彼方のアストラの回収済み・未回収の伏線・謎まとめ

『彼方のアストラ』とは、日本の漫画家・篠原健太によるSFミステリー漫画。集英社のウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』で2016年5月から2017年12月にかけて連載していた。2019年にTVアニメ化している。単行本は全5巻。
主人公のカナタ・ホシジマ達は9人は宇宙船に閉じ込められてしまう。その中に自分達の命を狙う刺客がいることが判明し、犯人を見つけ、無事に故郷へ帰るために奮闘する。作中では多くの謎が散りばめられており、最終回までにその謎や伏線が鮮やかに回収されていると読者の評価が高い。

『彼方のアストラ』の概要

『彼方のアストラ』とは、宇宙を舞台に繰り広げられるSFミステリー漫画である。作者は『SKET DANCE』や『ウィッチウォッチ』で有名な日本の漫画家・篠原健太である。集英社のウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』にて2016年5月9日に連載を開始。2017年12月30日に完結した。単行本は全5巻。連載終了から2年を経た2019年にTVアニメ化している。閉鎖的な空間で何かが起こる「クローズド・サークル」というミステリー的な要素があり、主人公達は外部と連絡が取れない宇宙船という閉鎖的な環境の中、自分達の命を狙う刺客が誰かを探っていく。ジュール・ヴェルヌの冒険小説『十五少年漂流記』や日本の漫画家・萩尾望都のSF漫画『11人いる!』などの影響を強く受けており、特に『11人いる!』についてはオマージュしたセリフが『彼方のアストラ』にも登場している。作中には多くの謎や伏線が散りばめられており、その数々の謎や伏線は最終回までに見事に回収された。

主人公カナタ・ホシジマ達、ケアード高校の生徒達は9人1班で惑星キャンプに出かけた。そこで謎の球体に吸い込まれて、見知らぬ宇宙に飛ばされてしまう。そこでたまたま漂流していた宇宙船・アストラ号に逃げ込んだ。通信機が故障しており外部とは連絡が取れないという状況の中、カナタ達は力を合わせてアストラ号で故郷の惑星に帰るために奮闘する。しかし冒険の途中、誰かが意図的に通信機を壊したことが判明し、自分達は殺されるために今回同じ班になったことが明らかになった。カナタ達は自分達の命を狙う刺客が誰かを探りながら、故郷への旅を続けるのだった。

伏線・謎について

『彼方のアストラ』は、ミステリー漫画であるため、作中には非常にたくさんの謎や伏線が散りばめられている。連載途中にはそれらの謎に対して矛盾しているなどの批判もあったが、最終回までにほぼ全ての伏線が見事鮮やかに回収されているという高い評価を得た。その証拠に連載中は、2017年に行われた「第3回次にくるマンガ大賞」のWeb部門で5位を受賞した程度であるが、TVアニメ化の発表があった2019年には「このマンガがすごい!2019 オトコ編」で第3位を、「マンガ大賞2019」で大賞を受賞するなど、社会的な評価も目に見えて上がっている。

『彼方のアストラ』の回収済みの伏線・謎

突出した能力や技能を持つアストラ号のメンバー達

アストラ号のメンバーは、全員が何らかの特殊能力や技能を持っていた。例えば主人公のカナタ・ホシジマは、ずば抜けた身体能力を持っている。ザック・ウォーカーはIQ200の天才児で機械を作ったり、宇宙船を操縦する技術を持っていた。カナタの父親は元陸上選手で、ザックの父親は天才科学者である。そう考えると子供達に才能が遺伝しているのではと考えられ、ケアード高校はそういった優秀な生徒が集められているとも考えられる。しかしこれはカナタ達が親のクローンであるという事実への伏線だった。集まった9人が全員がたまたま突出した能力や技能を持っていたという漫画的ご都合主義な展開というわけではなく、この才能を持った9人が集まったのは全てストーリー上緻密に練られた設定だったのである。

アリエスの映像記憶能力

アストラ号のメンバーの1人であるアリエス・スプリングは、映像記憶能力という特殊な能力を持っていることが第1話で明らかになる。この映像記憶能力というのは、一度見た光景を映像として記憶して忘れないというもの。この能力は作中で度々登場する。そしてこの能力がクライマックスで、アストラ号メンバーの中にいる刺客がシャルスであることを裏付けた。

シャルスとアリエスの関係

シャルスはヴィクシア王政地区の国王ノア・ヴィクスのクローン、アリエスはノアの娘であるセイラのクローンである。

笑い方がそっくりな2人

シャルスとアリエスが並んで大笑いをしている場面で、2人の笑い方はとてもそっくりに描かれている。このことから2人には何か特別な関係があるのではないかと言われていた。

シャルスのアリエスに対する態度

アストラ号のメンバーの1人であるシャルス・ラクロワは、アリエス・スプリングをとても気にかけていた。初対面の時に「どこかで見たことがある」とナンパ男のような言葉を口にしていたため、ただ単にアリエスがカワイクて気に入ったからだと思われた。しかし実際はアリエスが自身が仕えるヴィクシア国王の娘のクローンだと気づいたからであり、このことはシャルスが刺客であるという事実に繋がる重要な伏線でもあった。

銃の扱いに長けていたウルガー

アストラ号のメンバーの1人であるウルガー・ツヴァイクは、高校生ながら銃の扱いに長けていた。これは兄フィンの仇と思われる上院議員マルコ・エスポジトを殺すために銃の腕を磨いてきたことが明らかになった。ウルガーは最後までアストラ号のメンバーと打ち解けず、怪しい雰囲気も持っていたため、銃の扱いに長けていたのは皆の命を狙う刺客がウルガーであるいうミスリードを誘うためのものだったとも考えられている。

カナタ達の故郷は地球ではなく惑星アストラ

作中に登場しない「地球」というワード

第1話の冒頭で、物語の時間軸は「西暦2063年」と紹介された。年代を「西暦」と表記することで読者達はこの惑星が「地球」であるとすっかり誤認させられてしまったのである。その後も作中では「地球」という単語は一切登場せず、長年コールドスリープで眠っていたポリーナ・リヴィンスカヤが仲間に加わってから、カナタ達の目指していた惑星の名前がアストラという名前で、主人公達は「地球」の存在も知らなかったという衝撃の展開に繋がった。

格言「ペル・アスペラ・アド・アストラ」に隠された意味

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