色づく世界の明日から(第5話『ささやかなレシピ』)のあらすじと感想・考察まとめ

琥珀が参加して発足した「魔法写真美術部」の懇親会が行われることになった。その準備に追われていたある日、瞳美はまほう屋の店番を頼まれたことをきっかけに、積極的に魔法の練習をするようになる。瞳美が初めて作った星砂は、葵のために作った物だった。一方、あさぎが将へ抱く恋心にも変化が起きる。
今回は「色づく世界の明日から」第5話『ささやかなレシピ』の内容(あらすじ・ストーリー)と感想・考察を紹介。

「色づく世界の明日から」第5話『ささやかなレシピ』のあらすじ・ストーリー

琥珀の恋占い

魔法写真美術部の認可が下りたことを報告する琥珀。

写真美術部には琥珀が新たに参加し、部の名称も「魔法写真美術部」に変わった。琥珀が魔法部、葵が美術部、他の部員は写真部として活動する部活だ。
魔法写真美術部の認可が下りた日、琥珀は部室でそのことを改めて報告した。その後「ひとつ提案!新たな出発を祝して、みんなで懇親会やろうよ!」と琥珀は提案し、千草が真っ先に右手を上げながら「はいはい!やりたいやりたい!」と言って賛成した。
胡桃「ちょっと待って!予算は?」
琥珀「料理とかは持ち寄りで良いじゃん!場所はうち使って良いし!」
あさぎ「楽しそうですね!」
胡桃「予算がいらないのなら大賛成!」
琥珀「うちの都合聞いて、日程とかそのへんグループで連絡するね。」
みんなが賛成したため、魔法写真美術部の懇親会が開かれることになった。
話が纏まると、将は立ち上がり「じゃ、部活始めるぞ。今日から新人に、暗室で薬品の使い方教えるから。」と部活開始の声掛けをした。琥珀は「あ、じゃあ魔法部は出張占い行ってきまーす。」と発言し、みんなは「何それ!?」と琥珀の言葉に食いついた。

外側から見た魔法部の出張占いが行われている天幕。

天幕の中で行われている占いの様子。

琥珀の出張占いとは、屋上に張った天幕の中で水晶玉を使った占いをすることだ。琥珀のよく当たる占いは人気になって毎日生徒が列を作り、相談内容はほとんどが恋愛に関する占いだった。
出張占いに興味を持ったあさぎと胡桃も列に並び、順番がくると2人一緒に天幕の中に入った。
あさぎ「あ、お邪魔します…。」
胡桃「どんな感じか見に来たんだー!外もいっぱい並んでるよ!すごいじゃん!」
琥珀「まあねー。」
胡桃「せっかくだから、あたしたちも恋愛占いやってもらおうと思ってねー。ね、あさぎ。」
あさぎ「あ、私は別に…。」
あさぎは恥ずかしそうに俯く。しかしいざ占いが始まってみると、あさぎはどんな結果が出るのか真剣な表情をして琥珀の言葉を待っている。案外ノリノリな様子だ。
琥珀は両手を水晶玉の上にかざすと、「照らせ光…、球よ語れ…、はっ!」と唱えた。すると水晶玉がピンク色に光り、少しすると水色の光に変化した。琥珀は突然「うっ…。」と言葉を絞り出し、言葉を待っている胡桃とあさぎの方を見て、言葉に迷っている様子を見せた。やがて琥珀は苦し紛れに、「うさぎと両想い間違いなし!」とあさぎの占い結果を伝えた。
胡桃「今ごまかしたよね?あさぎの恋愛運、そんなに良くないの?」
琥珀「え、えーと…、正直に言って良い?」
あさぎ「ど、どうぞ…。」
琥珀「今のままだと、恋愛運は最悪。ライバルが現れて、彼の気持ちは遠のいていきます、だって。」
次の瞬間、あさぎの両目が大きく見開かれ、顔から表情が消えた。
琥珀「まあ、あんまり気にしないでね!」
胡桃「次!あたしの番ね!彼氏できるかどうか、占って!」
琥珀「あー、無理っぽいな。」
胡桃「いいからちゃんと占ってよ!」
冗談を交わす琥珀と胡桃の横で、あさぎは暗い表情を浮かべていた。

