高橋の協力で人を信用し、友人を作れるようになっていた。中学のトラウマを乗り越え、スケット団という自分の居場所を手に入れたからこそ、加納の謝罪を受け入れることができたシーンである。
加納は小学生の頃にいじめを受けた過去があり、その経験から不良を金で雇い、自分のボディガードにしていた。そしてヒメコは、加納とのトラブルがあった後、人と関わることを避け友人を作らないようにしていた。お互いに自分の過去と向き合う勇気が持てなかった故の行動である。それを分かっていたヒメコだからこその、加納の謝罪と過去を乗り越えたことに対する「勇気出したなぁ」という言葉選びとなっている。自分に向き合ってくれた加納の勇気を感じ取り、ヒメコが自分自身も気合を入れなければと意気込んだシーンでもあった。

桐島亮輔「いいかタイスケ 困ってる人に手を差しのべられるような 強い人間になれ いいな!」

桐島亮輔が車に轢かれ、死に際に放った言葉。亮輔は波瑠が出産する病院に向かう途中に、車に轢かれかけた三島泰介を助けて自身が轢かれてしまう。体が動かず、自身がもう死んでしまうことを悟った亮輔は、自分が救った相手である泰介に「いいかタイスケ 困ってる人に手を差しのべられるような 強い人間になれ いいな!」と伝えた。当時5歳だった泰介は状況が理解できず、混乱したまま走り去ったが、15年後にボッスンに遭った際もこの言葉ははっきりと覚えている。

死を覚悟した亮輔が最後の力を振り絞って話す印象的な言葉である。自身の子供に何も伝えられないまま死ぬことを悔いた亮輔が、目の前にいた泰介に自身の信念を託したシーンでもある。幼いながらもその意思をはっきりと受け取った泰介は、15年経ってもこの言葉に恥じない人間になりたいと思い生きていた。
本当の息子であるボッスンに直接伝えることはできなかったが、泰介を通して渡しされた手紙に同じようなメッセージが書かれており、ボッスンにもしっかりとその意思は受け継がれている。

藤崎佑助「理解者になること 乗り越える事は変わる事じゃなくていい その人が今いる位置を認めて愛しいと思えるように 背中を押す事」

人助けとは何かという問いに答えたボッスンの言葉。1年間自分の口で喋っていなかった友貴を喋らせることに成功したボッスンに、新理事長の一丸が「キミの人助けとはなんだ?」と問いかける。それに対してボッスンは迷うことなく、「理解者になること 乗り越える事は変わる事じゃなくていい その人が今いる位置を認めて愛しいと思えるように 背中を押す事」と返答した。

鬼姫と呼ばれ恐れられていた過去を持つヒメコと、弟が死んだことで心に傷を負い自分の口で喋らなくなったスイッチに手を差し伸べ、2人と共に過ごしてきたボッスンだからこその言葉である。ヒメコのように喧嘩が強いことも、スイッチのように喋らないことも悪いことではなく、その人の今の姿として認めるというボッスンの優しさや強さが感じ取れる印象的なシーン。一丸の問いへの返答であると同時に、ヒメコとスイッチ、その他の個性的な仲間達へ向けたボッスン自身の信念を伝えるメッセージにもなっている。特にスイッチにはこの言葉が響き、自分の口で喋る決意をする後押しになった。

笛吹和義「キミ達を 誇りに思う」

スイッチが初めて自分の口でボッスンとヒメコに放った言葉。文化祭が終わりスケット団としての最後の仕事を終えた後、スケット団の3人のみが残っている教室で、スイッチは常に起動しているパソコンを閉じた。それに気づいたボッスンとヒメコに、初めて聞かせたスイッチの声が紡いだ言葉が「キミ達を 誇りに思う」である。弟の正文が亡くなってから、1度も自分の口で喋ったことのなかったスイッチが話す姿が印象的なシーンとなっている。

文化祭の準備が始まる直前、理由は違えど自分のように声を発さない友貴に出会ったスイッチは、積極的にメールのやりとりをしていた。文化祭を楽しみ、最終的には喋る姿を見せてくれた友貴や、友貴の心を開いたボッスンを見て、自身も喋ることを決心した。セリフは短いが、スイッチがヒメコとボッスンに伝えたい思いが詰まった一言となっている。

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