パソコンを覗き込む将と会話を交わすあさぎ。

後日、将はあさぎの家でもある写真館でアルバイトをしていた。あさぎが父親のパソコンを借りて写真の調整をしていると、将がパソコンの画面を覗きこんできた。
将「お?良い写真じゃん。」
あさぎ「そうですか?」
将「相変わらずうさぎ祭りだな。」
あさぎ「だって好きだから…。」
将「お前、せっかく写真上手いんだから、もっと見てもらえばいいのに。」
あさぎ「そんなの恥ずかしい…。」
将「お店のギャラリーに飾るとか、ポストカードにしてみるとかさ。やってみないと分かんないじゃん?」
パソコンを覗き込みながら会話をしているため、屈み込んでいる将とあさぎの距離はとても近く、あさぎは頬を赤く染めた。

出かける琥珀と瑠璃は、瞳美に店番を任せた。

その頃、まほう屋では急遽、琥珀が瞳美に店番をお願いできないか、とお願いしていた。琥珀と瑠璃が2人で出かけることになったからだ。
「でも私、店番とかしたことないし…。」と自信がない口調で言って瞳美は断ろうとした。そこへ出かける支度を終えた瑠璃が来て、「瞳美ちゃん、やっぱり私は出かけるの止めようか?」と声をかけた。瞳美はいつもお世話になっている瑠璃に気を使わせてしまったことに気づき、「いえ、そんな…。少しくらいなら。」と返事をして、瞳美が店番を引き受けることになった。
琥珀「ありがとう、ひとみんー!」
瑠璃「ごめんね、夕方までには戻るから。」
琥珀と瑠璃は出かけ、瞳美はまほう屋で初めての店番としての仕事に取り掛かった。
停留所に着いて電車を待つ琥珀と瑠璃は、瞳美に留守番を任せてしまったことについて話していた。
瑠璃「心配だなー…。捨てられた子犬みたいな目してたわよ?」
琥珀「大丈夫だって!いざとなったら、おばあちゃんも助けてくれるし!」
瑠璃「んー…、そうよね!」
そこへ目的地に向かう電車が到着し、琥珀と瑠璃は乗車した。

店番の仕事を頑張ってこなす瞳美。

琥珀が魔法の書物を探しに行った魔法古書店。

一方、瞳美は何とかして店番をこなしていた。
客「いつものやつ、下さいな。」
瞳美「いつもの…?」
客「そう。赤い星砂。」
色が見えない瞳美は、棚に並べられている容器の中でどの星砂が赤色なのかが分からない。
客「懐かしい夢が見られるやつね。」
客の一言で、懐かしい夢を見る星砂を作っていた瑠璃がロット17という番号を言っていたことを思い出した瞳美は、その番号が振られている容器の星砂を取り出し、無事に販売することが出来た。
瞳美がホッとしていると、柚葉が「大丈夫だった?」と声をかけてきた。
瞳美「はい…、何とか。」
柚葉「分からない時は、カタログを見て良いのよ。」
瞳美「そうします。おばあ…あ、琥珀、どこに行ったんですか?」
柚葉「魔法の古い書物を探しに行ったの。そういう本を貸し出してくれるお店があるのよ。琥珀はあなたが来てから、今まで以上に熱心に魔法の勉強しているみたい。いつか自分の魔法が必要になる、そんな予感がするんだって。」
瞳美「琥珀が…。」
それを聞いた瞳美は、「私も留守番、頑張ろう!」と張り切って言った。瞳美が店の外の掃除をしていると、葵がまほう屋の敷地に入ってくるのが見えた。瞳美は葵は同時に目が合い、お互い相手の存在に驚いた。

瞳美はカタログを片手に持ちながら、葵に商品の説明をした。

葵は星砂を買うためにまほう屋に来店していたため、瞳美はカタログを片手に持ちながら、葵に商品の説明をした。
葵「こんなにあるんだ、星砂って。」
瞳美「他にも目的や用途に合わせて、ここにない星砂もオーダー出来ます。」
葵「何か薬局みたいだな。」
瞳美「星砂は、日常を彩るサプリみたいな物だって琥珀が言ってました。」
葵「へぇ~。今度、個展を開く知り合いに、お祝いのおすすめとか…ある?」
瞳美「あぁ、それなら…、森の香りが包む星砂、とかは?」
葵「良いね。じゃあ、それお願い。」
瞳美「お包みしますね!」
瞳美が星砂を小さな容器に入れながら、「新しい絵、どうですか?」と何気なく葵に話しかけた。
葵「あー…、最近思ったような物が描けなくて…。絵に効く星砂とか、あれば良いのに。」
瞳美は星砂がまとめられている棚の方を見て、「ちょっと待ってください!こっち…、いやこっちの方が…、でも、これよりも…。」と葵の希望に沿うような星砂がないか一生懸命探し始めた。そんな瞳美に葵は「ごめん、良いよ。言ってみただけだから。」と慌てて声をかけた。それでも瞳美は、葵の希望に合うような星砂を見つけられなかったことで気を落としてしまい、「ごめんなさい…。後で、きちんと調べておきます。」と返事をした。

失敗しても大丈夫

葵の希望に合うような魔法がないかと瞳美は琥珀に相談する。

その日の夜、瞳美は琥珀に葵とのやり取りを話し、「何かある?良い魔法。」と聞いた。
琥珀「おぉー?何だか珍しく、魔法に対して前向きじゃない?」
瞳美「だって…、色のある絵を見られるかどうかは、私にとっても大切な問題だから…。」
琥珀「そんだけー?」
瞳美「ん?それに、琥珀も魔法の勉強頑張ってるって聞いたから。」
琥珀「うんうん、そっか!じゃあ、自分で星砂作ってみなさい。」
瞳美「えっ!?」
琥珀「瞳美って、星砂に魔法を込めるの、初めてだっけ?練習してコツさえ掴めば出来ると思う。」
瞳美が「そんなの無…。」と言いかけると、「否定文禁止!」と琥珀が瞳美の言葉を遮った。
琥珀「これは、瞳美にとっても大切な問題なんでしょ?」
瞳美は琥珀の言葉を聞いて、「やってみる…。」と答えた。その時、琥珀が突然瞳美を抱きしめて、まるで子どもにするように瞳美に頭を撫でた。
琥珀「えらーい!さすが我が孫!良いよ良いよ!何でも挑戦!失敗しても良いんだから!いい子いい子!よしよしよしよし!」
瞳美は琥珀の様子にただ驚いていた。

瞳美は将に自動販売機での現金の使い方を教えてもらう。

次の日の昼休み、琥珀は「何でも挑戦」という言葉を自分に言い聞かせながら、初めて自動販売機で現金を使い商品を買ってみることにした。しかし、瞳美はどこにお札を入れるのかが分からず、困ってしまう。そこへ偶々将と葵が通りかかり、瞳美に声をかけた。
将「何やってんの?瞳美。」
瞳美「あ、あの…、使い方…。」
将「あぁ、分かんない?いいよ、教えてやるから。」
将に自動販売機の使い方を教えてもらい、瞳美は無事にジュースを買うことが出来たため、瞳美は「ありがとうございました。」と将にお礼を言って立ち去った。瞳美の後姿を見ながら、将は「初めて買えたんだって。」と葵に話しかけ、葵は「へえ、良かったね。」と答えた。その後、将は独り言のように「面白いよな、あの子。」と呟いた。葵は何とも言えない複雑な表情を浮かべて、将の独り言を聞いていた。

瞳美が将に見せた魔法。

その日の部活では、将が瞳美に暗室での道具の使い方を教えていた。部活が終わった時、瞳美は「あの、もう少しこの部屋、借りても良いですか?」と将に尋ねた。
将「何で?」
瞳美「魔法の練習がしたいんです。暗い部屋で試したくて。」
将「すげー!俺も見ていい?」
瞳美「え?少しだけなら…。」
瞳美は暗くなった部屋の中でペンをスティックの代わりに持ち、「よほちひに、光よ輝け、星の如く。」と唱えた。すると、瞳美の頭上にいくつもの星が浮かび上がり、様々な色の閃光と共に次第に広がっていく。ある程度の範囲に星が広がると魔法が解け、星がハラハラと落ちてきた。
瞳美「本当は、プラネタリウムみたいになるはずなんです。」
将「まだ練習が必要そうだな。」
瞳美「はい…。」
将「けど、そんなに魔法に積極的だったっけ?」
瞳美は自分の魔法をもう1度見たいと言ってくれた時の葵の表情を思い出しながら、「私の魔法が、誰かに喜んでもらえるなら、やってみようかなって。」と言った。その時の瞳美の表情には、柔らかい笑顔が浮かんでいた。将も瞳美の表情を見て微笑みを浮かべながら、「へえー、その気持ち分かる。誰かが俺の写真見て喜んでくれたら、やる気になる。」と返事をした。
その後、将は「練習、頑張れよ。」と言って暗室を出て行き、瞳美は持ってきた材料で星砂作りを始めた。しかし、琥珀に教わったレシピ通りにしているにも関わらず、瞳美が何回試しても星砂作りは失敗してしまう。それでも瞳美は諦めずに、星砂作りを続けた。その日の夜遅く、瞳美は無事に星砂を作ることに成功した。

前向きな気持ち

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